Sightsong

自縄自縛日記

ミノルタTC-1修理

2015-01-10 08:46:34 | 写真

ミノルタのTC-1というカメラ。デジタル時代の今ではさほど驚くほどでもないが、35mmフィルムを使うカメラとしては異常なほどに小さい。裏蓋を開けてフィルムを装填すると、もう「ぎちぎち」である。胸ポケットに入るのはいいとして、決して使いやすくはない。つい指が写ってしまうことが何度かあったし、スポット測光のボタンなんて使ったことがない。

ただ、Gロッコール28mmF3.5の写りは抜群で、カメラの凝縮感と同様にパキパキのコントラストで、妙にドラマチックなのである。その秘密はレンズそのものだけではなく、絞りが完全に円形であること、レンズからフィルム面までの遮光が完璧であることなど、冗談のように執念深い工夫にもある。

1996年から2005年まで生産されて、ずっとカタログを眺めては憎からず思っていたのだが、結局、2年ほど前に入手した。ところが、昨年10月にモンゴルでこれを使っていたところ、突然液晶画面が全部表示され、動かなくなってしまった。電池を取り換えてもいろいろやっても無駄。

そんなわけで、カメラ部門を手放したコニカミノルタの修理を手掛けているケンコー・トキナーに電話して、修理を依頼した。日通が梱包材をもって集荷にくるので、こちらは電池だけ抜いておけばよい。見積もりはそれからだが、おそらく2万円くらいはかかってしまう。とほほ、仕方がない。

ところで、TC-1の生産中止から10年が経つ。ものにもよるが、高級品とされる種類のカメラであっても、補修部品をメーカー側が持っておく期間は10年間である。つまり、TC-1を安心して修理することができるのは今年までということだ。(なお、やはり惜しまれつつ2001年に生産を中止したペンタックスLXは、もうオーバーホールや修理をメーカーで受け付けない。あのLXが・・・。)


M型ライカと比べても格段に小さい


完全な円形絞り


ソール・バスのデザインによるロゴ


妙にドラマチックな写り(ハノイ、2013年)