「旅客機・航空会社の謎と不思議」谷川一巳
P26
「ジャンボ」の愛称はボーイング747だけに付けられたもので、B777などをジャンボ機と呼ぶのは誤りである。
P32
B747が登場した頃(初飛行1982年)はファーストとエコノミーの2クラスしかなく、まだビジネスクラスは誕生していない。(ファーストクラスを設定していない機種もある。また、ビジネスクラスも、たいがい高額だ。例えば、アトランタ行きのエコノミーが15万円とすれば、ビジネスは100万くらいする・・・死ぬまでに一度ビジネスに乗りたいなあ)
P34・・・ハイテク機ボーイング747-400
それまで機長、副操縦士、航空機関士と3人で操縦していたが、機長と副操縦士の2人常務になった。
P52・・・旧ダグラスDC-8
日本の高度経済成長期の機体で、ビートルズ来日、ダッカでのハイジャック事件、国内線では羽田空港着陸直前に機長が逆噴射操作して墜落するなど・・・(後略)
P61・・・旧マクドネル・ダグラスMD-90
生産が始まる前にマクドネル・ダグラスはボーイングと統合(後略)
(経営統合が進み、現在、主な航空機メーカーというと、ボーイングとエアバスの2社)
P62
日本は世界の中で突出してエアバスの割合が少ない国である。JALは世界の主要航空会社の中では数少ない一度もエアバスを発注していない航空会社だ。(圧倒的にボーイング優勢!・・・B787では、部品の35%を日系企業が提供している。つまり、ボーイング社に発注すると日本企業を潤すことになる・・・なにかカラクリの匂いがする)
P63
その当時(70年代初頭)日本航空は国際線と国内幹線、全日空は国内主要路線、東亜国内航空はローカル線とすみ分けされていたが(後略)
P65
新品を発注したのはタイのみ、他の5カ国(ドイツ、フランス、ベルギー、スペイン、カナダ)の政府専用機はすべて民間機として古くなった中古機を改造して使っている。(日本政府はどうなの?)
世界初のジェット旅客機=旧デハビランドDH106コメット
・・・但し、ジェット旅客機史上初の墜落事故を起こし、後2回、合計3回墜落する
P95
航空機が飛ぶ上空は気圧が低いため、機内は与圧されている。機体を風船に例えるなら、離陸・着陸を繰り返すたびに膨らませたりしぼませたりしていることになる。それまでプロペラ機に比べジェット機はエンジンのパワーで高空まで上昇し、より空気抵抗の少ない高度を早く飛ぶ。そのため与圧・減圧の度合いもそれまでより大きく、金属疲労から機体に亀裂が入って空中分解したのであった。
P108・・・ボーイング377ストラトクルーザー
この機体は第二次世界大戦中に日本を爆撃したB-29爆撃機の主翼などを基本設計にしているため、日系航空各社では心情的に導入できるものではなく、当時の日本航空は国際線用にダグラス機材をそろえていた。(日本に散々空襲をかけたB-29。この”B"とは、Boeingボーイングの”B"を意味する、と分かった)
航空会社名前の由来
P202-203
JAL=Japan Air Lines
ANA=All Nippon Airways
CAL=China Air Lines
キャセイパシフィック航空=「キャセイ」とは古い英語で「中国」を意味する
ガルーダ・インドネシア航空=「ガルーダ」とは尾翼にも描かれている神話状の鳥
P204-205
中国本土のAir China=中国国際航空
台湾では「チャイナエアライン」は中華航空、「エバー航空」は長栄航空
香港の「キャセイパシフィック航空」は國泰航空、「香港ドラゴン航空」は港龍航空
P208輸送実績
1位=アメリカン航空
2位=ユナイテッド航空
3位=デルタ航空、ここまでが「ビッグ3」
4位=ノースウエスト航空
5位=コンチネンタル航空
(2位ユナイテッド航空は、2017年4月9日「乗客強制排除事件」を起こして有名となった。これは、搭乗していたベトナム系乗客デイビッド・ダオ・デュイ・アン (David Dao Duy Anh) が、3411便から排除させられ、強制降機の際に空港職員から暴行を受け負傷した事件。この映像を見たとき、「ユナイテッド航空に乗るまい」と思った)→ユナイテッド・エクスプレス3411便乗客強制排除事件 - Wikipedia
P211ハブ&スポークス
アメリカン航空=ダラス
ユナイテッド航空=デンバー
デルタ航空=アトランタ
ノースウエスト航空=ミネアポリス
コンチネンタル航空=ヒューストン
P212・・・パンナムの終焉
1986年、パンナムが経営悪化から太平洋線部門のすべてを、機材を含めてユナイテッド航空に7億5,000万ドルで売却(中略)大西洋線も後にデルタ航空に売却し、パンナムは長い歴史にピリオドを打つ
P236・・・経由便と乗り継ぎ便の違い
キャセイパシフィック航空の成田発台北経由香港行きなどは「経由便」、それに対して同じ経路でもチャイナエアラインで成田から台北で乗り継いで香港へ行く場合は「乗り継ぎ便」という。前者はひとつの便名、航空券1枚なのに対して、後者はふたつの便名、航空券2枚で、台北で違う航空機に乗り換える。
P237・・・着陸装置
「着陸装置」というと、着陸させるための高度なシステムを思い浮かべるが、航空機では車輪のことを着陸装置と呼ぶ。ランディングギアとも呼ぶ。
【ネット上の紹介】
ボーイング、エアバス、サーブ、ボンバルディア…。最新のジェット機からプロペラ機まで、機種別の紹介と日本の空に乗り入れた、世界各国の航空会社の特色や意外な利用方法を、130項目で解説する。
第1章 旅客機の謎と不思議(ジェット機編
プロペラ機編)
第2章 航空会社の謎と不思議(JALとANAのグループ会社の謎
国内ローカル航空会社の謎
大手の系列に属さないローカル航空会社
JALとANAは今後どのような機体を保有するのか
格安航空会社の小型機運航は世界的傾向 ほか