先般、「神出鬼没のアングラー」から、その日のトレトレの鮮魚を頂いたことは書いたが、それをどのように食したかが途中で途切れていた。それをまとめておこう。
まず鯛の半身は刺身でいただいた。残りの半身は塩コショウのみであっさりソティにしたのだが、これが身の白さ同様スッキリとした味わいの中にほんのり甘みが感じられてとても美味しかった。
写真を撮るのを忘れたことに気づいたのは、箸をつけてグシャグシャにしてしまってから。
鯖は、半身は当日、塩じめだけにして冷凍しアニキサス対策で翌日まで冷凍し、今度は酢〆にした。身が白茶けるまで〆ないで赤さが残るようにした。これが美味しいのだ。
今池で時々訪れた寿司屋の亭主が、私の顔を見ると「今日は赤いですよ」と言ったのを思い出した。というのは〆過ぎを嫌う私の好みを知っていて、そんな風に声をかけたのだ。もちろんそんなときにはそれを頂戴したものだ。
惜しむらくはその彼、何年か前、ほとんど急逝に近い形で逝ってしまった。
今池で時々訪れた寿司屋の亭主が、私の顔を見ると「今日は赤いですよ」と言ったのを思い出した。というのは〆過ぎを嫌う私の好みを知っていて、そんな風に声をかけたのだ。もちろんそんなときにはそれを頂戴したものだ。
惜しむらくはその彼、何年か前、ほとんど急逝に近い形で逝ってしまった。
鯖の中骨やカマなどのいわゆるアラは捨てないで潮汁にした。文字通り塩と隠し味程度の味醂のみで作ったが、そのアラ自体からいい出汁が出て美味しくいただけた。
残りの半身は塩焼きでいただいたがこれがまた美味しい。60年以上昔、学食で塩鯖一切れで丼飯をかき込んだりしていたが、その折は、自分が将来、こんな生きの良い鯖の塩焼きを食べることができるなんて夢にも思わなかった。いささか大げさな表現だが、いままで食した鯖の塩焼きのなかで、ベストであったことは事実。
この鯖塩をメインデッシュにした夕餉の全体。鯖塩の隣は鶏血肝の煮付け、手前はオクラの煮浸しと茄子・胡瓜の糠漬け(もちろん自製)。その真ン中は魔法の水=百薬の長。
海なし県の岐阜にいながら、こんなに海の幸を味わえるなんて、ありがたい限りだ。