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「吉原饗宴 時代小説アンソロジー」菊池仁/編

2021年10月25日 07時57分04秒 | 読書(歴史/時代)


菊池仁/編

時代小説アンソロジー。
次の6編が収録されている。

あぶなげな卵 有馬美季子
しづめる花 志川節子
色男 中島要
吉原水鏡 南原幹雄
如月は初午の化かし合い 松井今朝子
怪異投込寺 山田風太郎

P80
娘たちは、廓へきた当座こそ涙にくれているものの、いずれ別の顔をみせるようになる。じたばたしたところで苦界を抜け出せぬのだと、ある時期をしおに、頭でなく身体でもって悟るのだ。

P108
初回に続いての登楼を「裏を返す」といい、三度目の登楼で「馴染み」と呼ばれる仲になる。そうなれば吉原中が二人を公認したようなもので、客もすぐには見限れない。

【ネット上の紹介】
吉原遊郭に売られてきた娘を遊女に仕立て上げる裏稼業の上ゲ屋「しづめる花」、惚れた男が忘れられず、身請け話に迷う花魁・朝霧の矜持「色男」、廓で死人が出る数日前になると現れる墓番の鴉爺い「怪異投込寺」など。吉原の妖しい魅力と人間模様を描いた短編6作品を収録。