Sightsong

自縄自縛日記

『けーし風』読者の集い(24) 子どもたちのいまと〈教育>

2014-07-27 07:59:00 | 沖縄

『けーし風』第83号(2014.6、新沖縄フォーラム刊行会議)の読者会に参加した(2014/7/26、九段上集会室)。参加者は11人。

以下のような話題。

○沖縄での地域や教育の変貌は、「本土」よりも急速であったため、歪が大きい。

○那覇では、都会ゆえの人口減少(ドーナツ化現象)と地域のありように関する象徴的な出来事として、久茂地の公民館解体と、小学校統廃合があった。
久茂地公民館は、屋良朝苗(琉球政府行政主席、沖縄県初代知事)が建設に尽力したものであり、歴史的な意義があった。解体せずに、子どもたちの集う場所にできないかという運動もあったが、実現せず、最終的には、那覇市が「人間の鎖」により反対する市民を排除して解体がなされた。(あとで調べてみて思い出した。久茂地川沿いに建っていて、上にプラネタリウムもあるというので吃驚した記憶があった。)
久茂地小学校と前島小学校が統合し、那覇小学校となった。単純な効率化だけにとどまらず、小学校単位で出来ている自治会で教育をみていくというあり方が、揺るがされていると解釈される。
○このふたつの強行は、翁長那覇市長の意向によりなされた。なお、翁長市長は2014年11月の沖縄県知事選に出馬予定。

○地域のあり方や教育のあり方については、「本土」からの輸入という側面が小さくない。これは、移住者とともに入ってくる。
○昔ながらの栽培や流通によって得られる野菜の味は、本当にいいものである(沖縄では農薬の空中散布がない)。一方では、本島でもコンビニがどんどん入ってきている。

学校教育法の改正により、大学教育のトップダウン化が進められている。これにより、上の意に沿わない者の存在や声は許されにくくなっていく。

○次の沖縄県知事選(2014年11月)。仲井真(現職)、翁長(那覇市長)、下地の3名が出馬の意向。
○革新は翁長市長を推す形だが、辺野古への厳しいスタンスをどの程度反映できるのか。曖昧なものであれば、阻止は難しくなるだろう。かつて、社会党が都度理由を付けながら保守にすり寄っていき崩壊したことも思い出される。
○そこでキーワードとなっている「オール沖縄」とは何か。本来は、翁長市長が、イデオロギーからアイデンティティへと立脚点を移すことを示すために使い始めたことばである。良いように言えば、矛盾をはらみながらも沖縄の大きな力をひとつにし、新基地を許さないためのことば(戦後の「島ぐるみ闘争」)。悪いように言えば、矛盾を曖昧に包摂し、反対の力を無化してしまうことばとなる。
○立憲主義により沖縄の建白書を実現することを目指す「島ぐるみ会議」(2014/7/27)の成果が注目される。

終了後に、久しぶりに飯田橋の「島」で飲み会。

●参照
これまでの『けーし風』読者の集い