Sightsong

自縄自縛日記

カンパニー『Fictions』

2018-07-07 10:25:40 | アヴァンギャルド・ジャズ

カンパニー『Fictions』(Incus、1977年)。レコード。

Misha Mengelberg (p, celesta, voice)
Lol Coxhill (sax, voice)
Steve Beresford (p, toy, voice)
Derek Bailey (g, voice)
Ian Croall (voice)

デレク・ベイリーの著書『インプロヴィゼーション』を朗読しながらのインプロヴィゼーション集。

その言葉はやはり明確であり、同時に人をはぐらかすようでもある。言葉の存在によるものか、ベースやドラムスがいないためか、インプロも上方で端正に繰り広げられている印象を覚える。その意味ではかれらの演奏者としての凄みをダイレクトに与えるものではない。

しかし、決定的に皆が変態である。ミシャ・メンゲルベルグのピアノは猫のようなタッチ・アンド・逍遥。ロル・コクスヒルもまただらりと脱力し、それを貫く。

●デレク・ベイリー
今井和雄 デレク・ベイリーを語る@sound cafe dzumi(2015年)
デレク・ベイリー晩年のソロ映像『Live at G's Club』、『All Thumbs』(2003年)
デレク・ベイリー『Standards』(2002年)
ウィレム・ブロイカーが亡くなったので、デレク・ベイリー『Playing for Friends on 5th Street』を観る(2001年)
デレク・ベイリー+ジョン・ブッチャー+ジノ・ロベール『Scrutables』(2000年)
デレク・ベイリーvs.サンプリング音源(1996、98年)
デレク・ベイリー+ルインズ『Saisoro』(1994年)
田中泯+デレク・ベイリー『Mountain Stage』(1993年)
1988年、ベルリンのセシル・テイラー(1988年)
『Improvised Music New York 1981』(1981年)
ペーター・コヴァルトのソロ、デュオ(1981、91、98年)
デレク・ベイリー『New Sights, Old Sounds』、『Aida』(1978、80年)
『Derek Bailey Plus One Music Ensemble』(1973、74年)
ジャズ的写真集(6) 五海裕治『自由の意思』
トニー・ウィリアムスのメモ

●ミシャ・メンゲルベルグ
ハン・ベニンク『Hazentijd』(2009年)
横井一江『アヴァンギャルド・ジャズ ヨーロッパ・フリーの軌跡』(2011年) 
ICPオーケストラ『Bospaadje Konijnehol』の2枚(1986-91年)

●ロル・コクスヒル
ロル・コクスヒルが亡くなった(2012年)
ロル・コクスヒル+ミシェル・ドネダ『Sitting on Your Stairs』(2011年)
ロル・コクスヒル+アレックス・ワード『Old Sights, New Sounds』(2010年)
ロル・コクスヒル、2010年2月、ロンドン
ロル・コクスヒル+ジョン・エドワーズ+スティーヴ・ノブル『The Early Years』(2004年)
突然段ボールとフレッド・フリス、ロル・コクスヒル(1981、98年)
フィル・ミントン+ロル・コクスヒル+ノエル・アクショテ『My Chelsea』(1997年)
コクスヒル/ミントン/アクショテのクリスマス集(1997年)
G.F.フィッツ-ジェラルド+ロル・コクスヒル『The Poppy-Seed Affair』(1981年)

●スティーヴ・ベレスフォード
オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス+スティーヴ・ベレスフォード『Check for Monsters』(2008年)


アンドリュー・シリル+ミルフォード・グレイヴス『Dialogue of the Drums』

2018-07-07 00:06:33 | アヴァンギャルド・ジャズ

アンドリュー・シリル+ミルフォード・グレイヴス『Dialogue of the Drums』(IPS、-1974年)。レコード。

Andrew Cyrille (ds, perc)
Milford Graves (ds, perc)

文字どおり、ふたりの傑出した打楽器奏者による対話である。これを聴いていると、数限りないリズムや放出される熱量にやられて、冷静に聴き分けていたはずが朦朧としてしまう。

確かに個性はそれぞれ発揮している。シリルは細かく繊細で解像度の高いドラミングを行い、グレイヴスはプロレスラーのごとく身体全体をもって叩くようなダイナミズムを持つ。しかし、それだけではない。シリルの力強さはグレイヴスに負けるものではないし、グレイヴスも荒々しさの中に独特の細かいリズムパターンを持つ。

こんなものをライヴで観たならどうなることか。トリップする者続出か。それとも音だけでは判らない違いを認識して覚醒するか。

●アンドリュー・シリル
ベン・モンダー・トリオ@Cornelia Street Cafe(2017年)
トリオ3@Village Vanguard(2015年)
アンドリュー・シリル『The Declaration of Musical Independence』(2014年)
アンドリュー・シリル+ビル・マッケンリー『Proximity』(2014年)
ビル・マッケンリー+アンドリュー・シリル@Village Vanguard(2014年)
ベン・モンダー『Amorphae』(2010、13年)
トリオ3+ジェイソン・モラン『Refraction - Breakin' Glass』(2012年)
アンドリュー・シリル『Duology』(2011年)
US FREE 『Fish Stories』(2006年)
アンドリュー・シリル+グレッグ・オズビー『Low Blue Flame』(2005年)
バーグマン+ブロッツマン+シリル『Exhilaration』(1996年)
ビリー・バング+サン・ラ『A Tribute to Stuff Smith』(1992年)
1987年のチャールズ・ブラッキーン(1987年)
『Andrew Cyrille Meets Brötzmann in Berlin』(1982年)
アンドリュー・シリル『Special People』(1980年)
アンドリュー・シリル『What About?』(1969年) 

●ミルフォード・グレイヴス
ミルフォード・グレイヴス+ビル・ラズウェル『The Stone - April 22, 2014』(2014年)
ミルフォード・グレイヴス+ビル・ラズウェル『Space / Time * Redemption』(2013年)
デイヴィッド・マレイ『Saxophone Man』(2008、10年)
ブラクストン、グレイヴス、パーカー『Beyond Quantum』(2008年)
ローウェル・デヴィッドソン(1965年)
ポール・ブレイ『Barrage』(1964年)