850ページもある文庫本、わざわざ中米まで持って行くのは重いが、逆にこの一冊を旅先で読み終えるという課題になって良いんじゃない?敢えて電子図書は買わずに持参した。
「河内十人斬り」と言うスタンダードナンバーが「河内音頭」にあるそうだ。そもそも河内音頭って何だ。そこを調べて書くと長くなるので省略、ともかく実際にあったとされる事件に至る、主人公(下手人)の生まれ育ちからの物語。
内容はメチャクチャ面白いとは思えない。それでもこの大作を放り出さずに済んだのは、登場人物たちの会話で用いられる河内弁のリズムに引っ張られたからに違いない。いわゆる関西弁の中でも「汚い」と言われる河内弁、確かに反社会勢力の方々がお使いになるような啖呵とかありますね。なるほど。
いろいろ考えているのだがそれがキチンと言葉にできず、周囲の人間との意思疎通が上手くゆかない主人公は、今なら発達障害と診断されるのではないだろうか。主人公ふくめ周囲の者たちの生き様を綴った本書を、「哀しい物語」と評する人が多いのではないかと思う。自分には本能的に生き、貧しい人物像そしてその風土に嫌悪感の方が強く感じられたのだが、それは上から目線なのだろうか。
2019年5月2日 サンホセ(コスタリカ)のホテルにて読了
「河内十人斬り」と言うスタンダードナンバーが「河内音頭」にあるそうだ。そもそも河内音頭って何だ。そこを調べて書くと長くなるので省略、ともかく実際にあったとされる事件に至る、主人公(下手人)の生まれ育ちからの物語。
内容はメチャクチャ面白いとは思えない。それでもこの大作を放り出さずに済んだのは、登場人物たちの会話で用いられる河内弁のリズムに引っ張られたからに違いない。いわゆる関西弁の中でも「汚い」と言われる河内弁、確かに反社会勢力の方々がお使いになるような啖呵とかありますね。なるほど。
いろいろ考えているのだがそれがキチンと言葉にできず、周囲の人間との意思疎通が上手くゆかない主人公は、今なら発達障害と診断されるのではないだろうか。主人公ふくめ周囲の者たちの生き様を綴った本書を、「哀しい物語」と評する人が多いのではないかと思う。自分には本能的に生き、貧しい人物像そしてその風土に嫌悪感の方が強く感じられたのだが、それは上から目線なのだろうか。
2019年5月2日 サンホセ(コスタリカ)のホテルにて読了