高槻店でホールド全面入替があった。
以下、感想。
○=成功
×=登れず
黄色テープ(一番簡単なサーキット、現在、10課題設定されている)
難度は、前回とほぼ同じ。
簡単な課題と思って侮ってはいけない。油断すると失敗するかも?
白テープ(現在、4課題設定されている)
①=○、テクニカル&バランシー、けっこう、回数がかかった
②=○、終了点取りが核心、足をどこに置いてデッドorランジするか?
③=○、パワーよりバランス、ムーブ解明に時間が掛かった
④=○、出だし核心、少ない手数の中に難しさが凝縮されている
黄緑テープ(現在、10課題設定されている)
①=○、垂壁、これが一番簡単
②=○、ハリボテのマッチが核心
③=×、左手ガスから水平ヘビが核心…出来ない
④=×、細かいホールド連発から遠いタテ…出来ない
⑤=○、ルーフ下の足ホールドを見逃さないよう
⑥=○、パワー系、なんとか成功
⑦=×、出だしから出来ない、コツがあるのか?
⑧=○、パワー系、前傾ダイナミックムーブ、最後が怖い
⑨=○、出だし核心、最初の左手が取れたら成功した
⑩=×、終了点はガバだが届かない、若者向きか?(跳べないオヤジ)
「モップの精は旅に出る」近藤史恵
シリーズ最新刊にして、最終巻。
何年かに1冊ずつ、ぽつりぽつりと出版された、息の長いシリーズ。
これで最後かと思うと、寂しいかぎり。
P175
「ときどき、思うんです。男の人と女の人って、見える世界が全然違うんだなって」
P233
「菜々ちゃんはよく言ってた。部屋をきれいにしてたら大丈夫って。片付けたり、掃除したりすると、頭の中も片付いて、きれいになるんだって。わたしもずっとそうなんだと思ってた」
(中略)
「でも、なんかもういやになっちゃった。掃除したって、結局は汚れるし、散らかるんだもの」
【参考リンク】
掃除人・キリコシリーズ
【シリーズ作品】
【ネット上の紹介】
フィスで起きた怪事件も、仕事の悩みもクリーンに解決。そんなキュートな清掃人・キリコが目的地も告げず家を出た…!?おそうじ上手、謎解き上手。読めば元気になれる大人気ミステリ最新刊!
ミスター・パートナー 2016年8月号
今年は、シャーロット・ブロンテ生誕200年。
雑誌で特集が組まれたので、取り寄せてみた。
知らないことが色々書かれていて参考になった。
当時イギリスの衛生状態が悪く、病気が蔓延していたのが分かる。
エミリ・ブロンテは30歳、アン・ブロンテは29歳、シャーロットは38歳で亡くなる。
P15
シャーロットの姉、マライア(11歳)とエリザベス(10歳)が不衛生と栄養失調が原因で結核に感染して命を落としたカウアン・ブリッジの寄宿学校は、『ジェイン・エア』に登場するローウッド女学院のモデルとなった。
P20
『ジェイン・エア』の大ヒットで、発行から2ヶ月後の12月10日、シャーロットはスミス・エルダー社から印税100ポンドの銀行手形を受け、生まれて初めて印税を手にする(1840年代当時の1ポンドは約8万円換算)。初版2500部は3ヶ月以内に完売となって再版がかかり、2月にも印税100ポンドを受けとる。なお『ジェイン・エア』の次作『シャーリー』では、イギリス国内における作品の版権として500ポンドを受けとっている。(中略)
シャーロットの印税は彼女の死後、夫であるアーサー・ベル・ニコルズが管理することになるが、彼はシャーロットの父が亡くなると祖国アイルランドに帰り農夫として余生を過ごす。
[巻頭特集]
●シャーロット・ブロンテ生誕200年スペシャル
『ジェイン・エア』の物語が生まれた村から
◇ブロンテ博物館の舞台裏を初公開!
◇日本ブロンテ協会会長に聞く
日本人はなぜ『ジェイン・エア』が好きなのか?
◇シャーロット・ブロンテ 38年の足跡
◇妹エミリーとアンの創作活動
◇小説の世界に迷い込む荒野の歩き方ガイド
◆英国のテレビ番組を探る!
イギリスの元気な老人たちのドキュメント
シークレッツ・オブ・グローイング・オールド
◆作家・ジャーナリスト 林信吾の
時事問題 日英の視点
第12回「英国のEU離脱」
◆英国ブランド物語
ヴァルヴォナ&クローラ
絶品の食材とワインが揃う老舗
「エチュード春一番 第2曲 三日月のボレロ」荻原規子
シリーズ2巻目。
1作目から半年で早くも続巻!
うれしい驚きである。
夏休みの出来事が中心に描かれる。
親戚の家に泊まりにいく。
そこで、特殊な能力を持った神官の娘・弓月とその仲間に出会う。
意外な展開であった。
こんなふうに、物語が動くとは思わなかった。
宗教や歴史の蘊蓄も楽しめる。
以下、ネタバレあり、未読の方ご注意。
前回との共通登場人物は、村松愛里と獣医・川森先生。
川森先生が活躍して、一番いいとこを取ってしまった。
さて、今後人気が出るか?
モノクロの3D映像技術だが、あまり役に立たない。
他の者に見えないし、物理的なパワーを持たないから。
今回では、犯人を怯ませるくらいの何かが欲しかった。
美綾自身も非力なので、結局、他力本願になる。
今後進化するか?
武蔵一宮 氷川神社
【参考リンク】
「エチュード春一番 第1曲」荻原規子
【閑話休題】
今回も7/19(火曜)、という中途半端な発売日。
週末まで待てないので、週半ばに書店まで足を運んだ。
(これは、現在の私にとって大変な時間と労力を要する作業)
それでも、早く読みたい気持ちには勝てない。
【ネット上の紹介】
パピヨンの姿をした八百万の神・モノクロと暮らして四ヵ月。祖母の家に帰省した美綾は、自身の才能や適性を見出せず、焦燥感を抱いていた。東京へ戻る直前、美綾は神官の娘・門宮弓月の誘いで夜の氷川神社を訪れ、境内で光る蛇のビジョンを見る。それは神気だとモノクロは言う。美綾を「能力者」と認識した「視える」男、飛葉周は彼女につきまとい、仲間になるよう迫る。
「負の方程式」宮部みゆき
以前、「ソロモンの偽証」を紹介した。→「ソロモンの偽証」宮部みゆき
文庫版「ソロモンの偽証」第3部〔下巻〕に「負の方程式」が収録されている。
20年後の“偽証”事件を描く、書き下ろし中編である。
本作品は、映画化された。
さらに、今年5月20日に「前篇」、27日に「後篇」が、TV放映された。
それを録画しておいて、つい先日観た。
思った以上に、よく出来ていて感心した。
その時、少し調べて、本作「負の方程式」があることを知った。
藤野涼子の20年後の姿が描かれる。
しかも、別シリーズの杉村三郎が登場する。
これを読まずにいられるだろうか?
P641
最初から反りが合わず、嫌い合っている関係より、一度は親しい時期があってから離反した場合の方が、感情の振幅が大きい分だけ、相手を害してやろうという負のエネルギーも強くなるのではないか。
P574
負の方程式だと、私は思った。教師と生徒、教える側と教わる側、導く側と導かれる側、圧する側と圧される側の組み合わせが間違っていて、だからどんな数字を入れたところで、マイナスの数字ばかりが出てくる。
「ブーリン家の姉妹」(上・下)フィリッパ・グレゴリー
「子なきは去れ」と貝原益軒は言ったが、
「子なきは首を切れ」とまでは言わなかった。
ヘンリー8世は、アン・ブーリンが男子を生まなかった、として首を切ってしまった。
結婚してわずか2年後のことである。(結局、6人と結婚して、2人斬首)
前妻キャサリン王妃と離婚するため、イギリス国教会を作り、バチカンから離反までしたのに。
本書は、そのアン・ブーリンを「妹」の視線から描いている。
悪名の高いアン・ブーリンだが、私は嫌いじゃない。(好きでもないが)
しかし、本書の著者は好きじゃないようだ。
さらに言うと、その血を受けついたエリザベスも嫌いなようだ。
もしかしたら、著者はカトリック教徒なのかも?
だから、英国をプロテスタント(英国国教会だけど)の国にしたアン・ブーリンとエリザベスを腹立たしく思っているのかも知れない。
読んでいて、そんなことを感じた。
ベストセラーの人気作品だけど、基本となる人物設定が、私の趣味と合致しない・・・。
描き方も、ワイドショー・女性週刊誌のような下世話さを感じた。
(そんな訳で、さほど面白く感じなかったが、様々な思いが湧きあがった)
↑アン・ブーリンとヘンリー8世
【おまけ】
急に本書を読みたくなったのは、英国EU離脱。
まったく状況は異なるが、イギリスという国は、他のヨーロッパと違うことをする。
一番の違いが、イギリス国教会を作ってバチカンから離脱したこと。
私の中では、EU離脱とアン・ブーリンが繋がった。
だから、この時代を扱った作品を読みたくなったのだ。
この時代はめまぐるしく為政者が替わる。
ヘンリー8世→エドワード6世→メアリ1世→エリザベス1世
ちなみに「王子と乞食」は、エドワード6世を描いている。
「イルカの家」も16世紀だけど、後半か。
「王子と乞食」を読むと、あまり良い時代じゃなかったように感じるが、
「イルカの家」を読むと、けっこう豊かな時代だったように思える。
いろんな人々がいた、ということか。
【離婚について】「王妃の離婚」佐藤賢一(P66)
厳密にいえば、カソリックの教義に離婚というものはない。新約聖書、マタイの福音書19の6に「もはやふたりではなく、ひとりなのです。こういうわけで、人は、神が結び合わせたものを引き離してはなりません」とあるからである。コリント人への手紙、第1の7の10、並びに11にも「妻は夫と別れてはいけません。もし別れたのだったら、結婚せずにいるか、それとも夫と和解するか、どちらかにしなさい。また夫は妻を離別してはいけません」とある。こうした教えを守るべく、カノン法も「婚姻の本質的特性は、単一性及び不解消性である」と明記して、あまねく信徒に離婚を禁じている。
では、意に添わない相手とも、永遠に別れられないかといえば、そういうわけでもなかった。キリスト教徒は事実上の離婚として、「結婚の無効取消」という手続きに訴えることができた。つまり、はじめからなかったことにする、という理屈である。
【はたしてアンに愛はあったか?】「残酷な王と悲しみの王妃」中野京子(P236)
歴史家たちの間でも意見は二分され、定説はない。最初のうち愛していなかったのは確かだ。問題はその後である。一国の王から熱烈なラブレター(ヴァチカンに十七通も残されている。なぜヴァチカンに?それも謎だ)をもらい、他国と戦争になりかけてまで、また宗教改革をしてまで、臣下を処刑し元王妃を退けてまで、自分を求めてくる、国のナンバーワン男を、いつまでも愛さずにいられるものだろうか?
いられる。
その点で、女は男ほど情に流されやすくはない。愛してくれる相手を可愛く思うようになる、というのは男性特有の(不思議な)優しさであり、たいていの女性は嫌なものは嫌なまま、身をまかせたにしてもそれは我慢しているだけだ。だからアンが徹頭徹尾、己の野心だけで行動していた、という説にも説得力はある。
しかし愛というものの性質を考えるとき、一方通行がそれほど長く続くものだろうか、との疑問が湧く。遠くから恋しているだけなら、たとえ相手に嫌われていようと、十年でも二十年でもあるいは一生でも続けれれるかもしれない。だがヘンリーとアンは、後半、ほぼ毎日のように顔を合わせていた。アンに情のひとつもなければ、いかなヘンリーであれ、恋情を保てたとは思えない。アンの心がわずかずつでも自分に傾いてきたればこそ、そしてある瞬間に魂と魂が響きあったればこそ、愛は成就したのではないか。
ヘンリーのようにではないにせよ、アンもきっと愛したのだ。彼女が愛したとき、ヘンリーはうっすら失望した。手に入った愛は、もういらない・・・・・・。
【ヘンリー八世の逸話】P193
八世は「イングランドで初めて梅毒にかかった王」との別名もあり、子どもたちに死産、流産、夭折がふつう以上に多かったのはそのせいと言われる。
【ネット上の紹介】
姉のアン・ブーリンに疎まれた妹メアリーはやがて、宮廷の外に新しい生活を求める。そこには「平凡な男」、スタフォードとの出会いがあった。一方、前の妃を追い出したアンは、栄華の極みを得る。しかし、男の世継ぎを産むことに執着した彼女は、破滅の途をたどり…。のちのエリザベス1世の母、アン・ブーリンと妹メアリーの哀しくも激しい物語は息を呑むクライマックスへ。
第155回芥川賞・直木賞受賞作が発表された。
次のとおり。
「海の見える理髪店」 荻原浩
「コンビニ人間」村田沙耶香
「浮沈~剣客商売」(16)池波正太郎
シリーズ全16巻、これにて終了。
あと、外伝があるが、いずれ後ほど。
少し他の作品を読んで、インターバルをとろうと思う。
「先生。今日は、いい日和でございますねえ」
「千造。こんな心地よい日和は、一年の内、数えるほどだ」
「ほんとうに、さようでござんす」
「人の暮しと同じことよ。よいときは少ない」
「まったくで」
「二十番斬り~剣客商売」(15)池波正太郎
P261
「なまじ、口にのぼせると味気なくなることもあり、却って、肝要の事が通ぜぬ場合もある。言葉と申すものは不自由なものよ」
「暗殺者~剣客商売」(14)池波正太郎
仕事人の科白
P61
「人間の世の中というものは、犬や猫のようにきれいごとではすみません。金で人を殺すのは悪いことだが、早く死んでもらわぬと諸人が迷惑をするというやつに、この世から消えてもらう。これは、いいことだとおもいますよ。ええ、もう、そういうやつにかぎって、何も知らぬ善人の血を吸いながら、お上の目にもふれず、のうのうとしていやがる。(後略)」
「波紋~剣客商売」(13)池波正太郎
P128
剣術の道場の主だからといって、威張って門人たちを教えているだけではすまない。
天下の名声を得ている剣客ならともかく、中小の道場主は、道場の経営にも神経をつかわねばならぬ。
いわゆる、秋山小兵衛がいうところの、
「剣客商売……」
と、いうわけだ。
それでいて、絶えず、おのれの剣と人格を磨きつづけ、剣客としての充実をこころがけてゆかぬと、結局は、
「いてもいなくても同じような……」
剣客に……いや、人間になってしまいかねないのである。
「十番斬り~剣客商売」(12)池波正太郎
P268-269
当時は、徳川将軍の威風の下に、」諸大名がそれぞれの領国を治めていた[封建」の時代であった。
ために、A国の殺人犯がB国の領内へ逃げ込んでしまうと、A国を治める大名が人数をさしむけて、これを追うことができなくなる。
せまい日本の中には、無数の国境が存在していたからだ。
[国境」を侵すことが、どのようなものかは、現代の世界諸国を想いみれば、たちどころにわかるであろう。
「殺害された者の肉親が犯人を追って行き、死者の敵を討つ」
ことが、武家社会の、不文律の制度として容認されたのである。
「勝負~剣客商売」(11)池波正太郎
11巻目を読んだ。
P74
俗に、
「貧乏旗本」
などと呼ばれるのは、この小十人組の士(もの)のことなのである。
「百俵六人泣き暮らし」
ともいわれている。
家族が六人もいたら、とてもやっていけないという意味であろう。
武士の家の次男・三男は、家を継ぐことができぬゆえ、父や兄の[厄介者]として暮らさねばならぬ。
養子の口があれば上々だが、これまた、身分の低いものにとっては、おもうようにまいらぬ。
「春の嵐~剣客商売」(10)池波正太郎
10巻目を読んだ。
P55-56
人間の生と死は、
「紙一重のところで、いつも、腹合わせになっているのじゃ」
いつであったか秋山小兵衛が、杉本又太郎にそういったことがある。
ゆえに、死にたいという気持ちと、生きたいという気持ちも腹合わせになっている。
また、理性と本能も腹合わせだし、善と悪も、それこそ紙一重の差によって区別されていると、いえなくもないのだ。
(中略)
人間という生きものは、このように矛盾をきわめている。
なまじ、他の動物生物より頭脳が発達してしまったがために、生きものとしての本能や肉体と、ともすれば理性と感情との均衡がとれなくなってしまう。
それが矛盾の原因であって、矛盾だらけの人間がつくりあげている世の中というものも、また当然、矛盾をきわめているのだ。