渋谷のメアリージェーンに足を運んだ(2018/8/9)。
たまにコーヒーを飲んだりもするが、ここでライヴを観るのは、20世紀末のサニー・マレイやジョセフ・ジャーマン以来である。99年のマレイに関して言えば、その後、銀座のクロイゾンホールで豊住芳三郎、普門義則とのトリオも観た。薩摩琵琶の演奏を観るのも、その故・普門さん以来のことである。
Yoshino 与之乃 (薩摩琵琶, vo)
Natsuki Tamura 田村夏樹 (tp)
与之乃さんの大きな撥によるばちんという破裂音、これに田村さんが擬態するところから始まった。低く朗々とした謡。物語は一聴ではよくわからないのだが、飛び込んでくる言葉に、その都度意識を喚起させられる(さらに判らない英語の曲もあった)。薩摩琵琶の音は、虫の鳴き声のような連続的な音からいちいち驚かされる撥音まで幅広く、とても新鮮なものだった。インプロにおいては弦からの音を与之乃さん自身が味わっているようで、その内外への意識の動きがまた面白い。
それにしても、田村さんのトランペットの表現力は本当に刮目にあたいする。薩摩琵琶の音に対峙するということもあるのだろうけれど、突き破るような音、息や唸り声とのミクスチャーなどのあれこれを飄々と出してくる。
先日録音した音源が年内にはCD化されるそうで、今から楽しみになってきた。
Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4
●田村夏樹
Mahobin『Live at Big Apple in Kobe』(JazzTokyo)(2018年)
魔法瓶@渋谷公園通りクラシックス(2018年)
MMM@稲毛Candy(2018年)
藤井郷子オーケストラ東京@新宿ピットイン(2018年)
藤井郷子オーケストラベルリン『Ninety-Nine Years』(JazzTokyo)(2017年)
晩夏のマタンゴクインテット@渋谷公園通りクラシックス(2017年)
This Is It! @なってるハウス(2017年)
田村夏樹+3人のピアニスト@なってるハウス(2016年)
藤井郷子『Kitsune-Bi』、『Bell The Cat!』(1998、2001年)