【ぼちぼちクライミング&読書】

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「天秀尼の生涯」三池純正

2019年11月30日 21時19分48秒 | 読書(歴史/時代)
「天秀尼の生涯」三池純正

駆込寺・東慶寺、中興の祖・天秀尼の生涯。
とは言え、資料はあまり残っていない。
どう料理するか、腕の見せどころ。

P57
この時代、武将は野戦などに出ると、その場、時々で現地の女性と関係をもった。
その中には梅毒に感染した女性もいたと思われ、徳川方の記録『当代記』にも、「加藤清正、浅野幸長、池田輝政らの武将が死んだのは好色に偏ったためで、浅野幸長など遊女を買い取っていた」とある。

P146
「千からお願いがございます。姫の命だけは、何としてもお助けいただきとうございます。そして、姫を私にいただけないでしょうか。千は姫をわが子といたしとうございます」
 千は家康に哀願した。
(秀頼と側室の娘なので殺されてもおかしくないが、千姫の養女となったので、出家して生きることを許される。これが天秀尼の始まりである)

【ネット上の紹介】
大坂城落城によって滅亡した豊臣家―。実は、秀頼の実子泰姫が生き延びていた。泰姫は東慶寺で天秀尼となって仏法に帰依し、封建社会の江戸時代において、虐げられた女性の人権を守り、それを徳川幕府にまで認めさせた先駆者であった。そして、秀頼の実子としての誇りと、義母千姫の愛情を胸に、自身の宿命に真っ向から立ち向かっていった。宿命を使命にかえ、桜花のごとく生きた女性。東慶寺で寺法を守り抜き、女性の人権を守った先駆者、天秀尼の知られざる生涯。

比叡山848m

2019年11月29日 22時09分34秒 | 登山&アウトドア(関西)
久しぶりに比叡山に登ってきた。
普段、非公開の大書院で『ゲゲゲの鬼太郎と比叡山の七不思議展』をしている。

気になったので入ってみた。



伊藤若冲とねずみ男
北斎と鬼太郎
立派な屏風絵もある・・・見えにくいが鬼太郎も描かれている
10人以上のお坊さんも見に来ていた
高僧らしき方が、「うむ、目玉おやじだな」、と。
この後、いつもの縦走に戻った

【リンク】
「ゲゲゲの鬼太郎と比叡山の七不思議展」のご案内 

【データ】1
JR比叡山坂本-根本中堂-大比叡848m-玉体杉-横高山767m-水井山794m-仰木峠573m-大原戸寺バス停

【データ】2
活動時間:6時間36分(いつもより1時間半ほど余分に掛かっている)
スタート10:32「JR比叡山坂本」
大比叡13:36
横高山15:17
水井山15:39
仰木峠16:20
ゴール17:08「戸寺バス停」
活動距離:15.4
消費カロリー:2591kcal
累積標高上り/下り:1369m/1248m

「アメリカ炎上通信言霊USA XXL」町山智浩

2019年11月28日 10時28分33秒 | 読書(英・米)
「アメリカ炎上通信言霊USA XXL」町山智浩

週刊文春連載10年、「言霊USA」の新刊。
アメリカで流行っている言葉や、話題になった名言、失言を取り上げているコラム。

メキシコとの国境の壁について
P185
選挙時に「壁の費用はメキシコ政府に負担させる」と言ったから票を集めたのだ。税金で建てると言っていたら大統領になれなかった。そもそもここ10年ほどはメキシコからアメリカに流入し続けているのは、ホンジュラス、グアテマラ、エルサルバドルからの難民ばかりだから、通り道にすぎないメキシコ政府が払うはずがなかった。不法移民はメキシコ人だと言っていたトランプもそれに投票したアメリカ人もバカすぎ。

gaslighting(ガスライティング)=自分の嘘を指摘する相手の精神状態を責めること、映画『ガス燈』に由来する
P240
たとえば、会社の上司が間違った指示を出した後で、「私はそんなことは言っていない」と言い張り、部下の記憶違いのせいにしたりする。また、「この女、誰?」と妻に浮気を問い詰められた夫が「そんな女知らない。君の妄想だ。どうかしてるよ」と、妻の精神状態のせいにしたりする。

emotional gold digger=相手に感情的な重荷を負わせる者
P253
ゴールド・ディガーは金鉱を掘り当てて一攫千金を企む山師のことで、転じて、金持ちの男や女と結婚して玉の輿に乗ろうとする者を呼ぶ。これにエモーショナルがつくと、「相手に山ほど感情的な重荷を負わせる者」を意味するそうだ。たとえば嫉妬深い人、相手を怒りのはけ口にする人、それにやたらと悩みの相談する人もこれだとハムレットは言う。

【ネット上の紹介】
教科書に載ってないアメリカ最新の名言・失言を現地から報告! お馴染み週刊文春大人気連載コラムの最新単行本が登場! 今回はなんと当社比1・5倍の288ページ69本、サイズもビッグになった超お得版。もちろん澤井画伯の爆笑イラストも完全収録。 ★緊張してるわ。まるでポルノ女優がトランプとセックスする時みたいに(ホワイトハウス記者クラブ晩餐会でミシェル・ウルフが) ★過去の失敗はいちばん辛い。なら、自分で笑っちゃうのがいちばんだよ(俳優のライアン・レイノルズ) ★現実に人は傷を残す。美しい傷を(自殺した著名シェフ、アンソニー・ボーディン) ★(トランプが本を)書くなんて無理さ。1冊の本も読み通せない男だよ(『トランプ自伝』の共著者トニー・シュウォーツ) ★投票しようね!(テイラー・スウィフト) ★ボクシング映画でパンチドランカーになったんじゃね?(トランプがロバート・デ・ニーロについて) 星いったいどうしたらいいの? あのタトゥーをしたのは日本が好きで、理解したいからですよ(アリアナ・グランデ) ★7歳の子どもの口にだよ(マイケル・ジャクソンに性的虐待を受けたと告白したウェイド・ロブソン)

市の福祉部から通知書

2019年11月28日 10時08分54秒 | 身辺雑記
市の福祉部から2通の通知書を受け取った。
①福祉部・介護課=高額介護費支給決定通知
②福祉部・保険年金課=高額療養費支給申請

①は介護費が限度額を超えたから一部お返しします、と。
②は医療費が限度額を超えたから一部お返しします、と。

同じ福祉部からの通知でも内容が異なる。
8月は、色々あったから。
グループ・ホームに入所後、特別養護老人ホームに移動、1週間後夜中に骨折、救急車で病院をハシゴした。これらにより、介護費、医療費が限度額を超えたものと思われる。
いずれにせよ、こちらから動かなくても市から連絡なので助かる。マイナンバー等で、こちらの負担額を把握してるのでしょうね。(昨日、役所に行って手続きしてきた)

関係ないけど、正月のお鏡さんを買った。
ちょっと気が早すぎ?
それより、掃除や年賀状の準備をしろ、って?

「徹底図解東海道五十三次 カラー版」かみゆ歴史編集部/編著

2019年11月26日 20時59分46秒 | 読書(歴史/時代)
「徹底図解東海道五十三次 カラー版」かみゆ歴史編集部/編著

歌川広重の絵、資料、イラストを駆使して、各宿場が紹介される。
それぞれの宿場の特徴、観光名所、名物にも言及されている。
「膝栗毛」の弥次さん喜多さんの宿場でのエピソードも紹介されていて、参考になる。至れり尽くせりだ。
本書は、「東海道五十三次」の決定版、と思う。(中島要さんも、本書を参考図書として挙げられていたように記憶する)

雲助について
P75
彼らの中には高額なチップを要求するたちの悪い者もいて、「足下を見る」という言葉は、雲助が草履の切れたお客に高額な料金を吹っかけたことに由来するといわれている。

日本橋で始まり
大津が53番目の宿場町
京都・三条大橋が終点・・・現在、ここには弥次喜多の像がある

方広寺の柱の穴につまった食べ過ぎの弥次さん(このエピソードは東大寺大仏殿の話と、私は勘違いしていた・・・方広寺だったのだ!)

【ネット上の紹介】
東海道と江戸庶民の旅
東海道五十三次をめぐる(日本橋―五街道の起点となる「江戸の中心」
品川―山あり海あり、江戸のリゾート
川崎―渡し船で六郷川を越える
神奈川―海沿いの賑やかな宿場町
保土ヶ谷―難所の手前で、休むか泊まるか
戸塚―旅の荷を下ろして一息
藤沢―遊行寺、江の島、大山―観光地が目白押し
平塚―縄手道を走る飛脚と高麗山
大磯―松林が続く歌枕の海岸
小田原―江戸を出て最初の城下町 ほか)
伊勢・京以降の巡礼の旅路

「熊野古道をあるく」JTBパブリッシング

2019年11月24日 21時11分07秒 | 読書(山関係)
「熊野古道をあるく」JTBパブリッシング

先日、山と渓谷社の「ちゃんと歩ける熊野古道」(春野草結)を紹介した。
前回も書いたが、熊野古道は5つに分けられる。(大峰奥駆道を含めると6つ)

紀伊路(きいじ)
中辺路(なかへち)
大辺路(おおへち)
子辺路(こへち)
伊勢路(いせじ)

「ちゃんと歩ける熊野古道」では中辺路と伊勢路の2つしか取り上げられていなかった。
私が気になるのは子辺路。
そこで登場するのが、本書・JTBパブリッシングの「熊野古道をあるく」である。
5つの熊野古道すべてが取り上げられている。
もちろん子辺路も。

十津川温泉から果無峠を経て熊野本宮大社に至るコース・・・この箇所がアクセスも良く、もっとも一般向けするところ。
残念なことに、本書では、この箇所と、高野山・町石道の半分しか詳細されていない。なぜなら、本書は、登山者ではなく、一般のハイカーを対象にしているから。難度の高い箇所を紹介して事故が起こったら困るからだろう。
地図はもちろん、お土産、温泉、宿泊情報もばっちり・・・ありがたい!
私は、そういう情報も欲しいから。
奥駆けについても、次のように紹介されている。
大峰奥駆道は冬には雪に閉ざされ、山伏が峰入するのは大峰山寺の戸開(5月3日)から戸閉(9月23日)までと決まっている。昔と違って今では登山愛好家たちもたどる道だが、あくまで上級者向け。個人での気軽な入山は避けたい。(山を始めてから、奥駆をしようと思いながら、なかなか実現できないでいる。昔、山上ヶ岳から弥山方向の山道で虫に咬まれた。病院でホルモン注射を打ってもらいながら3か月以上にわたって受診した。これにより、私には奥駆は鬼門となっている・・・先日、やっとその呪縛を少し解いて、釈迦ヶ岳と玉置山にそれぞれ単発で登った。この2山は奥駆の後半のごく一部に当たる)

【おまけ】
もし子辺路を歩くなら、「山歩き安全マップ①-関西の名山」と、本書「熊野古道をあるく」を併用するのが良い。但し、「山歩き安全マップ①-関西の名山」も子辺路のすべてを紹介していない。
一般に、子辺路は次のように4日に分けて歩く。
①高野山~大股
②大股~三浦口
③三浦口~十津川温泉
④十津川温泉~熊野本宮大社
「山歩き安全マップ①-関西の名山」で紹介されているのは、核心部の②とポピュラーな④のみ。(「ちゃんと歩ける熊野古道」は④のみ)
では、どうしたら良いのか?
山と高原地図(51)「高野山・熊野古道」2019年版が出ている。ガイドブックじゃないけど、地図があると助かる。さらにYAMAPデジタル版もダウンロード出来る。アナログ地図+デジタルGPSでなんとかするのが良いかと思う。

【ネット上の紹介】
世界遺産・紀伊山地の霊場と参詣道厳選おすすめ26コース。全コース詳細マップ付。歩き方、装備アドバイス、語り部案内。
中辺路(中辺路ルート全図
熊野本宮大社
熊野速玉神社
熊野那智大社
那智山青岸渡寺
補陀絡山寺)
大辺路(大辺路ルート全図)
紀伊路(紀伊路ルート全図)
高野山と小辺路(高野山・小辺路ルート全図
高野山・金剛峯寺)
伊勢路(伊勢路ルート全図
伊勢神宮)

「悩む人」橋秀実

2019年11月22日 20時27分22秒 | 読書(エッセイ&コラム)
「悩む人」高橋秀実

読売新聞に連載された「悩みの相談」回答をまとめた単行本。
回答集でありながら、半分はエッセイを兼ねている。

P5
『源氏物語』には「悩む」「悩み」「悩める」「悩まし」「悩ましげ」などの言葉がおびただしく出てくる。

P9
『源氏物語』でも、鼻がデカく醜悪で歌のセンスもなかった末摘花を描く章には「悩む」という言葉が出てこない。末摘花は悩まず、悩まない彼女はいつの間にか消えていく。(中略)
光源氏は女性たちの「悩み」にこまめに答えている。答えることで物語は展開していくわけで象徴的なのは彼が紫の上を見舞う次のシーンだ。
 「かく、悩ましくてなむ」(以下、省略)

『悩む力』(姜尚中)について
P106-108
本文は「生きることの意味」「人生の意味」「死ぬことの意味」「愛することの意味」を考えて悩んで何が悪いのでしょうか、という具合に話が展開していく。(中略)私からすると「その意味に意味があるのか」と思ってしまう。(中略)姜さんが悩んだという「いきる」は、もともと「いき(息)」に由来する。こうして笑って息を吐き出すことで、その意味も感じ取れるというのが私の表面上の解釈である。

P139
おそらく悪口は二酸化炭素のようなもので、吐き出さないと人間は生きていけないのです。(中略)私はそれこそ二酸化炭素を吸収する植物のように、自分の栄養分にしました。
 そう、悪口はこやしだと思って下さい。こやしは臭いかもしれませんが、こやしがなければ美しい花も咲きません。

【感想】
以前、同著者の「定年入門」を読んで面白かったので、本書も読んでみた。
本書も、けっこう評判になっていて人気のようだ。(先日読んだ「人生のほんとう」(池田晶子)より面白く感じた)
ただ、悩みの相談・回答集としては、「家族の悩みにおこたえしましょう」(信田さよ子)に及ばない。私の知ってる限りでは、信田さよ子さんの回答集がベスト、と思う。
【リンク】

【蛇足】
悩みの9割くらいまで、お金で解決できる、と思う。
お金で解決できないものほど根が深い。
「能力」についての悩みも、ある程度お金で解決できるが、そこそこの段階に達すると、あとは「才能」や「運」の問題なってくる。
お金での解決が最も困難なのが、「人間関係」「性格」の悩み、と思う。
だから、悩みの相談もその手のものが多い。
相手があって、自分の意のままにならない、と。
あるいは、自分を変えようとするが変えられない、とか。
それにどう回答するかが、腕の見せどころかと思う。
(解決しなくても、質問者や読み手を納得、あるいは感心させたら良いのだ)

【ネット上の紹介】
読売新聞「人生案内」掲載!ヒデミネさんの回答が心のヒダにやさしく語りかけます。考えるヒント満載、新時代の哲学入門。
まえがき―なやましげにこそ見ゆれ
時のわれめ
「友達」は裏切る
人間じゃないもの
しようがないじゃん
機嫌を知るべし
結婚という最高学府
人柄より顔
無名の「有名人」
哲学を拝む
「らし」「かも」の呪い
道徳は不景気
貧乏神の正体
有意義な誤差
なつかしく、なまめかしく
おやじはニーチェ
思い上がってビッグバン
身勝手な「死」
さかしき女
悩みの「てにをは」

旧交を温める

2019年11月19日 21時51分55秒 | クライミング(一般)
O君に会いに伊賀まで行ってきた。
ケーキ職人のO君である。(80年代から90年代前半に柏木に通っていた方なら、このイニシャルだけで誰か判るはず)
ポメラニアンのぽっぽ君(メス)が歓迎してくれた。
股関節の柔らかさがうらやましい
O君の経営する店・パティスリーサンタ
公式サイト:www.p-santa.jp
鈴鹿にある“TRIPLE B”にてボルダーをした
O君にもらったお土産
ほんの少しだけ食べようと思ったが、半分なくなってしまった、美味い!
(個人の店でバームクーヘンを手作りしてるところは少ない、と思う・・・設備投資が高額になるからであろう)それにしても美味い、伊賀か名張に行ったら立ち寄ってみて。

「藩校早春賦」宮本昌孝

2019年11月17日 22時57分37秒 | 読書(歴史/時代)
「藩校早春賦」宮本昌孝

10年以上前に「夏雲あがれ」を読んだ。
さわやかな青春時代小説で、若者3人が藩の陰謀に立ち向かう作品。
やたら面白かった印象が残っている。
なんと本作品「藩校早春賦」の続編が「夏雲あがれ」だったのだ。(知らなかった)
今回は、江戸ではなく、地方の藩校が舞台。
3人の少年たちの成長を描く作品。
すなおに楽しめる時代小説だ。

P14
社会が内外ともに大きく変化しつつあるいま、これに冷静に対処できる、文武いずれにも有為の人材を、藩をあげて早くから育てねばならぬ。
 右が、諸国に続々と藩校の誕生した、おおざっぱな事情である。

【おまけ】
「夏雲あがれ」は10年以上前に読んだので、細かいところを忘れている。
機会があれば、読み返してみたい。

【ネット上の紹介】
時は江戸時代後期、泰平の世の黄昏。東海のとある小藩に藩校が設立されることになった。その学校の剣術教授方を決するために、藩を代表する二つの道場の門弟たちが御前仕合にのぞむのだが…。藩校を舞台に、厳しい階級社会の中で権力闘争や陰謀に巻き込まれながらも、あつい友情を育む三人の少年剣士たちの成長をさわやかに描く青春時代小説の傑作。どんな時代にも、輝く少年たちがいた―。

覚書

2019年11月17日 22時38分28秒 | 身辺雑記
9月に、『溜まった本を処分、段ボール14箱、+不要なTV、+不要なスピーカーを処分した』と書いた。
再び、今月11/13、不要な本を処分した。
今回は、CDと本で7箱、さらにTV2台。

TVは粗大ゴミとして処分できない。
電器屋に聞くと、廃棄リサイクル費用として4,000円くらい掛かる、とのこと。
処分するからお金が掛かる。
TVは壊れてないので観ることができる・・・そこで出張買い取り業者に電話して、CDや本と一緒に引き取ってもらった。(逆にお金が入金される・・・TVは4,000円くらいの値段がついた)4,000円お金を取られるのと、貰えるのでは、大違いだ。

【備考】
家電四品目について・・・「あなたの人生、片づけます」(垣谷美雨)より
「家電四品目というのは、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機のことで、市の粗大ゴミには出せないんです。新しいのに買い替えたときに電器屋に引き取ってもらわないと、あとで面倒ことになるんです。引き取ってくれる業者を自分で捜さなきゃなりませんし、そうなるとリサイクル料以外にも引取料が必要で、これが結構高いんですよ」

「派遣社員あすみの家計簿」青木祐子

2019年11月13日 12時17分25秒 | 読書(小説/日本)
「派遣社員あすみの家計簿」青木祐子

青木祐子さんの新刊。
あすみは会社を“寿退社”したのに、恋人は雲隠れ。
残ったのは、カードの支払いのみ。
家族の援助は期待できず、急遽、派遣会社に登録する。
シャンプー配りや工場の日雇いで、なんとか食いつないでいく。
その苦境のなか、友達も出来ていく。

あすみの就職の理想
P27
25万円は最低ラインである。勤めるなら残業なし、ボーナスあり、家賃補助あり、有給休暇を好きにとれて、オフィスが綺麗で、丸の内にあって、人間関係がよくて、責任はないけどやりがいがる会社がいい。(そんな会社あるわけない)

P89
ネットの求人サイトを調べたら、28歳の中途入社で、給料25万円を超えて楽そうな仕事はほぼなかった。あると思ったら看護師だの、英検1級以上必要だの、未経験者不可だのである。オフィスワークだったら手取り20万円いけばいいほうで、それすらスキルが足りなかったりする。

【感想】・・・以下、ネタバレありなので、未読の方注意。
P272、あすみは穏和すぎて、元カレに強い態度をとれないが、終盤でキレるシーンがある。そこがいい。
友人のミルキーの為に怒るのである。
「なんてことするの!これ、あたしの友達が持ってきてくれたのに!」

【ネット上の紹介】
飲食店社長を自称していた恋人の理空也に騙され、会社を“寿退社”してしまった藤本あすみ。理空也は姿を消し、残ったのは高額なカードの支払いだった。ピンチに陥ったあすみは親友の仁子に説教され、家計簿をつけることに。派遣会社に登録したものの、なかなか仕事は決まらない。シャンプー配りや工場の日雇いと必死の節約で食いつなぎ、ようやく派遣先を得たあすみ。そんな折、合コンで出会った商社マンの八城からアプローチを受けるが、理空也への思いを断ち切れずにいて…。家計簿には、生き様が表れる!?人生に迷子中のアラサー女子の節約サバイバル小説。

ワックスがけ

2019年11月12日 20時01分55秒 | 身辺雑記
廊下にワックスをかけた。
長い間やってなかったので、たまには、と。
年末大掃除も兼ねてやっておいた。

「ちゃんと歩ける熊野古道」春野草結

2019年11月12日 20時01分55秒 | 読書(山関係)
「ちゃんと歩ける熊野古道」春野草結

熊野古道の資料として便利。
実践的な地図が中心の本、さすが山と渓谷社だ。(以前よく見ずに買った本が、食べ物やお土産に終始する内容で、がっかりしたことがある)
熊野古道の種類は次のとおり。

紀伊路(きいじ)
中辺路(なかへち)
大辺路(おおへち)
子辺路(こへち)
伊勢路(いせじ)

本書では中辺路と伊勢路の2つが取り上げられている。
私は、子辺路を入れて欲しかった。そこが残念なところ。
それ以外は不満はない。コンパクトで持ち運びに便利。

P13
長期の休みがとれない方が初めて中辺路歩きにチャレンジするとしたら、「滝尻王子~熊野本宮大社」の区間をおすすめする。(中略)
紀伊田辺駅で1泊し、早朝のバスで滝尻に向かい古道歩きをスタートする。近露王子~継桜王子周辺の宿に宿泊し、翌日本宮大社まで歩けば一区切りとなる。本宮門前には宿が少ないので、余力があれば大日越で湯の峰温泉に足を延ばしてもよい。




【ネット上の紹介】
中辺路130km、伊勢路170kmの詳細地図。
熊野古道 中辺路(熊野古道 中辺路の歩き方
紀伊田辺駅~滝尻王子
滝尻王子~熊野本宮大社
大日越
熊野本宮大社~熊野速玉大社“舟下り” ほか)
熊野古道 伊勢路(熊野古道 伊勢路の歩き方
熊野速玉大社~熊野市駅
熊野市駅~尾鷲駅
尾鷲駅~紀伊長島駅
紀伊長島駅~三瀬谷駅 ほか)

「おねだり女房 影十手活殺帖」宮本昌孝

2019年11月11日 21時00分12秒 | 読書(歴史/時代)
「おねだり女房 影十手活殺帖」宮本昌孝

「影十手活殺帖」の続編。
今回も、東慶寺を舞台に男女の愛憎が展開する。
ところで、なぜ東慶寺は特別なのか?
それは天秀尼が関わっているから。
以前(2011.12.22)天秀尼について触れたことがある。
次のように書いた。

天秀尼は、千姫の養女。(つまり於江と秀忠の義理の孫)
秀頼が側室に生ませた子どもだけど、千姫と仲が良かったそうだ。
何不自由ない姫君として育つが、大阪夏の陣で運命が激変する。
本来なら殺されてもおかしくないが、千姫の養女としていたので助かる。
その代わり、出家して鎌倉の縁切り寺として有名な東慶寺に入る。
夫の暴力に苦しむ多くの女性たちを離縁させ、縁切り法を確立させた。
天秀尼に救われた女性は少なくない。

【ネット上の紹介】
良人との離縁を望み最後の助けを求めて女が駈け込む「縁切寺」として名高い鎌倉の東慶寺。門前にある餅菓子屋の倅で忍びの未裔でもある平左十手の使い手・和三郎が、寺役人の野村市助、公儀御庭番の息女紀乃とともに、夫婦の事情の背後に隠された意外な真実を鮮やかに暴き出す。表題作「おねだり女房」を含め全四編。

「影十手活殺帖」宮本昌孝

2019年11月11日 21時00分12秒 | 読書(歴史/時代)
「影十手活殺帖」宮本昌孝

駆込寺・東慶寺が舞台。
江戸時代、当時の女性は、自分から離婚を申し出ることが出来なかった。
例外が駆込寺。
本書は、その東慶寺が舞台。
江戸の男女の愛憎を描いた作品。

P125
駆込寺と俗称される東慶寺の離婚訴訟における最優先事項は、あくまで女人救済にあったが、離縁すなわち救済ではない。
 いちど離縁された女は、それだけで芳しからざる噂を立てられる。結果、親兄弟や縁者に迷惑が及ぶ場合も少なくないし、女自身、再婚にさいして、著しく不利になる。そういう時代であった。

【ネット上の紹介】
舞台は鎌倉の東慶寺。別名駈込寺。男に愛想の尽きた女が一目散に逃げ込んでくる。寺役人の市助と門前にある菓子屋の和三郎が協力し、駈込みの子細を辿っていくと、女の性をめぐる凄まじいドラマと巧妙な悪企みが浮かびあがってくる。和三郎は忍びの裔。影十手を躍らせ江戸の闇に挑む。痛快な時代ミステリー。