【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

天王山▲270m

2011年02月27日 23時00分18秒 | 登山&アウトドア(関西)


天王山に登ってきた。
天王山と言えば、秀吉と明智光秀、天下分け目の決戦舞台。
歴史史跡としての訪問価値も高い。
眺望もよく、桂川、宇治川、木津川が合流しているのが見える。
また、下山後、サントリー蒸留所に立ち寄り工場見学もできる。

阪急大山崎駅駅→大山崎町歴史資料館→山崎聖天→天王山→宝寺→
アサヒビール大山崎山荘美術館→サントリー蒸留所→阪急大山崎駅駅
歩行2時間20分 距離5.8km
資料データ:「行楽の山歩き」(東京地図出版)より


工場見学受付は、入ってすぐ。

工場見学希望者は多い

↑これが全てウイスキー原酒
山崎蒸溜所大阪府三島郡島本町山崎5-2-1
1時間毎に工場見学のツアーが催行され、ウィスキーが試飲できる。
なお、ネット上の優待券を提示するとオリジナルグッズがもらえる。
今年も、『山崎』ロゴ入りグラスをいただいた。

このハイキングに欠点があるとしたら、あまりにあっけなく登頂できること。練習としては、たよりない。でもまぁ、(もう若くないんだから)今年最初のハイキングとしては、稲荷山、天王山から始めるのが妥当。
それに、何と言ってもサントリー工場見学は魅力だし。
少しずつ負荷をあげて、今年の夏もテント山行、北アルプスを目指したい。

「猫の草子」近藤ようこ

2011年02月27日 22時23分16秒 | 読書(マンガ/アニメ)


「猫の草子」近藤ようこ

中世を舞台にした、近藤ようこさん短編集。
元ネタはあると思うけど、アレンジが巧い。
「南蛮船」は美女と醜女の対比が面白い。
P100の註釈に次のようにある。

月夜とは反対に雨夜の顔はブスの典型です。鎌倉時代の絵巻「男衾三郎絵詞」には「関東一の醜女」が出てきますが、彼女は目が大きくて鼻が高く、髪は天然パーマです。

時代や国により、美人の概念は変化し、幅も変わる。
例えば、海外に行くと、日本女性が1番、って思ってしまう。
これは、「おふくろの味が1番」、ってのに似ている。
小さいときから餌付けされ、舌が馴染んでいるにすぎない。
また、日本では、ファッション誌でメイクや衣装を研究できる環境にある。
化粧品の種類は多く、美容院の数も多い。
眉を整えるだけで、かなり印象はかわる。
また、美容整形、エステの店も多い。
街歩く美女が、目や鼻を整形して、胸にシリコンを入れていない、と断言できるだろうか?
このように、様々な要因が絡まり、「日本女性は(海外に比べて)美人が多い」、と思うのである。

近藤ようこ作品のコメントからずれた。
いずれも、レベルが高く楽しめた。
読んでソンは無い。
表紙裏には次のように紹介されている。
男女の織りなす愛の機微をミステリアスに描いた中世お伽草子である、と。


美術手帖2011年2月号

2011年02月27日 22時23分02秒 | 読書(写真エッセイ)


『動物写真特集』なので読んだ。
宮崎学作品が1番印象に残る。(私の趣味と重なる部分が多い)
この雑誌、ネット上で次のように紹介されている。

[特集情報]
●動物写真がすごい!

 *PHOTO SESSION
  ◆岩合光昭と梅佳代の動物園撮影会
 *ARTIST 
  1)岩合光昭  地球を旅する動物写真家
  2)宮崎学  自然界の報道写真家
  3)今本淳  海の不思議を撮るウミウシ写真家
 
  ◆星野道夫とグリズリー
  ◆岩合光昭とネコ

 *SPECIAL TALK
  ◆「動物写真」ってなんだろう?
   対談  小原真史×梅佳代

  ◆梅佳代セレクション 動物写真集6冊

以上、いかがでしょうか?
興味があれば手に取ってみて。


三十三間堂(蓮華王院本堂)

2011年02月25日 21時17分09秒 | お出かけ

お出かけ、養源院訪問のつづき。
三十三間堂を訪問した。
(「なんだ、お寺巡りか」、とパスしたりせず、クライミングに通じるものがあるから読んでみて)

建物の正式名称は蓮華王院本堂(れんげおういんほんどう)。
小説の舞台としては、「宮本武蔵」が有名でしょうが、
私が訪問したくなったのは、「風にもまけず、粗茶一服」に登場するから。
少し長いけど引用する。(P89-90)

三十三間堂は、平清盛が後白河法皇のために建てた。内陣に並ぶ柱と柱の間が三十三あることからそう呼ばれている。柱の間隔は二間ほどだから、つまりずいぶんと細長いお堂であり、なぜかくも長いのかと言えば、そこに千体もの観音像を並べるからだ。
(中略)
ところで、千体千手観音に比べれば知名度はかなり下がるかもしれないが、三十三間堂と聞いて次に人々の脳裏に浮かぶのは、おそらく<通し矢>伝説だろう。
二間おきに柱が立っているということは、本堂の全長は約百二十メートルということになる。この軒下で、江戸時代、弓の名手達が端から端まで一昼夜に何本射通せるか矢数を競った。
今、一般的に弓道の試合は二十八メートル先に的を置いて競うから、百二十メートルといえばその約四倍にあたる。それほど遠くへ矢を飛ばすには、弓を上に向けて矢の滞空時間を延ばすにしくはない。ところが、軒下ではこれができない。水平に遠くまで飛ばすには強弓を使うよりない。弱い弓でまっすぐ射ても矢はすぐに落ちてしまうからだ。百二十メートルに及ぶ軒の下で矢数を競うということは、言うまでもなく破天荒な腕力勝負であった。次々に剛の者が登場し、百単位の勝負から、またたく間にエスカレートして千本単になった。三十三間堂で今も見ることのできる額には、星野勘左衞門という紀州藩士が八千本を射通したことが記されており、さらにその後すぐに紀州の和佐大八郎が八千百三十三本を記録した。
八千本というのは通すのに成功した数であって、彼らが放った矢はもっと多い。星野にしても和佐にしても一万本以上の矢を射ており、通らなかった矢の多くは軒や庇に突き刺さった。三十三間堂の軒は、だから今も疵だらけなのだ。爾来この場所は弓道家にとって特別な空間となっている。


いかがでしょうか?
私は、この約百二十メートルの長さを、直接現地に行って感じてみたかった。
だから、訪問したのである。
写真を撮ってきたから見て欲しい・・・これはすごいよ。
この距離を1本だけでも射るのは至難でしょう。
一昼夜に八千本射るという・・・腕力、技術、精神力、体力、様々な要素が必要。
単純に計算して、少なくとも1分間に数本射ていることになる。すごい速射である。
再度、下の写真を見て欲しい。この距離をがんがん速射していくのだ。(どんだけのパワーしとんねん!)

さて、クライミングに例えるとどうだろう?
私の練習は、(がんばっても)数時間掛けて600手くらい・・・しかも失敗ばかり。
星野勘左衞門、和佐大八郎の実力はビッグウォ
ール、フリーによるワンデイアッセントに通じるものがある。
(あるいは、それ以上か?昔の日本人、すごいぞ!)



これが、約百二十メートル・・・すごすぎる!

こちら鴨川・・・ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
(時間が早いせいか、鴨川名物、等間隔カップル並列見られず)

【参考リンク・三十三間堂】
http://www.sanjusangendo.jp/
http://www.otelife.com/static/contents/special/sp_02
http://www.koyama-kyugu.com/guide/toushiya.php

関連作品として、成瀬巳喜男監督『三十三間堂通し矢物語』もある。


kimkoさんのブログ紹介

2011年02月23日 22時52分29秒 | クライミング(一般)
kimkoさんからメールをもらった。
「ブログ作りました、見て下さい」、と。
kimkoさんには、ジムでよくお目にかかる。
私より、常にワンランク上の練習をされていて、参考になる。
備中では、『林京』をトライ、王手かかっていたが、赤ちゃん誕生で現在休憩中。

会うと世間話をするが、昨年マダガスカル訪問した話は興味深かった。
「ぜひ紀行文を書いてくれ」、と頼んだ。
私の周りで、マダガスカル訪問した、って話を聞いたことが無い。
非常に価値のある紀行文になる、と思う。
そんなわけで、kimkoさんから、「ブログ作ってマダガスカル紀行も書いた」、と聞いたので嬉しくなった。
よかったら、皆さんも見て下さい。(写真多数収録)

http://kimko22.blog86.fc2.com/

*今のところ、クライミング関連記事はない。
気長に待っていたら、書いてくれるかも。
2月23日現在、発表されている記事内容は、次のとおり。

①マダガスカル再訪記・・・6話
②イラク紀行・・・1話
③昨年末生まれた赤ちゃんの話・・・1話

今後、クライミングの話題が増えていくか?
それとも、赤ちゃんの写真が増えて、育児ブログになるか・・・どうでしょう?
(読書ネタばかりの私の言うことではないけど・・・)

養源院、訪問

2011年02月21日 23時18分25秒 | お出かけ
伏見稲荷に行った、と書いたが、まだ続きがある。
その後、七条に移動。
養源院と三十三間堂に立ち寄った。

どちらも小説の舞台になっている。
「茶々と信長」「茶々と秀吉」「茶々と家康」(秋山香乃)「美女いくさ」(諸田玲子)「江―姫たちの戦国」(田渕久美子)
以上、浅井三姉妹を描いた作品。
養源院は、もともと淀殿(お茶々)が、父・浅井長政を供養するために、秀吉に願って創建した。
それが、落雷により焼失した為、次に崇源院(お江)が秀忠に願って、再興した。
これらの小説では、何度も養源院が登場する。
一度訪問しておきたい、と思っていた。
写真を撮ってきたので紹介する。
(内部写真は撮影禁止なので無い)
ホントは内部写真を紹介したい。
と言うのも、俵屋宗達の象、獅子、麒麟の迫力ある絵、左甚五郎の鶯張廊下、さらにインパクトがあるのが、血天井。
ウィキペディアによると・・・

『関ヶ原の戦いの前哨戦ともいわれる伏見城攻防戦で鳥居元忠以下1000人余りが城を死守し,最後に自刃した廊下の板の間を供養のために天井としたもので、武将達の遺体は残暑の残る8月から9月中旬まで放置されていたと言われ、そのため今も生々しい血の痕があちこちに残る』

実際、人の形、手のひらの痕が天井に残されている。
お坊さんが、竹の棒で、天井を指して説明してくれる。
・・・これほど生々しいとは思わなかった。
(霊感の強い方、訪問ひかえたほうがよい、かも。私は、この後ずっと、頭痛に悩まされた)

PS
今なら崇源院(お江)、現存する唯一の肖像画を特別公開している。(これは価値がある)
さて、この後、「宮本武蔵」「風にもまけず粗茶一服」の舞台となった三十三間堂へ移動。
(続きは、また次回)


三十三間堂の東隣にある。

思った以上に大きい。

拝観料600円、肖像画特別公開中。

お市の方、供養塔

崇源院(お江)お墓

【参考リンク・養源院】
http://kyoto-higashiyama.jp/shrinestemples/yogenin/
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A4%8A%E6%BA%90%E9%99%A2

 

伏見稲荷に初詣

2011年02月20日 17時23分24秒 | お出かけ

遅ればせながら、初詣に行ってきた。
写真を見てお分かりのように伏見稲荷。
今年も、安全祈願をしてきた。
(けっこう歩き回るので、ハイキングも兼ねてちょうど良い)

けっこう賑わっていた、外人さんも散見された。

ほとんど異次元空間・・・神域を感じる

景色も良好

こちらを見ているようで、少し怖いかも

カエルと並んで、御利益のありそうなネコ

【参考リンク・伏見稲荷】(今年、おいなりさん御鎮座1300年)
http://inari.jp/


ナカガイ・高槻店

2011年02月19日 20時44分03秒 | ジム練習
更新せずに、スマン。(いろいろ忙しくて)
さて、今日はナカガイジム・高槻店に行ってきた。
練習内容は以下のとおり。

①ボルダーサーキット・黄色テープ、20課題(ウォームアップ)
②長モノ・水色四角5b+(ウォームアップ)
③長モノ・黄色四角5c(ウォームアップ)
④109手課題・・・失敗
⑤109手課題・・・RP
⑥長モノ・黄緑スラッシュ(38手)・・・失敗(今日は調子悪い)
⑦長モノ・水色スラッシュ(56手)・・・ムーブ研究中(ルーフ部分が悪い)
⑧ボルダーサーキット・白テープ、20課題(最近、⑥番成功率向上、白テープは、前半難しい課題が多い)
⑨ボルダーサーキット・青テープ、20課題

最後の青色テープ・ボルダーサーキットは、疲れが出てきて、すんなり登れず苦労した。
③番、⑩番、⑱番は、2回かかった。
⑳番は3回かかった。
⑲番は、何度もトライするが登れず。(超苦手・・・単にヘタ、という話も)
青テープは、最後の3課題(⑱⑲⑳)が、特に難しく感じる。
①~⑰は、(たどたどしいけど)サーキット風に流していく。
でも、⑰が終わると、靴を脱いでレストに入る。
それでも、指も体も回復せず、すんなり登れない。
このあたりが、私の限界なんでしょうね。
今年は、基礎体力向上し、限界を押し上げたい。
地道に努力しようと思っている。

PS1
ルカラに行っても、ナカガイ摂津店に行っても、だいたい同じ練習を繰り返している。
それでも、その日の調子によって、体が重かったり、軽く感じたり、いろいろ。
高槻店での練習も、毎回同じような事をしている。
この練習の利点として、ほぼ同じ事を繰り返しているので、体の調子を判断出来る。
(欠点はマンネリ化すること)

PS2
空気が乾燥しているので、指皮が硬くなった、割れた、という話をよく聞く。
幸いなことに、私の指は(今のところ)大丈夫。
寝る前に、(角化症治療薬)皮膚軟化クリームを塗り、朝と昼は、スキンケアクリームを塗っている。
マメに手入れすることが必要、と感じる。(硬くなったら、後は割れるだけだから)
それでも指皮が硬くなったり、割れたりする方は、練習のしすぎかもね。

PS3
今回の練習も、ほとんどスーパーモックにてトライ。
モカシムよりラバー軟らかく、足裏感覚良好。
ただし、(例えジブスでも、靴に頼らず)自分の足先で立ち込む必要がある。
硬い靴と比べて、足指の負担が大きい。(足指痛めないように注意)
少しずつ練習で克服する必要がある。

ルカラ・マンスリー課題、2011年2月

2011年02月13日 21時28分46秒 | ジム練習
ルカラに行ってきた。
本当は、先週行くつもりだったけど、今日にずれこんだ。
(なぜなら、先週ひきこもって、読書していたから)
トライ内容は、以下のとおり。

①ボルダーサーキット白テープ20本(ウォームアップ)
②マンスリー課題白テープ5本(これもアップ)
③マンスリー課題赤テープ5本(そろそろ真剣トライ、なめると落ちるから)
④マンスリー課題黄色テープ5本(本気トライ)
・・・黄色テープは苦労したので、次に具体的に紹介する。
A、正面課題・・・一番簡単そうなので、最初にトライした。(1撃)
B、ルーフ課題・・・ルーフ終わって這い上がりに失敗、青を取るのが遠いので工夫がいる(2撃)
C、奥壁左課題・・・比較的登り易い、パワーで押しきった(1撃)
D、奥壁右課題・・・見た目以上に悪かった。(4回かかった・・・反省)
E、垂壁課題・・・これが一番難しかった、多数トライしてRP。バランスとテクニック必要・・・どちらも私に無い要素だけど。

以上、どれも面白く、充実の課題であった。(本日も非常に堪能)
ほとんどの課題を新品のスーパーモックにて登った。(もちろん、一番苦労した垂壁課題も)
なお、私の実力では、水色テープ課題はムリそうなので、トライせず。
この後、少し休憩して、3時過ぎから6時頃まで、長モノを数本トライして本日終了、とした。


正田マン・スペインツアー結果

2011年02月13日 21時09分12秒 | クライミング(海外)
正田マンがスペインツアーの結果をブログにアップしている。
昨年2度目のスペインツアーを行い、2本の8c+をRP。
(honky mix 8c+la novena puerta 8c+ )
グレードが全てじゃないけど、正田マンの場合、トライ内容もよい。
・・・すなわち、非常に少ない回数でRPしている。
端から見たら、それほどの実力なら、9aトライしたらどう?と思ってしまう。
(もし、これが私なら、スケベ根性で9aを、お百度参り状態でトライしたでしょうね)
正田マンののエラいところは、地固めの方向に入ったこと。
次回のために、7後半~8クラスを多数登り込んでいる。
私も先端部分を伸ばすため、基礎強化を図りたい。
これを今年のテーマとしたい。


【参考リンク】
ちょっと落ち着いたのでスペインツアー最終結果

一応、かなり遅いが2008年のスペインツアー最終結果

【追加情報】
昨年スペインツアー、メンバー4人。
正田マン、S子さん、wataru君、nakano君。
ただし、現地で2人、2人、のペアに分かれて行動したそうだ。
正田マン奥さん・S子さんのレポートは先月寄稿して頂き、1/23付、このブログで紹介した。
また、wataru君の撮影した写真、成果も先日紹介した。
念のため、再度下記に掲載する。

【S子さんレポート】
【europe tour 2010】by S子
http://homepage3.nifty.com/takimoto/europetour2010.htm



【wataru君スペイン写真】
http://www.flickr.com/photos/wataruyamada/sets/72157624750267043/

http://www.8a.nu/?IncPage=http://www.8a.nu/scorecard/AscentList.aspx%3FUserI


「心の迷宮」近藤ようこ

2011年02月12日 21時52分30秒 | 読書(マンガ/アニメ)


近藤ようこさんには、大きく分けて二種類の作品がある。
「水鏡綺譚」のような中世を舞台にした作品と、
「ルームメイツ」のような現代を舞台にした等身大の話。
「心の迷宮」は後者である。
執筆年代が「ルームメイツ」と少しかぶるだけあって、レベルが高い仕上がりになっている。
短編集で毎回登場人物が異なるけど、テーマは一貫している。
小学館「ビッグゴールド」に、同タイトルで連載された作品をまとめたのが本書。
著者が30代のころの作品。
あとがきで、次のように書かれている。

苦しみながら描いて、それでも失敗したなと思う話もあるが、時間がたってみるとまあなんとかまとめているじゃないかと感心する。ラストを最初に決めて話作りをする私のやり方は、大破綻がないかわりに途中から作者本人が思いもよらない展開になるというような、意外性のある面白さは生まれない。これじゃあだめかなあとも思うが、仕事のやり方はその人間の性格や生き方に重なるものだから、二十八年目の漫画家に迷う余地はないかもしれない。

【ネット上の紹介】
「なぜ人は愛を求め続けるのか?」婚前に運命の人と出逢い戸惑う女…恋に臆病になっているバツイチマザー…父親との絆から自立できないファザコン妻…など、揺れる女の心模様を見つめる読切り傑作短編集。愛に不器用な女たちの等身大の<愛の叙事詩>。心の傷いやします。あとがき/近藤ようこ 解説/戸田誠二

【参考書籍】


「ステップ」今野緒雪

2011年02月12日 21時33分53秒 | 読書(小説/日本)


「マリみて」シリーズ最新刊。
『薔薇さま』も『山百合会』も出てこないのに、これは「マリみて」なのか?、と思われるかもしれない。
以前にも書いたが、次のように説明できる。
今野緒雪さんには、「マリみて」以外にも、「夢の宮」シリーズがある。
『夢の宮』を舞台にしたファンタジーだ。
「マリみて」も同様に考えたら良い・・・これは『リリアン』を舞台にしたファンタジーだ、と。
そういう意味で、本作はまぎれもなく「マリみて」なのだ。
以下、ネタバレありなので注意。

ただ、本作は他の作品と異なる趣向が凝らしてあり、ある仕掛けがある。
おそらく物語終盤になって、「えっ、そうなの?」、と気づくはず。
最初は、ちょっとした違和感から始まる。
なぜ、ここで携帯を使わないのか?、とか。
(私の想定では、物語背景は○○年代後半くらい?)
まぁ、それは読んでのお楽しみ。

【ネット上の紹介】
親友の律から、男性とつき合い始めたと告白された佳月。混乱する頭を冷やそうと、帰宅途中バスを降りて公園に向かった彼女は、出会い頭にある男性とぶつかってしまう。心配する男性を一度は振り切るも、佳月は公園で酔っ払いに絡まれ、結局はその男性に助けを求めることに。好感を抱きつつも、名乗らずに別れた数日後、律がその男性と親しげにしているのを見て佳月は衝撃を受けるが…。 

【参考書籍】


「悪人」吉田修一

2011年02月10日 22時40分34秒 | 読書(小説/日本)


完成度が高い、見事。
人物造形も、心理描写も、秀逸。
実は、この著者の作品を読むの、初めて。
面白いかなぁ、と思って読み始めたけど、大当たり。
技術的にも素晴らしいけど、それ以上のものを感じた。

どこにでもいるような人物を描いているんだけど、紋切り型になっていない。
やはり描写力、演出の力か?
例えば、石橋佳乃、保険会社勤務。
計算高く、相手によって態度、演出を変える。
次のように表現している。

正直、この手の女は苦手だった。何かを待っているくせに、何も待っていないふりをして、待っているだけのように見せかけて、その実、様々なものを要求してくる。

保険の外交員をしながら小金を貯めて、休日にはブランドショップの鏡に映る自分を眺める。本当の自分は・・・・・・、本当の自分は・・・・・・、というのが口癖で、三年も働けば、思い描いていた本当の自分が、実は本当の自分なんかじゃなかったことにやっと気がつく。あとは自分の人生投げ出して、どうにか見つけ出した男に、それを丸投げ。丸投げされても男は困る。私の人生どうしてくれる?今度はそれが口癖になり、徐々につのる旦那への不満と反比例して、子どもへの期待だけが膨らんでいく。公園では他の母親と競い合い、いつしか仲良しグループを作っては、誰かの悪口。自分では気づいていないが、仲間だけで身を寄せ合って、気に入らない誰かの悪口を言っているその姿は、中学、高校、短大と、ずっと過ごしてきた自分の姿とまるで同じ。(P239)


どうでしょうか?
上記文章を読んで、最低な女、と思われるだろうが、ことさら特別な女性ではない。
このタイプ、日本全国津々浦々広範囲にわたって棲息している、と思われる。
さて、問題はここから、である。
そこに、より最低な男が登場する。
様々な人間が出会うことによって、どのような化学反応が起こるのか?
殺人事件が起こるが、不可抗力だったのか?
最後の逃避行の章なんて、全く展開が読めなかった。
いったいどうなるんだ?、と思って読んだ。

彼は本当に「悪人」なのか?
何が「悪」だったのか?
登場する全ての人たちを丁寧に描いていく。
被害者と加害者の家族、両面から描かれ、それが実に見事なリアリティ。
また、老人達の描かれ方が素晴らしい・・・特に、加害者の祖母・房枝。(P400-404)
さらに、被害者の両親・佳男と里子の描写。(P400)
そして、光代は・・・これからどう生きるのか?
後味が良い、悪い、のレベルを超えたエンディング、である。

【ネット上の紹介】
なぜ、もっと早くに出会わなかったのだろう――携帯サイトで知り合った女性を殺害した一人の男。再び彼は別の女性と共に逃避行に及ぶ。二人は互いの姿に何を見たのか? 残された家族や友人たちの思い、そして、揺れ動く二人の純愛劇。一つの事件の背景にある、様々な関係者たちの感情を静謐な筆致で描いた渾身の傑作長編。

(↑映画化もされた、文庫本にもなった、上下2冊)

【参考リンク】
SHUICHI YOSHIDA 吉田修一OFFICIAL SITE
作家の読書道 第28回 吉田修一さん


スライド、画像追加

2011年02月10日 20時21分47秒 | クライミング(海外)
【映像編】楽しんでもらえたでしょうか?
今日、少し画像を追加しました。
前編:24枚→34枚
後編:37枚→39枚
よかったら、見て下さい。

ニュージーランド(5/5)映像編(後半)

2011年02月09日 22時21分10秒 | クライミング(海外)

ニュージーランド・映像編(後編)をアップします。(37枚)→(39枚:2/10追加)
内容はキャッスルヒルでのボルダーです。
宿泊はスプリングフィールド、スマイリーさん。
画面拡張アイコンをクリックして見て下さい。