Sightsong

自縄自縛日記

ジョン・イラバゴン@スーパーデラックス

2015-01-11 08:42:19 | アヴァンギャルド・ジャズ

六本木のスーパーデラックスに足を運び、ジョン・イラバゴンの演奏を観た(2015/1/10)。

Jon Irabagon (ts)
John Hegre (g)
Nils Are Dronen (ds) 

ノルウェーからのギターとドラムスのふたりは、破壊と野蛮が大好きだと言わんばかりにノイズを発しまくる。その大音量の中で、イラバゴンは終始目を閉じて、テナーサックスを吹き続けた。まずは極端な倍音でこちらのテンションを高める。サックスの破裂音、異音に擬音、タンポ音もある。ぷすぷすぷすという擦音を循環呼吸でずっと吹くこともあった。45分の短距離走のあと、ようやく開いたイラバゴンの目は充血していた。

素晴らしかったとは言え、ノイズに集中力の半分を持っていかれるのはあまり好みでない。グループ「Mostly Other People Do the Killing (MOPDtK)」での演奏など、より繊細な状況でのイラバゴンの音を聴いてみたい。最近では、メアリー・ハルヴァーソンとも共演しているようでもあり興味津々。

ところで、今回のライヴは4グループによる。それぞれ充実していて大満足だったのではあるが、何しろ最後に灰野敬二。鼓膜が破れそうになった。まだ耳鳴りがする・・・と、1年前にも同じようなことがあった(本田珠也SESSION@新宿ピットイン)。

●参照
直に聴きたいサックス・ソロ その2 ジョン・イラバゴン、柳川芳命
MOPDtK『Forty Fort』
MOPDtK『The Coimbra Concert』


エスペランサ・スポルディングの映像『2009 Live Compilation』

2015-01-11 07:50:19 | アヴァンギャルド・ジャズ

エスペランサ・スポルディングのDVD『2009 Live Compilation』(2009年)を観る。

Esperanza Spalding (b, vo)
Otis Brown III (ds)
Leo Genovese (p)
Ricardo Vogt (g)

プライヴェート盤か、同年のライヴのテレビ放送が2種類収録されている(2009/6/16、7/23)。

ベースを弾きながら口を大きく開けて気持ち良さそうに歌うエスペランサは魅力的。羽根のようだというと月並みだが、実際に軽やかなダブルベースのソロだ。これがエレキベースになるとまた調子が変わって、ファンキーでノリノリ。いやイイな。エスペランサのCDは適当に試聴しただけだが、あらためて聴こうかな。オーティス・ブラウンIIIのドラムスはスタイリッシュ。

ところで、2回のライヴのどちらでも、ウェイン・ショーターへの敬意を口にして、「Endangered Species」を演奏している。『Atlantis』に収録されている曲である。いかにもショーターらしいミステリアスでうねうねとした曲想であり、エスペランサの明るさもあって良い演奏になっている。レイチェルZとのコラボレーションが傑作『High Life』を生んだように、暗いシビアさではない要素をショーターのグループに入れればいいのに・・・と思ったところ、エスペランサとも共演してはいるのだね(彼女は緊張気味に見える)。

●参照
トム・ハレル『Colors of a Dream』(エスペランサ・スポルディング参加)