アンドリュー・シリル『What About?』(Affinity、1969年)。シリルの完全パーカッション・ソロである。LPがカット盤(片隅にパンチ穴が開けられている)で安かったので、思わずつかんでしまう。
Andrew Cyrille (per)
ささやかで消えてしまいそうな音、クリスタルが美しく割れてみせるような音、がらんどうのものがアクシデントで発するような割れた音、こちらに聴かせようとする音、そういったものが、勢いによってではなく、統制の取れた意図によって持続的に発せられている。
この強靭な知があってこそ、全盛期のセシル・テイラーと互角に組むことができたに違いない。シリルのプレイを目にするとわかることだが、いまだキレキレのプレイを、武術の達人のように平然とこなしてみせる人である。
●参照
トリオ3@Village Vanguard(2015年)
ビル・マッケンリー+アンドリュー・シリル@Village Vanguard(2014年)
トリオ3+ジェイソン・モラン『Refraction - Breakin' Glass』
US FREE 『Fish Stories』(シリル参加)
アンドリュー・シリル『Duology』
アンドリュー・シリル+グレッグ・オズビー『Low Blue Flame』
アンドリュー・シリル『Special People』
ビリー・バング+サン・ラ『A Tribute to Stuff Smith』(シリル参加)