日々のつれづれ(5代目)

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【本】 荒 岱介著「新左翼とは何だったのか」 (幻冬舎新書)

2011-11-01 06:54:06 | 本・映画・展覧会
 「新」左翼ってなんなの?ってかそもそも左翼ってなんなの?漠然と共産主義標榜で社会を改革しようとする人々…ってくらいしか分からないんだけど、本書は主として安保闘争前後の学生運動を中心に、日本に存在した各派(セクトと呼んでも良い)の変遷をコンパクトにまとめてある。体系ずけて理解…できないよ、細かすぎて!もちろん著者のせいではない。

 読んで思うのは、大同小異にしか見えない連中が瑣末と思われる事柄で分割し力を失い、さらに大衆の支持を失っていった過程。本当に資本主義もしくは民主主義を批判し共産主義なのか社会主義なんだか…の体制を作りたければ一致団結すべきだろうに、ただそれができないのは多数決を否定していたからとしか思えず。

 だが、いま読んで運動にわが身を投じた人々を見て子供っぽく幼稚だと批判するのは適当ではないのだろう。当時の社会の空気とか人々の置かれた環境を考えれば、運動の盛り上がりも衰退も仕方あるまいと受け止めるのみか。

 こうした時代に生きられたのは幸せだったのか、不幸せだったのか。「『いちご白書』をもう一度」でも聴きながら考えてみる。

 2011年10月24日 通勤電車車中にて読了
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