「西遊妖猿伝」(7)諸星大二郎
シリーズ7冊目。
あたしのハチを……信じられない……!
「神に守られた島」中脇初枝
戦争末期、沖永良部島が舞台。
島に住む子どもの視点で描かれる。
3部構成になっている。
第一部=戦争末期、島の子どもたちの様子
第二部=特攻機が島に不時着する
第三部=敗戦を迎える
P108
「貴重な飛行機を失って、ぼくだけ生き残ってしまった」
伍長はまた海を見た。
「昨日、一緒に出撃したみんなは沖縄に辿りついて突入している。ぼくも昨日、みんなと一緒に死ぬはずだったのに。死んで神になるはずだったのに」
伍長は叫ぶようにそう言うと、頭を抱えた。
胸で人形が大きく揺れた。
ぼくたちも黙りこんだ。
波の音と鳥の鳴き声が沈黙を埋めていく。
「ここにいれば?」
カミがぽつりと言った。
【ネット上の紹介】
沖永良部島―沖縄のすぐそばにある小さな島は、大戦末期、米軍機による激しい攻撃を受けた。戦況が厳しくなっていくなか、島のこどもたちは戦争を肌で感じつつも、いきいきと過ごしていた。そんなある日、島に特攻機が不時着するという事件が起きる。
「ヴァラエティ」奥田英朗
短篇を中心に、対談、ショートショートも収録。
対談は、イッセー尾形氏、山田太一氏。
山田太一氏との対談
P212
奥田:何か起きたときに人はどう感じるか、どう行動するのか。それがつぶさに描かれるものを読んだり見たりする喜びが、もっとあってもいい。
あとがきより「夏のアルバム」について
P270
自分で言うのもなんですが、わたしの短篇では五指に入る出来だと思います。
【感想】
「ドライブ・イン・サマー」がスラップスティック。
70年代の筒井康隆氏を彷彿される出来。
「夏のアルバム」は小さな子どもが主人公。
子どもの視点で語られる。
【ネット上の紹介】
「奥田英朗はぜんぶ読んでる」という人にも、じつはまだ読んでいない作品がある!かも。単行本初収録の短篇をはじめ、現在入手困難となっているアンソロジーの短篇、唯一のショートショート、数少ない貴重な対談などを収録。コアなファンからちょっと気になった人まで、レアな奥田英朗を楽しめるスペシャル作品集!
「朝日ぎらい よりよい世界のためのリベラル進化論」橘玲
リベラルVS保守。
そもそもリベラルって何?
リベラルと保守に関して、様々な考察が語られる。
P39
男女のジェンダーギャップだけでなく、正規/非正規、親会社/子会社、本社採用/現地採用など、日本的雇用制度ではあらゆるところに「身分」が顔を出す。日本は先進国のふりをしているが、その実体は江戸時代の身分制社会に近い。日本人同士が出会うと、まず相手の所属=身分を確認し、尊敬語や謙譲語で上下関係を示そうとするが、こんな「風習」は欧米ではもはや存在しない。
P225
利己的な個人が濃密な共同体のなかで生きていくためには「道徳」が必要で、そのためには社会(他者)からの圧力よりも、共同体メンバー自身が自己統制する方が効率がいい。このようにしてすべてのヒトに「良心」が埋め込まれたというのが進化倫理学の標準的な説明だが、これが正しいとすれば、「道徳」や「正義」は無条件によいものではなく、進化の課程でつくられた社会機能のひとつにすぎない。
【ネット上の紹介】
リベラルの定義が問われる今、なぜ戦後リベラリズムはかくも嫌われるのか。実は日本のリベラルは、世界の基準から大きく脱落していた。トランプ現象から安倍政権まで、世界の大潮流から読み解くリベラル再生のための愛の劇薬処方箋。
1 「リベラル」と「保守」が逆転する不思議の国(安倍政権はリベラル
リベラル化する世界)
2 アイデンティティという病(「ネトウヨ」とは誰のことか
正義依存症と愛国原理主義)
3 リバタニアとドメスティックス(グローバルスタンダードの「リベラル」
「保守」はなぜ「リベラル」に勝つのか?)
4 「リベラル」と「保守」の進化論(きれいごとはなぜうさん臭いのか?
リベラルはなぜ金持ちなのか?)
エピローグ サイバー空間のイデオロギー戦争
「西遊妖猿伝」(4)諸星大二郎
シリーズ4作目。
舞台は長安に移動
登場人物たち
抜け穴と森羅殿概念図、宮城図
「西遊妖猿伝」(3)諸星大二郎
シリーズ3冊目を読んだ。
金角大王、銀角大王登場
金箍棒を手にする悟空(アーサー王のエクスカリバーか?)
隋末の大乱図
「西遊妖猿伝」(2)諸星大二郎
シリーズ2冊目を読んだ。
登場人物が増えている
悟空にはまだ無理かな じゃが筋はいいぞ
隋末唐初の乱 末期の情勢 白雲洞概念図
「これは経費で落ちません」(4)青木祐子
シリーズ最新刊。
本作品が面白いのは、「こう言う奴、会社にいるよな」、ってキャラが多数登場すること。
オフィスあるある満載。
今回の特筆点は、経理部に新入社員(中途採用)美華が入ってくること。
なかなかクセのあるキャラだ。(面白い)
P28
美華は何を考えているのだ。言いたくても言わないほうがいい言葉というものはあるではないか。たとえ、みんなが考えていることであっても。
入ったばかりの会社で、全方位にケンカを売ってどうするのだ。
無理にフレンドリーになる必要はないが、信頼をなくしてはならない。嫌われるのは、親しくなりすぎるのと同じくらい始末が悪い。
P96
「ご意見承っておきます」
沙名子は言った。
いったい美華はどんな本を読んだのだ。経理部員が社内不倫の責任までとれるか。
と言いたいところだが、今は生々しい義論はしたくない。
P226
「どうして決定的な失態をすると?」
「有本さんは頭が悪いからです。アンフェアです。あんなやり方が、社会に通じるわけがないです。彼女はどこかでつまずくはずです。そうじゃなきゃおかしい」
(中略)
あちこちでつまずいているのは美華のほうではないか。マリナと美華、頭がいいのはどっちだ。正しければ勝つわけではないのなら、正しさに何の意味がある。
【ネット上の紹介】
経理部の新入社員・麻吹美華は、なんでも率直にものを言う。オブラートに包むということがない。おかげで波風立てずに会社員生活を送りたい沙名子は、気苦労が絶えない。私生活では太陽とつきあいはじめたものの、初めての恋愛にペースを乱され戸惑い気味。そんなときも、面倒事は遠慮などしてくれない。沙名子はよく知る社員同士の不倫現場を目撃してしまい…?
ジョン万次郎というと井伏鱒二さんの作品を思い出すが、こちらはアメリカ児童文学作家による作品。
私が井伏作品を読んだのはだいぶ前だけど、こちらの方が面白く感じた。
アメリカでの差別、クラスメートとの生き生きとした会話。
なかなか楽しめた。
P316
万次郎とホイットフィールド船長の子孫はふたりの友情を受け継ぎ、毎年、日本とアメリカで交互に開催される「日米草の根交流サミット」に参加している。
P326(あとがきより)
幕末から明治にかけて、日本に海外事情を伝え、開国を勧め、また英語教育に努め(教え子に福沢諭吉、大鳥圭介、津田真道、西周、後藤象二郎、岩崎弥太郎ら)、アメリカの科学技術の紹介などにも尽力する。
P329(あとがきより)
さて、万次郎については、いろんな人がいろんなことをいっているが、ほとんどの人が口をそろえていうのは、奇跡的といっていいほど運がよかったということだ。
まずなにより、アメリカのよいところを集約したような船長に養子にしてもらったことだろう。ホイットフィールド船長は南北戦争前の人種差別の激しかったアメリカで、野蛮な国と思われていた日本の男の子を養子にし、心から愛し、十分な教育を受けさせた。
【ネット上の紹介】
鎖国をしていた江戸末期。漁に出たまま遭難し、捕鯨船に助けられてアメリカに渡ったジョン万次郎(中濱万次郎)。言葉や習慣も異なる地で、いじめや差別にくじけることなく、強く生き抜いていった秘訣は、何だったのだろう?のちに幕末日本を救うことになる少年のアメリカ青春時代を、史実をもとに瑞々しく綴った物語。「差別」や「多様性」を考えさせる本として、全米で注目された話題の書!アメリカの小中学校で教材として取り上げられた名作。優れた児童文学に贈られる、ニューベリー賞オナーを受賞!
ポンポン山に登ってきた。
日陰がなくて、暑い山頂
早くも栗が落ちていた
下山は水声の道から
【おまけ情報】
今回はYAMAPを利用した。(ジムで教えてもらった)
地図とGPSを利用したアプリ。(無料)
今回のデータは次のとおり。
青い線が私のトレース
スタート8:02
↓ 2時間0分
ポンポン山10:02-10:19
↓ 1時間53分
ゴール12:12
活動距離…13.6Km
消費カロリー…1799kcal
高低差…522m
累積標高上り/下り…930m/928m
【スマホ・省エネ対策】
朝、充電100%で、夕方見ると85%…縦走だと3日以上はしんどい。
途中で充電する必要があるかも。
対策として、機内モードにして、Wi-Fi「オフ」、Bluetooth「オフ」にすると少し長持ち。
必要のないアプリ「オフ」、明るさも抑えるとなおよし。
【参考リンク】
登山情報サイト | YAMAP(ヤマップ)