ちょっと興味が湧いて、ヨーロッパアニメのDVDを入手した。ジャケットでは判らなかったが、2本入っていた。
■ ピョートル・カムラー『クロノポリス』(1982年)
カムラーはポーランド出身の映画作家。時間都市とでもいうのか、時間を超越し時間を創りだすファラオのような者たち。まるでアッシリアの古代遺跡が彼岸に存在するようなイメージだ。台詞なし、リュック・フェラーリの奇妙な音楽が支配する世界において、形象や特異点が生成しては変貌していく。そのような中で、帝国の壁を登り続ける人間の男は、そこから離脱して自由人と化し、白い球を恋人とし、友人とする。
1時間弱の驚きのヴィジョンである。黙って観ていると、脳がやはり彼岸へとトリップする。と言えば恰好が良いが、要はいつの間にか眼球がぐるっと回って意識を失っている。
■ リホ・ウント+ハルディ・ヴォルメル『戦争』(1987年)
ウントとヴォルメルはエストニア出身のアニメ作家。とある水車小屋に、蝙蝠が一羽で棲んでいる。何かの衝撃で屋根に穴が開き、そこから烏たちが侵入してきて暴力的に居ついてしまう。それだけでなく、床穴からは鼠たちが版図を拡げようと烏に攻撃を仕掛け、烏は空中戦でそれに応じ、全面戦争となる。翻弄する蝙蝠、しかし、水車がぎりぎりと動きはじめるや、烏も鼠も器械に巻き込まれて多くが死に、残る者たちは小屋から逃げ出す。ふたたび蝙蝠は以前の生活を取り戻すが、小屋の外では人間世界の戦争が繰り広げられていた。
リアル、凄惨でもあり、蝙蝠の可愛さを含めユーモラスでもあり。