Sightsong

自縄自縛日記

エスペランサ・スポルディング@ブルーノート東京

2017-03-29 07:02:43 | アヴァンギャルド・ジャズ

ブルーノート東京でエスペランサ・スポルディング(2017/3/28、1st)。大人気だけあって、慌てて取ったのだが、そのとき既に3日間ともセカンドステージの自由席が売り切れていた。

Esperanza Spaulding (b, vo)
Matthew Stevens (g)
Justin Tyson (ds) 

2曲目、エルメート・パスコアールの曲において、あの複雑な旋律をウッドベースで悠々と弾き、それとは別のラインで楽し気に唄う。それはエルメート・テイストでもエスペランサ・テイストでもあり、いきなり後頭部が熱くなってしまう。

エレベに持ち替え、「Cinamon Tree」やファンク風の曲で、マシュー・スティーヴンスとまるでアクロバティックな空中戦のように延々と弾きまくる。まばたきする暇がない。いやこれはジャコ・パストリアス以上なのではなかろうか。

5曲目はチック・コリアの曲とアレサ・フランクリンの曲のミクスチャーだという。ソウル的でも「新主流派」ジャズ的でもある。ここではウッドベース、コード内で考えうる最大の自由を表現した。エレベがジャコ超えだとすれば、アコベはスコット・ラファロ超えである(本当)。

6曲目、またエレベで『Emily's D+Evolution』においてヒットした「Unconditional Love」。アンコールではひとりウッドベース、と思っていたら、アンコール2曲目にスティーヴンスとタイラーが登場し客席は大喝采。「Forbidden Fruit」を観客に歌わせながら盛り上げた。

それにしても凄いものを観てしまった。いまやスーパースターなのに、音楽が名前のはるか先を疾走している。

●参照
エスペランサ・スポルディング@Zepp Diversity(2016年)
エスペランサ・スポルディング『Emily's D+Evolution』(2016年)
ドン・チードル『MILES AHEAD マイルス・デイヴィス空白の5年間』(2015年)
トム・ハレル『Colors of a Dream』(2013年)
エスペランサ・スポルディングの映像『2009 Live Compilation』(2009年)