Sightsong

自縄自縛日記

This is It! 『1538』

2018-08-13 07:59:07 | アヴァンギャルド・ジャズ

This is It! 『1538』(Libra Records、2018年)を聴く。

Natsuki Tamura 田村夏樹 (tp)
Satoko Fujii 藤井郷子 (p)
Takashi Itani 井谷享志 (ds, perc)

最初は藤井郷子、トッド・ニコルソン、井谷享志のトリオ、次に田村夏樹が加わりQuartet Tobira、トッドさんがNYに去ってTobira-1、それを2017年にThis is It!に改名。ちょうど現バンド名になったばかりのライヴを観たが(告知はTobira-1名でなされていた)、本盤のサウンドは、そのときよりもかなり進化しているように思われる。

なにしろリズムやテンポの変化が複雑で目まぐるしく、各プレイヤーは、随時、足場の違うところに瞬間移動を強いられる。しかしサウンドから受ける印象はアクロバティックなものではない。休むことなく絶えず体制変更を見事に行うことを前提とした先鋭的な音空間は、やはり、聴き物である。

●参照
与之乃+田村夏樹@渋谷メアリージェーン(2018年)
魔法瓶@渋谷公園通りクラシックス(2018年)
MMM@稲毛Candy(2018年)
藤井郷子オーケストラ東京@新宿ピットイン(2018年)
藤井郷子オーケストラベルリン『Ninety-Nine Years』(JazzTokyo)(2017年)
晩夏のマタンゴクインテット@渋谷公園通りクラシックス
(2017年)
This Is It! @なってるハウス(2017年)
田村夏樹+3人のピアニスト@なってるハウス(2016年)
藤井郷子『Kitsune-Bi』、『Bell The Cat!』(1998、2001年)


マヤ・アンジェロウ『私の旅に荷物はもういらない』

2018-08-13 07:40:46 | 北米

マヤ・アンジェロウ『私の旅に荷物はもういらない』(立風書房、原著1993年)を読む。

彼女の文章は、シンプルながらとても説得力がある。それは、卑屈や憎悪の領域に自分を置かず、前向きに生きていくための言葉であり、国籍や性別や年齢や信仰などに関係なく響くものに違いない。変な自己啓発本(知らんけど)よりも百万倍は良い。

●マヤ・アンジェロウ
デイヴ・ホランド『Dream of the Elders』(1995年)


渡辺隆雄+早川岳晴『Hums For Midnight Amble』

2018-08-13 01:43:02 | アヴァンギャルド・ジャズ

渡辺隆雄+早川岳晴『Hums For Midnight Amble』(Studio Wee、2018年)を聴く。

Takao Watanabe 渡辺隆雄 (tp)
Takeharu Hayakawa 早川岳晴 (b)

一聴してああこれは良いと思える音楽はあるものだ。早川さんのウッドベースは思った以上に太く豊かな音で鳴り、渡辺さんの滋味深いトランペットとともに、マイペースな感じのデュオを展開している。

ふたりのオリジナル曲もミンガスも良いのだが、もっとも沁みてしまったのは「君を信じてる」。トランペットの音色から、声を絞り出すようにして歌ったキヨシローの姿が見えてくる。

それにしても驚いた、Studio Weeの復活。松風鉱一4の企画とかないかな(勝手な放言です)。

●渡辺隆雄
藤井郷子オーケストラ東京@新宿ピットイン(2018年)
オルケスタ・リブレ@神保町試聴室(2017年)

●早川岳晴
生活向上委員会大管弦楽団『This Is Music Is This?』(1979年)


アート・アンサンブル・オブ・シカゴの映像『Live at the Jazz Showcase』

2018-08-13 00:32:18 | アヴァンギャルド・ジャズ

アート・アンサンブル・オブ・シカゴの映像『Live at the Jazz Showcase』(AECO、1981年)を観る。

Malachi Favors Maghostut (b, perc)
Famoudou Don Moye (perc)
Joseph Jarman (reeds, perc)
Roscoe Mitchell (reeds, perc)
Lester Bowie (tp, perc)

昔、Rhapsody Filmから出ていたVHS『Live from the Jazz Showcase』(微妙にタイトルが違う)と同じである。これはドン・モイエが2016年に来日したときの物販で、あっDVDでも作られているのかと喜んで買った。しかし、DVD『In Concert』と同じようである(それは入手してそのへんに転がっており確かめていない)。

ちょうど『Urban Bushmen』を吹き込んだ少し後。昼間うとうとしながら観たが、そのくらいの態度でちょうど良さそうな自然体の祝祭感である。レスター・ボウイとロスコ―・ミッチェルを除く3人は顔に思い切りペイントしている。みんな実に愉しそうだ。やはり、ひとりひとりの演奏が組み合わさったということではなく、バンドサウンドとしてトータルに展開されるものだという印象が強くなる。

AEOCの映像作品としては、1993年の『LUGANO 1993』がゲストも迎えたステージの華やかさ、1997年の『Null Sonne No Point』がフンベルト=ペンツェルならではの凝った迫り方とそれぞれ違っていて、どれも良い。

それにしても、AEOCはナマで観たかったなあ。間に合わなかった。

●アート・アンサンブル・オブ・シカゴ
アート・アンサンブル・オブ・シカゴの映像『Null Sonne No Point』
(1997年)
アート・アンサンブル・オブ・シカゴ『カミング・ホーム・ジャマイカ』(1995-96年)
アート・アンサンブル・オブ・シカゴの映像『LUGANO 1993』(1993年)
アート・アンサンブル・オブ・シカゴ『苦悩の人々』(1969年)