【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

「3月のライオン」(7)羽海野チカ

2012年03月30日 21時16分13秒 | 読書(マンガ/アニメ)


「3月のライオン」(7)羽海野チカ

前回、ドラマチックな終わり方だったので、
今回、その後の展開が気になっていた。

いじめの問題もストーリーの重要な要素なので、
こちらも気になっていた。

いくつか印象に残った文章を紹介する。

「信じれば夢は叶う」
それは多分本当だ
但し一文が抜けている
「信じて努力を続ければ夢は叶う」
――これが正解だ
さらに言えば
信じて
「他のどのライバルよりも1時間長く
毎日努力を続ければ
ある程度迄の夢は、かなりの確率で」
               叶う――だ

この作品のすばらしいところは、敗者にもしっかりスポットライトをあてて、背景を描き込んでいること。

つぎにひなちゃんの言葉。

「先生・・・私、許さなくていいですか?」

この前後のシーン、圧巻である。
これである程度決着がついた、と思うけど、
でも、加害者側・・・全然懲りてないでしょうね。
(それにしても、この親もサイテー・・・「この親にしてこの子あり」、か)

さて、情報を記しておく。
3月28日~4月9日、大阪大丸梅田店15階にて原画展開催。
入場料600円、10:00am~7:30pm
詳細は次のとおり。

【原画展のお知らせ】
http://3lion.younganimal.com/exhibition/

『3月のライオン』公式サイト

【ネット上の紹介】
新人王を獲った零だったが、いじめられているヒナのために、自分が何もできないと勝手に思い込んでいた。一方、ヒナは学校で心が折れそうになりながらも、懸命にいじめと戦っていた。二人の様々な思いが交錯する中、物語は新たな展開をみせる。「本当の強さとは何か?」あなたに問いかける『3月のライオン』第7巻、ここに登場です。 2012年3月刊。


「そこをなんとか」(6)麻生みこと

2012年03月29日 22時13分04秒 | 読書(マンガ/アニメ)


「そこをなんとか」(6)麻生みこと

元キャバ嬢で新米弁護士・楽子の奮戦記、第6巻。
つまらなくなったら読むのを止めようと思っているけど、
毎回ストーリーにひねりを入れて飽きさせない。

#24、子供同士の喧嘩に、親が絡んで大事になる話。
この着地は見事。

#25、放火事件を担当する。
被告は、年下の男にぞっこんの地味な感じの女性。
次のような(楽子の)モノローグがはいる。

どう見たって向こう(男性)は本気じゃないし!
むしろ利用されてるし!
でも、それを指摘したところで説得できる気がしない!

もし指摘した場合の『相手の反応グラフ』、ってのが面白い。
次のような感じ。


字が汚くてスマン・・・タブレットで直接書いているので。(byたきやん)


「野田ともうします。」(4)柘植文

2012年03月27日 22時07分49秒 | 読書(マンガ/アニメ)


「野田ともうします。」(4)柘植文

シリーズ最新刊、第4巻。
今回も楽しめた。
#107、「携帯の予測変換で何が出るか遊びしよーよー」と部長さん。
部長さんの「あ」の予測変換は、わりと普通で次のとおり・・・
「ありがとう」「明日」「会う」「アドレス」「雨」「新しい」 
野田さんの「あ」の予測変換は・・・
 「阿片戦争」「赤城山」「軋轢が生じ」「あだやおろそか」「アンドロポフ書記長」
さらに、野田さんの「い」の予測変換は・・・
「異端審問」「インド洋沖で」「生け贄」「印鑑証明」「いかにも」「インカ帝国」
さすが、野田さんの予測変換は一味違う。

 ちなみに私の「あ」の予測変換は・・・
「明日」「ありがとう」「相手」・・・このあたりは普通
でも、この後に・・・「アオナン」「アジア」「穴」「安寧」と出てくる。 

「く」の予測変換になると、クライマーらしくなってくる。
「クライミング」「クラックス」「クラビ」「クライストチャーチ」・・・

「つ」の予測変換は、山屋のようになってくる。
「疲れ」「剣沢」「剣岳」「栂池」「ツアー」・・・

 さて、皆さんの予測変換は、いかがでしょうか?

【ネット上の紹介】
NHKでの実写ドラマで注目度UPの地味女子・野田さん。今回もラジオの公開録音に出かけたり、ヘミングウェイの作品を批評したり、あだ名について悩んだり、地味愉快にゴーイングマイウェイ! 読むと地味に元気が出る(!?)1冊です。


防災&防犯

2012年03月26日 22時30分06秒 | 身辺雑記

最近、防災と防犯に力を入れている。
次のようなラインナップで購入した。

センサーコンロで鍋を置かないと火が点かず。
高温になりすぎたり、吹きこぼれたら自動消火。
鍋を外すと弱火になり、1分後自動消火の安全設計。
・・・でも、皆さんのお宅では、とっくの昔にそうなってるんでしょうね。(3/11購入¥200,000)

火災(煙式)・ガス・CO警報器『ぴこぴこ』(3/20購入¥14,990)
階段上部にも『煙ピコ』を設置した。(+¥3,800)
毎月、ガス料金+980円で監視+出動サービス+遠隔ガス遮断サービス
ガスの消し忘れがあると、電話で知らせてくれて、遠隔操作で遮断もしてくれる。
・・・でも、皆さんのお宅では、とっくの昔にそうなってるんでしょうね。

これはビデオカメラ+録画機能付きドアチャイム。(3/11購入¥56,000)
不審人物のチェックに便利。
なお、子機もあって2階でもチェックできる。
(今まで、2階にいたらドアチャイムが鳴っても聞こえず、不便であった)
遅ればせながら、最近やっと、防災・防犯意識がでてきた。


「境遇」湊かなえ

2012年03月22日 22時09分28秒 | 読書(小説/日本)


「境遇」湊かなえ

湊かなえ作品を読むのは、これで3作目。
どれもレベルが高く、面白い。
この著者、人の悪意を描くのが非常に巧い。
(吉永南央さんと逆?)
最後まで目が離せない展開。

ところで、読んでいてある作品を思い出した。
三浦綾子さんの「氷点」なんだけど・・・。
重要な基本設定が重なる。 
しかも、 ヒロインの1人が「氷点」と同じ名前だし。
オマージュとして書いた、と私には感じられた。

【ネット上の紹介】
誘拐事件の裏に隠された“真実”の意味とは!? 人と人との“絆”を描くヒューマンミステリー デビュー作の絵本『あおぞらリボン』がベストセラーとなった陽子と、新聞記者の晴美は親友同士。共に幼いころ親に捨てられた過去を持つ。ある日、「真実を公表しなければ、息子の命はない」という脅迫状とともに、陽子の息子が誘拐された。ふたりが辿り着いた「真実」とは・・・。


【「氷点」ネット上の紹介】
辻口は妻への屈折した憎しみと、「汝の敵を愛せよ」という教えの挑戦とで殺人犯の娘を養女にした。明るく素直な少女に育っていく陽子…。人間にとって原罪とは何かを追求した不朽の名作!(原田洋一)(角川書店提供)


「ラスト・チャイルド」(上)(下)ジョン・ハート

2012年03月21日 18時21分47秒 | 読書(小説/海外)


「ラスト・チャイルド」(上)(下)ジョン・ハート

人気作品だけあって面白かった。
13歳の少年が主人公。
双子の妹が誘拐されその1年後、って設定。
ゆったりした導入、途中で怒濤の展開となる。
そのきっかけとなるのが、殺人現場を目撃するシーン。
殺される被害者の趣味がクライミング、という設定。
最後に気付いたけど、これが非常に重要な伏線。

「被害者はロック・クライミングをやるみたいですね」
「なんだって?」
ドクター・ムーアは顎をしゃくった。「手を見てください」
ハントはディヴィッド・ウィルソンの両手を調べた。たこ、ひっかき傷、擦り傷がついている。爪はきちんと切りそろえてあるが、汚れている。過去に出会った建設現場作業員はみんなこんな手をしていた。

郡の監察医であるドクター・ムーアとハント刑事の会話。
クライマーがいきなり殺されてしまうのは残念だけど、これが契機となり物語が動き出す。
展開の巧さ、少年の成長が描かれ、後味のよいラスト。
最後にタイトルの隠れた意味も解る仕組みになっている。
さすが超人気作品である。

【ネット上の紹介】
少年ジョニーの人生はある事件を境に一変した。優しい両親と瓜二つのふたごの妹アリッサと平穏に暮らす幸福の日々が、妹の誘拐によって突如失われたのだ。事件後まもなく父が謎の失踪を遂げ、母は薬物に溺れるように…。少年の家族は完全に崩壊した。だが彼はくじけない。家族の再生をただひたすら信じ、親友と共に妹の行方を探し続ける―早川書房創立65周年&ハヤカワ文庫40周年記念作品。英国推理作家協会賞受賞。

PS
最新作「アイアン・ハウス」の評判もよさそう。
 
ジョン・ハート 待望の新作 

PS
少年が主人公のミステリというと「少年時代」(R・マキャモン)を思い出す。
正直な感想を言うと、私はこちらの方が好き。

【「少年時代」ネット上の紹介】
12歳、なにもかもがきらめいて見えていたあのころ…アメリカ南部の田舎町で暮らす空想好きの少年コーリーはある朝、父とともに不可思議な殺人事件を目撃してしまう。そこからコーリーの冒険に満ちた一年間が始まった!底なしの湖に車と共に沈んだ無惨な死体は誰なのか?悪夢にうなされる父はしだいにやつれてゆき、コーリーは現場に残された緑の羽根を手がかりに、謎解きをはじめる。その過程で友や愛犬と体験する忘れ得ぬ体験の数々―誰もが子どものころに持っていながらも、大人になって忘れてしまった魔法を信じる心をよみがえらせ、世界中の読者好きを夢中にさせた珠玉の名作。世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞受賞作。


阿武山▲281.1m

2012年03月20日 20時58分59秒 | 登山&アウトドア(関西)

少し時間が出来たので、阿武山に登ってきた。
(アプローチは例によって自転車)

ここが登山口
 
眺望良好
  


ナカガイジム・高槻店

2012年03月18日 20時14分01秒 | ジム練習

ホールド替えがあったので、トライしてみた。
一番簡単な黄色サーキットでウォームアップ。
現在、11本完成している。
1番~5番と8番が比較的登り易い。
逆に難しめが、6、7、9~11・・・と思う。

次にVテープ課題を順番にトライした。
前半1~13のうち登れたのは次のとおり。
1.2.3.4.5.6.7.10・・・8本
登れなかったのは、8.9.11.12.13の5本
後半で登れたのは、15.16.18.24の4本
ということで、8本+4本=12本完登
(これを頑張ったと労うべきか、それとも・・・)

さて、ここから言い訳。
諸事情により、年始からいきなり3W練習休み。 
その後1Wに1回、週末のみの練習(約3H)にもちなおした。
クライミングというのは練習時間に比例する、と痛感した。
(これが長モノだと、もっと差が出る、と思う) 


「紅雲町ものがたり」吉永南央

2012年03月15日 21時50分27秒 | 読書(小説/日本)

「紅雲町ものがたり」吉永南央

ハードボイルドとは対極にあるジャンルとしてコージー・ミステリがある。

「地域社会が親密である」「居心地が良い」といった意味を持つ「コージー(cozy)」を使用し、日常的な場面でのミステリーであることを示す。(byウィキペディア)

わりと私もこのジャンルが好きで読んでいる。
ハードボイルドもいいけど、ほっと一息ついて、安心して読める。
本作「紅雲町ものがたり」も、そんな話がつまっている。
この作品の特徴は、ヒロインが大正生まれの婆さん、って設定。
その為、謎を探ってうろうろしていたら、痴呆徘徊老人と間違えられて、職務質問を受けたりする。(第1作「紅雲町のお草」)
高齢者故の悩み、あるいは利点も語られる。
全部で5編の短編が収録されている連作短編集。

私は「クワバラ、クワバラ」が好き。
「悪い男」もいいけど、出来すぎのような気もする。
でも、世の中広いから、こんな男もいるかもね。
よかったら読んでみて。
後味が良く、浄化作用抜群、ほっこりする。

PS
シリーズ第二弾も出ている。いずれ読もうと思っている。
この著者、本作がデビュー単行本・・・なかなかレベルが高い。

↑文庫本にもなっている
但し、タイトル変更されている・・・「萩を揺らす雨 紅雲町珈琲屋こよみ」

【参考リンク】
cozy mystery

【ネット上の紹介】
離婚や息子との死別を乗り越え、老いても自分の夢にかけた大正生まれのお草。知的で小粋な彼女が、街の噂や事件の先に見た人生の“真実”とは―。オール讀物推理小説新人賞受賞作を含む連作短編集。

ROCK & SNOW 2012春号 No.55

2012年03月12日 22時42分44秒 | 読書(山関係)


ROCK & SNOW 2012春号 No.55

今回読みごたえのあった記事は2つ。 

①「セロ・トーレのボルト撤去 是か非か」 (池田常道)
1部文章を紹介する。(P79)
エポックとして記憶される必要はあっても、それはボルトを残すこととは同義ではない。あのボルトは、言ってみれば、セロ・トーレで将来行われたであろう真の冒険的登攀の可能性を不当な手段でかすめ取ってしまったものだった。 

②「Century Cruck」14b登攀の記事(P88-94)
昨今、14bというグレードでは誰も驚かない。
でも、それがワイドクラックとなると別だ。
フィスト以上の幅のクラックは、9でもハードである。
ちなみにP124の下にある小さな写真は「クレイジージャム」と思う。(記憶違いだったら指摘して下さい)
このクラックの中間部にオフィズスが出てきて、そこが核心となる。
80年代、私がトライしたとき、たしか10cだった。
フレンズ4番をきめて、必死になって登った。
そのオフィズス、ワイドが延々と続くとどうなるのだろう?
そして、それが14となると、どうなるのだろう?(想像もつかない)
DVDはあるのだろうか?ぜひ見てみたい。(ご存じの方教えて)
(ところで、どうしてWIDE BOYSでなく、WIDE BOYZなのか?)

上記2つ以外にも、気になる記事があった。
P106、クライミングパンツ特集。
80年代前半~中頃はジャージで登っていた。
80年代後半にタイツをはいた。
90年代以降、ゆったりタイプのものが流行って、今は街中でもはけるタイプになってきた。
私は膝をカバーするため、夏でも七分丈を使用することが多い。
冬は寒いので、足首までのものを使用している。
岩への擦れ、丈夫さ、ストレッチ等を考えると、ALLEZを超えるパンツは登場しない。(残念なことだ)

P72-73
トレーニングについて書かれている。
残念ながら、今回は理論ばかりで、具体的なトレーニング方法について触れていない。
次回に期待したい。

P70「プロがすすめスタンダード技術」
とても参考になる。
ところで、クライミングDVDがあっても、安全DVDがない。
映像で危険認識を促し、技術指導していただいた方が理解しやすい。
どなたか製作して安価で配布してほしい、と思う。 

【ネット上の紹介】

the magazine for committed climbers
特集は「クライマーズ・インタビューSpecial」。
アレックス・オノルド、アダム・オンドラ、コリン・ヘイリー、サーシャ・ディジュリアン、ダニエル・ウッズ、バルバラ・ツァンガール、佐藤裕介、平出和也、大西良治など、2011年度に輝いたクライマーのインタビュー特集です。

特別企画は「女性用クライミングシューズテスト」。

レポートはワイドボーイズの「世界最難ワイド センチュリー・クラック5.14」とノルウェー・ペアの「トーレ・エガー南壁」を掲載。

2012竜王山(▲510m)

2012年03月11日 20時10分52秒 | 登山&アウトドア(関西)

今年は辰年、ということで、竜王山(▲510m)に登ってきた。
もっと早く・・・1月か2月に登りたかったけど、雑事が多く、今日になってしまった。
(日常雑務が多くて困っている)

安威川沿いを走り、阿武山を右に見てさらに30分、車作が登山口。
上写真の中央奥に小さく見えるのが竜王山、その右手前にあって鉄塔後ろが阿武山。
自宅から自転車で約1時間のアプローチ。(自転車アプローチがちょうどウォームアップ)

眺望はすばらしい。

【リンク】
竜王山 (茨木市)
竜王山▲510m、茨木亀岡線付替道路 

【資料】
阪急茨木駅-車作(自転車で約1時間)
車作-竜王山山頂(約1時間)
山頂-車作(40分)
車作-阪急茨木駅(自転車で約40分) 


「ふらり。」谷口 ジロー

2012年03月08日 22時21分12秒 | 読書(マンガ/アニメ)


「ふらり。」谷口 ジロー

先日「歩くひと」を紹介したが、本作はその姉妹編。
江戸時代を背景に、伊能忠敬とおぼしき人物を主人公に江戸の町を歩かせる。
その風景、心情を描いている。
さらに、すごいのはファンタジーの要素を加味していること。
伊能忠敬が猫になったり、亀になったり、蜻蛉になったり。
憑依した動物を通して江戸風景が描かれ、それが実にみごと。
江戸の知識+描写力のたまものでしょう。ほんとすばらしい。


「西原理恵子の人生画力対決」(4)西原理恵子

2012年03月07日 22時07分48秒 | 読書(マンガ/アニメ)


「西原理恵子の人生画力対決」(4)西原理恵子

表紙は「ビッグコミックスペリオール」#603、2011.8.26号の表紙を流用している。
ヤマザキマリさんとの対決2回目を見のがしたので、単行本でチェックした。
(ちなみに、1回目はシカゴ)

今回の収穫は、意外なところにあった。
浅野いにお氏との対決で「ハチクロ」が画題になった。
そこで西原理恵子さんが次のように独白。

「私ねー武蔵美出身だし
羽海野チカちゃんともお友達
大丈夫
チカちゃん 次は寿司行コ寿司」

これは意外であった。
このような交友関係があったとは!
思わぬ(情報の)収穫であった。

【ネット上の紹介】
日米開戦、サイバラvsテルマエ・ロマエ。
[目次]vs理論社とわたくし 決着編;vsかわぐちかいじ先生;vs寺田克也先生;vs石塚真一先生;vsかわぐちかいじ先生&寺田克也先生&石塚真一先生;vsヤマザキマリ先生;vsコンドウアキ先生;vs浅野いにお先生;vs花沢健吾先生


「ニッポン異国紀行 在日外国人のカネ・性愛・死」石井光太

2012年03月05日 20時23分21秒 | 読書(ノンフィクション)


「ニッポン異国紀行 在日外国人のカネ・性愛・死」石井光太

日本にもこんなディープな世界があったのか。
普段の生活から見えてこない日本の中の異人世界。
いくつか文章を紹介する。

P94
「韓国人風俗の出現は、日本の風俗店をまったく違うところから脅かしました。一つは価格崩壊ですね。五千円は相場が落ちたでしょう。これだけ下落したら、はっきりいって商売になりません。もう一つは、店側の女性の見せ方です。彼らのホームページを見ていただければわかりますが、全員モデル並みの美しさです。実はこれ、すべて画像修正しているんです。日本の風俗店では客にバレることを恐れてほとんど修正はやりませんが、韓国の店は過剰なまでにやる。日本の店もそれに対抗しようとする。それで混乱するようになったのです」

P231
日本の自動車メーカーは海外へ車を輸出する際、現地の物価に合わせて売れるようにするために部品を安いものにしたり、一部取りつけなかったりして価格を抑えるのです。たとえば、マフラーやシートを価格の安い部品に取り替えることで、日本で百五十万円ほどで売られているカローラを百万円にして東南アジアで売っているのです。

【ネット上の紹介】
海外のスラムや路上を数多く取材してきたノンフィクションの俊英が、遺体の冷凍空輸、韓国系教会によるホームレス支援、夜逃げ補償つきの結婚紹介所など、在日外国人たちの知られざる生態を追う。そこに浮かび上がってきたのは、日本人も知らないこの国のもう一つの姿だった!「異文化交流」のスローガンが取りこぼしてきたリアルな人間模様をすくい上げ、新しい視点から日本文化を描く意欲作。

[目次]第1章 外国人はこう葬られる(エンバーミングされた遺体;遺体を冷凍搬送する;日本のイスラーム墓地);第2章 性愛にみるグローバル化(韓流セックスビジネス;「売春島」;中国人妻いまむかし;イスラエル人に魅せられて);第3章 異人たちの小さな祈り(韓国系教会に集まるホームレス;日本の宗教団体の海外進出;外国人占い師);第4章 肌の色の違う患者たち(外国人医療二十四時;HIV感染者のゆくえ


「歩くひと」谷口ジロー

2012年03月04日 20時41分58秒 | 読書(マンガ/アニメ)

 
「歩くひと」谷口ジロー

海外での評価の高い谷口ジロー氏。
派手さは全くない内容だけど、この作品も佳作、と思う。
主人公のオヤジが散歩でうろうろする。
その時の、心情と風景を描いている。
地味・・・でもすばらしい。

【ネット上の紹介】
仕事の都合で郊外の一軒家に引っ越すことになった夫婦。夫は着くなり、「ちょっと歩いてくるよ」と言い残し、家を後にする。行く先々で、都会では見られない自然を感じながら歩いていくうち、林でバードウォッチングをしている人を見かける。望遠鏡を覗かせてもらった彼の眼に、初めてシジュウカラの姿が飛び込んできた。そうして家に帰ってみると、一匹の白い犬が迷い込んで来ていた。前の飼い主が置いて行ったというその犬を、彼ら夫婦は飼うことにする(第1話)。●本巻の特徴/1回の掲載分8pのなかで、日ごろ眼に止めないようなある町の風景の数々を、「あるく人」の眼から繊細なタッチで畏敬や憧れの対象として描き出してみせる珠玉の小品。『「坊っちゃん」の時代』で98年手塚治虫漫画賞を関川夏央とともに受賞した谷口ジローが、その連載と平行して描いた異色作である。●その他データ/『モーニング・パーティー増刊』90年30号~91年47号掲載。