「 江の生涯を歩く」桐野作人
信長→秀吉→家康、と生き抜いた方なので、
そのゆかりの地をたどると、戦国時代から徳川の時代の重要な足跡をたどることになる。
重要な史跡が写真と地図で紹介されている。
玉造の玉造稲荷神社
P98
文禄二年(1593)、秀頼が誕生したとき、淀殿の胎盤を埋めたのがこの地だったと伝わる。
(中略)
小さな祠で、「秀頼公供養」と刻まれた脊柱が立っている。(子どもの夜泣きに霊験あらたかだそうだ)
太融寺について
P196
境内には明治期に東成郡鴫野村から移された伝・淀殿の供養塔がある。
(昔、地下鉄谷町線が出来るまで、大阪市バスを利用して梅田に出た。バスのアナウンスで「太融寺~」、と。淀殿のファンの方は押さえておくべきお寺)
淀殿というと悪女のイメージがあるが、それは後の徳川政権のイメージ操作の影響もある。
大坂城落城の際、於茶々は出来る限りの者を逃がしている。
以下、「茶々と家康」(秋山香乃)より。
このとき於茶々に助けられた者たちはみな、豊臣のいなくなった徳川の世で、毎年集まっては死ぬまで於茶々の供養を行った。謀反人への供養は命がけだったにもかかわらず、それは一世代だけに留まらなかった。ずっとその後も子孫へと受け継がれ、幾百年と於茶々の冥福を祈り続けることになるのである。
*お江についての本なのに、淀殿の事ばかり書いてしまったが、他意はない。
高野山には、織田信長、明智光秀、石田三成、伊達政宗、上杉謙信、武田信玄、そうそうたる顔ぶれの戦国武将の墓がある。
【ネット上の紹介】
戦国の世に生まれ、織田、豊臣、徳川家の興亡を見守ってきた浅井家の三女・江。実父と兄、母と養父、そして姉までが自害するという悲劇に見舞われながらも、江はしたたかに、しなやかに生き延びて、江戸の二代将軍・徳川秀忠の御台所として輝かしい生涯を送った。しかしながら、江に関する史料は非常に少なく、その生涯には謎が多い。本書は、著者が江ゆかりの地を一つひとつ訪ね歩き、史跡を紹介しながら波瀾に満ちたその生涯を描き出す。
第1章 浅井家の江―北近江・浅井家ゆかりの地を歩く(プロローグ―浅井家の成り立ち
小谷城―江誕生の地なのか ほか)
第2章 織田時代の江―尾張・岐阜・伊勢・越前を歩く(プロローグ―織田家の庇護の下へ
岐阜・伊勢から尾張へ―織田信長の庇護の下で ほか)
第3章 豊臣時代の江―京都・大坂・伏見・大野・丹波亀山を歩く(プロローグ―江の三度の結婚
織田から豊臣へ―時代の移り変わりを歩く ほか)
第4章 徳川時代の江―江戸を歩く(プロローグ―秀忠の御台所として
江戸城を歩く ほか)
第5章 江ゆかりの人々の墓碑を訪ねて(徳勝寺
大徳寺総見院 ほか)
「第一線の記者が教えるネイティブに通じる英語の書き方」伊藤サム
昨年2017年4月から『高校生からはじめる「現代英語」』がNHKで始まった。
その内容、教え方がいい感じなので、著書も読んでみようか、と。
P182
日本人学習者は語彙はたくさん知っていても冠詞に弱い人がほとんどです。するとどんなに難解な単語を駆使して文を書いても、文章は子供っぽい印象になってしまいます。
ジャパンタイムスの入試問題
蔵相夫人の田中花子さんは外国人との交際が好きだ。
Hanako Tanaka, a wife of finance minister, loves to have relationships with foreigners.
この英文、どこに問題があるか分かりますか?
P123
不定冠詞aには深い意味があり、単なる「1つの」ではありません。one of many(不特定多数のうちの、ある1つ)といった意味です。不定冠詞とは不特定を示す形容詞の一種です。
a wifeと書けば、one of many wives(多数の夫人のうちの1人)を示唆します。
relationshipsとありますが、異性が出て来る文脈では「男女の関係」「おつき合い」というニュアンスでの交際です。(つまりこの例文は、夫は重婚、妻は不倫です!)
(正)Hanako Tanaka, the wife of the finance minister, likes to associate with foreigners.
P97
the number of subscribers exceeded 10 milion people.⇒peopleを削除。数字は人間を超えることはできません。(そうか!言われてみればなっとく)
P113
travel:飛行機などで点から点へ素早く移動する現代の旅行
tour:長期間じっくり回る感じ(周遊)。
journeyプロセスを重視する詩的な旅(ヒッチハイクなど)
【感想】
何度の読み返したい、とても良い内容であった。
ネットで見ると、著者の作品はほとんど絶版になっている。
どうしてだろう?
【ネット上の紹介】
英字新聞の新人記者研修をやさしく再現!一見やさしそうに見える課題文にはジャパンタイムズで蓄積されたノウハウが凝縮。自然でシンプルな現代英語の書き方が身につく。
まずは基本:冠詞特集
書き方入門(分かりやすく書く
ピンとくるように書く
面白く書く)
新語を英語にするコツ
日本人に共通するミス(その単語、ホントの意味は?
その単語、危険です!)
すれ違いコミュニケーション―いつ・どこで・だれと・いくつ?
基本に戻り、深い英語の世界へ
先日読んだ「母を片づけたい」の姉妹編、というか、こちらが第一作。
P98
Hoarder(ホーダー)
強迫観念から物を捨てずため込む
コレクターや片づけたいのに片づけられないのとは違う
ADHD
*注意欠如多動性障害。多動性・衝動性と注意力の障害を特徴とする行動の障害
【参考リンク】
「母を片づけたい 汚屋敷で育った私の自分育て直し」高嶋あがさ
【ネット上の紹介】
全部使う物だから、ゴミなんてひとつもない!!行政処分が先か!?隣人からの訴訟が先か!?片づけられない母VS片づけたい娘。荒れ果てた実家の汚屋敷で繰り広げられる2年戦争。読むと危機感に襲われる!?お片づけコミックエッセイ!!
第1章 汚屋敷育ちの娘、実家に帰る
第2章 脱・汚屋敷!最大の敵は同居の母
第3章 片づけられない母vs片づけたい娘決着!!
第4章 未解決案件
「お迎えに上がりました。」竹林七草
失業中の朝霧夕霞。
ふと立ち寄った公園の掲示板で、国土交通省の貼紙を見つける。
それは、「幽冥推進課・臨時職員募集」であった。
開発の妨げになる地縛霊を説得し、穏便に立ち退いていただく、と。
こうして朝霧夕霞の活躍が始まる。
なんで高速道路のインターってのは、どこもかしこもこの手のホテルが並んでいるのか?
それは、国策だ、と。
かつて、道祖神はどこでも見かけたが、これは男女和合の姿をした神だ、と。
P201
「道というのは人と国にとってなくてはならぬ交通の要だが、同時に悪い風とともに穢れを運び込むのもまた道なのだ。故に毛細血管のごとくこの国の隅々まで高速道路が張り巡らされる計画をみたとき、インター付近にかのホテル群を誘致してみてはどうかと提案したのが、幽冥推進課の前身たる『幽冥課』なのだ。かつてはどこの村境にも置かれていた道祖神を生きた人間の営みで代用することで、都心で生じた穢れが日本全土を汚染することを防ごうという呪的装置なのだ」
P204-205
一級河川とは、国土交通大臣が指定したもの。対して二級河川とは、各都道府県知事が指定した河川のことを指している。
真面目なトリビアも交えながら物語は進行する。
軽い息抜きとして楽しめる。
【ネット上の紹介】
入社式当日に会社が倒産し、路頭に迷った朝霧夕霞。失意の中立ち寄った公園の掲示板で、国土交通省の臨時職員募集の貼紙を見つけ、藁をも掴む気持ちで応募する。不可思議な試験を経て採用が決まったが、そこは「幽冥推進課」。国土開発の妨げになる地縛霊などを立ち退かせる不思議な部署で、同僚は全員妖怪。しかし好待遇に心惹かれた夕霞は、働くことを決意し…。あやかしお仕事小説、開幕!
TCNet事務局より、以下のメールをいただいた。
〇二ルンゼ リングボルトについて
二ルンゼに登りに行かれた方より、『かぶったエイト(5.9) 』にリングボルトが
打ち足されていたとの情報を頂きました。
既成ルートに勝手に支点を打ち足すことはマナー違反であると共に、
リングボルトは強度的に問題があるため非常に危険です。
リングボルトは近いうちに撤去する予定ですが、それまでに『かぶったエイト(5.9) 』を
登られる方はリングボルトを使用しないようにお願いします。
二ルンゼのリングボルトに関する内容
http://takahashigawa-climb.net/information/675/
「超訳日本国憲法」池上彰
池上彰さんが憲法をやさしく解説。
P24
憲法は、国家の最高法規。いろんな法律の親分のようなものです。
ただし、一般の法律の多くが、国民が守るべき内容を定めているのに対して、憲法は、「その国の権力者が守るべきもの」なのです。
義務教育について
P66
義務教育と聞くと、子供たちは、「学校に行くのが義務だ」と思いがちですが、子どもたちにとって、学校に行くのは権利であり、義務を負うのは、その子どもたちの親なのです。
P82
「衆議院」というのは、「大衆の代表が議論する場所」という意味です。これに対して「参議院」は、「衆議院での議論に参加する」という意味です」主役は衆議院であることが、名前から分かります。
【ネット上の紹介】
「(天皇は)日本国民統合の象徴」→“国民がまとまっているという象徴”、「大臣を罷免」→“大臣をクビにできる”、「文民」→“軍人ではない人”、「国権の発動たる戦争…これを放棄」→“正義が守られ、混乱しない国際社会を…誠実に強く求め、あらゆる戦争を放棄”など、池上版「超訳」で読み解くと、こんなに憲法はわかりやすくおもしろい!改憲論争が高まる中、国民必読、一家に一冊の最新版「憲法の基礎知識」。
前文
天皇
戦争の放棄
国民の権利及び義務
国会
内閣
司法
財政
地方自治
改正
最高法規
補則
集団的自衛権と日本国憲法
北朝鮮の憲法
中国の憲法
アメリカ合衆国の憲法
「歌川広重東海道五拾三次 保永堂版」歌川広重/佐々木守俊/解説
「東海道五拾三次」を解説した作品。
右は比丘尼の二人連れです。そもそも比丘尼とは女性の僧侶をいいますが、熊野信仰を広めるために諸国を巡った熊野比丘尼のように、絵解きをしたり歌を歌う者が現れ、芸人としての性格を強めてゆきました。柄杓を持つのは、布施を受け取るためです。
瞽女は豪雪地帯の職業というイメージがあり、特に新潟県では現代もその伝統が受け継がれていますが、江戸時代には全国で活躍していました。諸藩は福祉政策の一環として瞽女を保護し、領内を巡歴させました。瞽女は二、三人で連れ立って歩くのが普通で、広重も三人の瞽女が寄り添って歩くさまを描いています。
【ネット上の紹介】
揃い55図全点の見どころを、原寸を超えるスーパー・クローズアップで紹介する広重の「東海道五拾三次」初めての試み。
日本橋 朝之景―なぜ日本橋は正面を向いているのか?
品川 日之出―大名行列に土下座しなくて大丈夫?
川崎 六郷渡舟―視線をみちびく構図の仕掛けとは?
神奈川 台之景―自然と人物、ほかにどんな対比が?
保土ヶ谷 新町橋―橋の向こうの旅人たちが意味するものは?
戸塚 元町別道―なぜ、ここに「こめや」の看板が?
藤沢 遊行寺―鳥居は何を物語るのか?
平塚 縄手道―主役は行き交う旅人か、それとも?
大礒 虎ヶ雨―その日、大磯はなぜ雨だったのか?
小田原 酒匂川―広重の観察眼の冴えはどこに?〔ほか〕
「大草原のローラに会いに」谷口由美子
「聖地巡礼」について書かれている。
いつか、私も行ってみたい。(多分10年以上先になる、と思う)
マンスフィールドの家について
P40-41
ローラとアルマンゾと一人娘のローラは、1894年ローラが27歳のときにこの土地にやってきた。「小さな家シリーズ」は、ローラが27歳までの話なので、このマンスフィールドの家は物語には登場しないのである。でも、ローラはこの土地でアルマンゾとロッキー・リッジ農場をひらき、90歳でなくなるまでの63年間を過ごした。
デ・スメットについて
P52
ここは『大草原の小さな町』だけでなく、その前にくる『シルバー・レイクの岸辺で』と『長い冬』と、あとにくる『この楽しき日々』と『はじめの四年間』の舞台であり、ローラが12歳から27歳までを過ごしたところだ。
P103
わたしは『赤毛のアン』が大好きで、子どもの頃は暗記するぐらい何度もよんでいたものだ。(ちなみに、私はどうしても好きになれない…「本屋さんのダイアナ」柚木麻子)
【おまけ】
本書の中で、著者が恩地三保子先生に会いに行くところが印象に残った。
【巡礼資料】
【ネット上の紹介】
憧れの気持ちが夢をかなえる…大好きな「ローラ」をもって旅に出よう!子ども時代の感動のままに、会社を辞めてローラのふるさとへ旅立ってから、念願の翻訳、同好会の発足、ついには写真集を実現!家族に見守られながら「ローラ、ローラ」に明け暮れる著者が、6回の“ローラ巡礼”で出会った「素顔のローラ・実物大の大草原」を語ります。
ローラに出会ったこと
『大草原の小さな家』を訳したい
恩地三保子先生
とうさん、かあさん
旅に出ます
ローラ・インガルス・ワイルダー巡礼―一九七四年十月
巡礼のあと
『大草原の小さな家』写真集
「大草原の七人」が行く―一九八七年夏の家族旅行
バッタとポプラの話〔ほか〕
「母を片づけたい 汚屋敷で育った私の自分育て直し」高嶋あがさ
いわゆる「毒親」を描いている。
読んでいて、信田さよ子作品を思い出した。
母親というのは大なり小なり娘と自分の同一視という言動があるそうです
私の場合は
・自分の人生の延長(生き直し)
・世間体よく成功してほしいが母より幸せになってはいけない
の2つでした P75
家中をゴキブリが走り回り水回りは一切掃除せず P10
いわゆる機能不全家庭では子供が複数いる場合
・搾取子(恒に貶め、お金や労力をたかる対象)
・愛玩子(搾取子と比べて可愛がり何でも与える対象)
に分かれる事が多いようです P77
マウンティング:犬が自分より下の相手に力を見せつける用語
フレネミー:友人のふりをして常に相手をおとしめる事を言う P85
「人間が1日にできる決断の量は決まっている」 P106
【ネット上の紹介】
ゴミをためこむ汚屋敷母は娘の心にもゴミをためる毒母だった!!家は汚屋敷、ネグレクトで栄養失調の弟、娘への異常な執着やセクハラ…そんな環境で育った作者が母と決別し、自分なりの片づけ方法を見つけるまで。
第1章 汚屋敷母に振り回された家族(食のトラウマ「ゴキブリのフンが入ってる!?」
娘の性に異常に干渉する母
汚屋敷育ちに立ちはだかる結婚の壁
放置子だった弟 命綱は給食
汚屋敷母のメシマズ率は高い! ほか)
第2章 汚屋敷育ちが片付けを学習するまで(引っ越しで片付け筋を鍛える
やらなくていい掃除もある!?
数・層を減らして罪悪感も減らす
身近にあった汚部屋・汚屋敷住人体験談
それでも片付ける気力がわかない時は ほか
「RDGレッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴」に収録されている「九月の転校生 相良深行・中三の秋」「相良くんは忙しい 相良深行・高一の秋」を読み返した。
すると、「RDGシリーズ」を再読したくなった。
…結局、誘惑に勝てず、水曜くらいから日曜までかけてずっと読み返していた。(①はとばして②から⑥まで)
3.11では携帯電話にまつわる霊体験が少なからず見聞されているそうだ。
本シリーズでも、電波、波動が重要キーワード。
超常現象と最新ガジェット…意外と親和性があるようだ。
読んでいて改めてそう感じた。
【おまけ】
年に1回ぐらいの割合で再読しているので何回読んだか分からない。
あとがきを読んで、「勾玉シリーズ」を再読したくなったが、こちらの誘惑はなんとかしりぞけた。
カラスとの関連があるので、「風神秘抄」も再読したいところだが、図書館で借りている本も山積みなので、頭を切り換えざるを得ない。
TCNet事務局からメールをいただいた。
帝釈第一道場の岩場整備について。
〇岩場整備のお知らせ
昨年10月から延期となっていた帝釈の岩場整備の日程が決定しました。
作業日程:4月14日(土)15日(日)
なお、大変申し訳ございませんが前日の13日から翌16日までの4日間、
第一道場でのクライミングはご遠慮下さい。
又、両日、荷物の運搬、食事の準備等、力を貸していただけるボランティアの方を
募っております。本作業の趣旨をご理解頂き、是非共ご協力をお願い致します。
シェア及び、廻りの方への周知をお願い致します。
〇地域のイベント情報
毎年恒例となりました「岩戸開きin用瀬祭(用瀬ボルダリング競技) 」の
開催日程が決まりました。
開催日時:4月15日(日)10:00~15:00
開催場所:用瀬嶽クライミング広場
イベントの詳細、申込方法等はお手数ですが、下記URLにてご覧ください。
http://takahashigawa-climb.net/ibento/909/
歴史の愉しみ方 忍者・合戦・幕末史に学ぶ」磯田道史
ちょんまげについて
P34
頭頂の毛を抜くのは兜をかぶったとき蒸れないためとされる。ちょんまげは戦闘の準備行為であり、間接的に主君への奉仕を象徴していた。ちょんまげを結わぬというのは武家社会からの逸脱であり主君の無視であった。
国民的作家
P44-46
国民歴史意識への最大影響者は頼山陽→徳富蘇峰→司馬遼太郎と推移してきた。それで戦前まで頼山陽の書は目の玉が飛び出るぐらい高価で「掛け軸一本で家が買える」とさえいわれた。
イザベラ・バードの所見
P90
英国女性イザベラ・バードは明治初年に日本各地を旅行。公共事業の無駄が多いことに驚いている。「日本行政の弱点の縮図がここにある。公共のお金が給料の安い大勢の役人によって喰い尽くされている」「日本の官僚主義はお金に関する限りあてにならない」といった。
胎盤と呪術について
P103
わざと人に踏まれる場所に埋める地方も多い。赤子は埋められた胎盤のうえを最初に踏んだ者を恐れるようになる。埋めた上を最初に犬が通れば、その子は生涯、犬を恐れる。猫が通れば、一生、猫に頭が上がらなくなる。だから父親が埋めた胎盤の上を最初に踏みつけ、父の権威を確立するまじないが行われた。
経理の歴史
P104
経理の歴史はおそろしく古いに違いない。おそらく、農耕や貨幣が生じる以前、狩猟や採集をしていたころから、経理はあったと断言できる。むしろ、農耕や貨幣がなかった時代のほうが、経理は大切であったであろう。
というのも、縄文時代の遺跡などを発掘すると「貯蔵穴」というのが出てくる。どんぐりなどの食料を貯蔵していた穴である。狩猟採集社会の人間にとって、食料の残量を知っておくことは、死ぬか生きるかの分かれ道となる。おそらくドングリやら干し肉の残量を計る原始的経理が存在し、うまく食料を「計れた」ものが、生き残っていっただろう。
なぜ、関ケ原で島津軍は中央突破して敗走に成功したのか?(私も気になっていた)
P188
島津軍の強さの秘密は火力に合った。関ケ原にきていた島津軍は「ゑり勢三千人」といわれるように選りすぐった精鋭部隊。近代軍のように全員ではないが他軍からみれば異常なほどの銃を装備していた。当時、鉄砲は主に足軽だけの携行武器。ところが島津軍は「みな腰さし鉄砲」を用意していたというから、絶大な火力を持っていた。これにぶつかった徳川軍の指揮官はそろって銃創を負ったのである。
銃装備。これこそが島津義弘が生還できた本当の理由であろう。当時の武士は鉄砲を卑怯な飛び道具と考え、足軽に持たせたが、薩摩ではこの考えがうすかった。
【ネット上の紹介】
忍者の子孫を訪ね歩き、東海道新幹線の車窓から関ケ原合戦を追体験する方法を編み出し、龍馬暗殺の黒幕を探る―。著者は全国をめぐって埋もれた古文書を次々発掘。そこから「本物の歴史像」を描き出し、その魅力を伝えてくれる。同時に、歴史は厳しいものでもある。地震史研究にも取り組む著者は、公家の日記などから、現代社会への警鐘を鳴らす。
第1章 忍者の実像を探る(忍者の履歴書
秘伝書に残された忍術 ほか)
第2章 歴史と出会う(「武士の家計簿」のその後
ちょんまげの意味 ほか)
第3章 先人に驚く(天皇土葬化のきっかけ
江戸の狆飼育 ほか)
第4章 震災の歴史に学ぶ(和本が落ちてきて
小早川秀秋の墓 ほか)
第5章 戦国の声を聞く(石川五右衛門の禁書を読む
五右衛門が獲ろうとしたもの ほか)
「これは経費で落ちません!」(3)青木祐子
シリーズ3作目。
このシリーズがえらいのは、ヒロインはもちろん各登場人物が描き分けられていること。
それに、どの人物もオフィスにいそうなこと。
あるあるネタ満載か?
経理を描けば、会社が見えてくる?
P189
――制服というのは何歳ごろから似合わなくなるものなのだろうか、とちらりと思った。
P192
ファックスはいまや遺物としてスミソニアン博物館にあるという。日常的に使うと言うと、外資系の会社で驚かれるらしい。
【ネット上の紹介】
森若沙名子、28歳。経理一筋6年目。仕事とプライベートはきっちり分けたいと思っている。そんな沙名子に、広報課の室田千晶が相談があると言ってきた。千晶は化粧品会社から転職してきた契約社員で、好感が持てるいい子だ。千晶が来てからは、ショールームも飾り付けられ来客も増えた。しかし彼女は、社内で浮いている。一部女子社員からは嫌われてさえいて…?
「ヘンゼル&グレーテル」
2013年の作品。
「ヘンゼルとグレーテル」の後日談、あれから15年後という設定。
兄妹は成長し、魔女ハンターの賞金稼ぎとなった。
公式サイトから日本公開日が消去され、公開中止となった作品。
DVDもR15指定。
観て納得、残酷描写+スプラッター。
(本来なら観ないジャンルだけど、グリムのスピンオフなので観た)
公式ウェブサイト
【ネット上の紹介】
両親に捨てられたヘンゼルとグレーテルが迷い込んだのは、森の奥深くの“お菓子の家”。そこに住む魔女に捕えられるが、すきを見て生還する。15年後、大人になった兄妹は魔女ハンターの賞金稼ぎとなっていた。ある日、子供の誘拐が多発する村から事件の解決を依頼され…。誰もが知る童話の新伝説!成長した兄妹と魔女との壮絶なバトルを描く、ダークバトルアクション大作!エクステンデッド・バージョン収録。R-15
「大草原のローラ物語 パイオニア・ガール」ローラ・インガルス・ワイルダー/パメラ・スミス・ヒル/谷口由美子
「小さな家」シリーズの元となったノンフィクション「パイオニア・ガール」と注釈。
(以下「パイオニア・ガール」=PG、「楽」=「この楽しき日々」)
読むのに日数が掛かった。
注釈が半端ない量だから。
本文よりはるかに多い注釈。
古典文学大系か、ってな調子である。
まぁたしかに、古典だし、研究者も多い。
値段も6,264円、マニア向け、と思う。
それにもかかわらず、得るものも多い。
西部開拓時代の政治、経済、世情等、一般知識を得ることが出来る。
また、キャリーやグレイスのその後を知ることが出来た。
キャリーについて
キャリーはびくびくした、弱々しい妹として描かれているが、それはフィクション、PGとも同じ。しかし、実際のキャリーは長じてキャリアを積み、独立心のある女性となった。ふるさとの町でデ・スメット・リーダー紙の植字工を務め、サウス・ダコタ州フィリップではひとりで農地を守って暮らし、ブラック・ヒルズではいくつかの新聞社で働いた。1812年8月1日40代前半で、デイヴィッド・N・スウォンジーと結婚。彼は16歳年上で、子どもがふたりいた。夫の死後、キャリーはサウス・ダコタ州キーストーン駅を切り盛りして働き、1946年6月2日、75歳で没。
グレイスについて
P128
グレイス・インガルスは、デ・スメットの北西約60マイルのところにある、組合教会系のレッドフィールド・カレッジで学んだ。そして、デ・スメットの西の小さな町、マンチェスターの学校で教えた。やがて、地元の農夫で、18歳年上のネイサン・ウィリアム・ダウと出会い、1901年に結婚。チャールズ・インガルスが亡くなる1年前だ。ふたりには子どもはなく、マンチェスター近くのダウ農場で長年暮らしたのち、キャロラインとメアリ・インガルスの面倒を見るために、デ・スメットのインガルス家に移った。1928年のメアリの死後、グレイスと夫はマンチェスターに戻り、グレイス1941年2月10日、64歳で没。夫ネイサンは、1943年に没。
【実際のローラと物語のローラの違い】
P327に脚注を書いたパメラ・スミス・ヒルにより次のように表現されている
PGでは、若いワイルダーはライバルに対してもっときっぱり、はっきり自分の気持ちをぶつけている。なかなかやり手の、プライドと自信に溢れた、ほとんど大人の女性だ。だが、『楽』のローラは、もっと控えめで、自分がアルマンゾを好きなのかどうか、まだよくわからない。物語のヒロインである若い娘の例にもれず、ローラはも大人の女性としての役割や責任を自分のものとしてしっかり受け止めるまでに至っていない。またローラは自分の女性としての魅力にもあまり自信がない。このような控えめなローラが、若い読者の親近感を呼び、魅力的なヒロインに映るのだ。
地図や挿絵も豊富。
それだけでも見ていて楽しい。
インディアン・テリトリーに住んだ「大草原の小さな家」の位置は、のちにローラも探したが分からなかったそうだ。しかし、それも今では特定されている。
【資料】(1)
【資料】(2)
【誤植】
P198
いつもようにちゃんと乳がとれましたが
↓
いつものようにちゃんと乳がとれましたが
【ネット上の紹介】
あの「小さな家」の物語は、ここから始まった―。アメリカ開拓時代の少女ローラとその家族を描いた、児童文学傑作シリーズのオリジナル版が、ついに日本語で登場!物語との比較が楽しめるエピソード満載の解説・注釈つき。
イントロダクション 「ものなるかどうかもわからない」―パイオニア・ガールの物語
「パイオニア・ガール」の原稿について
編集作業の進め方について
第1章 キャンザス州とミズーリ州にて 一八六九年~一八七一年(『大草原の小さな家』対応)
第2章 ウィスコンシン州にて 一八七一年~一八七四年(『大きな森の小さな家』対応)
第3章 ミネソタ州にて 一八七四年~一八七六年(『プラム・クリークの土手で』対応)
第4章 アイオワ州にて 一八七六年~一八七七年(「小さな家シリーズ」から省かれたところ)
第5章 ミネソタ州にて 一八七七年~一八七九年(『プラム・クリークの土手で』対応)
第6章 ダコタ・テリトリーにて 一八七九年~一八八〇年(『シルバー・レイクの岸辺で』対応)
第7章 ダコタ・テリトリーにて 一八八〇年~一八八一年の「厳しい冬」(『長い冬』対応)〔ほか〕