【ぼちぼちクライミング&読書】

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キノベス!2013

2013年02月27日 22時29分44秒 | 読書(小説/日本)

遅くなったけど、キノベス2013をリンクしておく。
次のとおり。
昨年私が読んだ本も(思ったより)入っている。

紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめする 「キノベス!2013」 発表

 

第85回アカデミー賞結果速報

2013年02月26日 22時26分27秒 | 映画(一般)

最近さっぱり映画を見ない、DVDも見ない。
でも、今年は注目作品が多いのでチェックしてみた。
第85回アカデミー賞について。次のとおり。

第85回 アカデミー賞特集 全結果速報!


「ちぎれ雲~漢方医・有安」秋山香乃

2013年02月24日 08時23分48秒 | 読書(小説/日本)

「ちぎれ雲~漢方医・有安」秋山香乃

シリーズ3作目。
次の3編収録されている。

「つれあい」
「形見の茶漬け」
「残夏」

このシリーズ、回を重ねるごとに良くなっている。
「残夏」が番外編となって、20年前の拐かし事件とリンクしながら進行する。
見事、である。

P292
(前略)そんなに謝らないでくだせえ。据わりが悪くて仕方ねェ」

文章も巧い。
ここで『据わり』という言葉をつかうとは、思いもよらない。

【ネット上の紹介】
自分が斬った男の娘・お雪と暮らす有安は、ある日、血まみれで倒れている男を発見する。それは己の過去を知る人間だった。医師として助けるべきか、今の平穏を守るために見捨てるべきか?親子の別れを予感させる出来事に、呆然と立ち尽くす有安だが―。シリーズ第3弾。

「沈黙の町で」奥田英朗

2013年02月22日 21時48分24秒 | 読書(小説/日本)

「沈黙の町で」奥田英朗

いじめ問題を扱った新聞小説。
単行本になったので早速読んでみた。
テーマがいじめなので、重く暗い雰囲気で進行する。
物語は、中学生の転落死から始まる。
自殺か事故か?
いじめが関係するのか?

・・・と言うと正月に読んだ「ソロモンの偽証」(宮部みゆき)を思い出す。
でも、同じ群像劇でも、雰囲気は違う。
「ソロモンの偽証」は、最初からキャラクターを明確にしているので、快調に展開する。
(暗く重い印象は残らない)

中学生、両親、教師、新聞記者、警察・・・様々な登場人物の群像劇。
(このあたり「ソロモンの偽証」と同じ)
でも、造形と構成が違う。
最初、中学生たちも記号のように描かれる。
物語の進行に従って、彼らの「顔」が見えてくる。キャラクターが分かってくる。
技巧がこらされ、それにより真相が見えてくる。
そういう仕組み、趣向になっている。(ベテランのテクニックだ)

キャンプ場のシーン辺りから、がぜん面白くなってくる。
今まで押さえていたものが一気に浮上してくる感じ。
白黒だったのが総天然色になるようなイメージ。
ページをめくる手が止まらない。
後半一気読み、である。
見事な構成力、ベテラン作家の力量をみた。
一部文章を紹介する。

P47
中学生は残酷だ。恐らく人生で一番残酷期にあるだろう。それは自立への課程で噴き出る膿のようなものだ。みながもう大人には泣きつかないことを知り、自分たちの生き残りゲームを始める。

これがこの作品に通底するベース音と思う。さらに上記文章をまとめたのが次のフレーズ。

P487
「中学生の三年間は、人生で一番のサバイバル期だな」

PS
「いじめ」は昔からある。
戦時中、疎開児童を地元の子供がいじめた、と聞く。
今に始まった問題と思わない。
ただ、昔と違うのは、今はネット社会、ということ。
受験と偏差値問題もからむ。
また、「弱いものいじめは恥ずかしい」という感覚も薄れている。
ゲーム世代の「いじめ」である。

【ネット上の紹介】
中学二年生の名倉祐一が部室の屋上から転落し、死亡した。屋上には五人の足跡が残されていた。事故か?自殺か?それとも…。やがて祐一がいじめを受けていたことが明らかになり、同級生二人が逮捕、二人が補導される。閑静な地方都市で起きた一人の中学生の死をめぐり、静かな波紋がひろがっていく。被害者家族や加害者とされる少年とその親、学校、警察などさまざまな視点から描き出される傑作長篇サスペンス。

「人間仮免中」卯月妙子

2013年02月19日 22時05分19秒 | 読書(マンガ/アニメ)

「人間仮免中」卯月妙子

コミックエッセイと呼ぶにはあまりに重すぎる内容。
すべて実話。
著者は統合失調症。
この病気は、かつて精神分裂病と呼ばれていた。
患者側から表現されたコミックは初めてかも・・・そういう意味でも貴重。
単なる闘病記じゃなく、著者とボビーの愛の記録でもある。

いきなり歩道橋から飛び降りるシーンが衝撃。
顔面から落下し粉砕骨折。
よく助かったと思う。
著者の背中は『般若心経』の刺青に覆われている。
これが御利益、というものか?

PS
読んでいて、「自虐の詩」を思い出した。

「彼女がその名を知らない鳥たち」も思い出した。
十和子と陣治のカップル・・・ボビーさんの愛情と懐の深さは、陣治に通じる。

さらに、難病の方のエッセイというと「困ってるひと」大野更紗を思い出す。


ネット上の【著者紹介】を載せておくので読んでみて。
壮絶すぎる経歴である。
【著者紹介】
卯月 妙子 (ウズキ タエコ)
1971年、岩手県生まれ。20歳で結婚。しかし程なく夫の会社が倒産し、借金返済のためにホステス、ストリップ嬢、AV女優として働く。排泄物や嘔吐物、ミミズを食べるなどの過激なAVに出演。カルト的人気を得る。その後夫は自殺。幼少の頃から悩まされていた統合失調症が悪化し、自傷行為、殺人欲求等の症状のため入退院を繰り返しながらも、女優として舞台などで活動を続ける。さらに自伝的漫画『実録企画モノ』『新家族計画』(いずれも太田出版)を出版し、漫画家としても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

【ネット上の紹介】
壮絶な過去と統合失調症を抱えた著者が、36歳にして出会った25歳年上のボビー。苛烈で型破りで、そして誰より強靱なふたりの愛を描いた感動のコミックエッセイ。

「波紋~漢方医・有安」秋山香乃

2013年02月17日 18時12分38秒 | 読書(小説/日本)

「波紋~漢方医・有安」秋山香乃

シリーズ2作目。
前作が良かったので、読んでみた。
短編3作収録されていて、書き下ろし2作含む。

第一話 「笑う女」
第二話 「波紋」
第三話 「のれん」

今回も楽しめた。
今後も、引き続き読んでいくつもり。

「忘れ形見~漢方医・有安」・・・こちらシリーズ1作目

【ネット上の紹介】
過去を閉ざし、血のつながらぬ娘と暮らす漢方医・有安。ある日、薬種問屋の息子が何者かに斬られ、診療所に運ばれてきた。彼は、生死の境をさまよいながらも、自らが目撃した驚愕の事実を口にする。それは、やがて江戸を騒がす事件へと発展していき―。

「展覧会いまだ準備中」山本幸久

2013年02月16日 23時18分29秒 | 読書(小説/日本)

「展覧会いまだ準備中」山本幸久

著者お得意のお仕事小説。
今回は、東京郊外の公立美術館に勤める学芸員。
学生時代は応援団にいたという今田弾吉。
周りは個性派の女性学芸員ばかり。
体育会系のノリで、どこまでがんばれるのか?

なかなか良かった。
きっちりしたエンディングは無いけど、私は好み。
美術館の裏仕事の雰囲気が楽しめた。
初期のお仕事小説「カイシャデイズ」、「ある日、アヒルバス」を思い出した。(この2作は特に面白い)

【ネット上の紹介】
学生時代は応援団に在籍していた変わり種学芸員の今田弾吉。東京郊外の公立美術館に勤める彼は、職員の中で一番下っ端。個性豊かな先輩たちにコキ使われながらも、「上の命令は絶対」という応援団精神を発揮して、目の前の仕事に追われる日々を送っていた。自ら企画立案した美術展の実現なんて遠い夢。しかし美術品専門運送会社の美人社員・サクラとの出会いと、応援団の大先輩からある一枚の絵を鑑定依頼されたことが、弾吉の心に、何かのスイッチを入れたのだった。


スピードテスト

2013年02月15日 22時17分07秒 | 身辺雑記

皆さんは、とっくに光にしてるんでしょうね。
私のパソコンは、まだADSL。
どのくらいの早さか確認してみた。
その時のタイミングによるけど4Mbpsくらい。

ちなみに、職場ではフレッツ光になってるので、30Mbpsくらい。
自宅のネットより7~8倍くらい速い。
でも、そんなに違いを感じない・・・自宅では、図書の検索程度しかしないから。
皆さんのパソコン速度はどうなんでしょう?
次のサイトからチェックできるので、よかったら試してみて。


クロガネモチ

2013年02月14日 22時29分50秒 | 身辺雑記

JR摂津富田駅の前に大きな木がある。
何の木だろうと近づいて見ても、名札がない。
そこで、ネットで調べてみた・・・たぶん「クロガネモチ」ではないか、と思う。
この季節、真っ赤な実をつけている。
大きくて立派なので、感心して見上げた。


「いちばん長い夜に」乃南アサ

2013年02月11日 09時18分37秒 | 読書(小説/日本)

「いちばん長い夜に」乃南アサ

1作目「いつか陽のあたる場所で」
2作目「すれ違う背中を」
そして、シリーズ3作目最新刊にして最終刊「いちばん長い夜に」
一番よかった、盛り上がった、みごとなエンディング。

前回在庫切れで、入手するのに苦労したので、発売してすぐE-honに注文した。
ところが、表示が『出版社から取り寄せ中』、と。
いったいどうなってるんだ?早くも在庫切れか?
時間がかかったけど、なんとか入手。
このとき気づくべきだった。
予想以上に人気で、売れていることを。
内容が今までと違うことを。

ここからネタバレなので要注意。
未読の方は読まない方が、ずっと衝撃を受けて驚くことが出来るから。

今回は怒濤の展開だった。
シリーズで一番エキサイトして読んだし、面白かった。
今までの2巻は、刑務所を出た二人の細々とした日常を描いていた。

(あとがきより)
小森谷芭子と江口綾香には、共に前科持ちという事情がある。罪を犯した代償として人生を大きく狂わせ、多くのものを失った彼女たちにとっては「取り立てて大きなことの起こらない日常」こそが貴重であり、かけがえのないものに違いない。(中略)だから、「あえて何も起こらない話」にしようと思っていた。

前作同様、本作品でもささやかな日常が描かれるだろうと思っていた・・・ところが、怒濤の展開。
P135、第3章「その日にかぎって」・・・正確に言うとP180の2行目から急展開が始まる。
『その日』とは3月11日であった。小森谷芭子はたまたま一人で朝早くから仙台に出かける。
そして午後2時46分。

ポケットの中から、「ウー、ウー、ウー」というサイレンのような音がした。自分の携帯だと思うが、こんな音は聞いたことがない。
 何だろうと思って携帯電話を取り出す。開いてみると、画面に「緊急地震速報」という文字が浮かび上がっていた。
――緊急?
 何だろうと思った瞬間だった。ごうっという音が響いて、地の底から、何かに引きずり倒されるような衝撃があった。

意識する、しないに関わらず、『3.11』は日本の大きな節目となった。
評論、ノンフィクションが多く書かれた。
でも、普通の中間小説で、このようにきっちり表現されたのを読むのは(私は)初めて。
だからよけい驚いた・・・まさか「このシリーズ」で「この登場人物」が「経験する」なんて!、と。
第4章「いちばん長い夜」では、地震が起きてからの右往左往と、仙台から東京までの「脱出」が描かれる。これが超リアル。それもそのはず、3月11日、著者もたまたま仙台で本作の取材していたから。
イヤリングをなくしたのも著者の体験。ホテルでの経験もそう。だから超リアルなのだ。
静かに穏やかに進行する本作品テイストが覆った。それは嬉しい驚きである。

(あとがきより)
今回のことでは誰もが、それぞれの環境にいて心に傷を負ったのだと思う。被災した人も、被災を免れた人も、情報として知るだけだった人も、あらゆるところの、あらゆる人が傷ついたのだ。それが2011年3月11日以降の私たちの姿だ。そこから目を背けるわけにはいかなかった。
(中略)
 この物語が、まさかこういう終わり方をするとは、私自身もまったく予測していなかった。だが、生き残ったものは生き続けなければならない。体験したことを決して忘れることなく、胸に刻みつつ、それでも諦めずに。芭子と綾香とは、既に新たなステップに踏み出している。

ホテル法華クラブ仙台宴会場
物語で登場するホテル法華クラブ仙台
〒980-0014
宮城県仙台市青葉区本町2-11-30

【参考リンク】
「いつか陽のあたる場所で」乃南アサ
「すれ違う背中を」乃南アサ

【TVリンク】
いつか陽のあたる場所で | NHK

【ネット上の紹介】
前科持ちの刑務所仲間―それが芭子と綾香の関係だった。“過去”に怯えながらも、東京の下町に居場所を見つけて、ゆっくりと歩き始めた時、二人は自分たちの大きな違いに気づき始める。人を殺めるとは何か。人が生きていくとは何か。亡くなった人間が残すものとは何か。そして、いつか、彼女たちの長い夜は明けるのだろうか?受苦の時代に暮らす全ての日本人に贈る、感涙の大団円。


「あのころの、」窪美澄他、アンソロジー

2013年02月09日 10時53分02秒 | 読書(小説/日本)

「あのころの、」窪美澄他、アンソロジー

女性作家6人による、高校時代をテーマにした青春アンソロジー。
窪美澄作品が読みたくて図書館で借りたけど、他の作品も佳作揃い。
特に、柚木 麻子さんが良かった。
いずれ他の作品を読もうと思う。
(吉野万理子作品も良かったけど、あまりにリアリティがありすぎて、フィクションと感じなかった)
概ね楽しめた。
ただ、高校生というイタイ時代を扱っているので、読んでいて息苦しくなるのが欠点か。

PS
読んでいて感じるのは、高校時代いかに偏差値、受験、成績といったものに一喜一憂し、振り回されているか、ってこと。人を測る物差しって、いくつもあって、価値観も多様である。でも、そういったことを教えてくれる学校も教師も少ない。(そんなことは自分で学ぶことだ、って言われれば、身もフタもないけど)

PS2
学校でもう一つ重要なのが、コミュニーケーション・スキル(こちらの方が社会に出たとき役立つ)。女の子の場合、一緒にトイレに行ったり、弁当を食べたりする「友人」は重要。友達がいるのと居ないのでは、高校生活が全く異なってくる。偏差値と共に重要アイテムのひとつだ。(あと、自己演出能力とかあるけど、これは場数と経験で、おいおい上達する)

【ネット上の紹介】
夢、あこがれ、自信。悲しみ、怒り、とまどい。不安、嫉妬、そして別れ。熱い注目を集める気鋭女性作家6人が、あのころ―女子高生時代―ならではのセンシティブな心模様、取り巻く情景を鮮烈に紡が出す。いまを全力で駆け抜ける現役女子高校生と、かつて女子高生だったすべての大人の女性たちに贈る、珠玉の青春アンソロジー。
【著者紹介】
窪 美澄 (クボ ミスミ)  
1965年東京都稲城市生まれ。2009年、「ミクマリ」で第8回女による女のためのR‐18文学賞大賞を受賞してデビュー。2010年に刊行した受賞作を含む短編集『ふがいない僕は空を見た』は圧倒的な筆力を高く評価され、翌年第8回本屋大賞第2位、第24回山本周五郎賞を受賞しベストセラーに
瀧羽 麻子 (タキワ アサコ)  
1981年兵庫県生まれ。京都大学卒業。2007年、『うさぎパン』で第2回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞してデビュー。瑞々しい感性で、日常の一瞬のきらめきをきりとる作風に定評がある
吉野 万理子 (ヨシノ マリコ)  
1970年生まれ、神奈川県出身。上智大学文学部卒業。新聞社、出版社勤務を経て、2002年「葬式新聞」で「日本テレビシナリオ登龍門2002」優秀賞を受賞。2005年『秋の大三角』で第1回新潮エンターテインメント新人賞(現大賞)を受賞
加藤 千恵 (カトウ チエ)  
1983年北海道生まれ。立教大学文学部日本文学科卒業。2001年、枡野浩一氏のプロデュースにより、短歌集『ハッピーアイスクリーム』で高校生歌人としてデビュー。以来、小説、エッセイなど、さまざまな分野で活躍。切なく甘やかな想いを鮮やかに切り取り、多くの共感を集めている
彩瀬 まる (アヤセ マル)
1986年千葉県生まれ。上智大学文学部卒業。2010年「花に眩む」で第9回女による女のためのR‐18文学賞・読者賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
柚木 麻子(ゆずき あさこ)
1981年東京都に生まれる。恵泉女学園中学・高等学校、立教大学フランス文学科卒業。既婚。大学時代より脚本家を目指してシナリオセンターに通い、ドラマのプロットライターを勤めた。卒業後、製菓メーカーへの就職を経て塾講師や契約社員などの職のかたわら小説の賞に応募し、2008年に第88回オール讀物新人賞を受賞した。受賞作「フォーゲットミー、ノットブルー」を含む初の単行本『終点のあの子』が2010年に刊行された。


「忘れ形見~漢方医・有安」秋山香乃

2013年02月07日 23時09分38秒 | 読書(小説/日本)

「忘れ形見~漢方医・有安」秋山香乃

以前、この著者の作品を3冊読んだ。
「お茶々」シリーズ3部作、である。
とても良かったので、他の作品もどうだろう、と思っていた。
予感は的中・・・やはり、本作品も楽しめた。

供割(ともわり)と言う言葉がある。(P6)
国許では考えられぬ無礼だが、江戸の大通りでは急ぐ町人が大名行列を割って横切っても、罪にならない。過去には罪になった時期もあるが、幕府目付より諸藩の江戸留守居に寛文年間にお触れが出、「一切咎めまじく候」となった。
将軍家が許しているのである。
ゆえに、横切った女が罰せられることはない
だが、横切られた若侍の運命は過酷である。その背に、冷たい汗が流れた。
藩の面目を潰した咎で、軽くて謹慎、逼塞。下手をすれば追放、切腹。最悪の場合は、お家お取り潰しの沙汰が下るやもしれぬ。

ここから物語が始まる。
この若者はどうなるのか?
なぜ女は、供割をしたのか?
漢方医・有安はどうかかわるのか?
・・・というわけで、楽しく読める人情時代小説。

PS
大名行列を横切るといえば、生麦事件を思い出す。
同じ江戸時代でも、かなり違う。

【ネット上の紹介】
江戸で漢方医を営む有安は、自分が斬った男の娘を育てるために刀を捨てた。彼は娘が真実を知る瞬間を恐れつつも、かりそめの平穏に身を置いていた。しかし、呉服商の娘の最期を看取ったことをきっかけに、彼の過去を詮索する人物が現れ…。優しさ溢れる下町人情小説。

「クラウドクラスターを愛する方法」窪美澄

2013年02月06日 08時56分28秒 | 読書(小説/日本)

「クラウドクラスターを愛する方法」窪美澄

窪美澄作品を読むのは3冊目。
「晴天の迷いクジラ」「ふがいない僕は空を見た」、そして本作。
今回もよかった。(ハズレの無い作家だ)

大晦日の朝、3年間一緒に暮らした彼が出て行き、正月を母と過ごす。
その母は、子供の時に離婚して出て行って、再婚している。
・・・と、窪美澄作品は、あらすじを書いても、面白さが伝わらない。
怒濤の展開も、オチも無い。
でも、登場人物の感情、その場の雰囲気を伝える表現が巧み。
喜怒哀楽以外のもやもやした感情、善悪はっきりしない状況、
大きな踏み跡を歩いている訳じゃない。
交差点や分岐点もはっきりしてる訳じゃない。
藪漕ぎのような毎日。
そういうのを巧く描いている。
また読んでみたい、という気分になる作家だ。

PS
作中に『サンキャッチャー』、ってアイテムが出てくる。
現物を見てみたい気分。


【蛇足】
タイトルの「クラウドクラスター」とは積乱雲(入道雲)のこと。
クレームを付けるとしたら、今回のタイトルは、イマイチ。
私なら、P107から「夜の虹」、とするかな。(ただし他作家による同名タイトル多数で、問題ありか?)

【ネット上の紹介】
輝くような人生の流れに乗るためのボートは、どこにあるんだろう」。誕生日を間近に控えた大晦日の朝、3年間一緒に暮らした彼が出て行った。その原因は……デビュー作で山本周五郎賞を受賞した実力派作家が「家族」を描く、待望の第3作。表題作書き下ろし。

「死んでも負けない」古処誠二

2013年02月04日 23時08分12秒 | 読書(小説/日本)

「死んでも負けない」古処誠二

著者は、戦中を舞台にしたシリアスな作品が多い。
今回はユーモア作品。
ちょっと気になる。
現代の家族を描いている。
(家族+ユーモアは、私のツボ)

戦争をテーマにしてきた古処誠二さんなので、
祖父にビルマ戦を語らせている。
ただの家族小説にしていない。
でも、もう少しひねりが欲しいかな。
ビルマと言えばインパール作戦を思い出す。
(「謎」や「秘話」のようなものが欲しかった)
あっさりしすぎ。
(もともと古処誠二作品は淡泊だから、無いものねだりか?)

【ネット上の紹介】
祖父はビルマ戦の帰還兵で、口を開けば戦争中の自慢話だ。当時4歳だった僕にイギリス兵を素手で殺したという話や、自分が現地の娘にモテたことなどを、得意満面に語る。いいかげん聞き飽きたが、話を聞かないと鉄拳制裁が待ち受けている。我が家の生活もすべて祖父の意志が大優先だ。その祖父が倒れて入院した。そしてベッドの上で、あり得ない言葉を呟いた…。

Is this love

2013年02月01日 22時10分01秒 | 音楽

遅ればせながら、昨年発売された「The Great Songs」(pushim)を聴いている。
カバー曲集・・・美空ひばりからユーミンまで。
特にいいのが、Is this love・・・よかったら聴いてみて。

【旅(2012)】曲:Is this love/PUSHIM
「The Great Songs」

1.星影の小径 (PUSHIM)
2.瑠璃色の地球 (PUSHIM)
3.ONE LOVE (PUSHIM)
4.はじまりはいつも雨 (PUSHIM)
5.Hello,my friend (PUSHIM)
6.Human Nature (PUSHIM)
7.リンゴ追分 (PUSHIM)
8.裸足のフローネ (PUSHIM)
9.Endless Story (PUSHIM)
10.Is this love feat.CHEHON (PUSHIM)
11.笑えれば (PUSHIM)