Sightsong

自縄自縛日記

オッキュン・リー『Cheol-Kkot-Sae [Steel Flower Bird]』

2018-08-06 23:25:01 | アヴァンギャルド・ジャズ

オッキュン・リー『Cheol-Kkot-Sae [Steel Flower Bird]』(Tzadik、2016年)を聴く。

Song-Hee Kwon (pansori singing)
Jae-Hyo Chang (korean traditional percussion)
John Butcher (sax)
John Edwards (b)
Ches Smith (ds, perc, vib)
Lasse Marhaug (electoronics)
Okkyung Lee (cello)

なぜパンソリなのか。やはりと言うべきか、オッキュン・リーが生地のルーツ音楽を再発見したということのようだ(ライナーを読む限り)。

メンバーは凄い。リーが芳香あるチェロで時空間の濃度にムラをつくり、その中で、ジョン・ブッチャーの獣のようなサックス、ジョン・エドワーズの強い弦、ラッセ・マーハウグによるエレクトロニクスの蛮行がずれては重なり特異点を創出するあたりは、その名前に恥じない。

しかし、サウンド全体としては「やってみた」にとどまり、熟度が足りないように感じられる。それならばメンバーを2人か3人に絞り、抜き差しならないところに身を置いて、切迫感もサウンドに取り込むほうが良い。

●オッキュン・リー
イクエ・モリ『Obelisk』(2017年)
オッキュン・リー+ビル・オーカット『Live at Cafe Oto』(2015年)
エヴァン・パーカー ElectroAcoustic Septet『Seven』(2014年)
オッキュン・リー『Dahl-Tah-Ghi』(2013年)
アクセル・ドゥナー+オッキュン・リー+アキム・カウフマン『Precipitates』(2011、13年)
ジョン・エドワーズ+オッキュン・リー『White Cable Black Wires』(2011年)
エヴァン・パーカー+オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス『The Bleeding Edge』(2010年)
フィル・ミントン+オッキュン・リー『Anicca』(2009年)
オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス+スティーヴ・ベレスフォード『Check for Monsters』(2008年)
オッキュン・リーのTzadik盤2枚(2005、11年) 


Cubic Zero『Flying Umishida』

2018-08-06 21:42:28 | アヴァンギャルド・ジャズ

Cubic Zero『Flying Umishida』(Nonoya Records、2018年)が近ごろの朝の音楽である。

吉田野乃子 (sax)
本山禎朗 (key)
佐々木伸彦 (g)
大久保太郎 (b)
渋谷徹 (ds)

JOEさんが書いているようにこれは傑作である。JOEさんのブログにはネタバレ的なものもあり、また、あれこれと自分の好きなことを詰め込みまくりながらも「自然体」であるとの評にはまったく同感であり、もはや付け加えることはない。(別に手抜きではありません)

やはり、過激になっても同時に親しみやすさがあるサックスである。また、バンドメンバーとも意気投合してあれこれと愉しんでいることも超グッド。テンションがアガり、愉しくて哀しくて、なるほど傑作。

東京でライヴやらないかな。

●吉田野乃子
吉田野乃子@四軒茶屋(2018年)
デイヴ・スキャンロン+吉田野乃子@なってるハウス(2018年)
トリオ深海ノ窓『目ヲ閉ジテ 見ル映画』(2017年)
『トリオ深海ノ窓 Demo CD-R』、『Iwamizawa Quartet』(2017、2007年)
乱気流女子@喫茶茶会記(2017年)
吉田野乃子『Demo CD-R』(2016年)
吉田野乃子『Lotus』(2015年)
PAK『NYJPN』(-2014年)
ペットボトル人間の2枚(2010、2012年)