私は蓄財というものを試みたことがないので、いわゆる有価証券類はまったくもっていない。
預貯金は、80代(もうすぐ半ばに差し掛かるが)を生き抜くぐらいはなんとかある。
子どもたち(二人)に残せるものがあるとしたら生命医保険だ。しかも、何社かに入っている。
なぜそんな事になったかというと、居酒屋経営時代、何社かの生命保険会社が、顧客だったからだ。彼らは、正社員(男性)がいわゆる「保険のおばさん」といわれる複数の女性外交員を連れて来てくれる団体客で、結構売上に貢献してくれた。
何回か来てくれるうちに、必ず保険への勧誘があった。景気も良かったし、消費してなくなる金でもないからとホイホイとそれらに応じた結果、何社かへの加入となった。
もう、居酒屋家業もやめて何年も経った頃、ある会社が保険の見直し(入院保証付きだったかな?)で、これまでのものからドル建てのものへの変換を勧められた。
そうしたことに疎い私は、長年の付き合いだから悪く転ぶことはあるまいとそれに応じた。その折の円相場は1ドル108円であった。
それが今、1ドルは150円に迫りつつある。ということは、私がいま死ねば、子どもたちが受け取る保険金は、1ドルにつき42円のプラスで、おそらく契約時の30%以上のアップになる。
まさに「死ぬにはちょうどの頃合い」なのだ。いま逝ったら、貧しい父が、子どもたちに残せる最高のプレゼントになる。
とはいえ、自殺するつもりはない。いまもし、なんかの拍子でころっと逝ったら最高だなと思うのみだ。
しかしながらだ、にもかかわらず最近行った健康診査の受信結果では、医師もお墨付きの「これといった異常はありません」なのだ。
古人いわく、「憎まれ者世にはばかる」だ。
*写真は近所で写したもので内容には関係ありません。
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