大文字山を下山した後、少し観光しようか、と。
三条大橋に移動。
かつて処刑場があり、有名人多数が処刑されている・・・この辺り、歴史の重要舞台。
これが三条大橋・・・東海道五十三次、西の起点
弥次喜多の像がある(この二人はゲイ、である・・・知ってた?)
西から二つ目の擬宝珠(ぎぼし、ぎぼうしゅ)に、刀傷がある・・・池田屋事件のさいについた、と言われる。
こちら、『誠心院』・・・初代住職は和泉式部、道長が彰子に請われ建立したそうだ
『誠心院』から10mほど南、人通りが激しい新京極通にクライミングジムがあった
四条河原町の方に戻ると、坂本龍馬、中岡慎太郎、遭難之地碑がある
醤油商・近江屋があったところ・・・今は回転寿司である、時代は回る
久しぶりに、大文字山に登ってきた。
ここが登山口、琵琶湖疎水『インクライン』
尾根の左が山科、右が京都市内、遙か向こうが大阪
京都の町が一望できる
暑さのせいか、『哲学の道』も閑散としている
『哲学の道』のネコ・・・お疲れの様子、『本日休業』です
スーパーモックが製造中止になった。
次の靴を探している、と書いた。
結局、モカシムを購入。(安売りしてたので、つい買ってしまった・・・8000円、しかもぴったりサイズ5半)
モカシムは、90年代半ばから履いている。
長年使用しているので、安心して履ける。
ただ、2010年12月からスーパーモックを履いている。
約3年半使って、この柔らかさにかなり慣れたので、
モカシムが硬く感じられる。
久しぶりに履いてみて、フェースはかなりいい感じ。
前傾、ルーフになると、スーパーモックの方が良い。
つま先に力を入れて、ホールドを押さえ込むことが出来るから。
(柔らかいので、くいっ、と曲がる)
私は、スーパーモックを3足持っているので、
リソールしながら、しばらく保たそう、と思う。
ファイブテン・モカシム
ところで、いつも同じ靴ばかりはいてる、と言われそう。
たまには、私も他の靴を試してみたい。
でも、『ダウントゥ』も、『ターンイン』も苦手、硬い靴もダメ。
だから、結局、モカシムのような、オーソドックスな靴を選んでしまう。
それじゃ、イボルブ・アディクトは、どうだろう?
一度試してもいいかも。
2足目に選ぶならこれ! 田中周兵が選ぶ...
なお、次号『ROCK&SNOW』の特別企画が『シューズテスト2014』なので、検討してみたい。
「人生相談。」真梨幸子
これは失敗。
私に合わなかった。
技巧の限りを尽くして書かれている。
ホント、良く出来てるんだけどね。
中盤以降、一見無関係だった物語が見事につながっていく。プロットはなく、「勝手に動き出し自ら成長」していく20人以上の登場人物を年表で整理しながら書き上げた。2014年6月1日朝日新聞『著者に会いたい』より
でも、合わないものは、仕方ない。
理由は次の2点。
①性格と根性の悪い人物ばかり登場する
②カタルシスがなく、後味が悪い
以上、文句を言って、申し訳ない。
(これが著者の持ち味なので、私が読む選定を誤っただけ)
なお、この作家さんは、『殺人鬼フジコの衝動』で、
シリーズ累計50万部を超えるベストセラーを出されている。
ファンの方は多い、と思われる。
【ネット上の紹介】
昔のあの出来事、セクハラにあたるのでしょうか?…西城秀樹が好きでたまりません!占いは当たるのでしょうか…すべては“あなたの悩み”から始まった―。何の関係性もなさそうな「人生相談」。その裏にあるものは?!ラスト1ページまで、目が離せない!!
昨日書いたように、水生植物公園に行ってきた。
写真をスライドにしたので、見てみて。
【覚書】
花は午前開いて、午後閉じる・・・午前中に見に行くこと。
3回開いて、3回閉じる・・・3日間の命。
蓮根は根っこではなく、茎である。
食用の蓮根は品種改良されている・・・植物園の方は蓮根食べ放題ではない!
昨日6月21日は夏至であった。
夏至から数えて11日目が、半夏生(はんげしょう)という。(今年は7月2日)
田植えを済ませた農家が、休息をとる日。
(逆に言えば、この日までに田植えを済ませなさい、ってこと)
ちょうど半夏(からすびしゃく)が生えはじめるころ。
(混乱することに)、半夏とは別に、半夏生(はんげしょう)、って植物もある。
↑これが半夏生
実は、夏至の日に、私が撮った写真である。
どこで撮ったかと言うと、草津の水生植物公園。
睡蓮を見に行ってきたのだ。
写真を一部紹介する。
水生植物公園は、2回目の訪問。(前回は昨年9月)
とても良かったので、再び訪問した。(やっぱり良かった)
【参考図書】
今回、訳知り顔で書いたが、元ネタがある。
→「日本の七十二候を楽しむ 旧暦のある暮らし」白井明大/文 有賀一広/絵
「八月の青い蝶」周防柳
美しい装丁である。
そして、内容も美しかった。
第26回小説すばる新人賞受賞作。
新人とは思えない、深い内容、巧みな技巧。
・・・見事である。
おそらく、今年度の(個人的趣味で)ベスト3以内に入る作品と思う。
見逃してはいけない作品、と思う。
陸軍中佐を父に持つ中学生・亮輔が主人公。
舞台は広島。
現在と過去が交錯する。
物語は、現在から始まる。
最初の「語り」は亮輔の娘・きみ子。
P22
きみ子のひとり娘は今年の春京都の大学に入学し、きみ子は荷がおりたように感じるとともに、自分の人生が終わったような虚脱感をも味わっていた。受験の一年はそればかりに必死になっていたから気づかなかったが、いざ片づくとどっと老けこんだように思えた。十八年ぶりに夫と二人暮らしに戻ったことも、彼女の調子を狂わせていた。気まずいとか会話に困るとかいうほどではなかったが、うれしくも悲しくもなく、なんの情熱も感じない日々がそこにあった。娘の不在によってその事実がむき出しになった。この感じは今日もあしたもあさっても、一年後も、十年後も、自分が死ぬまで続くのだろうと、頭に隙間ができるたびに思った。
次の章は、過去に戻る。
昭和20年8月6日、である。
P35
熊谷亮輔は陸軍航空の戦隊長として台湾に出勤中の熊谷強中佐のひとり息子で、広島県立第五中学校の一年生であった。一歳増えて十三歳になるまであと十日の十二歳だった。
彼らが作業していたのは広島市内の中東部、京橋川にかかる鶴見橋の西詰めで、橋の向こうには比治山のゆるやかな丘陵が横たわっていた。
抜けるような青空に真っ白な雲が湧き、照りつける太陽によって、八時を過ぎたばかりだというのに三十度はとっくに超えていた。
次のような感じで、物語は進行する。
一章 標本 2010年8月
二章 動員 1945年8月
三章 初恋 1945年8月
四章 証明書 2010年8月
五章 脱皮 1945年8月
六章 飛翔 2010年8月
第一章は導入部なので、あまり面白くないが、ここを飛ばすわけにいかない。
人物関係が説明され、伏線が張られているから。
第二章、第三章と、いっきに面白くなってくる。
第四章は、現在に戻る。
亮輔が、きみ子の担任教師と喧嘩をする。
この担任教師は、次のように描かれている。
P191
彼の父親は筋金入りの共産党員で、戦時中は獄につながれる憂き目にあったが、主張を曲げなかったという。彼はそれがなによりも自慢なのであった。
この喧嘩のシーンは自分で読んでみて。
赤坂真理さんの「東京プリズン」での「法廷シーン」に匹敵する内容、と思う。
6月6日(金曜)、朝日新聞・社会面で著者・周防柳さんが紹介されている。
1964年、東京生まれ。幼稚園から小学3年を広島県大竹市で暮らす、とある。
(道理で、登場人物の語る広島弁が自然なはずだ)
デビュー作「八月の青い蝶」に出てくる主人公は中学3年の時に広島の爆心地から1.5キロで被爆した私の父です。中佐は祖父をイメージしました。
(中略)
人前で被爆体験を話せる語り部もいますが、そうでない人もいるかも――。軍人を父に持つ被爆者の葛藤を描いた動機です。
(中略)
いまの社会には、「白黒つける」「筋を通す」ことを求めようとする空気を感じます。だから硬直し、対立が生まれるんじゃないでしょうか。グレーでも、変節してもいい。どんな問題にも異なる見方があることを小説でしめしたい。(以上、朝日新聞・上記記事より)
ぜひ読んでみて。
青春小説としても、白眉である。
【おまけ】
既に読んでいる方は、お分かりでしょうが、本作品のもっとも重要で美しい箇所に触れていない。
予備知識なしで読んで、より感動して欲しい、と思ったので。
本作品の映像化は、とても難しい、と思う。
でも、もしアニメなら、可能かも知れない。
【参考リンク】
第26回 小説すばる新人賞受賞作 八月の青い蝶 周防 柳|集英社
【ネット上の紹介】
急性骨髄性白血病で自宅療養することになった亮輔は、中学生のときに被爆していた。大日本帝国陸軍偵察機パイロットのひとり息子であった彼は、当時、広島市内に住んでいたのだ。妻と娘は、亮輔が大事にしている仏壇で、異様に古びた標本箱を発見する。そこには、前翅の一部が欠けた小さな青い蝶がピンでとめられていた。妻も娘も知らなかったが、それは昭和20年8月に突然断ち切られた、切なくも美しい恋物語を記憶する大切な品だった―。第26回小説すばる新人賞受賞作。
「野田ともうします。」(6)柘植文
最新刊、6巻目。
#147『地獄にロープをお願いします』の巻。
なんと、野田さんが体験クライミングをする。
これには意表を突かれた。
(野田さんとクライミング・・・・意外な展開にびっくり)
インストラクター:「じゃ、これつけて、ちょっと待っててー」
野田さん:「ほー、これがハーネスというやつですねー」
はたしてどうなるか?
『くれないんです』では、駅前ティッシュ配りの話。
ティッシュ配りをする男性。
艶っぽいスーツをけだるく着こなしている。
野田さんには、ティッシュを渡そうとしない。
・・・どうしてか?
「あのティッシュは、一体何のティッシュなんでしょうか? なぜ私には、くださらないのでしょう?」
「アハハ あれはさー、水商売の店で働きませんかって、スカウトのやつだよ」
「ほー そうでしたか・・・。 では私のような平凡な者はお呼び出ないですね・・・」
「別にくれなくていいでしょー、もらいたいの?」
「・・・たとえ自分が望むことでなくとも、自分が必要とされてないと知ることは、悲しいものです・・・」
この後、野田さんは積極的な行動に出る。
「すみません よろしければそのティッシュ私にもいただけませんか?」
・・・さて、どうなるか?
その男性のセリフに驚く。
(読んでみて)
*上記セリフ部分・・・読みやすいように句読点を打った。(ご容赦)
【ネット上の紹介】
日常にひそむ面白みをにゅるりと発見、じわじわ味わう。そんな地味女子・野田さん。毎日がちょっぴり色褪せてる!? そんなあなたにオススメです。
『ROCK&SNOW』064号
特集「トレーニング最前線」。
キャンパスについて多くのページがさかれている。
これは、ギュリッヒが、クライミング練習に取り入れて話題になった。
しかも、当時(1991年)としては破格の難度である「アクシオンディレクト」9aをRPした。
しかし、当時の日本にはまだジムがほとんどなかった。
(姫島OCSくらい?・・・現在の場所に移転したのは90年代半ばくらい)
パンプ大阪店が出来たのが1997年。
私の家に案内状ダイレクトメールが届いて驚いた。
(オーナーの内藤さんに会った時、よく私の住所が分かりましたね?と、思わず聞いた)
その後、CRUXが出来て、OCS、パンプの3店舗時代が続く。
今世紀以降の経過は、皆さんご存じの通り。
話がそれたが、キャンパスが流行ったのは90年代後半から、21世紀初めくらい。
今、あまりやってる方を見かけない。
これが契機となって、再び流行るかもね?
私に限って言えば、指を痛めたくないので、消極的な気分。
若者+上級者向きの練習方法、と思う。
これ以外に気になった記事は、「エベレスト雪崩遭難が物語るもの」(池田常道)が読みごたえがあった。
P78
今季の外国人登山者は、31隊334人に上るという。これだけの人数を山の上で食わせるために、シェルパたちは、危険地帯をいったい何回往復すれば事足りるのであろうか。現代のエベレスト登山が、構造的にはらむ危険がここにある。
P79
登山ボイコットに至る過程で明らかになったのは、富める人と食えない人が混在するシェルパ社会の二極構造だった。ヒマラヤは金になると思って参入してきたシェルパや近隣民族のなかには、経験も判断力も技術も、時には体力さえ劣る者が交じっている。BCやABCで、急性高山病以外の原因で病死する例が目立つことに読者は気がついているだろうか。
P79
シェルパ族は、ネパールの総人口2650万人の1%に満たない。しかし、彼らがヒマラヤ登山で稼ぎ出す外貨は、国の収入の重要な部分を占めていることは確かだし、ネパール政府は、エベレストに代表されるヒマラヤ観光を捨て去るわけにもいくまい。(よかったら、全文を読んでみて)
P120-122
ギリシャの岩場メテオラ。
ギリシャと言えばカリムノスが有名だが、ここがギリシャのクライミングの原点だそうだ。
アクロポリスとともにギリシャ二大世界遺産だが、クライミングが認められているのが素晴らしい。
(日本だったらムリ?)
今回、あまり読むべき箇所がなかった。
(コンペ情報は、ネットで入手できるし)
おもしろい特集を組んで、美麗な写真と、まとまった情報を提供して、デジタルに対抗して欲しい。
今後の企業努力に期待する。
なお、次回の特集は、『クライミング進化論』
特別企画シューズテスト2014。
【ネット上の紹介】
特集:トレーニング最前線
パフォーマンス向上のために効果的なキャンパシング練習法や故障対策、
トレーニング・ギアの紹介と利用法、PDCサイクルを見据えたトレーニングプラン、
スティーブ・ハウスが提唱するアルパインクライマーのためのトレーニング・メソッド等、
より強くなりたいクライマーのための最新・トレーニング特集
記録:パタゴニア2014
今年一番の話題となったトミー・コールドウェルとアレックス・オノルド
によるパタゴニア、フィッツロイ岩峰群の完全トラバースの記録と、
横山勝丘・増本亮・佐藤裕介らのティト・カラスコ西壁初登攀の記録
記録:安間佐千 inスペイン2014、利尻岳西壁クライミング&スキー、
グランド・ジョラス北壁
インタビュー:平嶋 元
レポート:パラクライミングの世界
リザルト:2014W-CUP開幕戦、第22回ピオレドール、等
【関連図書】
金比羅山から下山した続き。
今回、三千院を訪問した。(前回は、寂光院)
紫陽花の季節だし。
三千院の参道は、雰囲気があっていい感じ。
(昔、金比羅の岩を登りに行って雨に降られ、三千院を訪問したのを思い出す)
とりあえずアップで一枚
まだ、シーズンには早すぎた・・・100%とは言いがたい
野外にあるが、立派な仏像だ
三千院の後、出町柳に戻った
鴨川の飛び石・・・亀の形のものあり(飛び乗ったら落ちそう)
高野川と賀茂川が合流するところ
(高野川との合流点から上流を賀茂川、下流を鴨川と書く)
【おまけ】
三千院前の店でみたらし団子を食べた。
先日の嵯峨野の時もそうだったが、味は私の好みに非ず。
弾力がないから。
私の過去のベストは、伊勢神宮参道の『だんご屋』のしょうゆ団子。
ちなみに、みたらし団子発祥の店と言われているのが、下鴨神社そばの『加茂みたらし茶屋』。
次回、この辺りを訪問の際は、いちど食べてみたい。(あと、『出町ふたば』の豆餅も)
この団子の名前と形は、下鴨神社境内にある御手洗池(みたらしがいけ)に由来する。
後醍醐天皇が行幸の折に訪れた下鴨神社の御手洗池で水をすくったところ、泡がひとつ浮かび、
続いて4つの泡が浮かんできたとか。そこから4つの団子と少し間をあけて先端にひとつの団子を串に刺した形になったそう。(by「詳細地図で歩きたい町京都」JTBパブリッシング、より)
京都大原・金比羅山(こんぴらさん)▲573mに登ってきた。
戸寺パス亭→江文神社→琴平新宮社→金比羅山▲573m
→三千院→大原バス亭→出町柳
約4年ぶりの金比羅さん。
前回は、ほとんど登山者に会わなかったが、
今回は、2、3パーティの登山者に会った。
標識も、以前より増えていて、分かりやすくなっていた。
最初の目的地、江文神社
静かな山を楽しんでいたが、「熊出没注意」H26年5/26目撃、の標識が!
幸いクマに遭遇することなく、眺望を楽しむことが出来た
無事下山したらネコが昼寝をしていた・・・クマに気をつけなさいヨ
大原の紫蘇畑
*この後、三千院に移動
【おまけ】
戸寺バス停の横に、土産物屋がある。(志野 大原街道店)
野菜や和菓子を売っている。
私は黒豆餅とよもぎ餅を購入。(@162円)
きんつばは製造中止だそうだ。
ここの和菓子はとても美味い。次回も立ち寄りたい。
【資料】
出町柳→戸寺・・・390円
大原→出町柳・・・430円(ピタパ使用不可)
「氷結の森」熊谷達也
「邂逅の森」と「相剋の森」は、登場人物津達につながりがあり、内容も森とマタギを描いている。
だから、大いに関連があった。
しかし、本作は、「『邂逅の森』に連なる“森”三部作完結編」、とあるが、あまり関連はない。
むりやり、シリーズであるかのように謳って売ってやろう、って出版社の下心を感じる。
・・・とは言え、面白くない訳じゃない。
いや、すごく面白い。
独立した作品として、十分面白いんだから、姑息なことをするな、と言いたいだけ。
(クレームを付けて、申し訳ない)
さて、内容は・・・
矢一郎は故郷を離れ、樺太で過去を背負い流浪の生活を送っている。
大正時代の樺太が舞台。
途中で、ロシアに移動。
凍結した間宮海峡を犬ぞりで越えていく。
いつもながら自然描写が素晴らしい。
もし、この三部作を読むなら、「邂逅の森」がお薦め。
いちばん面白いと思う。
「邂逅の森」を面白いと感じないなら、残りの2作を読んでも仕方ない。
【ネット上の紹介】
日露戦争に従軍した猟師の矢一郎は故郷を離れ、樺太で過去を背負い流浪の生活を続けていた。そんな彼を探し回る男が一人。矢一郎の死んだ妻の弟、辰治だ。執拗に追われ矢一郎はついに国境を越える。樺太から氷結の間宮海峡を越え革命に揺れる極東ロシアへ。時代の波に翻弄されながらも過酷な運命に立ち向かう男を描く長編冒険小説。直木賞・山本賞ダブル受賞の『邂逅の森』に連なる“森”三部作完結編。
「相剋の森」熊谷達也
5月2日、「邂逅の森」を紹介した。→「邂逅の森」熊谷達也
本作品は、同じシリーズ、関連作品。
但し、時代は異なり、現代のマタギを描いている。
つまり、「森」シリーズ現代編、である。
「邂逅の森」の主人公の子孫が登場する。
これには驚いた。
編集者・美佐子、現代のマタギ・滝沢、写真家・吉本を中心に物語は展開する。
「山は半分殺してちょうどいい」、という言葉はどういう意味なのか?
この作品の中心テーマとなっている。
ここからネタバレ有りなのでご注意。
いくつか、文章を紹介する。
P197
「俺家でもそうだったのさ。鉄太郎というのが俺の祖父さんだったんだが、女房に貰ったやゑさん、つまり祖母ちゃんだな。実際にあの峰を越えて嫁に来たんだそうだ」
(中略)
「八久和――ですか」
「そう、大鳥より少し月山寄りの村なんだけどね、今はなくなってるな」
「なくなってる?」
「ダムの底に沈んだのさ。(後略)」
P262-265
P197もそうだけど、P262から始まる文章を読んで興奮した。
自分のルーツを探る箇所である。
おお、ってな感じ。
ホント、驚いた。
(もちろん、「邂逅の森」を先に読んでいないと、驚くことは出来ない)
P244
真夏の時期、たいていのクマは、湿った沢筋にセリ科の植物を採食していることが多い。それを知らない都会のキャンパーやハイカーたちは、夏のハイキングで好んで沢筋を歩いたりテントを張ったりするが、クマの巣に自分から踏みこんでいるようようなものだ。
(そういえば夏は、尾根道より涼しい沢筋を歩くことが多い)
P374
「癒やしを求めて自然に触れるといっても、彼らの多くは、ほんとうに自然に触れようとしてるわけじゃない。自分に都合のよい居心地のよさを求めているだけでしてね、最近のキャンプ場の様子を見てみれば一目瞭然だ。なんでキャンプ場にコンセントやシャワーが必要なんですかねえ。(後略)」
(最近のキャンプ場は電子レンジも使えるぞ!シャワーは、縦走は仕方ないが、クライミングの場合、ありがたい)
P455
列の最後尾から再び登攀を開始した。
(樋口明雄さんも本作品の熊谷達也さんも、急登やきつい登りに『登攀』の言葉を使う傾向があるようだ。岩以外の登りで、この言葉を使うのに、私は違和感を感じる)
【ネット上の紹介】
直木賞受賞作に連なる「森」シリーズ現代編。編集者・美佐子は「山は半分殺してちょうどいい」というマタギの言葉に衝撃を受ける。人はなぜ他の生き物を殺すのか? 自然との共生とは? 著者渾身の「森」シリーズ現代編。(解説/赤坂憲雄)
休みの日は、全て登りに行く。
・・・これは、昔の話。
今は、「お泊まり」なんて、夢のような話。
でも、『出かける事ができたら』という仮定で、いろいろ案件はある。
その1つが、ブルーライン、である。
広島から瀬戸内海を渡って、愛媛までサイクリングロードが延びている。
その距離約80km。
尾道で、気軽に自転車を借りることが出来る。
クライミングとは関係ないけど、一度やってみたい、と思っている。
【参考】(1)
サイクリング | SHIMAP しまなみ海道観光マップ
しまなみサイクリングロードのブルーライン整備について
【参考】(2)
しまなみ海道(広島、愛媛)=80km
とびしま海道(広島、愛媛)=31km
かきしま海道(広島)=70km
さざなみ海道((広島)=82km
今治市-道後温泉(愛媛)=46km
紀の川、喜志川自転車道(和歌山)=67km(2015年9月完成予定)
(以上、2014.5/24、朝日新聞夕刊より)
遅ればせながら、先日のほしだカップの結果をリンクしておく。
→ほしだカップ2014速報版
それにしても、字が小さくて見にくい。
(関係者の方、担当者にアドバイスしてあげてください)
【参考】
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(かろうじて読むことが出来る)