キャノンボール・アダレイ『Inside Straight』(Fantasy、1973年)を聴く。オリジナル盤だけどカット盤。
Cannonball Adderley (as)
Nat Adderley (cor)
Hal Galper (el-p)
Walter Booker (b)
Roy McCurdy (ds)
King Errisson (perc)
アダレイ兄弟のサウンドはどれも濁っていてそれが良いところなのだが、マイルス・デイヴィスの作品でのキャノンボールに先に耳が馴れてしまうと、それが作品として洗練されていないように感じられる不幸がある(というか、わたしがそうだっただけなのだが)。
ここでも、もしゃもしゃした有機体の中から突然キャノンボールのアルトが飛び出てくることが何度もあって、悶絶しそうなくらいファンキーである。哄笑というか、神をも恐れないふてぶてしさというか、こんな音を出したアルトはキャノンボールくらいである。
そして、この文脈であればナットのコルネットもそれらしく響くというものだ。ハル・ギャルパーのエレピもまた時代的だが素敵である。いまこんな風に臭くもクールにもキーボードを弾く人は誰なんだろうな。
●キャノンボール・アダレイ
ドン・チードル『MILES AHEAD マイルス・デイヴィス空白の5年間』(2015年)
MOPDtK『Blue』(2014年)
チャールス・ロイドの映像『Arrows into Infinity』(2013年)
ユセフ・ラティーフの映像『Brother Yusef』(2005年)
ルイ・ヘイズ『Dreamin' of Cannonball』(2001年)
マニー・ピットソン『ミニー・ザ・ムーチャー』、ウィリアム・マイルズ『I Remember Harlem』(1981年、?)
キャノンボール・アダレイ『Somethin' Else』(1958年)
ミルト・ジャクソンの初期作品8枚(1955-61年)