日々のつれづれ(5代目)

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【本】中條辰哉著 「日本カジノ戦略」(新潮新書)

2015-02-21 07:43:17 | 本・映画・展覧会
 少し前、沖縄県はカジノ中心の統合型リゾート(IR)誘致を見送ると言う報道があった。賢明だと思う。それで、カジノ関連の本を見つけて読んでみた。マカオは行ったことあるけどちょろっとスロットマシンをやったことがあるくらいで、ポーカーもルーレットも大小(中華圏で人気のサイコロゲーム)もしたことがないもので。

 10年近く前の話で今回のカジノ誘致の話と直接関係はなく、当然2020年東京オリンピック開催も決定前。それでも当時から「日本にカジノを」と言う話はあったので少し触れられている。が、中心は著者が現場に居たラス・ベガス。この街の興りから、どういう手法でカジノが、この街が発展してきたか、いわゆるVIP(本書では「ハイ・ローラー」や「鯨」と呼ばれる)への待遇=コンプについても解説されている。面白い。

 単にカジノの世界の様子を描くレポートでなく、統計学的な裏付けや厳格な法的規制についても詳細に述べられており、良くも悪くもマニュアル重視と言われる米国らしいなと思わせる。

 この詳細なラス・ベガス解説を読み進めるほど、日本でのカジノ運営は困難だろうという思いが強くなる。日本で米国ほど厳格にルールを適応したり(顧客対応ではなく法的な)従業員の教育ができ、それをゲストが受け容れるだろうか?そうは思えない。日本人のみならず海外からのゲストを迎えるのであれば、困難さは一層増すだろう。

 著者の略歴と顔写真に胡散臭さを感じつつ読み始めたが、大いに考えさせられる面白い本だった。

 2014年2月13日 通勤電車にて読了
コメント
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