牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

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魚から釣ってくるすし職人。手作りの楽器で演奏するヴァイオリニスト、Bean To BARのチョコレート屋さん、稲作から手掛ける日本酒蔵元。

2019-06-20 20:50:00 | 附属酒類経済研究所
                          

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昨日、とある百貨店さんの集まりで、海外ブランドの高級チョコレートの日本法人の方とお隣になり、チョコレートやチョコレートメーカー(ショップ)のお半債などを色々聞かせて頂きました。

お酒のメーカーさんの場合と考え合わせ、なかなか興味深いものがありましたので、自分なりの整理をしてみました。

チョコレート・メーカーというのは大きく分けると次の4つになるようです。
(あくまで個人的な整理です)

①全国のスーパーやコンビニ等で買えるようなものを作っている大手メーカー(工場で生産)

②多店舗展開する海外・国内の(高級)ブランド(工場で生産)

③ショコラティエさんが独立した個人店や、「日本に一つ(とか少数)だけ」の海外高級ブランド(お店で手作り)

④カカオ豆から作るBean to Barなど、職人さんというより「こだわり系」を売りにしている個人店




ここで面白いのは、①②③④の製法・製造プロセスの違い。
②③はある意味、伝統のヨーロッパでのやり方で、プロの摩砕屋さん(巨大企業らしい)から供給されるカカオペーストやカカオバターなどを使ってチョコレートづくりのプロであるショコラティエが自分の味を作っていく、というもので、それが工場生産なのか、家内制手工業なのか、という違い。

これに対し、①は②③と同じようなプロセスの製品もあるけれと、コストダウン・大衆化を目的に、カカオバターの代わりにパーム油を混ぜて使ったりするなどが違うようです(バターとマーガリンみたいなものらしい)。

で、悩ましいのが④で、「カカオ豆から手作り」なので、例えば「全て同じ生産地、同じ年の豆から作る」とか「自ら収穫した豆で作る」などのこだわりは確かなものですが、カカオ豆の摩砕(や、ペーストからのチョコ作り)など、技術的にはプロの摩砕屋さんやショコラティエから見て一段劣る、場合も少なくないらしい。

つまり、「手前味噌」ですね。



確かに、超一流のすし屋さんで、すし職人が魚を釣ってくることはまずなくて、プロの漁師さんが釣って、プロの目利きである仲卸さんなどが選んだ魚を使うのがトラディッショナル。プロのヴァイオリニストやピアニストで楽器が自作、というのもまずいない。
(例外は「フラウト・トラヴェルソ」の有田正広さんくらいかもしれません)


ただ、「大将が朝、釣って来たお刺身」というのがありがたく感じたりしますから、食事というのは雰囲気ものですね。


翻って酒造りを考えると、「吉川町の特A地区の山田錦」という最高級品を使う場合もあれば、「地元の山田錦」とか「山田錦でも、酒米ですらなく、地元で普段食べているコシヒカリ」とか、さらには「蔵人たちが夏に育てた米を使う」というこだわりをアピールしている蔵元さんなどもあって、本当に色々です。


まさに雰囲気もの、ですが、個人的には「(時間をかけて)技を磨いて、良い材料を使って」という、チョコでいえば③(あるいは②)の流れは大事にしたいなぁ、と思っています。

なんだか長くなりましたね。これでおしまい。



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