エドワード・サイモン『Live in New York at Jazz Standard』(Sunnyside、2010年)を聴く。
Edward Simon (p)
John Pattitucci (b)
Brian Blade (ds)
ピアノトリオはよほど尖っているか崩れているかでないと、余りにも典型的すぎるフォーマットゆえ、耳と脳を通過するだけで滓さえも残らない。これも、サイモンのプレイはクールで工夫もあって(特に「Giant Steps」の編曲なんて)、普通に言えば良いピアノなのだろうが、よくわからないグラスワインを1杯飲んだようなもので。
それよりも、これはブライアン・ブレイドを聴くための盤である。強靭なバネのような身体から、ノリやスイングだけではない、実にカラフルなドラミングをこれでもかと開陳する。小技も堂々としたものだ。これには聴き惚れてしまう。
90年代後半にジャズフェスで観たっきりだが、それ以来、方向の定まらないドラマーだなと思い込んでいた。勿体ないことをした。