Sightsong

自縄自縛日記

長沢哲『a fragment and beyond』

2018-08-24 22:59:38 | アヴァンギャルド・ジャズ

長沢哲『a fragment and beyond』(fragmental records、2015年)を聴く。

Tetsu Nagasawa 長沢哲 (ds, cymbals, bells, wind chimes, glockenspiel)

長沢哲のパーカッションソロ。

このユニーク極まりない人の音は清冽であり、響きの遠近感ゆえか、外に向かって開かれているように感じる。そのスピード感は、自然落下のようでもあり、また武具を用いた舞いのようでもある。自然と人為とはここまで接近する。

2曲目はどうやら自身の音を逆向きに再生して、それにオーバーダブしたもののようであり、そのスピードに焦燥と狂が付け加わる。また9曲目は「闇鍋」と題され、自身の音の最初と最後だけを聴こえるように再生して、オーバーダブしている。それでも不思議と長沢哲色となっているのだから面白い。

長沢さんはこの10月下旬に東京のあちこちで演奏する。昨年(2017年)に観た、長沢さんと齋藤徹さんとのデュオはなにしろ素晴らしかった。どれかに行けるといいなあ。

>> ライヴの予定

●長沢哲
#07 齋藤徹×長沢哲(JazzTokyo誌、2017年ベスト)


チャールス・ロイド&ザ・マーヴェルズ+ルシンダ・ウィリアムス『Vanished Gardens』

2018-08-24 21:43:03 | アヴァンギャルド・ジャズ

チャールス・ロイド&ザ・マーヴェルズ+ルシンダ・ウィリアムス『Vanished Gardens』(Blue Note、2017年)を聴く。

Charles Lloyd (ts, fl, ghost vocals)
Lucinda Williams (vo)
Bill Frisell (g)
Greg Leisz (pedal steel g, dobro)
Reuben Rogers (b)
Eric Harland (ds)

ビル・フリゼールのギター、グレッグ・リースのペダル・スティール・ギター、それにルシンダ・ウィリアムスのヴォーカルと、かなりどっぷりとアメリカーナ路線を押し出しているわけだが、聴くとこちらがその空気に取り囲まれてやられてしまう。要はアメリカーナ愛に満ち満ちている。

チャールス・ロイドのテナーは、自由なテンポとタイミングでそのあたりの空を旋回するようだ。この衒いのない自由さがまぶしいほどカッコ良い。フルートもまたそのような味の、ロイド印なのだ。ウィリアムスの声は少しかすれて少し低く、粋である。このバンドで来日してほしい。

そんな中でも、ロイドとフリゼールとのデュオで「Monk's Mood」を演るなど異物も忘れていない。そして最後の「Angel」では説明しがたい懐かしさに身体が固まる。超ステキ。超好き。

●チャールス・ロイド
チャールス・ロイド@ブルーノート東京(2017年)
チャールス・ロイドの映像『Arrows into Infinity』(2013年)
マイケル・ラドフォード『情熱のピアニズム』 ミシェル・ペトルチアーニのドキュメンタリー(2011年)
原将人『おかしさに彩られた悲しみのバラード』、『自己表出史・早川義夫編』(1968、70年) 


『OTOOTO』

2018-08-24 00:36:08 | アヴァンギャルド・ジャズ

OTOOTOはじめてのCDは『OTOOTO』(OTOOTO、2015、17年)。

Takashi Masubuchi 増渕顕史 (g)
Straytone (modular syn)
Riuichi Daijo 大上流一 (g)
Toshimaru Nakamura 中村としまる (no-input mixing board)
Tetuzi Akiyama 秋山徹次 (g)

各人のソロ演奏が1曲ずつ。どの演奏も面白い。沈黙の中で一音一音を逃すまいと集中している聴き手の様子が感じられる。

最後の秋山徹次ソロ。何かに依拠しようとすることを排した強度があるように思える。

●増渕顕史
齊藤僚太+ヨシュア・ヴァイツェル+増渕顕史@Permian(2018年)
Zhu Wenbo、Zhao Cong、浦裕幸、石原雄治、竹下勇馬、増渕顕史、徳永将豪@Ftarri(2018年)
クレイグ・ペデルセン+エリザベス・ミラー+徳永将豪+増渕顕史+中村ゆい@Ftarri(2017年)
杉本拓+増渕顕史@東北沢OTOOTO(2017年)
Spontaneous Ensemble vol.7@東北沢OTOOTO(2017年)

●Straytone
Spontaneous Ensemble vol.7@東北沢OTOOTO
(2017年)

●大上流一
謝明諺+大上流一+岡川怜央@Ftarri(2018年)
Shield Reflection@Ftarri(2017年)
リアル・タイム・オーケストレイション@Ftarri(2016年)

●中村としまる
フタリのさとがえり@Ftarri(2018年)
竹下勇馬+中村としまる『Occurrence, Differentiation』(2017年)
クレイグ・ペデルセン+中村としまる@Ftarri(2017年)
広瀬淳二+中村としまる+ダレン・ムーア@Ftarri(2017年)
Spontaneous Ensemble vol.7@東北沢OTOOTO(2017年)
中村としまる+沼田順『The First Album』(2017年)
内田静男+橋本孝之、中村としまる+沼田順@神保町試聴室(2017年)
山内桂+中村としまる『浴湯人』(2012年)
中村としまる+ジョン・ブッチャー『Dusted Machinery』(2009年)

●秋山徹次
高島正志+古池寿浩+秋山徹次「Blues Frozen Xīng ブルース 凍てついた星」@Ftarri(2018年)
ファビオ・ペルレッタ+ロレンツォ・バローニ+秋山徹次+すずえり@Ftarri(2017年)
池田謙+秋山徹次@東北沢OTOOTO(2017年)