freefan68号が送られてきた。
チェックポイントを書いておく。
P15-P20
BOTANIX代表・伊藤君のインタビューが掲載されている。
どうしてるのかなぁ、と気になっていた。
タイムリーな記事でよかった。
クライミングウォール施工とルートセッターとして日本各地で活動している。
今まで多くのクライマーを見てきたが、伊藤君ほど短期間で上達した人を知らない。
トレーニングとストレスは半端ではなかった、と思われる。
*参考までに、以前に頂いた、伊藤君のコメントをリンクしておく。(2010.3.7付)
→http://blog.goo.ne.jp/takimoto_2010/e/83b763376f16920a1591608fd5f18eb8
P22-P24
クイックドローのラバーバンドについて書かれている。
今年の夏(7/2)、フランスのオルピエールの岩場で事故が起こった。
イタリアのチト・トラバーサ少年がロワーダウン中にグランド。
間違った接続方法でクイックドローを作って岩場で使用し、
それを知らずに借りたチト少年がグランドフォール、である。
この事故の顚末と、原因を探っている記事。
・・・これは人ごとではない。
なぜなら、日本では他人がヌンチャク・セットしたルートを登ることは珍しくないから。
果たしてそのヌンチャクは大丈夫なのか?
自分のクライミング仲間なら信用できる。
でも、顔見知り程度の人ならどうか?
↑常識では考えられないけど、事故って、そんなものだ。
↑私は、現在ブラックダイヤモンド・内蔵タイプとシモン・輪ゴムタイプを使用(ペツルの「パンツ」タイプも所持)
P25-P28
『小川山レイバックの終了点ボルトを考える』
様々な問題が提起されている。
クライミング上のモラルが問われる。
「野田ともうします。」(5)柘植文
シリーズ最新刊。
6月に発売されていたのに、新刊パトロールもれで購入が遅くなった。
いつものメンバーが登場して楽しませてくれる。
新たなキャラクターは登場しないけど、それなりに楽しめる。
その中でも、一番の魅力は主人公・野田さん。
浮き世離れしているようで、世俗的なところがいい。
微妙なさじ加減で調節されている。
#116「結婚式のおじ達よ」P33
老人ホームの慰問で劇をすることになる。
チェーホフの「ワーニャ伯父さん」・・・(慰問に適しているのだろうか?)
「おきのどくなワーニャ伯父さん
あなたは生涯嬉しいことも楽しいことも
ついぞ知らずにいらしたのねえ」
このあと、野田さんが週末いとこの結婚式に招かれる。
出席した翌日、野田さんは傷だらけで大学に出てくる。
「野田なんで傷だらけ?」
「ブーケトスがあったら、あさましく奪い合い
新婦に優越感をプレゼントするのが独身女の義務だって部長が」
この屈折ぐあい・・・好みが分かれるか?
「アウトサイダー」深町秋生
「アウトバーン」「アウトクラッシュ」に続く3作目。
このシリーズは、ヒロインが夫の死の真相を知りたいと考えた事から始まっている。
警察は自殺と判断したが、自殺を偽装されたのじゃないか?
前2作を経て、少しずつ死の真相に迫ってきた。
本作で、ついに謎が解明される。
つまりクライマックスを迎える。
息つく暇もない展開となっていて、一気読みした。
前回も書いたが、元プロレスラーで格闘家の落合里美の存在が大きい。
登場すると、嬉しくなる。
本シリーズは、性格の悪い、ひねくれた人物ばかり登場する。
その中で、唯一裏表がないのが里美である。
だから、彼女が登場すると心がなごむのだ。
P222
里美が富永署長に電話するシーンが印象的。
「富永だ」
〈・・・・・・もしもし。これ、富永って人のケータイっすか〉
「そう名乗ってるだろう。富永は私だ。君は誰だ」
〈落合っす〉
「なに」
・・・ここから一気に物語が大詰めとなる。
PS
これで話は一件落着。
だけど、シリーズまだまだ続きそう。
人気が出て、「もっと続けて欲しい」と、要望が多数寄せられた、と思われる。
深町版「新宿鮫」となって、シリーズは長く続く、と予想する。
【参考リンク】
深町秋生『アウトサイダー』 (09/14)
【ネット上の紹介】
自殺とされた夫の死の真相に迫る警視庁上野署の八神。警察による証拠改ざんの疑いが増す中、執念で掴んだ手がかりは、新宿署の五條の存在だった。権威と暴力で闇社会を支配する五條に、八神は命を賭した闘いを仕掛ける。硝煙の彼方に追い求めた真実は見えるのか?美しくも危険すぎる女刑事が疾走する警察小説シリーズ、壮絶なクライマックスへ。
草津市立水生植物園みずの森に行ってきた。
私は蓮と睡蓮が好きなので、以前から気になっていた植物園。
行って良かった、訪問する価値のある植物園と思う。
入り口からの景色。
温室の睡蓮。
ハスとスイレンを総称してロータス、と呼ぶそうだ。
ロータスの起源は古代エジプトとインド。
やがて仏教とともに中国へ渡り、朝鮮半島を経て日本に伝えられたそうだ。(パンフレットより)
パンフレットを購入した。
1ヶ月の食事代がどのくらいなのか?
あまり精確に把握出来ていない。
私は大食でも、グルメでもない。
料理レパートリーも狭く、簡単なものしか作れない。
ただ、果物は好きで、欠かさないようにしている。
(洋梨が好きで、たまたま見つけたので購入した・・・158円)
【本日のお言葉】
人間は『用無し』にならないよう気をつけたい
「国道沿いのファミレス」畑野智美
タイトルはさえないけど、中身はおもしろかった。
これで全ての作品を読んだことになる。
「国道沿いのファミレス」 2011
「夏のバスプール」 2012
「海の見える街」 2012
「南部芸能事務所」 2013
全てと言っても全部で4冊。
(ここから、ネタバレありなので、未読の方注意)
だいたい共通して言えるのは・・・
①親近感ある登場人物たち
③元気の出るハッピーエンド
あと、タイトルがさえない事。
これを解消したら、さらに読者が増える、と思う。
さて、ここ2、3年でデビューした実力ある作家と言えば、窪美澄さんを思い出す。
畑野智美さんは、窪美澄と同じくらいレベルが高い、と感じる。
ただし、作品に対する態度、ポリシーが異なる。
それが、エンディングに現れている。
「南部芸能事務所」以外では、全てハッピーエンドだ。
(窪美澄さんの何の解決もなく、これといった劇的なオチもないエンディングと対照的)
今後もこの方針を貫くのだろうか?
それとも「南部芸能事務所」が転換点となって、別方向に向かうのだろうか?
今後も目が離せない作家である。
(次作が楽しみ)
【ネット上の紹介】
佐藤善幸、外食チェーンの正社員。身に覚えのない女性問題が原因で左遷された先は、6年半一度も帰っていなかった故郷の町にある店舗だった。淡々と過ごそうとする善幸だが、癖のある同僚たち、女にだらしない父親、恋人の過去、親友の結婚問題など、面倒な人間関係とトラブルが次々に降りかかり…。ちょっとひねくれた25歳男子の日常と人生を書いた、第23回小説すばる新人賞受賞作。
「別れる夫婦と別れない夫婦」槙村脩平
著者は家庭裁判所調停員。
世の中には、ケンカばかりしているのに別れない夫婦がいる。
逆に、仲が良いと思っていたら、簡単に別れてしまうカップルもいる。
別れる夫婦と別れない夫婦・・・。
この違いは何なんだろう?
別れないからエライ、ってものでもない。
別れたから駄目な人間、って訳でもない。
別れない駄目な夫婦もあれば、
別れるという、優れた決断をした人もいる。
ホント、世の中色々、である。
P218
今、私の頭を過ぎるのは、別れさせてはいけなかったのに別れてしまった夫婦だ。その逆に、別れた方が良かったのに別れなかった夫婦も記憶から消えないでいる。
PS
この著者は、作品の構成、文章に技巧を入れすぎている。
それがどうも気になる。
ノンフィクションなんだから、もっと素直な構成と文章で充分、と思う。
【ネット上の紹介】
「昔、あなたがしたように、今度は私があなたを棄てるのです」。人生の岐路に立つ夫婦たちはどう決断し、何を選択したか。
台風が去ったので、阿武山に登ってきた。
安威川は大河のようになっていた
風で木の実がたくさん落ちていた
山頂でイノシシを見かけた・・・大量に落ちている木の実を食べに来たのだろう
写真を撮ろうとしたら、逃げていった。
「介護はしないぞ 私と母の1000日戦争」井上雅義
避けて通れない問題・・・それが親の介護。
著者は、修業時代からビートたけしの友人にして、
現在も「週刊ポスト」で「ビートたけしの21世紀毒談」の更正をつとめている著述家。
P253
介護を経験した人なら誰しもが、最期まで親にどう生きてもらうことができるか、介護を抱える自分もどう生きていくか悩むが、介護者が悩むだけでは解決しないのが老人介護の厄介なところなのだ。
そしてまた、医療とちがい、完全に快癒して、めでたしめでたしと終わりにならないのが老人介護であり、悲しいことに介護が終わるときは被介護者が死ぬときという運命にある。
アルツハイマー型認知症は、2012年で462万人。
男性より女性が1.5倍の罹患率、と言われる。
症状の概要は・・・
①日にち、時間、食事等、物忘れ・・・・・「記憶障害」
②火の取り扱い、腐り物の判断が出来ない・・・「判断力障害」
③ゴミの片付け、掃除、買い物が出来なくなる・・・「実行機能障害」
④場所や道迷いがおこる・・・「見当障害」
⑤言葉がスムーズに出ない・・・「失語」
⑥家族の認知が出来ない・・・「失認」
⑦ふだん使っている歯ブラシなどの道具の使い方がわからなくなる・・・「失行」
⑧妄想、幻覚、過食、異食、徘徊、暴力、尿失禁、弄便・・・「末期症状」
初期は、まだら状ぼけで、本人の自覚がなく、自分を認知症と認めようとしないこと。
現在年寄りの方は、戦争や、物のない時代を経験して苦労している。
その分、負けず嫌いで、プライドも高く、人の世話になろうとしない。(自分の息子や娘の言うことを聞こうとしない)
いかに折り合いをつけて、ある程度納得して貰い、公共のサービスを利用するか。
・・・とても、難しい問題である。
【おおよその段取】(都道府県、市町村で微妙に異なるかも?)
①市役所の介護部門と相談する(見取図を描く)
②病院にかかって主治医を持つ(薬をもらい、現状と今後を判断して貰う)
③調査員の方の訪問を受けて介護レベルを判定してもらう(神経科主治医の判断も必要)
④各市町村相談窓口等で、ケアマネージャーを決めてもらう。
⑤ケアマネージャーと相談して、ケアプランを立てる。(体験サービスで雰囲気を知る)
⑥具体的サービス・・・リハビリ、デイサービス、ショートステイ等のサービスを受ける。
⑦最期は老人ホームのような施設に入居となるが、ピンからキリまであって、お金と相談。
*さらに、もっともハードルが高いのが、「本人が納得して入居するか?」、ってこと。
【おまけ】
認知症をパソコンに例えるなら、記憶障害はRAM(random access memory)が失われること。
やがて、表計算や文章作成といったアプリケーションソフトもエラー激発、使用不能。
最期はOS、ハードディスクも不具合が出て、キーボード、タッチパネルも誤作動、
基盤を交換することも出来ない状態。
・・・パソコンなら買い換えてバージョンアップするけど。
(車なら10万キロ以上走ったらオーバーホールか、燃費の良い新車購入)
・・・読んでいて、様々な思いが交錯した。
心を乱さず、客観的な判断力で、ひとつずつ処理していきたい。(無理)
【おおよその段取】の①~⑥までは、悪戦苦闘、藪漕ぎ状態。
(本人の思いはともかく)⑦になったら、やっと一息つけるかも。(その時は、家族の体力、精神力、経済力も低下して疲労困憊している)
【ネット上の紹介】
七転八倒介護ノンフィクション ハラハラして、ためになる介護ノンフィクション。認知症初期の母親と、その息子が直面した1000日におよぶ介護の現場を、リアルに、そしてどこか滑稽に描き出す。母の様子がおかしいと気づいてから、身の回りの世話をし始めるものの、長年のコミュニケーション不足がたたり、口論も絶えず、次々に起こる現実的な困難に対処できない。孤立していく親を、自分だけでなく妻や近所の人を巻き込みながらケアしていくなかで、漠然としていた親との関係を深く考えることになる。【編集者からのおすすめ情報】 読み物として面白いことはもちろん、実用的な情報も充実しています。
TCネットからメールをいただいた。
次のとおり。
(1)一の壁エリア 再生(リボルト)の実施について
先日の大雨で延期となった帝釈・一の壁エリアの再生ですが、以下の日程で実施することが決まりました。
作業実施日は、一の壁エリアのすべてのルートでクライミングが不可となります(翌9月30日から可)。
クライマーの皆様には活動趣旨をご理解いただき、ご協力のほどお願い申し上げます。
【日 時】 平成25年9月28日(土)~29日(日)(天候により変更有)
【内 容】 各ルートの終了点および中間支点の再生(リボルト)
【主 催】 TCNet
【協 力】 JFA
(2)備中の岩場、豪雨災害によるアプローチについて
先月から今月初旬の大雨で、備中の岩場の複数のエリアで道路やアプローチ道の寸断、土石流によるルンゼの崩壊等が起きました。
降り始めから9/4日正午までの総雨量は高梁市で282ミリ、用瀬や権現、長屋坂などのアプローチで道路が寸断されています
「夏のバスプール」畑野智美
畑野智美さんの青春小説。
夏休み直前、高校1年の涼太の生活を学校と家庭、両面から描いている。
脇役も丁寧に描かれている。
高校時代って、大人になりきれず、中途半端なイタい時代である。
でも負の要因もきちんと描きながら、甘酸っぱい年頃を表現している。
私は、たとえタイムマシンがあっても、高校生に戻りたいと思わない。
でも、第三者として読む分には、本作品の登場人物たちが羨ましく感じられる。
それにしても、もっと話題になって評価されても良い作品と思う。
私のようなオヤジが読んでも面白いのだから、
現役の高校生が読んだら、もっと面白く感じるでしょうね。
【参考リンク】
夏のバスプール
ROCK & SNOW 061 秋号 2013
#61号が送られてきた。
チェックポイントを書いておく。
P78
『Era Bella? それともEra Vella?ルート名の謎』 by羽鎌田学
Era Bella(9a)と言えば、2012年、正田マンがRPしたスペイン・マルガレフのルート。
ルート名の謎に迫るコラム。
P79に山田君が撮影した写真も掲載されている。
この写真はロクスノ#59のP40の写真と同じ。(クライマーは正田マン)
なお先日、山田君はスペインに出発した。
2012年のツアーでは、山田君はサンタリーニャのLa Fabela pa la Enmienda(9a)をRPした。
今年は、あの「チラムバラム」9bをトライするらしい。(→山田航 )
【追記】・・・トライ結果
→08 | 11月 | 2013 | ナカガイクライミングジム スタッフブログ
【参考】
「チラムバラム」はスペイン南部マラガに近いビジャヌエバ・デル・ロサリオにある。
次に詳しい記事が掲載されている。
→ロクスノ#52、P11、60-61
→ロクスノ#57、P14-15に拡大写真あり
P88-89
『結び替え、回収の仕方』 by菊地敏之
日本の岩場の終了点は、比較的整備されていて、カラビナ残置されていることが多い。
しかし、海外の岩場となると、結び替えを必要としたりする。
終了点の処理は、とても重要。
なぜなら、ルートの中で一番高い場所にあって、その箇所を頼りに地上まで降りるから。
失敗するとグランドである。
ここに書かれていることは、実践的且つ基本事項。
最低限の常識は理解しておく必要がある。
(ここに書かれている事だけで対応できない場合もある・・・実践を積み重ねて、臨機応変に対処するしかない)
柔軟な考え方で基本となる理屈を知っていれば対処出来るはず。
P94-95
『ナンガ・パルバットのテロリスト』 by池田常道
ナンガ・パルバットのベースキャンプがテロリストに襲われた。
外国人登山者10人と現地スタッフ1人が射殺された。
その状況を詳しく報告してくれている。
海外に行く登山家、クライマーは、社会情勢と無縁、と言う訳にいかない。
P97-101
『ギリシャ・カリムノス島』
以前、このブログでも飯田さんのレポートを掲載して紹介した。
1800本のルートがあるという。
いつか私も訪問してみたい。
「楽園」でしょうね。
【寄稿文】カリムノス(ギリシャ) クライミング日記『前編』
【寄稿文】カリムノス(ギリシャ) クライミング日記『後編』
ところで、ロクスノは1年に4冊送られてくる。
6の付く日に発売される。
私は知らなかったが、ロックとロクのシャレらしい。
【ネット上の紹介】
特集:ROCK DIVAS 注目の女性クライマー
活躍中の女性クライマーを取り上げて一挙に公開。
メイアン・スミス=ゴバド、セシル・アベズゥ、アンナ・シュテール、リブ・サンゾ、
遠藤由加、鈴木ひろみ、平塚伸世、八木名恵、三上智子、戸田萌希、田嶋あいか、江口かおり、他。
シューズテスト2013: 各社から発売された2003年度のニューモデルを20足、試履レポート。
インタビュー: コンペティターからビッグウォールクライマーへ変身を遂げたデイビッド・ラマを紹介。
レポート: 平山ユージが、世界のクライマーたちとともにレユニオン島でマルチピッチルートを開拓。
レポート: 2012W-CUPチャンピオン安間佐千による、国内難ルートの攻略記録。
レポート:山野井泰史がアンデスのワイワッシュ山群で二つの新ルートを開拓。会心の登攀記録を公表する。
ガイド:エーゲ海に浮かぶクライミング天国、カリムノス島。初級者から上級者の課題まで詳細にガイド。
用具企画: クライミングホールド Part2
石垣島出身デュオ・やなわらばーによるカバー集。
9/3火曜日に購入して、毎日聴いている。
3曲目~5曲目、「ワダツミの木」「 雪の華」 「M」の3連発が強烈。
特に、「ワダツミの木」はオリジナル(元ちとせ)よりスローテンポで唄っていて、凄味さえ感じる。
石垣優と東里梨生のハモりの箇所は秀逸。
6:01 www.youtube.comやなわらばー「涙唄」ダイジェスト映像
1.人魚
2.みんな空の下
3.ワダツミの木
4.雪の華
5.M
6.部屋とYシャツと私
7.木蘭の涙
8.やさしいキスをして
9.蕾
10.たしかなこと
「海の見える街」畑野智美
先日、「南部芸能事務所」を読んだ。
とても良かった。
次に選んだのが本作。
これも当たり、おもしろかった。
海辺の地方都市が舞台。
図書館、児童館に勤める4人が主要人物。
短編が4編収録されていて、語り手が変わっていく。
「マメルリハ」
「ハナビ」
「金魚すくい」
「肉食うさぎ」
これがそれぞれ短編のタイトルだけど、
同時に、語り手が飼っているペットを表している。
この人物がこんなペットを飼っているのか、と。
仕事、生活、家族、友人関係を丁寧に描いている。
物語の進行に従い、4人の結びつき、距離も変化していく。
このあたり、絶妙。
この作家さん、ホント上手い。
とりあえず全作品を読んでみるつもり。
国道沿いのファミレス 2011
夏のバスプール 2012
海の見える街 2012
南部芸能事務所 2013
PS
このエンディング、少しひっかかった。
でも、「すばらしい」と感激する方が大多数か?
【蛇足】
もし、欠点をあげるとすると、タイトルが平凡なこと。
もう少しひねってもいいかも。(よけいなお世話)
【参考図書】
「南部芸能事務所」畑野智美
【ネット上の紹介】
この街でなら、明日が変わる。海が見える市立図書館で働く20、30代の4人の男女を、誰も書けない筆致で紡ぐ傑作連作中編集。