【ぼちぼちクライミング&読書】

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「百年の手紙 日本人が遺したことば」梯久美子

2013年06月29日 21時41分17秒 | 読書(エッセイ&コラム)

「百年の手紙 日本人が遺したことば」梯久美子

20世紀100年間に、日本人が書いた手紙を100通あまり集めてある。

今から110年前に、天皇に直訴状を書いた人物がいた。
足尾銅山による鉱毒被害の救済運動に尽くした田中正造である。

P4
田園荒廃シ数十万ノ人民ノ中チ産ヲ失ヒルアリ(中略)満目惨憺ノ荒野ト為レルアリ
(中略)
のちに大逆事件で死刑になる幸徳秋水が正造の意を受けて起草し、さらに正造が加筆訂正したものだが、書き写していると何ともいえない気持ちになる。震災以降の福島県の状況と重なるからだ。

戦時中の手紙も多く収録されている。

P126-127
空母「飛龍」と最期をともにした山口多聞。帝国海軍でもっとも優秀な提督のうちの1人に数えられる彼は、大変な愛妻家だった。
山口が艦隊勤務から一時帰宅するときは、いつも「ニモツアリムカエタノム」と電報が来たと書いている。東京駅に迎えに行くと、大した荷物はなく(中略)妻の顔を早く見たいがための電報だったのだ。
ミッドウェーに出撃する前日にも、山口は手紙を書いている。妻への最後の恋文である。
〈貴女さえ居ればどんな事でも凌げます。貴女こそ本当に私の心のオアシスです。姿も心も美しい貴女は、私の天使です。どうか御大事にして、心に希望を持ち、どんな逆境に立っても、心中正しい行いをして居る自信があれば、人に恥じる事はありません〉

戦中にこんな夫婦がいたのか!
現代であっても稀有、と思われる。
  *   *   *
厚労省かどっかで、統計を取って欲しい。
たぶん現状満足の夫婦、普通預金の金利以下の%、と思うけど。
(少なく見積もりすぎ?定期金利くらいあるか?)
だからこそ、上記の手紙に感動するのである。

【ネット上の紹介】
田中正造、寺田寅彦、宮柊二、端野いせ、吉田茂、中島敦、横光利一、山田五十鈴、室生犀星、管野すが…。恋人、妻・夫、子どもへの愛、戦地からの伝言、権力に抗った理由、「遺書」、そして友人への弔辞…。激動の時代を生きぬいた有名無名の人びとの、素朴で熱い想いが凝縮された百通の手紙をめぐる、珠玉のエッセイ。
[目次]
1 時代の証言者たち(権力にあらがって;かれらが見た日本);2 戦争と日本人(戦場の手紙;女たちの戦争;敗戦のあとさき);3 愛する者へ(恋人へ;妻・夫へ;親から子へ;友情のことば);4 死者からのメッセージ(夭折者たち;遺書と弔辞)

「光る牙」吉村龍一

2013年06月27日 22時11分32秒 | 読書(小説/日本)

「光る牙」吉村龍一

厳冬期、日高山脈でカメラマンが遭難?
森林保護官・樋口孝也は、上司の山崎と救助に向かうが、そこには無残な死体が残されていた。
検死から、ヒグマに襲われたのではないか、と。
・・・このあらすじを聞いただけで、すぐ図書館で借りて読んだ。(順番待ちなし、ラッキー!)

ストーリー展開、エンディングに意外性はない。予想通り。
これに文句を言ってはいけない。
あとは演出を楽しむのみ。

【おまけ】
ヒグマを扱った作品と言えば「羆嵐」。
史実に基づいて書かれている。→「羆嵐」吉村昭
そのへんのホラーより、よっぽど怖い。
   *   *   *
ところで、山を歩いていると、時々軽装で走っている方を見かける。
動物は走っている人間を見ると、「攻撃された」、と勘違いする。
特に、秋の熊は襲ってくるので要注意。
(山野井泰史さんも襲われた→「山と渓谷」2010年12月号
だから、「山の中で走る」という行為は感心しない。


【蛇足】
重箱の隅をほじくるようで申し訳ないが、登山・クライミング装備の記述に違和感を感じた。
なんだか80年代くらいの時代背景を感じてしまう。
微細な点がどうしても気になってしまう。
もし、一般の読者なら、普通に楽しめるでしょうね。

【ネット上の紹介】
北海道日高山脈の王“羆”―。真冬にカメラマンが下山しないことで、物語は始まる。森林保護官・樋口孝也は、上司の山崎とともに捜索に乗り出すが、発見された死体には羆の爪痕があった。「食害事件」として始まった道警の捜査は、ひとつの終結を迎えるが…。元自衛隊の肉体派新人作家が、満を持して放つ、自然と人間を描き切った渾身作。

2013 ほしだカップ

2013年06月26日 12時10分15秒 | クライミング(コンペ、国体)

遅くなったけど、5/26、2013 ほしだカップ・リザルトをリンクしておく。
ほしだカップ・リードとナカガイ・ソレイユで行われたボルダーの結果で、
(その他本人の都合、過去の成績、岩場の実績等も加味して?)国体大阪代表が決定される。

聞くところによると、ほしだカップでは、タイムアウト続出。
岩場経験者ほど、初見での登りが慎重になって、時間をかける習性がある。
集中すると時間も忘れる・・・結果、時間切れとなる。

【参考リンク】
ほしだカップ2013 - 大阪府山岳連盟

リザルト発表 (06/11)


「レ・ミゼラブル」ユーゴー

2013年06月25日 21時38分01秒 | 映画(一般)

 
「レ・ミゼラブル」ユーゴー/作 豊島与志雄/訳

DVDで「レ・ミゼラブル」を観た。
迫力の映像で、音楽も良かった。

私が中学生の時、国語の教科書に、「レ・ミゼラブル」の抜粋が載っていた。
担当の先生が、「私は豊島与志雄さん訳の岩波文庫版を読んだけど、とても面白かった」、と。
そこで、さっそく私も購入して読んだが、途中で挫折。
高校生になって、再度トライして読了。

この作品の見所は2カ所ある。
①ジャン・バルジャンとコゼットが出会う森のシーン
②ジャン・バルジャンがマリウスをかついでヘドロの地下道に踏み込むシーン
私の頭の中では、そのシーンが完璧な形で、何度もリピートされてきた。
その為、(当然)私の映像と異なる映画のシーンには、少しがっかりした。

曰く・・・森はもっと暗く、深いはず。
コゼットの持つ桶はもっと大きいはず。
コゼットはもっと、辛そうに桶を持っているはず。
ジャン・バルジャンは、コゼットにそっと近づき、その大きな桶を持ってやる。(おぉ、感激!)

・・・とまぁ、色々クレームを付けたけど、原作と映画は異なる。
無理を言ってもしかたない。
映画ではコゼットもマリウスも、エポニーヌやファンティーヌに喰われていた。
ピュアなキャラクターは陰翳のあるキャラクターに負ける、という法則か?

PS
なお、ファンティーヌが歯を売るシーンがあるが、原作では奥歯でなく、前歯だったはず。ファンティーヌが前歯の無い顔で歌を歌うのは、「絵」としてまずい、と判断されたのだろう。


蒔かぬ種は生えぬ

2013年06月23日 19時36分34秒 | 身辺雑記


マリーゴールドの種を蒔いたら、芽が出て、花が咲いた。
何かのイベントで無料で貰った種だけど、花が出来ると嬉しい。

練習しても、なかなか上達しない。
イヤになる時も少なからずある。
でも・・・「蒔かぬ種は生えぬ」と思っている。
(たとえ、カビが生えた古~い種であったとしても)

PS
ダリアの花だと思っていたら、「マリーゴールドですよ」と、ご指摘を受けた。
訂正してお詫びします。(間違った情報を出して申し訳ない)
ところで、『マリーゴールド』と言えば、永井するみさんの傑作と同タイトル。
大手コンピュータ会社のOLが同じ電車に乗り合わせた、いかにもキャリアウーマン風の女性の後をつける。そこから物語は、意外な展開を見せる。・・・是非読んで欲しい短編小説の絶品と思う。光文社文庫「天使などいない」に収録されている。なお、この本には『別れてほしい』も収録されていて、こちらも秀作。他人のものばかり欲しがる幼馴染みに悩まされるヒロイン。彼女には、何度も自分の彼氏を横取りされた。そこで、しくんだ罠とは!?・・・もう見事な展開と結末。お薦め!



「夜見の国から 残虐村綺譚」池辺かつみ

2013年06月19日 21時33分15秒 | 読書(マンガ/アニメ)

「夜見の国から 残虐村綺譚」池辺かつみ

『R指定』、間違いなし。
バイオレンス+エロ炸裂。
万人には薦められない。読者をかなり選ぶ作品。
・・・それにもかかわらず、内容のあるすぐれた作品、と思う。
(一部熱狂的な読者が出るでしょうね)

「津山事件」を元にしている。→津山事件(日本犯罪史上空前の殺戮事件)
(「八つ墓村」のモデルとなった。映画は、岡山県・吹屋ふるさと村でロケ)
この津山事件を作者がふくらませて、本作品を創った。
村人30人を順番に惨殺していくシーンがえぐい。
苦手な方は、うなされるでしょう。
昭和10年代、地方の閉鎖社会、因習を絡めながら物語が進行する。
(横溝正史さんの世界そのまま)
「狂気」をリアルに描いている非常に怖い作品。




【おまけ】
「津山事件」を元にしたマンガは他にもある。
山岸凉子さんの「負の暗示」だ。(「天人唐草」に収録)

この作品もよく出来ている。
山岸凉子さんらしい心理描写が秀逸。
ページの最後に参考資料として、次の2冊が挙げられている。
「ミステリーの系譜」(松本清張)
「犯罪の通路」(中野並助)


【参考リンク】
夜見の国から 残虐村綺譚

Summer Ballad Covers [CD+DVD]May J.

2013年06月18日 21時17分16秒 | 音楽


Summer Ballad Covers [CD+DVD]May J.

話題のCDを購入した。
よかったら、ダイジェスト聴いてみて。
  ↓
 


「残月 みをつくし料理帖」高田郁

2013年06月16日 17時59分49秒 | 読書(小説/日本)

「残月 みをつくし料理帖」高田郁

シリーズ第8弾、1年3か月ぶり最新刊。
待たせただけあって、満足のいくできばえ。楽しめた。

・・・前回のおさらい。
吉原で火事が起こり、又次が火の海に飛び込む。
あさひ太夫(野江)は助かるが、又次は亡くなる。
野江の焦げた髪の臭い、又次の血の臭い。
澪はショックを受け、失われていた嗅覚が戻る。

さて、この物語の主な縦線・横線は次の4つ。
①天満一兆庵を再建して繁盛させる
②四千両を用意して、あさひ太夫を身請けする
③行方不明の芳の息子・佐兵衛を探し出す
④澪が心を寄せる小松原(小野寺数馬)と添い遂げる
(もちろん、一番のテーマは、澪の成長・・・料理人として、女として、人として、である。そして、二つ目のテーマは野江との友情)

今回の特徴は、贅肉がそぎ落とされシンプルになったこと。(以下、ネタバレあり、ご注意)
つまり、伏線が、かなり整理された。
④は既に結果が出ている。恋は終わってしまった。今回、小野寺数馬の実妹・早帆が再度登場し、だめ押しをした。澪はキャリアに生きる決心を新たにする。(まさか、焼け棒杭に火が付かない、と思うけど。それだと、異なるジャンルの小説になってしまう。また、ハーレクインなら、①と④が両立してしまう)(教訓:自分の培ったキャリアを捨てて、男の愛情に頼るのは、ギャンブルに等しい』by和久井香奈子)
P54
「兄嫁は齢十七ながら、これまで生家の手持ちの駒として、おんなの幸せとは遠いところで生きてきたのです。我が母もそれを理解し、慈しんでおりました。兄もまた、澪さんに抱いたような思慕ではないにせよ、夫婦として幸せになる道を模索しているように思います。

③と①について・・・行方不明の佐兵衛が見つかる。二度と料理に関わるつもりはない、と。芳も再婚に向け動き出す。これによって『天満一兆庵』の再建は無くなる。
P151
「跡取りの佐兵衛が断念した江戸店の再建を、お前はんに託すことは出来ん」
思いがけない芳の言葉に、澪は声を失う。
芳は俎橋に目を向けたまま、低い声で続ける。
「もう天満一兆庵のことでお前はんを縛りとうはないんだす。嘉兵衛の今わの際の言葉は、忘れておくれやす」
ご寮さん、そんな、と取り縋る娘の手を、芳は優しく握った。
「ひとの気持ちも物事も、全てのことは移ろうていく。仕方のないことだす」

結果、残ったのは②のみ・・・『四千両を用意して、あさひ太夫を身請けする』。
P30
「今わの際に、又次はこう言った」
地の底から、摂津屋の声が響く。
「頼む、太夫をあんたの手で・・・・・・。確かにそう言っていた」

P213
「今は廓の籠の鳥。けれど、何時か、遊女の衣を脱ぎ捨てて、その幼馴染みだけが知る、高麗橋淡路屋の末娘、野江の姿で逢うことを、生きる縁としています」

これらのセリフにより、澪のモチベーションは、より高まったはず。
P222
どうあっても、と澪は自身の掌を開き、それをぐっと拳に握った。
どうあっても、この手で野江を取り戻す。途方もないこと、と怖じ気づくのはもう止めだ。ただ厚い雲の下に居て、切れ間を待つのではない。自ら飛翔し、雲を切り開いて行くのだ。

予想・・・今後のストーリー展開について。
摂津屋が絡んで、澪を援助するはず。
ただし、摂津屋も商人である。
出資するに値するかどうか、裏を取るであろう。
澪の人脈・・・小野寺数馬、一柳の主・柳吾。
(彼らは絶対、澪をプッシュするはず)
澪はより大きな店を持ち、料理は評判を呼び繁盛・・・。
推測を裏付けるのが次の文章。
P36
「虎は死して皮を留む、と言うが、翁屋の料理番も大した皮をこの世に留めたものだ」
ああ愉快、愉快、と笑いながら清右衛門は九段坂を戻り始める。

また、P213の野江のセリフを紹介したが、この時、隣の部屋で「かたん」と音がする。これが伏線。摂津屋がこのやりとりを聞いていた・・・はず。

様々なしがらみは無くなり、かなり身軽になった
ストーリーはシンプルになり、最終章に向け、ベクトルは強くなった。
いよいよ物語は佳境に入っていく、と思う。

P268
「良いか、ひとに与えられた刻はそう長くないぞ。さっさとあさひ太夫を身請けして、わしを愉しませることだ」

【ネット上の紹介】
吉原の大火、つる家の助っ人料理人、又次の死。辛く悲しかった時は過ぎ、澪とつる家の面々は新たな日々を迎えていた。そんなある日、吉原の大火の折り、又次に命を助けられた摂津屋がつる屋を訪れた。あさひ太夫と澪の関係、そして又次が今際の際に残した言葉の真意を知りたいという。あさひ太夫こと澪の幼なじみ、野江のその後とは―。



「男性不信」池松江美

2013年06月15日 09時16分59秒 | 読書(小説/日本)

「男性不信」池松江美

池松江美 ・・・聞いたことない?
実は、辛酸なめ子さんの本名。
以前「女子校育ち」を紹介した。→「女子校育ち」辛酸なめ子
とても盛りだくさんで、丁寧な内容、文章にも好感を持った。
小説はどうなんだろう?

自伝的なフィクションということで、かなり自分のカラーを出している。
即ち、毒と妄想が炸裂。
ブスである自分は虐げられてきた、と。
6章に分かれるが、毒が薄い章は、妄想全開。
基本的にサービス精神が旺盛な方、という印象。
毒や妄想がユーモアにくるまれ、楽しんで読んでもらえるよう演出されている。
そのあたり、さすがである。

P131-132
新宿で自分のブログ読者に呼びかけ、オフ会を開催する。4人が集まる。
オフ会のあと新宿の裏道に連れ込まれて集団レ・・・・・・ああ、どうして今になってこんなネガティブな妄想が!しっかりするのよ由美。ピンチの時は貞操を守る魔法の呪文があるじゃない。守護霊様、それは何ですか?教えてください。「生理なんです」って言えばいいのよ。そうか、その手がありましたね!でも、猛り狂った男たちがそれで引き下がってくれない場合は・・・・・・?そしたら「私はクラジミアなんです」って言いなさい。男たちは尻尾を巻いて逃げていくわよ。なるほど・・・・・・って、ちょっと、クラジミアって守護霊様、あなたは本当に守護霊様なんですか?それに、クラジミアじゃなくクラミジアですよね?あなたは、まさか通りすがりの浮遊霊では・・・・・・あっ無視しないでください!私はどうすればいいんですか!?誰か守ってください~~!

・・・と、こんな感じの文章が続く。

【参考リンク】
池松江美『男性不信』 (06/05)

【ネット上の紹介】
今から男という生き物の愚かさを発表したいと思います―。雑誌『hon・nin』連載時から話題騒然!!男=淫獣たちとの果てしない格闘を綴った、辛酸なめ子(本名・池松江美)の半自伝的小説。

「歌舞伎町」権徹

2013年06月14日 21時06分40秒 | 読書(写真エッセイ)

「歌舞伎町」権徹

歌舞伎町を舞台にした写真ルポ。
何年にも及ぶ、数々のスクープ写真。
歌舞伎町の様々な顔をとらえている。
やくざのケンカ、キャバクラの姉ちゃんの出勤風景、警察の取り締まり、ホームレス、ホスト・・・。
3.11のあの日の風景。

P76
報道写真の世界では「人に迷惑をかけるほど、いい写真が撮れる」と言われるが、そんな撮影スタイルに果たしてどんな意味があるのかと自問するようになった。

P80
「歌舞伎町」誕生の物語は、1945年の終戦直後、民間人の主導で始まった。地元の有力者・鈴木喜兵衛氏らは、焼け野原だった新宿を、「銀座と浅草の良さを取り入れた庶民的な娯楽街として復興する」という夢を抱いた。そして終戦わずか2か月で鈴木氏を会長とした「復興協力会」を設立、地権者を説得して回った。

【参考リンク】
権徹『歌舞伎町』 (05/26)
ドキュメンタリー写真家 権徹

【ネット上の紹介】
今はなきコマ劇、事件現場、警察の摘発、犯行の瞬間、夜の歓楽街、家出少女やホームレス、商店街の日常etc.数々のスクープも掲載した渾身の写真ルポ。
[目次]
第1章 にぎやかな歓楽街;第2章 緊迫の取材現場から;第3章 歌舞伎町を「俯瞰」する;第4章 コマ劇場歌舞伎町支え半世紀;第5章 危うさと欲望の漂う街;第6章 歌舞伎町「浄化作戦」;第7章 華やかな世界の光と影;第8章 ボクが出会った素敵な笑顔;第9章 コリアンタウンと韓流スター;第10章 東日本大震災を経験して
権 徹 (ゴン チョル)  
1967年韓国生まれ。大学在学中の88年に休学して海兵隊に入隊。大学卒業後の94年に来日し、日本写真芸術専門学校に入学。報道写真家の樋口健二氏に師事する。99年元ハンセン病患者の写真記事で雑誌デビュー。新宿歌舞伎町、大久保韓流、元ハンセン病患者、在日朝鮮人などを取材。中国四川省地震、3・11東日本大震災の被災地に入り精力的に取材して週刊誌等に発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

「解錠師」スティーヴ・ハミルトン

2013年06月13日 23時11分55秒 | 読書(小説/海外)


「解錠師」スティーヴ・ハミルトン

 これはレベルが高い。
それもそのはず、「文春ミステリ」海外部門1位作品。
オリジナルタイトルが「The Lock Artist」。
勘違いしてはいけない、「Rock Artist」ではない!(クライマーは出てこない)
Lock、即ち「錠」のこと。

この作品のすごいところは、ミステリと同時に、すぐれた青春小説であること。
解説を読むと、「本書は、ヤングアダルト世代に読ませたい一般書に与えられる、全米図書館協会のアレックス賞も2010年に受賞している」、と。
主人公の少年は、幼少時の「ある事件」から声を失う。
けれど、彼には2つの才能があった。
絵を描く才能、そしてどんな錠も開く才能。
孤独な少年だが、ふとしたきっかけから、犯罪を犯してしまう。
どんどん深みにはまっていく。
この作品が救われているのは、少女アメリアの存在。

良くできていて、完成度が高い。
ミステリファンじゃなくても楽しめる、と思う。
過去と未来が交錯しながら物語が進む。
そして最期に「錠」が開く。(みごと!)

【ネット上の紹介】
八歳の時にある出来事から言葉を失ってしまったマイク。だが彼には才能があった。絵を描くこと、そしてどんな錠も開くことが出来る才能だ。孤独な彼は錠前を友に成長する。やがて高校生となったある日、ひょんなことからプロの金庫破りの弟子となり、芸術的腕前を持つ解錠師に…非情な犯罪の世界に生きる少年の光と影を描き、MWA賞最優秀長篇賞、CWA賞スティール・ダガー賞など世界のミステリ賞を獲得した話題作。このミステリーがすごい!2013年版海外編。2012年週刊文春ミステリーベスト10海外部門第1位。

ROCK & SNOW 2013夏号 No.60号

2013年06月10日 23時33分42秒 | 読書(山関係)

ROCK & SNOW 2013夏号 No.60号が送られてきた。
気になった記事をピックアップする。

P88
『プロがすすめるスタンダード技術』
今回のテーマは【リードの指導】。
リードの際の、注意点を書いてくれている。
どれも常識・・・だけど、出来ていない方も多い。
トップロープと違って明らかに危険を伴うリードでは、それに臨む本人が危険性を理解していること、またその危険を避けようとする意識を強くもっていることが必要で・・・(後略)
(リードを目指す方は、ぜひこのページを読んで下さい。とても重要だから)

P105
松島君の【12aでは落ちられない】
今回は、芹谷「デッドライン」が取り上げられている。
12aじゃなく、12b/cだけど。(私は12c、で良いと思う)
昔、苦労して登った記憶があるので、松島君がどんな感じでトライするか気になった。
結果は、読んでみて。

P113
『Rock Giants2』
ギュリッヒが取り上げられている。
伝説のクライマーである。
P116の写真に注目。
アレックス・メゴスがギュリッヒのポスターの横で、1本指キャンパをしている。

P94
『エベレスト“リンチ”事件の顛末』
フリーの記事じゃないけど、気になる事件だ。
池田氏も、最終ページEditor's Noteで「暗澹たる思いです」、と。
彼ら(シェルパ)をここまでスポイルしたのは毎年殺到する公募隊であることはまちがいありません、と明解に書かれている。


【参考リンク】
ROCK & SNOW 2013夏号 No.60号


リード・ジャパンカップの映像

2013年06月10日 22時35分53秒 | クライミング(コンペ、国体)

JFAサイトに、リード・ジャパンカップの映像が公開されていた。
興味があったら、観てみて。

LEAD JAPAN CUP 2013 Final


【リザルト】
第27回リード・ジャパンカップ最終成績(13/06/02)


6月阿武山

2013年06月09日 21時06分02秒 | 登山&アウトドア(関西)

阿武山に登ってきた。
自転車でアプローチ、山頂まで往復1時間弱。
ちょっと山に登りたい、と思ったときにちょうど良い。

これが山頂

入り口の鳥居(稲荷神社は、穀物や農業の神をまつる神社)*

水量が少ないので、鳥も寂しそう。

【豆知識】
P29「いきもの図鑑えほん」(前田まゆみ)より
「お稲荷さん」とも呼ばれる稲荷神社は、もとは穀物や農業の神をまつる神社。中国から渡来した秦氏が平安時代に建てました。
古代中国の陰陽五道という哲学では、黄色が「土」をあらわし、黄色い毛のきつねを土の化身としました。そこで、きつねが、土に育つ作物の神である稲荷神のお使いと考えれた、ともいわれます。また、きつね色した油あげが、稲荷神社に供えられ、きつねの好物といわれるようになった、とも考えられています。


第9回 備中の岩場清掃・草刈活動

2013年06月08日 08時45分37秒 | クライミング(広報)

TCNet から、メールをいただいた。
第9回 備中の岩場清掃・草刈活動についてのお知らせ。
以下、転載。

備中の岩場で、今年で9回目となる一斉清掃草刈活動を、以下の日程と内容で開催します。
昨年同様、備中高梁クライミング協会との共催です。

    【内 容】 各エリアの清掃と草刈、レスキュー講習(自由参加)
    【エリア】 用瀬周辺、羽山周辺、長屋坂、杉田ロック、川エリア、権現谷
    【参加費】 500円(参加費は、TCNet の各種活動資金とさせていただきます。)
    【日 時】 平成25年7月7日(日)9:00~12:00
        9:00 開会式
        9:15~11:00 各エリアの清掃草刈
        11:00~12:00 レスキュー講習(止血法ほか、高梁市消防本部)
    【集合場所】 用瀬嶽クライミング広場(用瀬小屋)
    【主 催】 高梁川流域クライミング交流会(TCNet)
    【共 催】 備中高梁クライミング協会

★軍手、火鉢、鎌、刈り払い機等、清掃・草刈に必要な用具は各自でご持参下さい。
雨天決行です。皆様お誘い合わせの上ご参加ください。たくさんのクライマーの参加をお待ちしています!!