【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

「あおなり道場始末」葉室麟

2017年02月28日 20時33分17秒 | 読書(歴史/時代)


「あおなり道場始末」葉室麟

図書館で借りて、その日のうちに読了。
一気読みの面白さ。
兄、妹、弟の三兄妹。
兄は剣術道場の主だが、商売気がなく、覇気も無く、門人がいなくなってしまう。
米びつも底をつき、しかたなく、道場破りを始める。
それは父の仇を捜すことも兼ねてのことだった。
父の仇は誰なのか?
道場破りをはじめとする、剣戟シーンも見もの。
なにより、兄妹間の温かさが読んでいて心地よい。

【ネット上の紹介】
豊後、坪内藩の城下町にある青鳴道場。神妙活殺流の遣い手だった先代の死から早一年、道場は存亡の危機にあった。跡を継いだ長男の青鳴権平はまだ二十歳と若く、その昼行燈ぶりから、ついには門人が一人もいなくなってしまったのである。米櫃も底をついたある日、「鬼姫」と巷で呼ばれる妹の千草や、神童の誉れ高い弟の勘六に尻を叩かれた権平がようやく重い腰を上げる。「父の仇を捜すために道場破りをいたす」。酔って神社の石段で足を滑らせて亡くなったとされる先代の死には不審な点があり、直前には五つの流派の道場主たちと酒席を共にしていた。三人は、道場再興と父の汚名を雪ぐため、まずはその一つ、新当流の柿崎道場に乗りこむ―。


黒アルミ

2017年02月27日 21時55分55秒 | 身辺雑記

話題の黒ホイルを買ってみた。
芋が早く、おいしく焼ける、と。
実際、魚焼きグリルのみでやってみたが、火力が足りないのか、15分では芯まで焼けず。
結局、電子レンジでやりなおし。
現在は、電子レンジ裏表合計6分+魚焼きグリル8分で、やっている。
まぁ、黒ホイルは200円と安いので、一度試してみて…。


もっとたっぷり時間をかける必要があるのかもしれない。
せっかちな人間にはムリ?


「さらば白人国家アメリカ」町山智浩

2017年02月26日 11時07分26秒 | 読書(英・米)


「さらば白人国家アメリカ」町山智浩

アメリカ現状レポートでは定評がある著者。
予備選挙から本選挙まで。
トランプに敗れた候補者一人一人にも光を当てて、詳細に分析していく。
結果として、政治の仕組みを知ることになる。

P42
無理な理屈をこねてまでヘリテージが中国を擁護するのは、中国のWTO加盟に賛成し、中国製品の輸入を拡大したのがヘリテージ自身だからだ。その政策を提唱したのはエレイン・チャオという中国系のエコノミストだった。彼女の夫は共和党の上院院内総務のミッチ・マコネルで、チャオはブッシュ政権で労働大臣に任命され、中国からの輸入超過を放任し、アメリカの労働者から仕事を奪い続けた。ブッシュ政権の甘い中国政策は中国経済を大躍進させたのだ


世界破滅装置について
P43
ハドソン研究所のハーマン・カーンは、米ソ冷戦時代に戦略理論家として「ドゥームズデイ(世界破滅)装置」を発案したことで有名だ。敵から一発でも核攻撃を受けたら、保有する全核兵器が自動的に作動して地球を丸ごと破滅させるシステムで、これによって敵は攻撃できなくなる究極の抑止力だ。

スタンリー・キューブリック「博士の異常な愛情または私は如何にして心配するのをやめて水爆を愛するようになったか」のモデルは、ハーマン・カーン。
さらに、「ガンダム」の女戦士、ハマーン・カーンの名前のモデルとなったそうだ。

ホワイトエスニックについて
P329
ワーキング・クラスの白人たちの多くは、ホワイト・エスニックと呼ばれるスコットランド、アイルランド、ドイツ、イタリア、ギリシャ、ロシア、東欧各国から渡ってきた人々の子孫だ。彼らは19世紀後半にヨーロッパから移民してきた貧農小作人や農奴だった。既にアメリカの肥沃な土地はWASPの移民に所有されていたので、西部の開拓地を目指すか、都市に残って建設現場や工場で働いた。

ニクソンの「サイレントマジョリティ」について
P332
「1954年なら黒人のことをニガーと言えた。でも、1968年にニガーなんて言ったらおしまいだ。だから別の言葉に言い換えるようになったんだ」
1981年、共和党の選挙の裏工作人として悪名高いリー・アットウォータ-がうっかり口をすべらせた。つまりサイレント・マジョリティという言葉には「黒人の平等に不満だが、差別になるので、それを口に出せなくなった白人」という裏の意味が隠されていた。
こうした言い換えをドッグホイッスル・ポリティックス(犬笛政治)と呼ぶ。犬笛は人間には聞こえない超音波を発するので、犬だけが反応する。それを同じく、サイレント・マジョリティと言われるとブルーカラーの白人は「自分のことだ」と察する。トランプをこの笛を吹いたのだ。

【ネット上の紹介】
「二大政党の将来がどうなるかはわからない。ただ言えるのは、アメリカが白い肌に青い目で英語を話す人々の国だった時代は、確実に終わるということだ」――トランプ対ヒラリー、史上最悪の大統領選が暴いた大国の黄昏。在米の人気コラムニスト町山智浩氏が、党大会、演説集会をはじめ各地の「現場」で体感したサイレント・マジョリティの叫び! 1980年に人口の8割を占めた白人は、現在62%。やがて白人が人口の半分を割り、マイノリティへと転落する日がやってくる。白人たちのアイデンティティ・クライシスは、アメリカをどこに向かわせるのか!? シンクタンク、全米ライフル協会、アンチ人工中絶、スーパーPACと最高裁、肥満と大企業……「アメリカを操ってきたもの」たちの暴走と矛盾に斬りこむスーパーコラム。 


「寄る年波には平泳ぎ」群ようこ

2017年02月24日 21時04分43秒 | 読書(エッセイ&コラム)


「寄る年波には平泳ぎ」群ようこ

群ようこさんの小説も面白いが、エッセイもいい感じ。
タイトルの付け方も上手い。
気になって、つい手に取った。
やはり、面白かった。(但し、2013年の作品なので、時事ネタは少し古い)

自分の母親への気持ちを吐露する(非常に正直だ)
P162
あれほど子供の金を遣ったあげく、それでも最後にまだ「金、金」といっている姿が、子供として本当に情けない。私は彼女に対して、感謝の気持ちは特に湧かないし、今後も出てこないような気がする。

P162-163
残念ながら子供は親を選べないので、どんな親であっても、彼らと関わり合っていかなくてはならない。血がつながっているからこその、厄介な出来事も起こる。私がぱっさぱさになったのも、これを老齢になったときに活かせという誰かの教えなのかもしれないが、親子というのは因果なものだと、この年齢になって感じるのである。

【おまけ】
むかし、群ようこさんと氷室冴子さんが、2人で母親の愚痴をこぼしていたの覚えている。(おそらく、「冴子の母娘草」?)そうだとすると、母親に対する恨みは、相当年期が入っている。

【ネット上の紹介】
 「クツ」を「クソ」と読み間違えて自己嫌悪、「一つ買ったら三つ捨てる」の習慣で物減らしに挑戦、年をとり頑固になったネコを「できるだけ、がんばれ」と激励、ネットの罵詈雑言に憤然、エンディングノートの書き方に逡巡。…長く生きてると何かとあるけれど、控えめな気合いを入れて、淡々と暮らしていこう。人生の視界が広くなるエッセイ。


花藤

2017年02月21日 20時16分40秒 | 身辺雑記

花藤を植木鉢に植えてみた。

はたして花をつけてくれるか?(…1980円)


「異国の花 着物始末暦」(8)中島要

2017年02月20日 20時23分00秒 | 読書(歴史/時代)


「異国の花 着物始末暦」(8)中島要

シリーズ8作目。
本シリーズは、主要人物の祝言でオワリ、と思っていた。
しかし、物語は続いている。
しかも、以前同様に面白い。
悪役・井筒屋の愁介をはじめ、キャラクター達の人気のおかげかと思う。

P169
「本当にそう思うなら、いい加減なことを言わないでください。若御新造さんの具合が悪くなったのは、下世話な噂のせいですよ」

P175
「今のお露さんに必要なのは親身になってくれる人だ。おまえさんよりこの娘のほうがはるかに親身ではないか」

私は、どちらかというと、おみつのような人物は好きではない。
しかし、今回は見直した。
おみつ、偉いぞ!

【おまけ】
「あきない世傳金と銀」(3)と一緒に買おうと書店に出かけた。
「あきない世傳金と銀」は平積みで多数あった。
ところが、わずかしか入荷しなかった本作は、既に品切れ。
私の見るところ、著者の実力は同等、面白さも同じくらい。
しかし、人気は大きく違ってしまった。
なぜ?

【ネット上の紹介】
柳原の土手で古着屋を営む六助は、朝からそわそわしていた。なぜなら今日は、昔からの古馴染みで、着物始末の職人・余一と、一膳飯屋の看板娘・お糸の、待ちに待った祝言の日だからだ。めでたい日ではあるが、己の事に無頓着な余一が支度に手を抜きやしないかと心配な六助は、身支度を整え余一の元へ向かった。そんな折、京の老舗呉服問屋、井筒屋江戸店の店主・愁介が、「余一に関わる大事な話がある」と六助の前に現れた。いったい愁介は何を企んでいるのか―。話題沸騰の大人気シリーズ第八弾!!


阿武山

2017年02月19日 19時46分42秒 | 登山&アウトドア(関西)

久しぶりに阿武山に登ってきた。
(自転車によるアプローチ往復1時間、登山口から山頂往復1時間、合計2時間)

正面が阿武山


「あきない世傳金と銀」(3)高田郁

2017年02月18日 19時29分25秒 | 読書(歴史/時代)


「あきない世傳金と銀」(3)高田郁

シリーズ3作目、奔流篇。
今回も怒濤の展開。
夫唱婦随でしっくりいくと思っていた。
なかなか上手くいかないものだ。
これだけ旦那を立てているのに、まだ、我慢ならないとは…。
惣次の懐は浅い、ですね。
商いを強化するより、お互いの愛情と協力を強化する方が先じゃない?
先行きに、大きな暗雲が立ちこめている。
幸に必要なのは、図太さ、したたかさ、である。

P228
「図太うに生きなはれや。図太うにな」
 と、大きく笠を振ってみせた。
 この十一年、図太く生きてきた。
 次の十一年もきっと図太く生き、笑って勝ちに行く。
 綿買いの後ろ姿を目で追って、幸は胸のうちで誓った。

【ネット上の紹介】
大坂天満の呉服商「五鈴屋」の女衆だった幸は、その聡明さを買われ、店主・四代目徳兵衛の後添いに迎えられるものの、夫を不慮の事故で失い、十七歳で寡婦となる。四代目の弟の惣次は「幸を娶ることを条件に、五代目を継ぐ」と宣言。果たして幸は如何なる決断を下し、どのように商いとかかわっていくのか。また、商い戦国時代とも評される困難な時代にあって、五鈴屋はどのような手立てで商いを広げていくのか。奔流に呑み込まれたかのような幸、そして五鈴屋の運命は?大好評シリーズ、待望の第三弾!


「松田さんの181日 」平岡陽明

2017年02月17日 19時57分01秒 | 読書(小説/日本)


「松田さんの181日 」平岡陽明

新人作家の作品。
「こんなの面白いのか?」と思われるかもしれない。
驚いた…とても面白かったのだ。
新人作品とは思えない。
短編集だけど、短い中に人生が凝縮された内容となっている。
ユーモアと泣かせ、絶妙のコンビネーション、私も泣かされた。

P264-265
「野球選手なら走攻守、どれかひとつでもズバ抜けてたらプロになれる。二つ揃えば一流、三つ揃えばイチローだ。ではコメディアンの三拍子とは何か?それはリズム、ユーモア、芝居っ気である。(後略)」

P270
かのアインシュタイン翁が言っている。「結婚に際し、女は男に変わってくれることを望みます。男は女に変わらないことを望みます。うまくいくはずがありません」。

P280
人間はピンチのとき「闘争か逃走か」を瞬時に択ぶ遺伝子が組み込まれているらしい。

【参考リンク】
 平岡陽明『松田さんの181日』

【ネット上の紹介】
職業・役者。現在、末期がん。その人は、カネも女も才能もない私の、師なのだ―。オール讀物新人賞受賞。ユーモアと涙の傑作小説集!


「室町無頼」垣根涼介

2017年02月16日 19時44分12秒 | 読書(歴史/時代)


「室町無頼」垣根涼介

元々、アウトローの世界を描かせると巧い著者である。
今回は、室町時代のアウトロー達である。
(「ギャングスターレッスン」室町版、だ)
応仁の乱直前の京都、近江を舞台に、一揆とアウトローの世界を描いている。
久しぶりに、血湧き肉躍る作品を読んだ。
おもしろかった!

才蔵を棒術の達人に託すシーン。
「1年でモノになりそうか」
「ふむ……」
「できれば十月ほどで仕上げてもらえれば、ありがたいのだが」
 老人は値踏みするように才蔵を見つめる。
「――死ぬほどの目に遭わせてもよいと、書いておったの」
 兵衛はうなずく。
「ただ、出来れば、本当に死なぬように頼む」
「戯けたことを言う」老人はせせら笑う。

【おまけ】
さらに成長した才蔵の姿を見てみたい。
続編が出たら嬉しいのだが。

【ネット上の紹介】
腐りきった世を変えてやる。前代未聞のたくらみを一本の六尺棒で。超絶クールな大傑作エンタテインメント。応仁の乱前夜、富める者の勝手し放題でかつてなく飢える者に溢れ返った京の都。ならず者の頭目ながら骨皮道賢は権力側に食い込んで市中警護役を任され、浮浪の徒・蓮田兵衛は、ひとり生き残った用心棒を兵法者に仕立てようとし、近江の古老に預けた。兵衛は飢民を糾合し、日本史に悪名を刻む企てを画策していた……。史実に基づく歴史巨篇。


ポンポン山▲678.9m

2017年02月12日 20時53分34秒 | 登山&アウトドア(関西)

ポンポン山に登ってきた。
最近では2014年に次ぐ積雪量、と思う。
(2015、2016は、少なかった)

神峰山寺~川久保尾根~本山寺~神峰山寺

もうすぐ山頂



ハナミズキ

2017年02月12日 20時49分47秒 | 身辺雑記

小さなハナミズキを植えた。
植えていた木が枯れてしまい、スペースとなっていた場所。
春に咲いてくれたらいいのだけれど。(覚書として残しておく…2780円)


「プライベートバンカー」清武英利

2017年02月11日 09時28分50秒 | 読書(現代事情)


「プライベートバンカー」清武英利

私には縁のない「お金持ち」の世界。
富豪のみを対象としたバンカーたちの世界。
シンガポールを舞台にした税金逃れの実態。
非常に興味深く、面白い。(私には関係ないけど)

P261
2千万シンガポールドル以上の資産を持つ外国人が、その資産の半分以上を5年以上、シンガポールで維持することを条件に永住権を取得できるようになった。相続税もキャピタルゲイン課税もないオフショアに住む権利を、カネで買える時代が到来し、日本人富裕層もなだれ込んだ。

P109
「50億円の生命保険があります。税金で半分持っていかれても、25億は残りますよ」
「そんなうまい話があるの?うちはもう外資系の保険に入っているけど、聞いたことないわ」
「あるんですよ。日本のアリコではできなくても、シンガポールではセットできます。日本の生命保険には金融庁の規制があって、死亡保障の最高額は7億円ですよね。しかも、その保証金を得るためには6億5千万ほどのキャッシュを入れないといけません」
「……」

P173-174
コクソウキン(国送金)について

1回に100万を超す国内金融機関への入金や国外金融機関への送金があった場合、日本の税務署はその金額や入送金者名、目的を金融機関に報告させているのだ。
(知らなかった!…)

【おまけ】
証券マンの非情な世界も描かれている。
ここまでして働きたいと思わない。
読んでいて、収入は「そこそこ」で十分、と思ってしまう。

【ネット上の紹介】
ノルマ100億円。顧客は「本物の金持ち」のみ。私たちは知らない。富裕層をタックスヘイブンの国に誘う「カネの傭兵たち」の正体を。彼らが野村證券やメガバンクで鍛えられた辣腕バンカーであることを。彼らに守られた富裕層の逃税術とその不安を。バンカーが実名で明かす本格ノンフィクション!

[目次]
第1章 ニューマネーの国
第2章 ジャパンデスク
第3章 攻防
第4章 海を渡った日本人富裕層
第5章 国税は見ている
第6章 シンガポール・コネクション
第7章 『太陽がいっぱい』 


棚田

2017年02月10日 21時30分00秒 | 登山&アウトドア(関西)

棚田記事があった。
オーナー制度がある、と。
資料として掲載しておく。


「トランプ現象とアメリカ保守思想」会田弘継

2017年02月09日 21時26分17秒 | 読書(英・米)


「トランプ現象とアメリカ保守思想」会田弘継

EU離脱、トランプ当選、と続いた。
これはいったい何なのか?
トランプとは何者なのか?
ポピュリズムだけで説明出来るのか?
アメリカ思想史での位置づけは?

P23
「昼間に労働で汗を流した人びとは、夜、生活のことで冷や汗を流すべきでない」ということばがトランプの発想のすべてを語っている。
 特徴的なのは所得税へのゼロ税率の導入だ。独身で年収が2万5千ドル以下、あるいは既婚で5万ドル以下のときは所得税を免除するとしている。

P157
共和党は基本的にはアメリカの「メインストリート」からの支持を基盤としてきた。アメリカ中の小さな町のメインストリートには、商店があり、工場経営者のもつ事務所がある。アメリカの資本主義を実際に動かしているアメリカ中の多くの中小企業家たちを指すことばが、「メインストリート」だ。それこそが共和党の中核なのだ。





【ネット上の紹介】
「アメリカ・ファースト!」「移民排斥!」「日米同盟廃棄!」25年前、トランプとまったく同じ政策を掲げた大統領候補がいた。ニューライト、レーガン革命からティーパーティまで右派政治運動史と、ネオコン、リバタリアンだけではない知られざるアメリカ保守思想の最深部から、トランプ現象の真の意味を探る。

[目次]
第1章 壊れゆくアメリカ(トランプ現象があぶりだすもの
トランプはいかにして指名を獲得したのか
いま、アメリカに何が起きているのか)
第2章 トランプという男
第3章 トランプの反動思想(保守派の願望
再び混迷する保守思想
トランピズムに流れ込む反動思想)