Sightsong

自縄自縛日記

エドワード・サイモン『Live in New York at Jazz Standard』

2015-08-28 07:40:11 | アヴァンギャルド・ジャズ

エドワード・サイモン『Live in New York at Jazz Standard』(Sunnyside、2010年)を聴く。

Edward Simon (p)
John Pattitucci (b)
Brian Blade (ds)

ピアノトリオはよほど尖っているか崩れているかでないと、余りにも典型的すぎるフォーマットゆえ、耳と脳を通過するだけで滓さえも残らない。これも、サイモンのプレイはクールで工夫もあって(特に「Giant Steps」の編曲なんて)、普通に言えば良いピアノなのだろうが、よくわからないグラスワインを1杯飲んだようなもので。

それよりも、これはブライアン・ブレイドを聴くための盤である。強靭なバネのような身体から、ノリやスイングだけではない、実にカラフルなドラミングをこれでもかと開陳する。小技も堂々としたものだ。これには聴き惚れてしまう。

90年代後半にジャズフェスで観たっきりだが、それ以来、方向の定まらないドラマーだなと思い込んでいた。勿体ないことをした。