名古屋へ行く。
こんな寒さのなか、ミニスカやショートパンツで太ももを放り出した女性が闊歩している。
見ている方が寒々とするのだが、そこはやはり、見せる方の努力に報いるためしっかり拝見する。
私の視線を受け止めたのか、すれ違う時、「どう?」と少し肩をそびやかせて口の端に笑みも浮かぶ。
と思うのは私の勝手で、内心は「このスケベオヤジが!」と思っているのかもしれない。
親しい方に頂いたチケットでクリムト展を観る。
クリムトの絵は明快でわかりやすい。ただし、描かれた対象が秘める謎は決してわかりやすいとはいえない。
大学の天井を飾る絵に、ことごとくクレームが付いたのは面白い。
当時の大学の合理主義的自意識が、その枠を越えたクリムトの領域を受け止め得なかったのだろうと思う。
せっかくチケットを頂いたのに、こんなことをいうのは申し訳ないが、周辺の情報が多い割に肝心のクリムトの彩色のタブローが少なかったことはいささか残念だった。
「接吻」などが来ていないことは知っていたが、ほかにもう少し来ているだろうと一方的に期待していたのが外れた形だ。しかし数少ない色彩のものはどれも見事だった。
彼の絵に出てくる女性を見ると、私は日本の女優の高畑淳子さんに似ていると思ってしまうのだがどうだろうか。
ここはレプリカの部屋で撮影OK
クリムトの絵を見ながら、ふと、作曲家マーラーの夫人のアルマ・マーラーのことを思い出していたのはゴシップ好きが過ぎるかもしれない。クリムトは四大芸術家の未亡人といわれたアルマのお相手のうちのひとりだったはずだ。ほかには建築家と文学者。アルマに創作活動を禁じたマーラーへの報いというべきであろうか。
その後、映画を観る。
『東ベルリンから来た女』で、ベルリンの壁崩壊前に、東独の僻地へ飛ばされた女医の話である。
この邦題は誤解を招きかねない。原題は主人公の名前『バルバラ』である。
最後の決断を含めていい映画だと思う。
昨年のキネ旬一位をとった邦画『かぞくのくに』での、北の監視員のセリフ、「だけど私たちはその国で生活しているのです」を思い出した。
通りかかった公園 頭上でパッチン、パッチンと音がした原因がこれ
今池へ行く。
ローマ字で書くと私と全く同じ表記になる若い友人に、新しい今池を案内してもらう。
うまい日本酒を飲ませる店が増えているとかで、冷酒が好きな私には朗報だ。
まず一軒目は、昨年開店したばかりのうどん専門店「太門」。
目の前で注文があってからうどんを打つ店だが、うどんにたどり着くまでが楽しい。
私は、三種類の日本酒が選べる「飲み比べセット」を頼んだ。
最近の日本酒は確かに美味くなったが、一方、没個性的になったのではという危惧もあるが、こうして違う酒を代わる代わる飲んでみるとそれぞれの個性が引き立つ。
「天領」は若い頃、飛騨地方へアマゴやイワナを追っかけていった際、よく飲んだ酒でとても懐かしい。
三色飲み比べセット こういうのって楽しいんだなぁ
牛すじのどて煮や三河地鶏の天ぷらなどをつまんでいる間にグラスが空になり、〆のうどんを頼む。
味がわかりやすいカケにする。
目の前で打ったうどんが、出てくる。
コシがあるのはもちろん、のどごしもとてもいい。
欲をいうと、酒の後だともう少し出汁が薄口でもいいような気がする。
もちろん、辛すぎるとか濃すぎるわけではない。
〆だと言いながらそこで終わらないのが酒飲み、もう一軒ということで地下鉄ひと駅分を歩く。
ここはまた今年開店したばかりの店で、開店からさほど経っていない店の独特の匂いがまだ残っている。「米家」と書いて「まい・ほーむ」と読ませるのだそうだ。
ここも日本酒にこだわる店で、けっこうレアものを集めている。
ここでは最初にややコクの有る「純米大吟醸 るみ子の酒 斗瓶取り」を飲む。
そして、本当の〆で「秋鹿 超辛口 槽搾直汲」を飲んだ。
これは、大阪の酒だが、隣の奈良の「春鹿」同様辛口で日本酒度が+13というから相当なものだ。
事実、これを口に含むとキリッとして、これまでのものが甘く感じられるほどである。
法制化されたとかいう自転車専用青色ゾーン
ここでお開き、中央線、東海道線を経由して帰る。
ところでこの日、はじめて規制地帯になったところで自転車専用の青いゾーンを走った。
自転車専用レーンといっても、それ用に作ったのではなく、ただ片側一車線の車道の一部を一メートルほど青く塗っただけでそこを走れというわけだから怖い。
とくに夜間は、自分の自転車のテールランプがちゃんと光っているだろうかと気にかかる。
とりわけ大型トラックやバスなどが怖い。その風圧で走行が乱れたり引きこまれそうになったりもする。
何事も経験と走ってみたが、これからはできるだけ避けるか違反覚悟で歩道を走ろう。
ここのところ多忙な割に地味な予定が続くなかの一日、いろいろな意味で息抜きができた。
クリムト展のチケットをくれたIさんありがとう。
与太話に付き合ってくれた同姓同名の人、ありがとう。
こんな寒さのなか、ミニスカやショートパンツで太ももを放り出した女性が闊歩している。
見ている方が寒々とするのだが、そこはやはり、見せる方の努力に報いるためしっかり拝見する。
私の視線を受け止めたのか、すれ違う時、「どう?」と少し肩をそびやかせて口の端に笑みも浮かぶ。
と思うのは私の勝手で、内心は「このスケベオヤジが!」と思っているのかもしれない。
親しい方に頂いたチケットでクリムト展を観る。
クリムトの絵は明快でわかりやすい。ただし、描かれた対象が秘める謎は決してわかりやすいとはいえない。
大学の天井を飾る絵に、ことごとくクレームが付いたのは面白い。
当時の大学の合理主義的自意識が、その枠を越えたクリムトの領域を受け止め得なかったのだろうと思う。
せっかくチケットを頂いたのに、こんなことをいうのは申し訳ないが、周辺の情報が多い割に肝心のクリムトの彩色のタブローが少なかったことはいささか残念だった。
「接吻」などが来ていないことは知っていたが、ほかにもう少し来ているだろうと一方的に期待していたのが外れた形だ。しかし数少ない色彩のものはどれも見事だった。
彼の絵に出てくる女性を見ると、私は日本の女優の高畑淳子さんに似ていると思ってしまうのだがどうだろうか。
ここはレプリカの部屋で撮影OK
クリムトの絵を見ながら、ふと、作曲家マーラーの夫人のアルマ・マーラーのことを思い出していたのはゴシップ好きが過ぎるかもしれない。クリムトは四大芸術家の未亡人といわれたアルマのお相手のうちのひとりだったはずだ。ほかには建築家と文学者。アルマに創作活動を禁じたマーラーへの報いというべきであろうか。
その後、映画を観る。
『東ベルリンから来た女』で、ベルリンの壁崩壊前に、東独の僻地へ飛ばされた女医の話である。
この邦題は誤解を招きかねない。原題は主人公の名前『バルバラ』である。
最後の決断を含めていい映画だと思う。
昨年のキネ旬一位をとった邦画『かぞくのくに』での、北の監視員のセリフ、「だけど私たちはその国で生活しているのです」を思い出した。
通りかかった公園 頭上でパッチン、パッチンと音がした原因がこれ
今池へ行く。
ローマ字で書くと私と全く同じ表記になる若い友人に、新しい今池を案内してもらう。
うまい日本酒を飲ませる店が増えているとかで、冷酒が好きな私には朗報だ。
まず一軒目は、昨年開店したばかりのうどん専門店「太門」。
目の前で注文があってからうどんを打つ店だが、うどんにたどり着くまでが楽しい。
私は、三種類の日本酒が選べる「飲み比べセット」を頼んだ。
最近の日本酒は確かに美味くなったが、一方、没個性的になったのではという危惧もあるが、こうして違う酒を代わる代わる飲んでみるとそれぞれの個性が引き立つ。
「天領」は若い頃、飛騨地方へアマゴやイワナを追っかけていった際、よく飲んだ酒でとても懐かしい。
三色飲み比べセット こういうのって楽しいんだなぁ
牛すじのどて煮や三河地鶏の天ぷらなどをつまんでいる間にグラスが空になり、〆のうどんを頼む。
味がわかりやすいカケにする。
目の前で打ったうどんが、出てくる。
コシがあるのはもちろん、のどごしもとてもいい。
欲をいうと、酒の後だともう少し出汁が薄口でもいいような気がする。
もちろん、辛すぎるとか濃すぎるわけではない。
〆だと言いながらそこで終わらないのが酒飲み、もう一軒ということで地下鉄ひと駅分を歩く。
ここはまた今年開店したばかりの店で、開店からさほど経っていない店の独特の匂いがまだ残っている。「米家」と書いて「まい・ほーむ」と読ませるのだそうだ。
ここも日本酒にこだわる店で、けっこうレアものを集めている。
ここでは最初にややコクの有る「純米大吟醸 るみ子の酒 斗瓶取り」を飲む。
そして、本当の〆で「秋鹿 超辛口 槽搾直汲」を飲んだ。
これは、大阪の酒だが、隣の奈良の「春鹿」同様辛口で日本酒度が+13というから相当なものだ。
事実、これを口に含むとキリッとして、これまでのものが甘く感じられるほどである。
法制化されたとかいう自転車専用青色ゾーン
ここでお開き、中央線、東海道線を経由して帰る。
ところでこの日、はじめて規制地帯になったところで自転車専用の青いゾーンを走った。
自転車専用レーンといっても、それ用に作ったのではなく、ただ片側一車線の車道の一部を一メートルほど青く塗っただけでそこを走れというわけだから怖い。
とくに夜間は、自分の自転車のテールランプがちゃんと光っているだろうかと気にかかる。
とりわけ大型トラックやバスなどが怖い。その風圧で走行が乱れたり引きこまれそうになったりもする。
何事も経験と走ってみたが、これからはできるだけ避けるか違反覚悟で歩道を走ろう。
ここのところ多忙な割に地味な予定が続くなかの一日、いろいろな意味で息抜きができた。
クリムト展のチケットをくれたIさんありがとう。
与太話に付き合ってくれた同姓同名の人、ありがとう。