白内障、まずは右目の手術。3時間ほどかかって、やっと解放され、自宅へ戻ってきた。 右目にはしっかりと眼帯が貼り付けられ、若い頃にものもらいなどで経験して以来の独眼になった。 ものの距離感がつかめつかめないし、やはり細かい字は全く読めない。 スマホは使い物にならないし、PCでもキーボードを打って書き込むのが大変で、これは通常の200%以上 の大きさの文字を音声入力で書き込み、必要な訂正のみを手動で施している。
それほど無理をして書き込む事はないのだが、手術中の視覚的印象が面白かったので、忘れないうちにそれを書いておこうとしているのだ。
何かバックのようなものを右目の周辺に貼り付けられ、 強制的に目が開いたまま、そこへ消毒液や麻酔薬などなどが注入され目が潤んだままで何も見えなくなる。そのうちに視野に あまり角張っていない方形が三つ現れ、それらの配置はやや小さめのものが横に並びその下に少し大きいものが並んでいて、まるで人の顔を抽象化したかのようであった。
やがてそれら三つの方形は崩れ去り、その後は様々な色彩や定かな形を持たない色の流れや広がりなどが次々に現れる。ビックバンのように急速に広がったり、オーロラのように揺らいだり、 いきなり日食か月食のように黒ずんだりする。
医師の指示で、時折眼球のみを下へ向けたり中央に戻したりの繰り返しをしなければならない。その都度色彩やその運動が目まぐるしく変わる。
時折、眼球にある種の圧迫感を感じたりかすかな痛みが走ったりするが大したことではない。そのうちにやがて、その色彩の 不定形な運動が緩やかになり、最初に見た三つの方形がやはり人の顔を抽象化したかのように見え始める。私はそれをもっておそらく手術はほとんど終わったのではないかと思った。
はたせるかなしばらくして医師から、「はいお疲れ様でした」と声がかかる。自分ではそれほどと思っていなかったやはり緊張していたのか、終了の声と同時に体中がふわっと軽くなったような気がした。その後、簡単な注意事項の説明等があって解放されたのだが、禁止事項として入浴があった。ちょっと気になっていた飲酒について尋ねたところ、看護師さんはにこやかに微笑みながら人差し指と親指を少し離して示してみせた。「少々ならという事ですね」という私の問いかけに、「まぁ、あんまりはっきりとは言えませんがね」と笑顔で答えてくれた。
そこで医院を離れたのだが、本当に久しぶりの眼帯で、片目での行動は自分自身でも危なっかしい感じがする。交差点で横断歩道を渡る際もなんとなく今までのようにスタスタと渡り切れない。恐る恐る歩を進め、やっと家にたどり着いた。やはり、距離感がうまくつかめなくて、電灯のスイッチを押したつもりがちょっと違うところに指が行ってしまった。
まぁこれに慣れるしかないだろうと腹をくくって 児童向けの本のような大きな文字でこれを書いている。後はしかるべき所へコピぺをして発表するつもり。こんな状態だから当分は皆さんの書き込みやコメントに対する応答はスムーズにはいかないと思う。何卒ご容赦いただきたい。
なお左目のほうは、一週間後の8日の予定。