アイヌのグループ「MAREWREW, IKABE & OKI」が出演するというので、炎天下の「すみだジャズ」に足を運んだ。場所は錦糸公園のメインステージ。 素晴らしいというか、冗談抜きにカッコいい。
MAREWREW(マレウレウ)は、アイヌの伝統歌ウポポを歌うコーラスグループ。3人は、手をたたきながら、小声でささやくように、祈るように、旋律を愉しむように、各々が違う言葉を発する。輪唱というのだろうか、ユニゾンによるコーラスではない。鳥の歌、舟漕ぎの歌、大事な者を取り戻す歌。まるで森の中や開けた野の上で、響きの円環を聴いているようである。
トンコリを弾くのは、OKIと、IKABE(居壁太)。このアイヌ伝統の六弦楽器も変わった響きを持つ。豊かに胴が響くのではなく、むしろ割れる音を利用しているように聴こえる。繰り返しの旋律、またしても円環とトランス。OKIは野太い声で、「石の斧」という怒りに満ちた歌を歌った。IKABEは、ステージの前で、弓矢を持って勇壮な踊りをみせた。