神保町すずらん通りの檜画廊で、中藤毅彦さんの写真展『Paris 1996』を観る。DMが届いたのがつい数日前で、今日が最終日だった。会場には、写真家の内藤正敏さんもおられた。
中藤さんのパリといえば、2011年頃から撮られた『ストリート・ランブラー―パリ』に随分揺り動かされ、その写真集『Paris』を入手したばかり。ただ、これは、タイトル通り15年遡り、1996年のパリである。
これらの作品が発表された写真集として、『Enter the Mirror』がある。会場に置いてあったそれ(もはや入手困難)と見比べながら、今回の新プリントをひとつひとつ観ると、随分と異なっている。旧作は、かなりトリミングされ、プリントが濃い。迫る力を持つと言えるかもしれないのだが、ほぼノートリミングだという新プリントにも、依然として、迫りくるなにものかと、色気とがある。中藤さんによれば、当時もコンタックスG2を使っていたという。
今後確実に評価が高まっていく写真家であり、いまのうちにプリントを入手しておくべきかもしれない。
●参照
中里和人『光ノ気圏』、中藤毅彦『ストリート・ランブラー』、八尋伸、星玄人、瀬戸正人、小松透、安掛正仁
須田一政『凪の片』、『写真のエステ』、牛腸茂雄『こども』、『SAVE THE FILM』
中藤毅彦、森山大道、村上修一と王子直紀のトカラ、金村修、ジョン・ルーリー