牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

三世紀に亘り問屋を営む升本総本店の徒然を毎日更新!!商品情報からビアガーデン・試飲等イベント情報、酒文化経済・書評等々!

原発事故で多くを失った大堀相馬焼。原発を拒否した松郷屋焼の地元「巻」

2017-08-26 13:13:13 | 酒の道具など
                           
                           【公式HPはこちら↑】



数日前(とその前も)ご紹介した、越後(新潟)で生産された北海道向けの焼酎徳利「松郷屋焼」

さらに調べてみると(しつこい!)、も一つ興味深いことが判明しました。

出所は、「湊町新潟の歴史と文化を愛する市民サークルです」という「新潟ハイカラ文庫」さんというサイト。


そこに「福島(大堀)相馬焼と新潟松郷屋焼の縁」というページ(記事)がありました。

それによれば福島県・相馬と越後との縁は、天明の大飢饉後、相馬が越後から多くの移民を呼び込んだことに始まるそうです。


そして相馬に移り住んだ人々(やその子孫)の中に、相馬の焼き物である大堀相馬焼の技術を習得し、越後に里帰りした人がいて、地元の越後で窯を築き独立し「松郷屋焼」が成立したというのです。


つまり、新潟松郷屋焼のルーツは、福島の大堀相馬焼、ということ。



相馬焼、知っていますよ、というか、ウチでも取り扱ったことのある酒器です。

こんなの

先般ご紹介した松郷屋焼と比べてみて、、、、、正直、あんまり似ていませんね。


(先般の使いまわし)

ただ、確かにどちらも芸術品的な気取りは少なく、生活雑器的な温かみがある部分は共通しています。



そんな中、思ったのは、もう一つの類似性。

実は大堀相馬焼の窯はあの福島第一原発から約10キロの場所にあり、地震により各窯元さんの窯が壊れたのはもちろん、原発事故で避難を余儀なくされています。

しかも、相馬焼の特徴の一つ「青ひび」はこの近辺で採られる石由来の釉薬によってできるということで、相馬焼は原料も、も、造る人、その全てを原発事故によって奪われたということ。

現在、組合が二本松市に共同の窯場なども整備されましたが、まだまだですし、政府は、というと、昨日触れたように、オリンピックに呆けています。

そして、新潟の「松郷屋焼」。

現在の住所は新潟市西蒲区ですが、新潟市に合併される前は「西蒲原郡巻町」

そう、この町で計画されていた「巻原子力発電所」の建設の是非を問う、全国で初めての住民投票が行われた町。

この住民投票では原発反対派が大差で勝利し、数年後、原子力発電所計画が撤回されました。

「親」の大堀相馬焼は原発事故で多くを失いましたが、その「子」の松郷屋焼は、今も続いています。

これも何かの縁、というより、しっかり考えていかないといけない事実ですね。



★★お酒に関する諸事万端のご相談を承っております(商品企画/情報提供/寄稿等)★★

★★★★酒・ブログランキングにエントリーしています★★★★
応援何卒よろしくお願い致します

応援のクリックを↑↑↑↑↑

【アルバイト・契約社員募集中!】
(1)飲食部門(フロアスタッフ兼新規開店企画)
(2)酒類営業部門(倉庫管理兼営業企画)
(3)酒類営業部門(通販管理)
日時・時間はご相談。正社員登用もあり。男女問いません。詳細は当社HPまで。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする