【本】森田洋之著 「うらやましい孤独死－自分はどう死ぬ？家族をどう看取る？－」(三五館シンシャ)

　人間だれしも死ぬときは独りのはずだが、現実においてはそういう受け止められ方をしていない。本書で書かれているように、「周囲の人と関わりながら、穏やかに亡くなる」ケースと、「社会や家族から孤立し、亡くなったことに直ぐには気付かれない」ケースとがある。一般的に孤独死と言えば後者を指すことに異論はなかろう。

　本書がユニークなのは「死ぬときは独り」の観点から、前者も孤独死に含まれると定義し、「しあわせな孤独死」と「気の毒な孤独死」と言う分け方をしている。周囲と関りを持ち、痴呆症でも暖かく見守られ、粛々と亡くなってゆくのが前者。医学的には正しいが、本人の意思とは別に胃ろうやチューブをつなぎまくられ、何もできずただベッドに横たわる延命、果たしてその「死への抵抗」に意味はあるのだろうか？と問いかける(著者は安楽死賛成とまで言い切ってはいない)。

　先日母が亡くなったが、本人の強い意思で延命治療は行われず、ただ痛みの緩和ケア(麻酔)だけ行われた。家族も納得の処置だったため、「これで良かったのだ」と思えた。本書を読んで、そのことを裏付けられた気がした。

　2022年7月29日　自宅にて読了

【写真展】大橋史明展 「森とともに生きていく,－箱根登山鉄道の世界－」

　箱根登山鉄道スペシャリストとも言える大橋氏の個展で、今回は現在も活躍する唯一の単行可能車・108号機が全般検査入場した時の写真群を展示。従って山中を往く姿はなく、工場内の静かなシーンばかり。

　ちょっと照れながらも誇らしげな職員さんの表情が実にいい。天井の化粧板を外された後に見える木張りの天井、分解された制御器のカム、台車から降ろされた主電動機(モーター)等の部品、工場内の治具や工具、塗料ワゴンなど見飽きない、普通には目にすることのできない記録写真でもある。

　現役で走っているうちに、もう一度くらい乗りに行ってみようかな。

　2022年7月23日　銀座・キヤノンギャラリーにて

2022年7月28日 【仕事】アナウンス

　本日の管理職ミーティングにて、私が遠からず職場を去ることが、上長よりアナウンスされた。

　できれば「ジジィやっと居なくなるか」でなく「マジ？ヤベェこれから事務処理どーすんだよ！」とか思って貰えると嬉しいのだが、残念ながらそこまでのインパクトは無いようだった。

【写真展】第39回「日本の自然」写真コンテスト 受賞作品展

　風景と野生動物、いずれも好きな被写体であり、それらがテーマのコンテスト入賞作品揃いとあって観るに不足なし。メーカーの思惑通りの超高画質が存分に活かされ、大画面で鮮やかな発色が楽しめる。

　粗捜しをするなら、綺麗＝上品すぎて、猛々しく生々しい躍動感に欠ける点か。

　銀座にニコンサロンなきあと、キヤノンギャラリーだけでなくこの会場も忘れずにチェックするようにしなければ。ちなみに銀座四丁目の交差点向かいにある三愛ビル内のリコーアートギャラリーは、この日まだ長期休館中のままだった。

　2022年7月23日　銀座・Sony Imaging Galleryにて

2022年7月27日 メインカード再発行

　メインで使っているクレジットカード(JCB)を、無料で再発行して貰った。

　某ショッピングでカード承認が通らず、1,2万円の支払いなのにおかしいなと思いカード会社に電話したところ、不審な支払いを検知したため承認をストップした由。不審な支払いとはGoogleでのゲーム課金で、1回数百円～2,000円程度 で、それが何回も繰り返されていたとのこと。利用した覚えがないため(そもそもパソコンやスマホでゲームやらない)そう言うと、あっさり不正利用と認定され、支払いは免除されることになった。不正利用検知システムに感謝。

　不正利用分の支払いは免除され、番号を変更するためのカード再発行も無料とのことでカード会社には感謝しかないが、一方で諸々の支払い変更手続きを考えると頭が痛い。以前カードを紛失して再発行になった時、登録変更したサイトは 20を下らなかった気がする。まずはインフラ関係、それから旅行関係、そして通販関係。ダラダラやらず、一気に片付けた。

【写真展】宮田裕介展 「私が撮ってきた飛行機達」

　点数は少ないが、発色の綺麗な飛行機関連の写真。飛行機のある風景と言う感じ。舞台は羽田空港周辺ばかりかな？

　作者がどれだけ飛行機に詳しいか知らないが、あまり個々の機体やエアラインなどに精通していない方が、こういう情景写真を上手く撮れるような気がする。もっとも、機体性能や運用に詳しくないと構図を決められないこともあるだろうが…

　写真は、展示会場の公式twitterより拝借。

　2022年7月23日　新宿・ニコンプラザ東京 フォトスクエアにて

【写真展】第65回川崎市観光写真コンクール入賞作品展

　たまたま入った施設で展示されていた、写真コンクール入賞作品展。

　応募要項にちゃんと書いてあるか、の確認が必要だけど、今回のような、地域の名を冠し、さらに活性化につながるためのコンクールに応募されるべきは、たとえ紋切り型だろうがあざといと言われようが、その土地柄が写し込まれていた方が良いのではないかと思う。思いがけない題材や光景で、「ここどこ？…えっ川崎？ウソでしょ！」と言われる意外性を狙うスタイルは嫌いではないが、少々マニアックに過ぎるのではないか。観光地を撮れと言うのではない、この街であることが判るよう撮るべきではないかと言うのだ。

　どちらのタイプの写真もあったが、さすがに意図が解らないような観念的・自己陶酔型の作品は選ばれていなかった。解り易い写真ばかり見ているとバカになると言われたことがあるが、この種のコンクールにおいては、気にする必要ないだろう。

　2022年7月24日　川崎・東海道かわさき宿交流館にて

【写真展】和田直樹展 「Irish skies –創作の泉–」

　アイルランドへは、一週間足らずだが行ったことがある。良く言われる通り、天気は良くない日が多かった。そのアイルランドで撮られた作品の展示会である本展で掲げられている作品は、どれも澄んだ青空、穏やかな夕陽。こんな空、知らないよ！さすが、何年も通っているだけに撮影チャンスにも恵まれるようだ。

　中でも、有名な訪問地でありかつそれだけの雰囲気を味わわせてくれるイニシュモア島での写真は鮮烈なインパクト、鮮やかさが心に刺さる。自分が行った時、刺さったのは風の冷たさだった。

　アイルランドは、機会があれば再訪したい国の一つ。本展を見て、改めてそう思った。

　2022年7月23日　新宿・ニコンプラザ東京 THE GALLERYにて

2022年7月24日 大人の社会科見学・川崎区のあれこれ

　今日は、川崎区のあれこれ「課題の回収」をした。朝イチで映画を観てからスタート。

（１）カワスイ(川崎水族館)
　行こう行こうと思いつつ、オープン以来訪問できていなかった。業績不振でレストランクローズや営業テコ入れなどされ、存続が危ぶまれている様子。川崎市民割引をしていることもあり、ようやく訪問した。
　以前は「〇｜〇｜」だった建物の最上階2フロアにあることもあり、大水槽はなし。展示も淡水魚が中心と言う印象を受ける。入場して最初が地元・多摩川の生態系展示なのは良い。それからあちこちの海、そしてアマゾン推し？1つ1つの水槽は小さいのだが数が結構あり、休日でもあり子供連れで結構にぎわっていた。夜は館内の照明が変わったり一部の展示が入れ替わるそうなので、近いうちに再訪したい。
　観おわった後、館内のカフェで大型淡水魚・ピラルクの身を使ったフィッシュ＆チップスを食べてみた。ごく普通の白身魚だった。

（２）東海道かわさき宿交流館
　過去にも訪問したことがあるが、多摩川へ向かって歩いていたので寄ってみた。川崎宿紹介の展示に目新しさはなかったが、川崎の観光写真展をやっており(別稿)見られて良かった。この施設、無料なのが素晴らしい。

（３）大師河原干潟館
　川崎駅から旧東海道を歩いて多摩川に出、そこから堤防上の歩道を河口に向かって歩く。カンカン照り猛暑の本日、サングラスも日焼け止めも忘れた…
　大師ICの近くに、以前は気付かなかったが土手から少し入って目立たない建物がある。2階建ての1階が、雑然とした展示施設になっている。展示館と言うより小学校の実験教室みたいな雑然さ。主に施設周辺で見られた魚介類、鳥類、昆虫などの観察記録がいっぱい。魚も鳥も、けっこう種類があるなあ。
　コンクリの床にプラスチックの大きなケースが置かれ、金網が被せられている。ちょうど昨日、川崎市港湾局によって川崎港内で捕獲されたトゲノコギリガザミだそうで、デカい！じっとしているが、スタッフが金網ごしに棒で突くと物凄いスピードでハサミを振り上げた。夏休みの間くらいは子供たちの自由研究用に飼い、その後は港にリリースするつもりだと。珍しいものを見た。

（４）キングスカイフロント
　いすゞ自動車川崎工場の跡地を再開発した臨空ビジネスエリア。空港が近いこともあり、高層の建物はなく広々とした印象を受けるが、白基調のビル群は1軒のホテルを除き一般人には用のないエリアであり、面白みはない。
　ちなみに名称の「キング」は地名の「殿町」に由来、ああ懐かしや殿様キングス。この辺まで来ると、飛行機のエンジン音が良く聞こえてくる。

（５）多摩川スカイブリッジ
　今回のメイン、ここを歩いて渡ろうと、はるばる歩いてやってきた。通る車は少なくのどかな雰囲気だったが、平日はけっこうトラックが通るのではないかと思う(写真)。橋の上からの眺めはどちらを向いても良く、空気の澄んだ冬は多摩川と富士山が綺麗に撮れるのではないかと思う。

（６）羽田イノベーションシティ
　RWY22のほぼ延長線上にあり、この日はちょうど着陸に使用していたので見飽きない。屋上には無料の足湯があり、カンカン照りにいじめられながら足を暖めるシュールな光景。
　シティ内は幾つもの建物があるが、新型コロナ渦で開業が遅れており現在は閑散とした状況。逆に今だからこそ、飛行機見物には良いかもしれない。訪問時は、足湯用にタオルを持参しましょう。

　ウォーキングはここまで、イノベーションシティ直結の天空橋駅から、京急線で川崎に戻った。（おわり）

【写真展】高橋万里子展 「スーベニア」

　サイケ、ボケ、ブレ。最初のは良しとして、ボケで曖昧な心を、ブレで揺れる気持ちを表現したいのだろうか。理解できず、感じることもない。抽象的表現と言うのか、こういう作品は苦手だ。展示会案内の作品は、かなり一般的に撮られた作品で、会場の作品群の中ではむしろ異質なものであり詐欺的に感じる。

　2022年7月23日　新宿・ニコンサロンにて