Sightsong

自縄自縛日記

ジム・ホール(feat. トム・ハレル)『These Rooms』

2017-03-30 23:08:38 | アヴァンギャルド・ジャズ

ジム・ホール(feat. トム・ハレル)『These Rooms』(DENON、1988年)を聴く。

Jim Hall (g)
Steve LaSpina (b)
Joey Barron (ds)
Tom Harrell (flh, tp)

こんな隠れた佳作があった。

芯が固く、それでいて実に柔らかな音のレイヤーを積み重ねるジム・ホール。そして細やかな動きをする分子を呼び寄せて凝集させたような、トム・ハレルのフリューゲルホーンとトランペット。よく考えたら、ふたりの相性が良いのは当然だ。 

自然体で、かつ、特別な音楽。こんなものはなかなかない。

●ジム・ホール
マイケル・ラドフォード『情熱のピアニズム』 ミシェル・ペトルチアーニのドキュメンタリー(2011年) 
ジョン・アバークロンビー+アンディ・ラヴァーン『Timeline』(2002年)
チャーリー・ヘイデン+ジム・ホール(1990年)
ミシェル・ペトルチアーニの映像『Power of Three』(1986年)
ジム・ホール『The Complete "Jazz Guitar"』(1956-60年)

●トム・ハレル
トム・ハレル『Something Gold, Something Blue』(2015年)
トム・ハレル@Cotton Club(2015年)
トム・ハレル@Village Vanguard(2015年)
ジョン・イラバゴン『Behind the Sky』(2014年)
トム・ハレル『Trip』(2014年)
トム・ハレル『Colors of a Dream』(2013年)
デイヴィッド・バークマン『Live at Smalls』(2013年)


スペラッツァ+カマグチ+サックス『Play Dameron』

2017-03-30 07:19:15 | アヴァンギャルド・ジャズ

ヴィニー・スペラッツァ+マサ・カマグチ+ジェイコブ・サックス『Play Dameron』(Fresh Sound Records、2015年)を聴く。

Vinnie Sperrazza (ds)
Jacob Sacks (p)
Masa Kamaguchi (b) 

こうしてタッド・ダメロンの曲をあらためて並べられると、「On a Misty Night」、「If You Could See Me Now」、「Soultrane」、「Our Delight」、「Hot House」など名曲揃いである。

バリー・ハリスがピアノトリオで吹き込んだダメロン集『Plays Tadd Dameron』(1975年)は、演奏者としても、時代的にも、渋いバップの文脈で音楽を提示していた。当然であり、ハリスにはどうしてもそれを求める。

一方の本盤。ジェイコブ・サックスのピアノは旋律を鮮やかに解体再構築。マサ・カマグチの重く香り立つようなベースも聴き応えがある。現代のダメロン集である。しかしどうしても耳の中でおさまりが悪いというか、この音楽の座席を探してしまう。もちろん先祖返りなんかしなくてもいいのだが(後ろ向きのピアノトリオなんて聴きたくない)、ではもっと過激にやってほしいと内心思っているからかな。

●ジェイコブ・サックス
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas V』(JazzTokyo)
(2016年)
デイヴィッド・ビニー『The Time Verses』(2016年)
アイヴィン・オプスヴィーク Overseas@Seeds(2015年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas IV』(2011年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas III』(2007年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas II』(2004年)

●マサ・カマグチ
蓮見令麻@新宿ピットイン(2016年)

●タッド・ダメロン
バリー・ハリス『Plays Tadd Dameron』
(1975年)