新崎盛暉『沖縄を越える 民衆連帯と平和創造の核心現場から』(凱風社、2014年)を読む。
沖縄は、常に新たな局面を迎えてきつづけた場所である。そのことは、2013年、2014年も変わらない。悪夢のような国境主義や歴史修正主義が跋扈し、それがメディアの加勢もあって、多くの者に受容されている。仕方がないとして捉える消極的な受容なのか、積極的な受容なのかといえば、おそらく後者が目立つようになってきていると言うべきなのだろう。
そのような中で、おそらく明確な形をなしてはいないが、沖縄と、韓国、中国、台湾との連携の動きがある。著者の新崎氏によるいくつかの著作も、韓国語や中国語に翻訳されている。逆に、「クリントンに謝らせた」というインパクトもあって、韓国では、反基地という面で「沖縄に学べ」というキーワードがあったのだという。
沖縄の機関誌『けーし風』も、そのような連携の役割を担っているらしいことが、本書の対談を読んでいると見えてくる。
●参照
『けーし風』
新崎盛暉『沖縄現代史』、シンポジウム『アジアの中で沖縄現代史を問い直す』
新崎盛暉氏の講演(2007年)
新崎盛暉『沖縄からの問い』