アレックス・オノルドの映画「フリーソロ」を観てきた。
10月10日が上映最終日、梅田の映画館・シネ・リーブルまで行ってきた。
もっと早く行くつもりが、雑用が多く、最終日にもつれ込んだ。
本作品はフリーソロによるエルキャピタン登攀ドキュメンタリー映画。
前代未聞、前人未踏、クライミング界の月面着陸と言われた快挙である。
それを本人の談話、周りの人々の証言、クライミング映像を交えて構成し、心理的な葛藤、深みを演出している。思った以上に、登攀や自然描写の映像は美しかった。
さて、実際の登攀であるが、核心部は何カ所もある。
出だしのスラブ・・・これは、前傾やクラック以上に不確定要素だ。
さらに、途中のオフィズス、上部のシンクラック、最上部の露出した前傾部。
しかし何と言っても、ボルダームーブの箇所が一番の核心。
練習ではアレックスは、フォールしている。
トミー・コールドウェルも参考になればとムーブを見せようとするが、フォールする。
いったいどれだけ難しいんだ!
両手はカンテのスローパー、そこから左足をキックするように、向こうの壁を蹴り、両手と左足のオポジションで均衡を取る、ってのが核心ムーブ。
う~ん、微妙すぎる。
映画監督は望遠レンズでずっと見守っていたが、核心箇所は恐怖でレンズをのぞくことが出来ない。
しかし、アレックス・オノルドは、平常心で淡々とムーブをこなす。この映画のなかでも凄味を感じるシーンだ。
これほど観ていて疲れる映画はない。
【参考リンク】
「アローンオンザウォール 単独登攀者、アレックス・オノルドの軌跡」
【予告編映像】