初音ミクさん(なぜかネット界隈では、ちゃんでなくさん付けなのだ)が歌えなくなり消失するというショックな事件と、ミクさんの歌声を取り戻そうとする幾つもの若者グループの奮闘を描く。
ミクさんが最初にボーカロイドとしてデビュー(リリース)したのが2007年と言うから、30周年が近い。本作でも特徴的な声と、オリジナルに近いキャラクターデザインは観る者を落ち着かせ、すんなり物語に誘ってくれた。
ストーリーは各バンド/グループの熱血モノと言えるが、観て楽しく感心するは各々グループのパフォーマンスシーン。エンドロールを見るとグループごとに制作チームが異なり、競い合っているかのよう。とは言え皆の目的は同じ、ミクさんに戻ってきて貰うことだ。なかなかアツいぜ。
画と音がとても魅力的な作品だが、製作陣が訴えたかったのは物凄くまじめで、心折れて諦めてしまった人、諦めかけている人、くじけそうになっている人たちへのエール。そういう人が多い昨今な気は確かにするので、本作を見て勇気づけられたり、また歩き出したり立ち上がろうとする人がいれば良いのだけど。
2025年1月24日 川崎・チネチッタにて