【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

国体予選

2010年05月31日 22時39分57秒 | クライミング(コンペ、国体)
5/27(木曜)、ボルダーコンペがナカガイジム・摂津店で行われた。
これは国体予選・大阪代表を決めるコンペでもあった。
これと先日5/9に行われたリードコンペ『ほしだカップ』の両方の結果を参考に、代表が決定される。
男性は、リードとボルダーで得意不得意が別れたので、選抜が難しい・・・誰になるのだろう?
女性代表は、昨年と同じホッシー&さーりちゃんで決定でしょう。
(結果をみると、この2人は他の参加者と一線を画する実力ですね・・・ダントツに強い)
普段、ホッシー練習不足・・・というか全然練習してない様子だったけど。(これが底力なんでしょうか)
さて、この後の国体予定は・・・近畿ブロック(夏)→国体本戦(秋)
体調を整えて、頑張って欲しい。

【参考リンク】
NKGIシリーズ10第5戦リザルト(暫定) 

PS
先日、この時のコンペルートを、トライした。
『ミドル』も『女子』ルートも難しく、ボーナス点を取るのが精一杯。
『オープン男子』に至っては、トライする気にもならなかった。

ナカガイ・高槻店

2010年05月31日 21時45分11秒 | ジム練習
週末は、ナカガイ・高槻店に行ってきた。
摂津店の会員なのに、どうしてお金を払って、規模が半分の高槻店に行くのか?
理由は2つある。
①途上に焼きたてパンの店・『メサベルテ』がある。(この誘惑は大きい・・・りんごのデニッシュとリテールデニッシュがオススメ)
②近くに『にこにこ堂』がある。(規模は小さいが良質な古本を安くで買える、私はブックオフより好き)

そんなわけで、クライミング以外の理由も大きい高槻店。
場所が変われば気分も変わる。新鮮な気持ちで練習できるのがよい。(家から近いし)
さて、例によってボルダーサーキットをトライした。
黄色テープ。
①~⑰・・・今のところ17本までしかない、あと3本作って欲しい(ウォームアップに使っているが、6番が難しい)
□白テープ(黒文字)
①~⑳・・・黄色に比べて、格段に難しい。(気温が上がってきて難度も増してきた・・・6番が難しい)
青テープ
①~⑳・・・20本になった。(難しいのは③④⑩⑮⑰⑱⑲⑳)
以上、順番にトライしていった。
合計57本のうち、RP出来なかったのは青⑲番のみ・・・残念)
黄色テープをあと3本作ってもらったら、合計60本になってキリがよいけど。
それにしても疲れた。(ゆっくりのんびりトライしても最後はへろへろ状態)

「名画で読み解くブルボン王朝12の物語」中野京子

2010年05月30日 22時57分30秒 | 読書(ノンフィクション)
「名画で読み解くブルボン王朝12の物語」中野京子(光文社新書)

先月から予約して購入した。
オビの文句は『全点オールカラーで楽しむ250年のブルボン王朝史』
これは面白いよ・・・高校・世界史教科書の百倍くらい面白い。
学校の教科書なんて、私に言わせれば、『味の付いていない料理』のようなもの。
いくら素材が良くても、味が無かったら美味しくない。
だいたい教科書では、人物像を描かない・・・「どんなキャラクターなのか」とか「行いは良かったのか、悪かったのか」とか。
その点、中野京子さんは香辛料きかせた描写をしてくれる。
例えば、マリー・ド・メディシス。
次のように書かれている。
●「告白好きの人間は逸話が少なく、面白みもない」
●政治より自己陶酔が大事だったのだろうか?「見て見て、わたしを見て!」と主張せずにおれなかったのか。確かに、周囲の顰蹙に対して徹底して鈍感なのが、ある意味彼女の強みではあった。
●自意識と自惚れは強いが強烈な個性やカリスマ性に乏しく、周囲を平伏させる能力はなかった。
・・・いかがでしょうか?
もうぼろくそ、である。(だから面白い)

さて、私の好きな人物はアンヌ・ドートリッシュ。(まっ先に読んだ)
次のように書かれている。
アンヌ・ドートリッシュの人気が高いのは、女性としての魅力もさることながら、この母性、それも盲目的な愛ではなく賢明な愛を息子に与え、導き、偉大なる王にし、さらには息子からも深く愛されたという、その点にあるに違いない。
・・・う~ん、褒めてもらって嬉しい!

マリア・テレサについては・・・
「王妃になって以来、幸せな日はたった1日しかなかった」と言い残して44歳でみまかった。悲しい言葉だ。(中略)王妃の死を知らされたルイの感想は「彼女が余に迷惑をかけるのはこれが初めてだ」・・・さらに悲しい。

私にとって、興味深く、長年の疑問を解決してくれた文章がある。(P176-P178)
フランス革命→ロベスピエール→ナポレオン
この移り変わりを分かりやすく説明してくれているのだ。
さらにこの後、王政復古がくるがこれについても以下の説明がある。

かくも大量に流されたあの血は、いったい何だったのかという展開ではないか。徳川の大政奉還を知る身には、驚きとしか言いようがない。いや、それともむしろ日本の無血革命のほうが、よほど異常だったのだろうか・・・・・・。

ドラクロワ『民衆を導く自由の女神』についても興味深い。(P190)
ファイル:Eugène Delacroix - La liberté guidant le peuple.jpg
実は彼女は人間ではない。人間の姿形をとった抽象概念なのだ。
擬人像「自由」は従来、フリジア帽をかぶった女性として描かれるのが決まりである。


最後に総括。
栄華を誇ったブルボン王朝だが、こうして見ると、終わるべくして終わったとの感が強い。ルイ太陽王の過去の威光があまりにまばゆく、プライドばかりが肥大して柔軟性を欠き、自滅の様相を呈しての終焉だ。とはいえ壮大なヴェルサイユと、世界に対するフランスの文化的優位は立派に残したのであった。

以上、簡単に紹介したけどいかがでしょうか?
素材の調理が巧く、味付けも良く、盛りつけもバッチリ。
三拍子揃った作品を楽しんでみては?

【ネット上の紹介】
[要旨]
世継ぎの混乱と血みどろの宗教戦争に彩られた王朝の誕生から、十九世紀、ヨーロッパ全土に吹き荒れた革命の嵐による消滅まで、その華麗な一族の歴史を、十二枚の絵画が語りだす。『名画で読み解くハプスブルク家12の物語』に続く、ヨーロッパの名家を絵画で読み解く第2弾。

[目次]
ルーベンス『マリーのマルセイユ上陸(『マリー・ド・メディシスの生涯』より)』;ヴァン・ダイク『狩り場のチャールズ一世』;ルーベンス『アンヌ・ドートリッシュ』;リゴー『ルイ十四世』;ベラスケス『マリア・テレサ』;ヴァトー『ジェルサンの看板』;カンタン・ド・ラ・トゥール『ポンパドゥール』;グルーズ『フランクリン』;ユベール・ロベール『廃墟となったルーヴルのグランド・ギャラリー想像図』;ゴヤ『カルロス四世家族像』;ダヴィッド『ナポレオンの戴冠式』;ドラクロワ『民衆を導く自由の女神』

なお、姉妹編に「ハプスブルク家の12の物語」もある。
こちらもオススメ。

「RDG3」再読

2010年05月30日 12時00分18秒 | 読書(小説/日本)
「RDG3」を再読した。
(インターバル短かすぎ?)
でも、なんとなく読み返したくなったので。
(以下ネタバレ有り、ご注意)
今回興味深いのは、戸隠が舞台になっている、ってこと。
ウィキペディアによると次の伝説がある。

「戸隠(とがくし)」の名は、「天照大御神(あまてらすおおみかみ)が、高天ヶ原の天の岩戸に隠れたとき、天手力雄命(たじからをのみこと)が、その岩戸をここまで投げ飛ばし、世に光を取り戻した。」

故に、この伝説に基づくエピソードが展開される。
さらに興味深いのは、黄泉比良坂(よもつひらさか)も絡んでくる点。(ただし、作品の中では明記されず)
だから、天の岩戸と言うより、千引きの石(ちびきのいわ)の印象を受けた。
だから、最後は桃の実を投げつけるのか、と思ったくらい。
でも、その代わりに真打ちである姫神が登場。

あと、和宮の(陰ながらの)活躍が目立った。
深行と合体したのか?
カラスの姿で活躍して欲しい、という個人的な願望があるんだけど。
深行と和宮の関係はどうなっているのか?
気になる点だけど、次作で説明されるのかもしれない。

今回のエピソードにより、真響、真夏は泉水子にかなり感謝しているはず。
特に、真響は深い感謝と共に、泉水子の潜在能力に気づいたはず。
ただ、どの程度まで気づいたのかは不明。
真響の性格では、泉水子に直接質問して困らせるかも。
あるいは裏技を使うか?
これも次作で説明されるでしょう。

さて次作は、玉倉山に舞台が戻るのか?
それとも鳳城学園で始まるのか?
夏休み後半部分から始まるのか?
それとも新学期から始まるのか?
・・・いろいろ想像して楽しんでいる。

「それではさっそくBuonappetito!」ヤマザキマリ

2010年05月29日 22時33分40秒 | 読書(マンガ/アニメ)
「それではさっそくBuonappetito!」ヤマザキマリ(講談社)

「RDG3」の紹介の際、入手のため梅田まで足を運んだ、と書いた。
せっかく、梅田まで来たので、他の本も探してみた。
旭屋7Fフロアにパソコンがある。
これで、在庫状況を調べることが出来る。
「ヤマザキマリ」と打ち込むが、「テルマエ・ロマエ」以外「取り寄せ」となっている。
旭屋のコミック担当者・・・怠慢ですね。
今、「旬」な方なんだから、他作品もきちんと揃えておかないとダメだよ。
しかたないので、グランドビル30Fにある紀伊國屋・コミック専門店に移動。
カウンターに直行して聞いてみた。
「ヤマザキマリ作品で「それではさっそくBuonappetito!」ありますか?」、と。
「ありますよ」、と軽く答える店員さん。(おっ、さすが!)
ネット上のE-honでは絶版になってるんだけど・・・。
あとで、分かったけど、ちょうど重版したところだったようだ。
それをいち早く取り寄せて、平積み(すごい!)にしている紀伊國屋はエライ。

以上、内容に触れなかったけど、もちろん面白かった。
イタリアの食文化についてのコミカルなエッセイ。
これにより、ヤマザキマリ作品は全て読んだことになる。
次作は「イタリア家族風林火山」、6/25に出版される。(もちろん、既に予約済み)

PS1
なぜ、「RDG3」を予約しなかったか?、と思われるかもしれない。
なぜなら、新刊到着のタイムラグの為。
書店の棚にならぶ方が早かったりする。
以前、手酷い目にあった。
「レッドマスカラの秋」(永井するみ)を予約して到着を待っていたところ、いっこうに到着せず。
発売日から3日たっても到着しない。(怒)
しかたないので、この時も梅田に買いにはしった。
翌日遅ればせながら、自宅に本が届いた。
結果、私の書棚には同じ本が2冊並んでいる。(あぁ、腹立たしい)
それ以来、発売と同時に即読みたい本は、予約しないことにしている。
逆に、多少とも(2~3日)我慢できる本は、予約するようにしている。


PS2
私はめったに梅田には行かない。
なぜなら、人混み苦手だし、長くいると、頭痛がするから。
現に今も頭痛で悩まされている。
(単に「RDG」を集中して読み過ぎた為?)
バファリンを飲んで、寝よう・・・。

「RDG」(3)荻原規子

2010年05月29日 19時53分16秒 | 読書(小説/日本)
「RDG」(3)荻原規子(角川書店)

金曜日の晩からそわそわと落ち着かなかった。
土曜日、駅前の書店を訪問してレジに一直線・・・
「この本ありますか?」、とネット上の新刊案内のプリントを見せる。
「入荷は5/31です」
「えっ?!」
「お取り置きしておきましょうか?」
「けっこうです、遅すぎます!」、と理不尽な怒りを抑えながら返答する私。
その足で、駅から電車に乗り梅田まで。
旭屋書店本店7Fに直行。
「あった!」
さすが旭屋書店。棚には「RDG](1)も(2)もあり、(3)も4冊あった。
(形跡を見た限りでは、5冊あって1冊売れた様子)

さて、前置きが長くなった。
(以下、ネタバレ有り、ご注意)
今回の作品では生徒会の合宿がメイン、となる。
場所が戸隠、ってのが意味深。
脇役も新規で大勢登場しましたね。
日本史研究会(別名SMF)の両国先輩と他のメンバー。
生徒会の他のメンバー・・・特に仄香の友人の玲奈。
真響、真夏の父、母、祖父。
紫子さんの登場は大きい。
これで、ほぼ役者が揃ったのでしょうか?
一条による、陣営への謎の誘い・・・・一条も泉水子の潜在能力に気づいたのか?
真響は、どう対抗するのか?
生徒会長・仄香の動きは?
次は、学園祭が山場になる、と思われるが、その前に序章として1冊費やすのか?
今後の展開が少し見えたような(気がする)2巻であった。

「風神秘抄」荻原規子

2010年05月27日 20時24分29秒 | 読書(小説/日本)
「風神秘抄」荻原規子(徳間書店)

先日(5/16)、「RDG」(1)(2)を読み返した、と書いた。
今週末(5/28)発売の「RDG」(3)に向けて、気分を盛り上げる為だ。
今回、さらに気分を盛り上げる為に「風神秘抄」も読み返した。
この作品は平安末期を舞台にしたファンタジー。
平治の乱が描かれ、平清盛、源氏の御曹子・義平や頼朝、後白河上皇・・・とすばらしいキャスト。
実はこの作品、前回読んだのはかなり前・・・2005年5月22日。
細かい点は記憶曖昧であったので、そうだったのか、と思い出しながら読んだ。
さて、「風神秘抄」は「RDG」と繋がりがある。
これは以前から感じていたことだが、読み返して、さらに思いは強くなった。
登場人物の繋がりを書いてみる。

糸世=泉水子
草十郎=深行
鳥彦王=和宮・・・・(なお、鳥彦王は「空色勾玉」の鳥彦の子孫)
幸徳=雪政
あとり、まひわ=真響、真夏
真鶴=仄香
日満=野々村

これは『転生』であろうか?
もしそうなら、氷室冴子さんが「銀の海金の大地」(全11巻)で試みていたことだ。
(でも、残念なことに、達成する前に亡くなられた)
これは、『転生ファンタジー』なのだろうか?
実際どうなんだろう?
単に、私の深読みなのか・・・?

では逆に、「RDG」「風神秘抄」を比べて異なる点はどうだろう?
糸世と泉水子のキャラクターが全く違う。
さらに、草四郎と深雪も同様。
このあたりを追求されると、返答に困る。
でも、もし「転生」であるなら、いずれ深雪が泉水子に、ぞっこんになるはず。
このまま展開を見守りたい。

「水木しげるの遠野物語」水木しげる

2010年05月25日 07時28分48秒 | 読書(マンガ/アニメ)
「水木しげるの遠野物語」水木しげる(小学館)

柳田國男さんと水木しげるさんのコラボ・・・これは相性が良い。
絵の雰囲気が遠野物語の世界そのまま。
遠野物語には生臭い話も残酷と思われる話もある。
水木しげるさんの絵というフィルターを通すと、
すべてユーモラスな雰囲気になる。
(そのあたり、好みの分かれるところでしょうね)

それぞれの話のオワリに、水木しげるさんが「登場」して、コメントされている。
曰く、「天狗の仕業だね。天狗につっかかっていくから怒りをかったんだ」、とか。
曰く、「これは蜃気楼を作り出す『蛟(みずち)』の、仕業じゃないかなあ」、とか。
それが、けっこういい感じ。
これ以外にも、「遠野の風景」というコラムも付いていて、理解を助ける参考になる。
今年は遠野物語発刊100年記念の年らしい。
それで、様々なイベントが企画されている。
この本の発売も、その一環らしい。
私も行ってみたくなった。

さて、ここからクライミングの話。
岩手県には龍泉洞や侍浜といった有名エリアもある。
遠野にも観音岩という石灰岩の岩場があるようだ。
東北ツアーを企画して立ち寄ってみたい気分。
(ただ、観光がメインになるかも・・・、という危惧はある)
いずれにせよ、歴史と由緒ある地域である。
名跡旧跡、天然記念物、神域・・・クライミングの際にはマナーとモラルに気をつけたい。

*大阪→(1h20’)いわて花巻空港→(1h15’)エアポートライナー(要予約)で遠野火渡の石碑群
(遠野市役所観光ページより転載)
【参考リンク】
仙台近郊(東北)のクライミングエリアガイド

遠野物語』発刊100周年記念

遠野市役所

遠野市観光協会 ::: 遠野市の観光情報、イベント情報、遠野市内宿泊 ...

「レンタルチャイルド 神に弄ばれる貧しき子供たち」石井光太

2010年05月23日 23時02分30秒 | 読書(ノンフィクション)
「レンタルチャイルド 神に弄ばれる貧しき子供たち」石井光太(新潮社)

石井光太さん最新刊、5/18発売されたばかり。
(私は先月から予約して購入した)
次の三部から構成される。
第1部 傷つけられし子の群れ
第2部 幼き者たちの黒い城
第3部 街の夜明けと離散

「物乞う仏陀」という本がある。
アジア各地の障害者や乞食を取材したノンフィクションだ。
この第八章がインド編になっていて、レンタルチャイルドの話が出てくる。
マフィアが路上生活している幼い子どもの手足を切断したり、目をえぐったりして障害者にする。
なぜなら、その方が乞食をしても儲けが大きいから。
マフィアはそうやって稼がせて上前を撥ねるのだ。

この作品は、『その後』を取材して約10年にわたって経過を描いている。
ここ数年、インドは著しい経済成長を遂げている。
路上生活していた子供たちはどうなったのか?
マフィアはどうなったのか?
時代はどのような影響を与え、飲み込んでいったのか?
詳細なレポートによる、圧倒的な現実に打ちのめされる。
ほとんどの人は言葉を失うでしょう。
(あるいは、読み進むことが出来ないかも)

【著者のブログ・発売のコメント】
新刊『レンタルチャイルド』発売!

【関連書籍】


【ネット上の紹介】
インド、ムンバイへの三度の旅。貧困の最深奥を描く問題作。高度成長真っ只中、インドの商都ムンバイの街角。物乞いは憐れみを誘うため、マフィアから借りた赤ん坊を抱き路地に立っていた。だが月日を経て、その赤子は「路上の悪魔」へと容赦なく変貌させられていく。そして、今。子供たちの「その後」は? 最後に著者の目に映るものはなにか。執筆に十年をかけた渾身のノンフィクション!

「アラベスク」第2部(1)(2)山岸凉子(メディアファクトリー)

2010年05月23日 16時38分54秒 | 読書(マンガ/アニメ)
「アラベスク」第2部(1)(2)山岸凉子(メディアファクトリー)

「アラベスク」完全版第二部が発売された。
これにて完結である。
第一部も面白いが、この第二部が「アラベスク」真骨頂であり核心部分。
前半は、ノンナ同様ユーリに見いだされ田舎から出てきたヴェータが物語を牽引し、
後半は、ドイツからやって来たピアニスト・カリンが牽引する。
前半は、亡命シーンにハラハラする。
後半は、モスクワコンクールへ向けての盛り上がり・・・特に、コンクール・シーンは圧巻。

レミル:かつて劇場がこんなにも静まりかえったことがあっただろうか
ユーリ:この目ではじめて見る 霊感というものを・・・・・・


今日の「テレプシコーラ」に繋がる初期傑作である。
ノンナは長身であるが、この時既に著者は、現在のバレエ界を予想されていた事になる。
素晴らしい眼力である。
未読の方は、この機会にぜひ読んで欲しい。
既読の方は、改めてこの傑作を再読し鳥肌を立て、感涙にむせんで欲しい。

PS
ちょっと気になるんだけど、「テレプシコーラ」で、空美ちゃんのお母さんがヴェータに似ている。
スターになれなかったヴェータが娘の空美にたくして、ノンナである六花ちゃんに挑戦している、と考えると面白い。

「天人唐草」山岸凉子

2010年05月23日 14時43分47秒 | 読書(マンガ/アニメ)
「天人唐草」山岸凉子(潮出版社)

先日、チラリと紹介したが、きちんと書いておこうと思う。
(参考:「雨無村役場産業課兼観光係」(3)岩本ナオ
山岸凉子さん過去の短編集からの選りすぐり。
全6巻のうちの5巻目。

私はファンなので、たいていの作品を読んでいるつもり。
1巻~4巻は、購入済み単行本と内容がダブってしまうので買わなかった。
でも、5巻目収録の「流々草花」は未読なので即購入。
この内容は、簡単に言うと「デビュー裏話」、って感じ。
山岸凉子さんが、どのように苦労してデビューしたか、って話。
イニシャルになってるけど、講談社や集英社と解る。
また、M編集部やR編集部となってるのも(トーゼン)マーガレット編集部とりぼん編集部と解される。
非常に興味深い話である。(ただしファンにとって)
著者のデビュー作は「レフトアンドライト」であるが、今読んでもおもしろい。
でも、さすがに今日の山岸凉子さんを予想するのは困難。
りぼん編集部のA氏はエライ!
山岸凉子さんをデビューさせた眼力に恐れ入る。
それだけで、編集者として一生分の価値がある。
以下、「アラベスク」第2部、モスクワコンクールでの場面。

ザカレフスキー:しかしきみの眼力にはおそれいるね 今日の彼女を予想していたとは
ユーリ:いえ正直いってノンナがこれほど踊ってくれるとは・・・


ノンナと山岸凉子さんがダブル。
現在日本で漫画家と呼ばれる方が何人いるか知らないが、
山岸凉子さんは最高位の1人。
まぎれもない天才である。

山岸凉子スペシャルセレクション 第Ⅰ期全6巻 各巻の内容

Ⅰ わたしの人形は良い人形
わたしの人形は良い人形/鬼来迎(きらいごう)/ハーピー/グール(屍鬼)/白眼子(はくがんし)

Ⅱ 汐の声
汐の声(しおのこえ)/天鳥船(あめのとりふね)/八百比丘尼(やおびくに)/笛吹き童子/蛭子(ひるこ)/鬼

Ⅲ 神かくし
月読(つくよみ)/肥長比売(ひながひめ)/天沼矛(あめのぬぼこ)/黄泉比良坂(よもつひらさか)/海底(おぞこ)より/夜叉御前/海(わだつみ)の魚鱗宮(いろこのみや)/神かくし/神入山(神かくし Part.2)

Ⅳ 甕のぞきの色 
甕のぞきの色(かめのぞきのいろ/ウンディーネ/木花佐久夜毘売(このはなのさくやひめ)/スピンクス/パニュキス/月氷修羅(げっぴょうしゅら)/着道楽

Ⅴ 天人唐草  
天人唐草(てんにんからくさ)/銀壺・金鎖(ぎんこ・きんさ)/シュリンクス・パーン/負の暗示/悪夢/星の素白き花束の(ほしのましろきはなたばの)/蜃気楼/流々草花(るるそうげ)

Ⅵ 夏の寓話
籠の中の鳥/時じくの香の木の実(ときじくのかくのこのみ)/二口女(ふたくちおんな)/化野の…(あだしのの)/千引きの石(ちびきのいわ)/鳥向楽(ちょうごうらく)/夏の寓話/パエトーン/夜の虹

PS
漫画家と編集者のトラブルは良く聞く。
集英社、講談社、小学館・・・いずれも一流出版社。
就職できるのは一流大学出身エリートであろう。
それがノンキャリアの漫画家に仕え、しかも相手の方がずっと稼ぐとなると、心中穏やかでなかろう。
簡単に言うと「嫉妬」、と思われる。
でも、よく考えてみて欲しい。
「才能」があるから漫画家や小説家になり、
「非才」だから、サラリーマンになるのである。
そこのところが解ってない編集者が多い。
中途半端に頭が良くて、プライドが高いので始末に負えない。
もちろん、そんな編集者ばかりではなかろう。
上記のAさんのような優れた編集者もいる。そこが救われる。

ちょっと聞いたエピソードがある。(言葉は不正確だが内容大筋は以下のとおり)
昔、赤塚不二夫さんが編集者に言った、「魔法を使えるヒロインの作品を作りたい」、と。
「ひみつのアッコちゃん」の構想が既にあったのである。
編集者は言った、「この科学の時代に魔法なんてバカか」、と。
バカはお前である。

なお、出版社内実を知る作品として「格闘する者に○」(三浦しをん)がある。
おもしろいから読んでみて。

RUKA・RA・GHAAM

2010年05月22日 20時44分50秒 | ジム練習

現在は『閑散期』なので、練習サイクルは以下のとおり。
平日2回(1h~1h半)+週末1回(半日)
(予定としては)秋から『繁忙期』に入って、
平日2回(1h半~2h)+週末2回(半日×2日)を目指そうと思っている。(あくまでも理想)

そんなわけで、今週末はRUKA・RA・GHAA(今月2回目)。
前回は、『今月のお題』をトライしたが、
今回は、ボルダーサーキットの復習と長モノをトライした。
・・・20本(これはいつもどおりのウォームアップ)
・・・25本(④と⑦が難しい、②も悪い。昨年よりホールド保持困難、滑りやすくなっているホールドあり)
③長モノ(緑テープ)をトライ。1日で6本RPを目指しているがダメ。(本日4本のみRP)
以上、こんな感じ。
長モノに入った時に、燃料エンプティ・ランプ点滅状態。
もっと、ボルダーサーキットをあっさり登らなければならない。

「じゃぁ、ボルダーサーキット抜きで、長モノとらいしたらどうか」、と言う説もあるが、それでは練習にならない。
目的は、技術向上、体力増強なので、省力すると意味なくなる。
長モノ6本RPは練習の1連の流れとして登れたらいいな、と思っている。

ところで先日、『実践的な練習』を目指している、と書いた。
「その割に、リード練習してないやんけ」、と御指摘を受けそうだ。
「ボルダー練習ばっかりやんけ」、と。
突っ込まれると、苦しいところだが、2つ理由がある。

1つ目は、ビレイヤーがいない(少ない)。
・・・ビレイテクニックが有って、クライマーから目を離さず、集中力を備え、状況判断が出来て、モラルが高く(一般モラルも)、クライミングスタイルが似ていて、気心の知れた親しい方が少なくなってきた。
まぁ、実際そんな事を言ってたんでは、リード練習が出来ないけど。
あくまでも理想・・・である。(でも、最初の3つは必須、絶対外せない)
万一、事故を起こしても、これだけカード揃っていたら、「しかたないな」と諦めもつく(かもしれない)。
少なくとも、「あぁ、他のビレイヤーだったら!」と、負の感情を引きずる率は少ない。

2つ目の理由として、ビレイヤー確保の為、メールのやりとりがめんどう。
(どんだけモチ低いねん!)
・・・直前まで読書していて、「疲れた!クライミング練習に行こう」、と思い立ったら即1人で出来る。
リード練習だと、こうはいかない。いろいろ段取りが必要。
そう言う意味で、ボルダー練習は気軽に出来る。(あくまでも、気分として)

PS
これを書いていて感じた。
岩場訪問回数激減するはずだ、と。
外堀も内堀も埋まっている・・・あとは白旗をあげるだけ。


「雨無村役場産業課兼観光係」(3)岩本ナオ

2010年05月19日 22時11分42秒 | 読書(マンガ/アニメ)

「雨無村役場産業課兼観光係」(3)岩本ナオ(小学館)

田舎の役場を舞台にした作品。
これで完結です。(もっと続く、と思っていた)
結局、収まるところに収まった、という感じか?
表紙裏『作者からのメッセージ』を読むと次のように書いてある。

「役場」完結しました。
今度は昭和初期の雨無村で死体が見つかって、東京から刑事・銀介がやってきて捜査をすすめるうちに村の古い因習が・・・みたいなのを描きたいです。
わりと本気です。


なかなか、面白そう。(でも、これってほとんど横溝正史作品?)
著者は岡山県出身なのでひねった作品が出来そう。
(この作品もそうだけど、「町でうわさの天狗の子」も岡山が舞台。著者の郷里・灘崎町がモデルと言われている)

ところで、岡山と言えば、誰を思い出すだろう?
「バッテリー」のあさのあつこさん、「ぼっけえ、きょうてえ」の岩井志麻子さん・・・。
でも、もっとも有名な岡山を舞台にした小説は、「八ツ墓村」かなぁ?
先ほども少しふれたが、横溝正史作品の多くは岡山が舞台。
横溝正史さんは兵庫県神戸出身だが、疎開先が岡山だった関係かと思う。
特に有名な「八つ墓村」であるが、これにはモデルがある。
実際、大量殺人事件があったらしい。
我が国犯罪史上稀、というか世界でも稀な大量殺人。

山岸凉子さんも、この資料をもとに『フィクション』を描かれている。
「負の暗示」、である・・・それでなくても恐怖モノが得意な山岸凉子さん。
盛り上げ方が巧いから、怖い怖い。
(短編集「天人唐草」に収録されている。この短編集レベル高いぞ!)


(この「天人唐草」(潮出版社)に収録されている短編はほとんど、既読のものばかり・・・でも「流々草花」は単行本初収録ではないだろうか?購入した甲斐があった、というものだ。ファン必読!)
http://www.usio.co.jp/html/books/shosai.php?book_cd=2909

【参考】
山岸凉子スペシャルセレクションⅤ(全6巻)
夏の寓話 山岸凉子スペシャルセレクションⅥ
天人唐草 山岸凉子スペシャルセレクションⅤ
甕のぞきの色 山岸凉子スペシャルセレクションⅣ
神かくし 山岸凉子スペシャルセレクションⅢ
汐の声 山岸凉子スペシャルセレクションⅡ
わたしの人形は良い人形 山岸凉子スペシャルセレクションⅠ


楽しい遊び、危険な遊び

2010年05月19日 21時22分02秒 | 登山&アウトドア(関西)

クライマーのクライミング以外の趣味、遊びはどうなんだろう?
私の場合は読書、ハイキングくらいだけど。
周りを見ていると、やはりアウトドア系が多そう。
スノーボード、カヌーとか。
自転車、パラグライダーも多そう。
どれも奥が深くて、追求していくと危険度も増しそう。

ところで先日、フォレストアドベンチャー、ってのをネットで見た。
そのカテゴリーの中に、ジップスライド、ってのがある。
もともとフランスで人気が出たらしい。
森の中で、樹から樹へ渡っていく。
これは面白そう。(一度やってみたい)
http://www.soaringtreetopadventures.com/ 
http://kozaru98.fc2web.com/kouen/tiba/tarzania/tarzania.htm
ジップスライド(Ziplining)という体験、これからもっと流行るかも...

PS
蛇足ながら付け加えると、人間関係が絡む遊びは危険度が高い、と推察される。
例えば、女遊び、とか・・・。
クライミング界は世間が狭いので、噂は即広まる。(身に覚えのある方は、要注意)


イメージと実践

2010年05月17日 22時46分59秒 | クライミング(一般)

私が普段の生活と練習で心がけていることが3つある。
(よかったら参考にして)

1つ目は、モチの維持。
2つ目は、実践的であること。
3つ目は、周りの方を観察し、参考になる事は取り入れる。

①について・・・モチの維持
クライミングを始めて数年はモチも高い、どんどん上達するし、成果もでる。
でも、早い方で6年目あたりから頭打ちとなる。
(ジムクライミングのみだと頭打ち早い、岩もやってる方は少し遅い)
いずれにせよ、12年目くらいが厄年というか鬼門。
目に見えて上達しないし、岩場のルートはたいがい登ったし、海外も行ったし・・・で、マンネリ化して壁にあたる。
このあたりを、どう踏ん張るか?
あっさりリタイアするか?
続けるなら、自分にどう折りあいをつけるのか?
家の事情で、練習時間を確保出来なかったり、仕事があったり、用事があったり。
私は、だらだら続けているので、下手にならない代わりに、上手くもならない。
途中、何らかの事情で何年かクライミングを休んだ方はけっこう頑張って上達している。
(ちょうどリフレッシュして気持ちの切り替えにもなったんでしょうね)
今のところ、モチの特効薬なし・・・かな。

②について・・・実践的であること
何を目標にするかで、違ってくる。
私の場合、自然壁ルートでのOS、RPが目標。
特に、初めて訪問する海外の岩で登るのが楽しみ。
初めての岩でも、即順応したい。
短期ツアーで疲労を蓄積しながらも登りたい。
疲れていても、ムーブを解決して、RPしていきたい。
希望、願望は尽きない・・・。
でも、練習時間は無尽蔵じゃないし、翌日仕事もある。
効率よく、短時間で多くの手数を出して、基本ムーブを繰り返すようにしている。
出来る限り、実践・本番を意識した練習を心がけている。
基本となるのは体力なので、最近は(趣味を兼ねて)ハイキングもしている。
さらに、TV、ネット、書籍による海外情報、語学学習、といったことも広範囲な意味での『実践クライミング』の一部と考えている。
(特に危険情報は有益・・・観光情報も!)

③について・・・周りの方を観察し、参考になる事は取り入れる
あらゆる方を参考にしている。
でも、特に参考になるのは。ある程度の年齢で、長年クライミングをしている方。
どのように練習しているか、話を聞いたり、見学している。
若い方も参考になる・・・これぐらい出来たらいいな、と。
私も若かったら出来るのだろうか、と。
いろいろイメージしている。(実践とイメージの繰り返し)
さらに、②の実践とも関連するが、事故や故障を避ける方法も第三者から学ぶようにしている。
(これは、言うは易く行うは難し・・・だけどね)