2018年 第9回 山田風太郎賞受賞
2018年 第160回 直木賞受賞
1952年から1972年返還まで、沖縄を舞台にした物語。
沖縄アンダーグラウンド、裏面史である。
541ページは読みごたえがあった。
今年のベストの一冊と思う。
P209
この島には二種類の子どもがいる。学校に通っている子と、通うことの出来ない子。戦争から数年を経ても、親や家のない、教育を受けられない浮浪児は残っている。(戦災孤児がいつから浮浪児と言われるようになったのだろう?)
P239
「おれは最近、思うんだよな。本当に目の仇にしなきゃならんのはアメリカーよりも日本人(ヤマトンチュ)なんじゃないかって。デモで声を上げるのが民主主義の基本だなんて復帰協は言うけど、この島の人権や民主制はまがいものさ。本物のそれらはもうずっと、本土のやつらが独り占めにしてこっちまで回ってきとらん」
【ネット上の紹介】
英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染み、グスク、レイ、ヤマコ。生きるとは走ること、抗うこと、そして想い続けることだった。少年少女は警官になり、教師になり、テロリストになり―同じ夢に向かった。超弩級の才能が放つ、青春と革命の一大叙事詩!!