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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

「7日間ブックカバーチャレンジ」 第一夜・第二夜

2020-05-06 23:48:20 | 書評
            
 参加しているFaceBook で、この自粛ムードの慰めであろうか「7日間ブックカバーチャレンジ」というのがあって、知人がこれに参加しているのを横目で見ていたら、大阪の友人から私にとお誘いがあった。しばらく逡巡したが、自分の読書歴や、影響を受けた書を思い起こしてみるのも悪くはないかと参加することにした。
 
 提唱者のコンセプトとは違うかもしれないが、そんなことは知ったことではない。
 第一夜目はこれだ。パール・バックの『大地』三分冊(文庫本などでは四分冊)。
 共和出社版で1951年に第一分冊、第二分冊、翌52年に第三分冊(この奥付が、一九五二年十九月という大誤植!)。訳者は新居 格。
 
 1951年といえば私は13歳、ただし、読んだのは高校時代だからそれから3年ほど後。初めての大河小説。内容はすっ飛んでいるが、読了した折の達成感は今も覚えている。
 
 写真は、その折読んだまさにその本をスキャンしたもの。これを読んで以来、数度の引っ越しを経験したにもかかわらず、七〇年後の今日、これが手元にあるとうことは、やはりそのインパクトが強かったということだろうか。
 ちなみに、各巻、定価は180円。
 
            
「7日間ブックカバーチャレンジ」第二夜は夏目漱石の『こころ』。高校生の頃、訳もわからず読んで以来、読書会などの都度、これまで数回は読んできた。
 この小説の構造について、論文まがいのものも書いたことがある。そのうえ、創作落語まで作ってしまった。A4で10枚近い大作だが、そのオチの部分は以下。
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六:あ、それからもひとつ、小説には書いてねぇんでわからねぇのは、その先生ってどうやって死んだんです?
大家:ああそれかい、それは入水(じゅすい)だな。
六:へぇ、先生って奥さんがいたのに自炊してたんですかい。家庭内離婚かな?
大家:違うよ。私のいってるのは入水、つまり入水自殺だな。
六:嫌だなぁもう、中途半端なインテリってぇのは何でも漢字でしゃべくるからこんぐらかるんでさぁ。ちゃんとひらがなでしゃべってくださいよ。
大家:中途半端は余計だよ。
六:で、どうして水に飛び込んだってぇことがわかるんで?
大家:それはな、別の小説にちゃんと漱石が書いているな。
六:へぇ〜、そいつぁいってぇどんな小説なんで?
大家:『ぼっちゃん』
六:・・・・・・・・。
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 なお、この写真は岩波の初版本のもの。私の持ってるのは文庫本。
 
 
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