Sightsong

自縄自縛日記

『ドラえもん のび太と緑の巨人伝』

2008-03-21 23:50:45 | アート・映画

もう2週間前だが、息子と2人で、ドラえもん映画の最新作『ドラえもん のび太と緑の巨人伝』を観に行った。

植物が支配する「緑の星」では、緑がどんどん破壊される地球の様子を観察し、「緑を救うため」に地球を攻めることを議会で決議する。しかし、実際には攻撃のための攻撃であることがわかってくる。この方便を、「テロとの闘い」という欺瞞的な言葉に置き換えてみれば、いまの世界と重なるものだ。

いわゆる勧善懲悪ものではない。敵として描かれるはずの「緑の星」の人物(植物)たちも、いつの間にか同じ領域に立っている。また、緑の中で生きる人々の生活も、たとえば『風の谷のナウシカ』のように緊張感を持った描写ではなく、ゆるい描写なのも良い。

そして、動画の線が不均一な太さで、背景画の美しさと相まって、かなりクオリティが高い。自分が小学生のときに観た映画のリメイク版『のび太の恐竜2006』も、前作『のび太の新魔界大冒険』もそうだった。

異人との出会いと別れはドラえもん映画の常道だが、わかっていてもしみじみとしてしまう。子どもと一緒でも、大人だけでも、多くの人に見て欲しいと思った。


窓口でもらったノベルティ 後ろのは『のび太の恐竜』