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受験シーズンですね。
新年は「東京大神宮はこちら」という立札(プラカード)で賑わって?いた飯田橋駅でも最近は「⇒法政大学試験会場」とか「東京理科大は西口です」といった界隈の大学の道案内が出ています。
そんな大学入試、昔は国語の試験問題に「練られた文章」として新聞のコラム(「天声人語」など)や「社説」などが題材になっていましたね。
で、、、、、、、、
こちら
数日前の日経新聞朝刊の「社説」です。
日本のビールも世界で勝負を
いや、業界的にはストレートな話題です。
特にビール会社さんなどでは、偉い人が「おい、あの記事、読んだかね」とか言ってそうです。
、
ただ、読み進めると、、、これが試験問題で「要約しなさい」と言われてもちょっと困る感じですね。
これでも国語は得意科目だったので(だから入試科目に国語がある大学を選んだ)、分析的に読んでみましょう。
冒頭部分は、全体の要約となっている場合が多いんです。
①酒税法が改正され、ビール系飲料にかかる酒税が段階的に統一される見通しになった。ビールは減税、発泡酒などは増税となる。
⇒まず事実を述べています。
②国内の税制に合わせ低価格品の開発に注力してきたビール各社はこれを機に、世界市場をみすえ質の高いビールに力を入れてほしい。
⇒これは主張です。冒頭のブロックですし、この文の「世界市場をみすえ質の高いビールに力を入れて」が一番言いたいこと、と判断されます。タイトル「日本のビールも世界で勝負を」とも整合していますね。
ここからはこの論旨を細かく説明するブロックとなります。
③ビールの税率は長く高止まりしていたため、各社は味はビール風だが税率の低い商品を開発してきた。海外ではほとんど売れず、価格競争による国内シェア争いは経営の体力を奪った。ビール系飲料全体の市場規模も1994年のピーク時より3割減っている。
⇒一応、事実関係(経緯を)整理しています。ただ、「ビール風を造っているから世界では売れない」「価格競争で体力が」という認識は、筆者の思い込みの側面があります。
④いびつだった税制が変わるのを機に、新ブランドを立ち上げては廃止するやり方を改め、長く愛され、国際競争力につながる商品開発やマーケティングに目を向けたい。
⇒上記と同様の趣旨となっています。これだけ読むと日本ではみんな発泡酒や新ジャンルを飲んでいる、と思ってしまいますね。
⑤国内でしっかり収益源に育てられれば海外展開の道も開ける。
⇒ここは③・④のまとめ的な部分として捉えられますが、やはり、「質」の問題で国内がダメで、それなので海外でもダメ、的な発想に貫かれています。
ここからは発展・転回部。世界に目を転じて論じます。
⑥世界のビール業界では近年、買収によりトップ企業グループへのシェア集中が進んでいる。日本メーカーが規模の競争でこれから太刀打ちするのは簡単ではない。
⇒再度事実関係(今後は世界)で、InBevなどの話ですが、ここでは「質」ではなく企業戦略の話になっています。
⑦ただし韓国、台湾などのアジア向けを中心に、日本のビール輸出は毎年2割以上のペースで伸びている。訪日観光でファンになった人などが日常的に購入するようになってきたという。
米国では業界再編による味の画一化の影響もあり、クラフトビールと呼ばれる個性派ビールのシェアが10%を超えた。
⇒上記⑥が「厳しい世界の事実」であるのに対し、ここは「期待を持てる世界の事実」です。
⑧米欧でも日本のビールの勝機は十分ある。
⇒⑦から⑧で若干論理が飛躍しています。「韓国などで日本の大メーカーのビールが伸びている」という論旨であれば、ビール文化が日本より浅く商品も充実していないアジアと、本場である欧米では違いますし、「米国ではクラフトビールが伸びている」という論旨であれば、日本の大メーカーがクラフトビールとして受け入れられるとは思えないし。ちょっと飲み屋の議論的になってきましたよ。
⑨各社が近年、相次ぎ買収した海外の酒メーカーの持つ生産設備や販路も、うまく活用したい。
⇒これは⑧の補足となる部分で、ここまでの流れとはちょっとずれていますが、書いてあることは確かにそうです。飲み屋に冷静な傍観者、です。
⑩ビール減税は大手以外の企業にも追い風になる。日本でのクラフトビールの市場シェアはまだ1%程度だが、減税になれば値下げできる。
⇒この文で再度国内、しかもクラフトビール(メーカー)の話になっています。「減税になれば値下げ」は確かですが、大メーカーのビールも値下げになるし、税額は同じなので、値下げ率は大メーカーの方が大きいし。。。
⑪複雑だった税制が簡素化されれば海外メーカーの目がこれまで以上に日本市場に向く。国内市場の競争環境も変わるわけだ。
⇒これは裏を返せば「海外メーカーが日本に来なかったのは税制が複雑だったから」となります。本当ですか?
⑫規模は大きいが内向きだったビール業界が、いかに国際プレーヤーに脱皮するか。他の内需型産業に手本を示してほしい。
⇒最後の文章なので通常は結論となりますが、かなりぼやけた言い方ですね。冒頭のように「質の高いビールで切り込め」というのか、単に外需も頑張って、というのか、わかりません。
「日本独自の世界展開」をうたっているように見えますが、「M&Aでの国際化」という世界的な潮流を考えると、そうでもないでしょうし。
と考えてみると、この文章、「ビール」と「ビールメーカー」、「味で世界に勝負」「企業生き残りをかけての国際展開」などが混然一体となっていることがわかりにくさの原因のようです。
試験には出して欲しくないなぁ。
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まあ、人のことは言えませんが、今日のこの雑文(ブログ)を要約すると、こうなるでしょうか。
日経、よく読む
お後がよろしいようで。。。。。
★★★★★酒・ブログランキングにエントリーしています★★★★★
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