オッキュン・リー『Cheol-Kkot-Sae [Steel Flower Bird]』(Tzadik、2016年)を聴く。
Song-Hee Kwon (pansori singing)
Jae-Hyo Chang (korean traditional percussion)
John Butcher (sax)
John Edwards (b)
Ches Smith (ds, perc, vib)
Lasse Marhaug (electoronics)
Okkyung Lee (cello)
なぜパンソリなのか。やはりと言うべきか、オッキュン・リーが生地のルーツ音楽を再発見したということのようだ(ライナーを読む限り)。
メンバーは凄い。リーが芳香あるチェロで時空間の濃度にムラをつくり、その中で、ジョン・ブッチャーの獣のようなサックス、ジョン・エドワーズの強い弦、ラッセ・マーハウグによるエレクトロニクスの蛮行がずれては重なり特異点を創出するあたりは、その名前に恥じない。
しかし、サウンド全体としては「やってみた」にとどまり、熟度が足りないように感じられる。それならばメンバーを2人か3人に絞り、抜き差しならないところに身を置いて、切迫感もサウンドに取り込むほうが良い。
●オッキュン・リー
イクエ・モリ『Obelisk』(2017年)
オッキュン・リー+ビル・オーカット『Live at Cafe Oto』(2015年)
エヴァン・パーカー ElectroAcoustic Septet『Seven』(2014年)
オッキュン・リー『Dahl-Tah-Ghi』(2013年)
アクセル・ドゥナー+オッキュン・リー+アキム・カウフマン『Precipitates』(2011、13年)
ジョン・エドワーズ+オッキュン・リー『White Cable Black Wires』(2011年)
エヴァン・パーカー+オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス『The Bleeding Edge』(2010年)
フィル・ミントン+オッキュン・リー『Anicca』(2009年)
オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス+スティーヴ・ベレスフォード『Check for Monsters』(2008年)
オッキュン・リーのTzadik盤2枚(2005、11年)