【ぼちぼちクライミング&読書】

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「新食品成分表 FOODS」新食品成分表編集委員会/編

2015年02月27日 23時06分43秒 | 読書(ノンフィクション)


「新食品成分表 FOODS」新食品成分表編集委員会/編

先日、健康診断の結果が出た。
私が気になるのは、アルブミンである。
これで、現在の栄養状態を知ることが出来る。
私の数値は4.6・・・一応、標準である。
朝と晩は、自分で料理を作っているので、気になったのだ。
ほっとした。

さて、この「新食品成分表」は便利。
オールカラーで782円は安い。
ちょっと調べたいとき、とても便利。
例えば、さつまいもは果物よりビタミン豊富と言われているが、実際どうか?、とか。
一家に1冊あってもよい、と思う。 

【ネット上の紹介】
穀類
いも及びでん粉類
砂糖及び甘味類
豆類 
種実類
野菜類
果実類
きのこ類
藻類
魚介類
肉類
卵類
乳類
油脂類
菓子類
し好飲料類
調味料及び香辛料類
調理加工食品類


「雪とけ柳 着物始末暦」中島要

2015年02月26日 22時35分42秒 | 読書(小説/日本)


「雪とけ柳 着物始末暦」中島要

人気シリーズ、第4弾。
このシリーズ、とても面白い。
今回も楽しめた。
謎が少しずつ解明され、物語は進行していく。
人間関係も、それにつれ、変化していて、楽しめる趣向になっている。
次の4編が収録されている。

禁色
歳月の実
雪とけ柳
絹の毒

P195
「お新造さんは雪持ち柳というきものの柄を知ってやすか」
「ええ、柳の枝に雪が積もったきものでしょう。春を待つおめでたい柄だとか」
「そうです。風に揺れ、雪の重みに耐えながら、いつか来る春をじっと待つ。柳は丈夫で折れねぇが、己の力で雪を振り払うことはできねぇんでさ。ご新造さんが会ってくれりゃ、師匠の心に積もった後悔って名の雪もすぐにとけると思いやす」

【関連リンク】
「しのぶ梅 着物始末暦」(1)中島要
「藍の糸 着物始末暦」(2)中島要
「夢かさね 着物始末暦」(3)中島要


【ネット上の紹介】
「井筒屋で配られている引き札を、五枚集めたら高価な絹のしごきが貰えるぞ!」「どうやら井筒屋は、配ったしごきの色で美人番付をしているらしいぞ!!」正月早々、江戸の町では開店したばかりの老舗呉服問屋、井筒屋江戸店の噂で持ちきりだ。しかし、巷を賑わす話の裏には、実は隠された陰謀があった…。井筒屋の真の“狙い”とはいったい何なのか!?着物の始末屋・余一が、一膳飯屋のお糸と共にその真相に迫るが―。着物の汚れも、市井の悩みも綺麗に始末する!!大人気シリーズ、待望の第四弾!!


「音わざ吹き寄せ 稽古長屋」奥山景布子

2015年02月25日 23時04分49秒 | 読書(小説/日本)


「音わざ吹き寄せ 稽古長屋」奥山景布子

これは巧い。
江戸情緒あるれる短編集。
兄・音四郎は役者だったが、大けがを負って、妹・お久と『稽古屋』の看板を掲げて生計を立てている。
その日々の生活を、丁寧に描いていく。
まるで、江戸時代にいるかのような感覚で読み進んだ。
押さえた演出も好もしい。
派手なところはないが、印象に残る渋い作品だ。
プロの職人技を感じた。
次の9編が収録されている。

「大女」
「ならのかんぬし」
「いぬぼうざき」
「はで彦」
「宵は待ち」
「鷺娘」
「菊の露」
「丙午」
「にせ絵」

ところで、「いぬぼうざき」とは何か?
“調子っぱずれ”って意味。
なぜなら犬吠埼は銚子の外れにあるから。
粋な表現、である。(P88)

いずれ、他の作品も読んでみようと思う。 

【おまけ】
東映映画のオープニング、岩に波しぶきがかかるシーン。
あれが、犬吠埼とのこと。 

【ネット上の紹介】
元吉原の北隣、長谷川町。その南側にあるお稲荷さんに通じた細道に移り住んで稽古屋の看板を掲げた音四郎とその妹お久。兄はほんの二年前まで芝居小屋に出ていた役者あがり、足に大けがを負って舞台を去り、今では隠居のように妹と暮らしている。厳しい稽古に妹は評判を案じるのだが――。「大女」「ならのかんぬし」「いぬぼうさき」「はで彦」「宵は待ち」「鷺娘」「菊の露」「丙午」「にせ絵」。弦音ひびく江戸情緒あふれる9編を収録。


ポンポン山

2015年02月21日 21時28分01秒 | 登山&アウトドア(関西)

ポンポン山に登ってきた。
大阪に限って言えば、今年は気温が下がらず、雪が少ない。
土曜日は、3月下旬くらいの暖かさ。
手袋なしでも(問題なく)歩けた。
昨年なら考えられない。

申しわけ程度の雪

愛宕山の方向

比叡山の方向

キノコだらけの樹(キノコは嬉しいだろうけど、樹は迷惑)

PS
山歩きをすると、血液が躰を駆け巡るが、特に足が膨張している。
クライミングシューズを履くと、すごく窮屈だ。
ジブスにも乗りにくい。


「宇喜多の捨て嫁」木下昌輝

2015年02月19日 22時58分09秒 | 読書(小説/日本)


「宇喜多の捨て嫁」木下昌輝

梟雄(きょうゆう)という言葉がある。
残忍で強く荒々しいこと・・・即ち『悪人』。
戦国武将で言えば、北条早雲、斎藤道三、松永久秀。
宇喜多直家もその1人。
タイトル作品は、捨て駒として後藤勝基に嫁がされた四女・於葉の物語。

P14
まず宇喜多直家は娘婿の伊賀久隆を籠絡して、彼に主筋であり同じ宇喜多家の娘を娶った松田元賢を責めさせたのだ。姉妹が敵味方として戦ったのである。滅びた松田家に嫁いだ長女の初は自害し、滅ぼした伊賀久隆に嫁いだ次女の楓は精神を失調して錯乱してしまった。
自分の娘を道具のように扱う謀略は、敵はもちろん味方や家臣からも忌み嫌われていた。

後藤家・嫁取奉行と於葉のやりとり
P14-15
「それにしても宇喜多直家様の調略は凄まじいの一言」
(中略)
「碁に捨て石というという考え方がありもうす。一石を敵に与えて、それ以上の利を得るというもの。あるいは将棋の捨て駒。血のつながった娘を嫁がせ、油断させた上で寝首をかく宇喜多直家様のご手腕は、まさにこの捨て石や捨て駒のごとき考え」
於葉は、この老人にひるんでいる己を自覚した。
「そう、正室や己の血のつながった娘さえも仕物に利用する。これを言葉にするなら、捨て石ならぬ・・・・・・」
安藤相馬が仰々しく天井を見て、一拍置いた。
「捨て嫁」

諱(いみな)について触れている箇所があって興味深い(参考/この作品でも触れられている→「人生オークション」原田ひ香
P18

諱とは武将の本名のことだ。本名を口にするのは不吉とされ、和泉守や左衛門尉などの官名や通名で呼び合い名乗るのが普通だった。
宇喜多直家でいえば、“直家”が諱にあたり、和泉守という役職で呼ぶ。ちなみに安藤相馬は、通称が相馬で諱は安貞と言う。安藤相馬の、ふてぶてしい口から、直家という諱が発音されることを想像すると、於葉の背に冷たいものが流れた。父親への冒涜だけでなく、口にした安藤相馬とそれを聞く於葉自身が禁忌を犯すという意味もある。呪詛に等しい行為だ。


次の6編が収録されている。

宇喜多の捨て嫁
無想の抜刀術
貝あわせ
ぐひんの鼻
松之丞の一太刀
五逆の鼓

宇喜多直家像と周りの人々を浮き彫りにする。
最後の『五逆の鼓』で、再び於葉のその後に触れられる。
秀逸である。

第152回直木賞の候補となった作品。(結局、西加奈子さんの「サラバ!」が授賞)
木下昌輝さんは、この『宇喜多の捨て嫁』が単行本デビュー、という。

初単行本で、直木賞候補!
新たな才能の誕生、である。
今後も、注目していきたい。

【ネット上の紹介】
第92回オール讀物新人賞受賞作品、待望の単行本化! 時代小説では宇江佐真理、山本一力、近年では直木賞作家の桜木紫乃、人気急上昇中の坂井希久子、柚木麻子といった作家を見出してきたオール讀物新人賞。2年前、表題作「宇喜多の捨て嫁」で見事にこの新人賞を射止めたのが本書の著者・木下昌輝だ。権謀術数によって勢力拡大を図った戦国大名・宇喜多直家によって、捨て駒として後藤勝基に嫁がされた四女・於葉のこの物語を、篠田節子選考委員は「女性視点から決して感傷的にはならず、最後まで緊張感が緩まず、リーダビリティは高いが通俗的ではない/時代小説の様式に則りながらも、随所に独特の表現が光る」、同じく森絵都選考委員は「海千山千が跋扈する殺伐とした世を背景に、一筋縄ではいかない人物たちが迫力たっぷりに絡み合う、緊張感のあるそのストーリー展開には貫禄をも感じた」と高く評した。本書ではほかに五編の短編を収録。いずれも戦国時代の備前・備中を舞台に、昨日の敵は味方であり明日の敵、親兄弟でさえ信じられないという過酷な状況でのし上がった、乱世の梟雄・宇喜多直家をとりまく物語を、視点とスタイルに工夫をこらしながら描く。直家の幼少時の苦難と、彼でしか持ちえない不幸な才能ゆえの大罪(「無想の抜刀術」)、若く才能あふれる城主として美しい妻を迎え子宝にも恵まれた直家に持ちかけられた試練(「貝あわせ」)、直家の主・浦上宗景の陰謀深慮と直家の対決の行方(「ぐひんの鼻」)、直家の三女の小梅との婚姻が決まった宋景の長男の浦上松之丞の捨て身の一撃(「松之丞の一太刀」)、芸の道に溺れるあまり母親をも見捨てて直家の家臣となった男(「五逆の鼓」)と、いずれも直家のほの暗い輪郭を照らしながら、様々な情念を浮かび上がらせていく――時代作家としてはもちろん、ピカレスクの書き手としても十分才能を感じさせる意欲作である。


「晦日の月 六尺文治捕物控」中島要

2015年02月18日 22時29分05秒 | 読書(小説/日本)


「晦日の月 六尺文治捕物控」中島要

中島要さんの時代小説・捕物帖。
さすが手慣れた感じで、安心して読める。
大男だが心優しい文治と、元親分の娘・お加代が難事件を解決していく。
次の6編が収録されている。

役立たず
うき世小町
神隠し
ねずみと猫
晦日の月
雲隠れ

短編集であるが、それぞれつながりがある。
縦糸は行方不明のお加代の父の消息について、
横糸は、文治とお加代の関係。
本作品は、続編も出ている。
いずれ読むつもり。

【おまけ】
面白さでは、『着物始末暦』のシリーズや『ひやかし』に及ばない。
「しのぶ梅 着物始末暦」(1)中島要
「藍の糸 着物始末暦」(2)中島要
「夢かさね 着物始末暦」(3)中島要

「ひやかし 連作時代小説集」中島要

【ネット上の紹介】
名代の十手持ち辰三が姿を消したのは昨年暮れ。上方の悪党「名なしの幻造」を追ったまま行方がしれない。縄張りの日本橋をあずかる子分の文治だが、切れ者の親分と比べると頼りにならない。辰三の娘お加代が、御用の向きにも口を挟んでくる。心根の優しい大男と跳ねっ返り娘が智恵を寄せ合い、御用の謎を解き明かす。時代小説の新鋭が情感豊かに描く、傑作捕物帖。


「あまねく神竜住まう国」荻原規子

2015年02月17日 21時32分51秒 | 読書(小説/日本)


「あまねく神竜住まう国」荻原規子

発売日を楽しみにしていた作品。
日曜は出かけずに、読書に集中した。
えこひいきと言われても、本作品が本年度ベスト1。

『風神秘抄』を読んでいたら、より楽しめるが、
独立した作品としても、充分面白い。
15歳の少年・頼朝が主人公。
これを助けるのが、『風神秘抄』の草十郎と糸世だ。
他の作家と一線を画する充実度、面白さである。

【蛇足】
荻原作品は全て読んでいる・・・と言いたいが、
「紫の結び」の3冊は読んでいない。(購入したが、置いたまま)
「源氏物語」のリメイクだから。
これが「枕草子」なら、すぐに読むけれど。
どうも、紫式部が好きになれないし、光源氏も好感度が低い。
さらに言うと、歴史上の人物として、頼朝も好きになれない。
荻原規子作品は、登場する女性キャラクターの好感度は高いが、
男性キャラは、『RDG』の深行君もそうだけど、(私にとって)好感度低い。 
(少ない例外が、草十郎、真夏か?・・・本作品を読んで、頼朝のイメージも少し良くなったけど)

荻原作品は、おおむね、男性キャラより、女性キャラの方が、はるかに魅力的に感じる。
『RDG』は、泉水子のキャラクターが『アラベスク』の“ノンナ”なので、
相方がミロノフ先生か、『のだめ』の俺様・千秋タイプにならざるを得ない。
それでも、『西の善き魔女』のルーン、『樹上のゆりかご』の江藤君を考えると、
男性キャラは女性キャラのそれに、はるかに及ばない、と思ってしまう。

【参考リンク】
伊豆山神社 公式ウェブサイト

風神秘抄 角川文庫<br> RDG〈6〉レッドデータガール 星降る夜に願うこと 
西の善き魔女〈2〉戦いの巻 樹上のゆりかご

【ネット上の紹介】
伊豆の地に独り流された頼朝は、まだ10代前半の少年だった。地元の豪族にうとまれ、命を狙われる日々に、生きる希望も失いがちな頼朝のもとへ、ある日、意外な客が訪れる…かつて頼朝の命を不思議な方法でつなぎとめた笛の名手・草十郎と妻の舞姫糸世の運命もまた、この地に引き寄せられていたのだった。土地神である地底の竜と闘い、伊豆の地に根を下ろしていく少年頼朝の姿を描く、荻原規子の待望の新作。徳間書店の子どもの本・20周年記念作品。 


「かたづの!」中島京子

2015年02月13日 23時09分18秒 | 読書(小説/日本)


「かたづの!」中島京子

とても面白かった。
中島京子さんの時代小説。
しかも、ファンタジー。
とは言え、控えめなファンタジーで、前面に出ている訳じゃない。
とても自然な感じて、物語は進んでいく。

東北の女大名、八戸南部氏・直政の妻・祢々の一代記。
叔父の南部藩主・利直の謀略により、次々に苦難が襲いかかる。
夫と嫡男を殺され、さらに無理難題を押しつけられる。
男たちは「もう戦しかない」と言い張るが・・・。

P38
「ねえ、片角。女の一生ってなんだと思う」
(中略)
「嫁ぐ。産む。嫁ぐ。産む。あとはせいぜい、出家する、自害する、くらいか。そうね、出家と自害だけは、女が自分の意志でできることかもかもしれない。もちろん、尼になれ、死ね、と言われて意志に反してすることもあるけど。おっと忘れていた。殺されるというのもあった。大きな選択だが、選ぶのはこれも本人ではない。おまえも字が読めたら『源氏物語』を読むべきよ。あの色惚けの光源氏に手を出されるとろくなことがない。最後はたいてい出家か変死だ。おっとりした平安朝ですらそうだったのだし、乱世では尚更。嫁ぐ。人によっては何度も何度も嫁ぐ。産む。何度も何度も産む。あっちで産み、こっちで産む。それが嫌なら、あるいはできなくなったら、出家する。(後略)

タイトル「かたづの」とは、「片角」のこと。
祢々は角が1本しかないカモシカと仲良くなる。
このカモシカが死んだ後も、祢々を守ってくれる。
さらに、河童も登場し、舞台も遠野に移動する。

中島京子作品は、今まで何冊も読んできたが、これが一番面白い。
「小さいおうち」よりよかった。
代表作のひとつになる、と思う。

【他の中島京子作品】

「のろのろ歩け」中島京子
「花桃実桃」中島京子
「小さいおうち」中島京子

【ネット上の紹介】
慶長五年(1600年)、角を一本しか持たない羚羊が、八戸南部氏20代当主である直政の妻・祢々と出会う。羚羊は彼女に惹かれ、両者は友情を育む。やがて羚羊は寿命で息を引き取ったものの意識は残り、祢々を手助けする一本の角―南部の秘宝・片角となる。平穏な生活を襲った、城主である夫と幼い嫡男の不審死。その影には、叔父である南部藩主・利直の謀略が絡んでいた―。次々と降りかかる困難に、彼女はいかにして立ち向かうのか。波瀾万丈の女大名一代記! 


新書大賞2015

2015年02月12日 21時14分05秒 | 読書(ベスト)

新書大賞2015が、中央公論 2015年3月号(2月10日発売)で発表された。
中公新書<br> 地方消滅―東京一極集中が招く人口急減
【参考リンク】
ハイブリッド書店サービス「honto」、中央公論新社と連携し、今最も読むべき新書『新書大賞2015』を発表!! : ニュース ...

新書大賞 - Wikipedia


「ゆきおんな」中脇初枝/佐竹美保

2015年02月10日 22時45分06秒 | 読書(絵本)


「ゆきおんな」中脇初枝/佐竹美保

中脇初枝さん+佐竹美保さんの組合せは気になる。




冬に怪談を読む・・・よけい寒くなった。

【ネット上の紹介】
吹雪の夜、雪女に命を助けられた男は、数年後の吹雪の夜に美女と出会い、夫婦となります。そして幾年かが過ぎた吹雪の夜…。雪国に伝わる怖ろしくも哀しい物語を、中脇先生と佐竹先生のコンビでおおくりします。


ATOK2015

2015年02月09日 22時13分21秒 | 身辺雑記


ATOK2015を買った。
(2015年2月6日に配達されてきた)
9000円+消費税720円=9720円

様々な辞書と連動するのが便利。
例えば、『うつくしい』と入力すると、国語辞典、英和・和英辞典、類語辞典と連動する。


また、『いしはらかんじ』と入力すると『大辞林』と連動する。

いしはらかんじ―くわんじ【石原莞爾】
[分類]人名(日本)
( 1889~1949 ) 陸軍軍人。山形県生まれ。関東軍参謀として満州事変を引き起こし,満州国創設を推進したが,のち,東条英機と対立し,1941年(昭和16)予備役。東亜連盟の指導者。

【おまけ】
パソコンでメールを打ちながら、電子辞書も使っている。
おもに、英和・和英、だけど。

ATOKがあれば、電子辞書不要?、と思うだろうけど、両立している。

【関連リンク】
・・・電子辞書購入


ポンポン山▲678.9m

2015年02月08日 21時10分47秒 | 登山&アウトドア(関西)

ポンポン山に登ってきた。
昨年に比べると雪が少ない。
去年の30-40%くらいしかない。
気温が高いせいか。

一番多いところでこの程度

昨年は標高500mくらいから雪があったが、今年は600mを超えないと、雪がない。
登山道もぬかるんだ泥道で、がっかり。


「境界の町で」岡映里

2015年02月06日 23時26分59秒 | 読書(エッセイ&コラム)


「境界の町で」岡映里

著者は、元・雑誌編集者。
3.11以降の福島との関わりを描いている。
ノンフィクションと言うよりエッセイ。
自分の心情、現地の人たちとの交流が語られる。

P33
原発の保守の仕事を請け負う双葉町の建設会社社長・松本さんとの会話
「社長は年収どのぐらいなんですか?」
「まあ、おなじぐらい(900万)じゃね」
「すごいですね」
「すごくねえよぉ、ヤクザのときはもっと稼いでたもん」
「ヤクザって何してたんですか」
「恐喝だね」
「どのぐらいの稼ぎになるんですか」
「月1億ぐらいかな。でも、疲れる。電話は24時間鳴るし、今の方が気楽」
「なんでやめたんですか、ヤクザ」
「親分と合わなくなったんだよな」
彼は、「お茶!」と言って若い衆にお茶を入れさせた。
「飲む?セシウム茶」

P44
東京電力福島第一原発の西門のそばにあるデイリーヤマザキはガラスが割れていた。
「ATMやられてんだよ。あちこち。3月12日からおまわりさんみんな逃げちまったからな。この辺りの他県ナンバーとか、福島のわナンバーのレンタカーとかたまに走ってるけど、あれ全部盗難狙いだろうな」
(外国の報道では日本人のモラルの高さを称えていたいたが、暴動こそ起きなかったが、盗難は普通に起きていたようだ・・・いわゆる『火事場泥棒』か)

P110
人の人生の稲妻のような一瞬に触れて、私の言葉も瓦礫になった。福島でそんな経験を何度もした。共感も、心配も、同意も、言葉にした瞬間すべて嘘になった。すべての言葉を奪われてしまった。共感したい、同化したい、同意したい。でも言葉という道具は頼りにならなかった。

P175
福島に通うにつれて、東京に私の居場所はなくなっていったように感じた。
「脱原発」「原発再稼働」という、原発のありかたを議論する場でしかない東京にいることに、私は疎外感を感じるようになっていった。
私は「原発」の是非を問うためでなく、そこで生きている、生きていた「人」に会いに福島に行っていたから。

P176
一方で、福島の人と親しくなり、方言を覚えていくにつれて、私は福島にいるのも苦しくなっていた。どれだけ深く関わっても、所詮私はよそ者でしかない」という感覚にたびたび襲われるようになったからだ。

P221
「岡、ここで写真なんか撮っても放射能は写らねえからな。お前、単に20キロ圏にハマってるだけだろう?ここはシャブと同じぐらい、ハマるとやばいぞ」
(中略)
「“原発テーマパーク”でも造ったら繁盛するんじゃねえの。第一原発エクストリームツアーして、そのあと防護服のコスプレして記念写真撮ってやるんだ。おめえみたいなのがうようよ来るぞ」

他の原発・震災関連の作品とは、趣が異なる異色作、である。

【参考リンク】
岡映里『境界の町で』

【ネット上の紹介】
2011‐2014福島県浜通り、検問のある町。たしかな描写で、風景が、土地が、人間が、立ち上がる。岡映里、衝撃のデビュー作。
[目次]
プロローグ 漂う
冷蔵庫
正門へ
父と息子
勿来漁港から
復興セレブ
原子力サファリパークで
3年で消える町
お父さんの選挙
エピローグ 忘れられる 


「健康で文化的な最低限度の生活」(2)柏木ハルコ

2015年02月04日 22時01分00秒 | 読書(マンガ/アニメ)


「健康で文化的な最低限度の生活」(2)柏木ハルコ

第2巻目、即購入。
生活保護の裏事情を、受給する側、支給する側と両面から描いている。
よく調べている、と感心する。

「債務整理とかよくわかってないっつう・・・いわゆる情弱(情報弱者)なんだよ!」
「『不幸慣れ』ね」
「人間てのは不幸にドップリ浸かってると、気力がドンドン奪われて、
何もかも面倒臭くなって、最後はそこから一歩も動けなくなっちゃうの」

「どんな人にもその人なりの『都合』があります。人は自分の『都合』でしか動きません。
その『都合』を知るにはまず相手にしゃぺってもらわないと・・・
そのためにもこっちにも『聞く準備がある』と示す必要がありますね」




【参考リンク】
「健康で文化的な最低限度の生活」(1)柏木ハルコ

【ネット上の紹介】
生活保護に向き合うケースワーカー奮闘劇!   福祉事務所でケースワーカーとして 働きはじめた新人公務員の義経えみる。 生活に困窮している人々を支援することの難しさに悩みながらも、 日々、[生活]の最前線で奮闘している。  そんな折、就労支援に取り組む最中で、 えみるが担当する阿久沢さんに多重債務が発覚! 一方、同期の七条が担当する岩佐さんも、 高い就労意欲とは裏腹に精神的に追い込まれ… 対応に葛藤する新人ケースワーカー達。 彼らにできることは何なのか?  ============== 2集では、容易にはいかない“就労支援”の実態と、 騒がれている“不正受給”の、とある一面が描かれる。  医者でもない。警察官でもない。 けれど、[生活]を救える仕事がある!  新人ケースワーカー達の奮闘劇、渾身の最新作!!(「近刊情報」より)


「昭和史 戦後篇」半藤一利

2015年02月03日 21時41分29秒 | 読書(昭和史/平成史)


「昭和史 戦後篇」半藤一利

先日の『戦前編』に続き、『戦後編』も読んだ。
臨場感ある生き生きとした描写で、読んでいて面白い。
いくつか、文章を紹介する。

敗戦後の変わり身の早さについて
P19
今日まで「一億玉砕」「戦士であるおまえたちがそんなだらしないことでどうする」と横ビンタ張っていた人たちが、次の日から「これからはアメリカだ」「民主主義だ」なんて言い出すんですから、その変わり身の早さにも驚かざるを得ません。

特殊慰安施設協会・RAAの売春婦募集について
P20
特殊慰安施設協会(RAA)がつくられ、すぐ「慰安婦募集」です。いいですか、終戦の3日後ですよ。
「営業に必要なる婦女子は、芸妓・公私娼妓・女給・酌婦・常習密売淫犯らを優先的に之を充足するものとす」
そういうプロの人たちを中心に集めたいということです。内務省の橋下政美警保局長が18日、各府県の長官(当時は県知事を長官と言いました)に、占領軍のためのサービスガールを集めたいと指示を与え、その命を受けた警察署長は八方手を尽くして、「国家のために売春を斡旋してくれ」と頼み回ったというんです。およそ売春を取り締まらなきゃいけない立場の警察が「売春をやってくれ」と頼み回ったなど日本ではじめてのケースだと思います。
(中略)
「池田さんの『いくら必要か』という質問に野本さんが『一億円ぐらい』と答えると、池田さんは『一億円で純潔が守れるなら安い』といわれた」これはあくまで「良家の子女」の純潔です。ちなみに池田さんというのは、当時の大蔵省主税局長でのちの首相、池田勇人です。

P41
天皇とマッカーサー元帥の会話(皇太子(現天皇)の家庭教師を務めたバイニング夫人日記より)
元帥「戦争責任をおとりになるか」
天皇「その質問に答える前に、私のほうから話をしたい」
元帥「どうぞ。お話なさい」
天皇「あなたが私をどのようにしようともかまわない。私はそれを受け入れる。私を絞首刑にしてもかまわない」
これは原文では、You may hang me.となっています。

11月28日の臨時議会での陸相・下村定大将の謝罪演説
進歩党・斉藤隆夫さんが「日本をこのような事態に導いたことについて陸軍および海軍大臣に所見をうかがいたい」と問う。
「(前略)今回のごとき悲痛な状態を、国家にもたらしましたことは、何とも申しわけありませぬ」
つまり、陸軍が悪かったとはっきり言ったわけで、それまで野次がとんでいた議場もこのへんからしーんとなりまして、なかには「もうわかった、やめろよ」といった言葉さえ聞かれたといいます。下村さんはそれでも続けました。
「私は陸軍の最後にあたりまして、議会を通じてこの点につき、全国民諸君に衷心からお詫びを申し上げます。陸軍を解体いたします(後略)」

P71
一方マスコミ・新聞はどうだったのか?・・・作家の高見順さんが次のように怒っている
「新聞は、今までの新聞の態度に対して、国民にいささかも謝罪するところがない。詫びる一片の記事も掲げない。手の裏を返すような記事をのせながら、態度は依然として訓戒的である。(後略)」

P199
GHQ案・新憲法について、国会でのやりとり
リベラル派だとか社会党には「GHQ案で日本の国はよくなる」と喜ぶ人もいました。面白いのは、共産党がなぜか「軍隊を持たない」「戦争放棄」の条項に猛反対をしたんです。これでは国民の権利である自衛戦争も認められないではないか、と。今の共産党とはずいぶん違いますね。
(これは意外で、驚いた・・・共産党は戦中戦後、一貫した態度をとっている、と思っていたが、そうではなかったbyたきやん・・・以下、カッコ内は私のコメント&注釈)

P245
ちなみにBC級戦犯について申しますと、5702人が告訴され、裁判ののち984人に死刑が執行されました。これは法廷ではなく国別で裁いたもので、イギリスとオランダが一番多いことから、その憎しみの強さがうかがわれます。そして死刑になったすべての人が、靖国神社に祀られました。
(フランス人作家・ピエール・ブールは、「戦場にかける橋」の著者である。戦時中、日本人の捕虜になっている。さらに、この作家は、「猿の惑星」も著している。故に、猿の惑星の「サル」とは「日本人」のこと、と言われている)

P245
東京裁判の意味
日本人の現代史を裁くため、裏返せば、連合国のやってきたことが正義だったと再確認するためだ、と。
かつて植民地をさんざんつくってきた帝国主義は19世紀の話であって、それを20世紀においてやった日本の考え方は侵略的性格をもつ間違った戦争観であった、と。
自国民を納得させるための一種の復習の儀式
何も知らされていなかった日本国民に事実を教え、侵略的軍閥の罪状を明らかにし、啓蒙すること。
(これを読んでいて思いだすのが、香港返還の際のイギリスのコメント、である。一片の謝罪もなく、「さすが大英帝国」、と私は感じた)

P286
希代の強姦間・小平義雄の死刑について
買い出しなどに出ていた女性をだまして物を奪い、数十人を強姦し、しかも7人を殺した挙句、捕まってこう言ったそうです。「中国従軍の時に覚えたあの味が忘れられなかった」。
(小平義雄は特殊な例と思いたいが、戦争の狂気を引き摺りつづけた人は他にもいた、と思う。この当時PTSDという言葉はなかった)

P346
天皇の退位について
天皇陛下はご自分で「退位」について発言されたことが大きく言って3度あります。
①終戦直後の8月29日
②東京裁判の判決が出た時
③講和会議の調印後、国家が独立した時

P350
昭和26年9月8日サンフランシスコ講和条約が締結され、日本は占領が終わり、国家主権を取り戻して独立国となることが世界的に認められました。
吉田茂首相の演説
「外交の権力をもっていない国は亡びるともいいますが、この条約によって国際社会に戻ることになった日本は、真に外交能力をもつ国になりたい」
(それから60年以上経つが、どうなんだろう?)

昭和20年代と30年代について
P477
ではその時、なくなったのは何か。戦前から昭和20年代までの日常生活品です。ちゃぶ台、たらい、火鉢、アンカ、柱時計、蚊帳、蠅たたき、家の外に置いてあったゴミ箱、そして縁側(後略)。

戦後、歴代首相の命題
P500
吉田茂、再軍備せず、講和条約を結ぶ
鳩山、ソ連との国交回復
石橋、病で倒れ特になし
岸信介、安保条約の改定
池田、高度経済成長の実現
佐藤、沖縄問題の解決

P528
1970年万国博覧会
「月の石」に人気が殺到して、長蛇の列になった。
「人類の進歩と調和」をテーマにした万博を、これぞ「人類の辛抱と長蛇」の結果であった、なんて冷やかす人もいたわけです。
(私も万博に2回行った・・・家から1度、学校から1度、計2回、である。近い割にあまり行かなかった・・・当時から混雑を嫌っていた事が分かる)

簡単に紹介したが、とてもおもしろかった。
これはお薦め、です。

【参考リンク】
「昭和史 1926-1945」半藤一利

【おまけ】(1)
マッカーサーが解任された時、皆が驚いたという。
上村一夫さんの名作「サチコの幸」は昭和25-26年頃を描いている。
第二巻P172-173に次のように書かれている。

何しろ、マッカーサーといえば・・・
「マッカーサーとかけて何ととく?」
「“へそ”ととく・・・・・・」
「そのココロは?」
「“チン”の上にある・・・・・・」と
いうぐらいエライ人だと思っていたのが 
いとも簡単にクビになってしまったのですから・・・・・・ 


(当時の世相として、このように膾炙してたのでしょうか?)
(これが戦中なら、『不敬罪』で逮捕でしょうね・・・『世の中180度回転』の典型例と言える)

【おまけ】(2)
昭和天皇の口癖は、「あ、そう」であるが、米国人には、挑発的な侮蔑語“asshole"と聞こえたようだ。
また、昭和天皇と関係ないが、日本人の発音で“I love you”と言うと、“I rub you" と聞こえる。
私も、知らずに、この種の誤りをしているかもしれない。 

【ネット上の紹介】
授業形式の語り下ろしで「わかりやすい通史」として絶賛を博した「昭和史」シリーズ完結篇。焼け跡からの復興、講和条約、高度経済成長、そしてバブル崩壊の予兆を詳細にたどる。世界的な金融危機で先の見えない混沌のなか、現代日本のルーツを知り、世界の中の日本の役割、そして明日を考えるために。毎日出版文化賞特別賞受賞。講演録「昭和天皇・マッカーサー会談秘話」を増補。

[目次]
天皇・マッカーサー会談にはじまる戦後―敗戦と「一億総懺悔」
無策の政府に突きつけられる苛烈な占領政策―GHQによる軍国主義の解体
飢餓で“精神”を喪失した日本人―政党、ジャーナリズムの復活
憲法改正問題をめぐって右往左往―「松本委員会」の模索
人間宣言、公職追放そして戦争放棄―共産党人気、平和憲法の萌芽
「自分は象徴でいい」と第二の聖断―GHQ憲法草案を受け入れる
「東京裁判」の判決が下りるまで―冷戦のなか、徹底的に裁かれた現代日本史
恐るべきGHQの急旋回で…―改革より復興、ドッジ・ラインの功罪
朝鮮戦争は“神風”であったか―吹き荒れるレッド・パージと「特需」の嵐
新しい独立国日本への船出―講和条約への模索
混迷する世相・さまざまな事件―基地問題、核問題への抵抗
いわゆる「五五年体制」ができた日―吉田ドクトリンから保守合同へ
「もはや戦後ではない」―改憲・再軍備の強硬路線へ
六〇年安保闘争のあとにきたもの―ミッチーブーム、そして政治闘争の終幕
嵐のごとき高度経済成長―オリンピックと新幹線
昭和元禄の“ツケ”―団塊パワーの噴出と三島事件
日本はこれからどうなるのか―戦後史の教訓
昭和天皇・マッカーサー会談秘話