【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

「あれよ星屑」(5)山田参助

2016年08月30日 20時38分11秒 | 読書(マンガ/アニメ)


「あれよ星屑」(5)山田参助

シリーズ5巻目。
さっそく入手した。

回想シーン…焼夷弾の中を逃げ回る

「空襲の時、あそこで、人が焼けて死んだんだよ」
「人間の油が染みついて、消えないんだって…」

リアルな絵もポップな絵も描けて、同じ頁にあっても違和感がない

MPも登場


相当な資料を駆使して描かれている。
いったい何処に向かっているのか…。
乗客(読者)は、船長(著者)に委ねるのみ。

【ネット上の紹介】
ひょんなことから「ハダカショウ」の手伝いをすることになった徳太郎と門松。アプレ娘の踊り子・カンナに翻弄されるふたりは……。また、巷では進駐軍が警察の拳銃を奪う事件が多発し……。戦後の光と闇が交差する、第5巻。


「愛憎の王冠」フィリッパ・グレゴリー

2016年08月28日 19時05分53秒 | 読書(小説/海外)


「愛憎の王冠」フィリッパ・グレゴリー

先月読んだ「ブーリン家の姉妹」の続き。
エドワード6世~メアリー、エリザベスの時代を描いている。
女王に道化として仕えたハンナの目を通して語られる。
「ブーリン家の姉妹」より、こちらの方が面白く感じた。

P45
「もし彼がエリザベスから王位継承権を取りあげれば、つぎはフランスの王子と結婚したスコットランドのメアリーだ。スペイン王のフェリペにとってみればイングランドの王位をフランス王の息子に奪われるぐらいなら、悪魔の化身にくれやったほうがましだ。そうは思わないか?」


メアリー(左)とエリザベス 

メアリーはカトリック、エリザベスはプロテスタント。
そして、ユダヤ人のハンナが語る。
日本人には分かりにくい、微妙な問題。
外国作品を読むときのハードルのひとつ。
それでも、何かを感じたくて読んだ。

【覚書】
ヘンリー八世は6人の妃をもった。
キャサリン・オブ・アガゴン→アン・ブーリン→ジェーン・シーモア→
アン・オブ・クレーヴ→キャサリン・ハワード→キャサリン・パー
最後のキャサリンがエドワード6世と一緒に、エリザベスにも教育をほどこした。
陰の功労者、偉大な王妃と言える。

【ネット上の紹介】
6人もの妻を娶ったイングランド国王ヘンリー8世亡き後、王位を継いだエドワード6世が病弱だったゆえ、水面下では継承者争いが勃発。最初の王妃の娘メアリーと、二番目の王妃で悪名高きアン・ブーリンの娘エリザベスを中心とした醜い争いに、ダドリーをはじめとする貴族らが激しく絡む。女王に道化として仕えたハンナの目を通して語られる裏切りと愛憎の英国版“大奥”の物語、決定版。 


キウイ

2016年08月26日 20時09分14秒 | 身辺雑記

年齢と共に夏がしんどくなってきた。
暑さで弱り、食欲わかず、熟睡出来ず、また疲労が溜まり、と悪循環。
今年は、疲労対策にキウイを積極的に食べている。
少しは効果がある…ような気がする。
(食事前に食べるとより効果的らしい)

【参考リンク】
キウイ 疲労回復情報 疲れがたまっていないですか?

キウイの豊富な栄養素 - 小さな果実に栄養ギッシリ!


「いしぶみ 広島二中一年生全滅の記録」広島テレビ放送/編

2016年08月24日 21時13分13秒 | 読書(昭和史/平成史)


「いしぶみ 広島二中一年生全滅の記録」広島テレビ放送/編

8月6日、原爆で亡くなった広島二中一年生、全滅の記録。

P35-38
広島二中一年生の作業というのは、家をこわしたあとのかたづけでした。
(中略)
広島二中の一年生は、新大橋――いまはかけかえられて、西平和大橋と名もかわった――の東づめから、一学級、二学級の順で六学級まで、二列横隊でならびました。
 本川を背にして東に向かい、ちょうど、広島市に侵入してくるB29爆撃機エノラ・ゲイ号と、真正面から向きあう位置にあったのです。

P174
死に場所がわかった生徒もいますが、広島二中一年生の三百二十一人の半分ちかくは、遺体を見つけることができませんでした。
 つまり、ゆくえ不明なのです。

P190
本川土手に整列した広島二中一年生、三百二十一人と四人の先生は、こうしてひとり残らず全滅しました。

広島に行かれることがありましたら、平和公園の本川土手に、広島二中の碑があるのをたずねてください。
(中略)
烈し日の真上にありて八月は
  腹の底より泣き叫びたき
(山下明治くんのお母さんの歌)

【参考】…西平和大橋について
1988年の平和公園周辺[1]。右下の橋が平和大橋でその道なり左が西平和大橋。
右下の橋が平和大橋でその道なり左が西平和大橋。
アクションコミックス<br> 夕凪の街 桜の国 
「夕凪の街」P22、川一面の死体が幻視される橋 。
P100【解説】によると、「本当はもっと大きな橋です」とある。
もし、「夕凪の街」未読の方がいるなら、強くお薦めする。
わずか35頁の作品だが、激しく心を動かされる。

[目次]
その日の朝
河本くんの日記から
本川土手の集合
爆発の瞬間
川の中で
脱出から再会へ
郊外へ
その夜
お寺の救護所で
寄宿舎から平良村へ
寝られぬ両親
あくる朝
非難する途中で
ゆくえのわからない生徒たち
そして全滅した
[出版社商品紹介]
8月6日、いつもの朝だったはずなのに…。原爆で未来を断たれた広島二中の生徒の壮絶な記録。原爆の悲劇を二度とくりかえさないために。


「新怖い絵」中野京子

2016年08月22日 21時22分50秒 | 読書(エッセイ&コラム)


「新怖い絵」中野京子

このシリーズはオワリ、と思っていた。
新刊が出て、喜んでいる。

ルイ15世の寵姫ジャンヌの話
P39
 カトリックは離婚が許されない。ジャンヌはデティオール夫人のままヴェルサイユへ入り、寵姫となった。寵姫とは、数多の王の愛妾との熾烈な闘いで唯1人選ばれる、いわば役職名だ。給料も年金ももらい、宮廷の華やかな面を代表する存在であり、王妃をも凌ぐ権力者だ。
外国の大使やさまざまな陳情者は、王妃の部屋を通りこして彼女のもとへ贈り物を携えて表敬訪問する。

P96
そもそもゴシックという言葉はゴート人(ゲルマン系部族)からきたもので、ゴート人的な様式、即ち、古代ギリシャ・ローマの高尚な古典文化を引き継いだ(と自任する)イタリアから見て野蛮で悪趣味なスタイル、というニュアンスがあった。ゴシックの特徴は建築に顕著に見られ、雲突くばかりに聳える尖塔、鋭く尖ったアーチ、縦長の広い窓がそれだ(ケルン大聖堂など)。

P149
「ギリシャの愛」とは、つまるところ「少年愛」であり、それは選ばれた者だけに許され、奴隷には禁止された。神話画の中で恋の神エロス(=クピド、アモル、キューピッド)が最初、美少年の姿をとっていたのはそのためだ。時代が下るにつれ幼児になっていったことに、社会的抑止力がうかがえる。


P29
ミレーと同時代の人の中には、この絵を「怖い」と思う人々がいた。本気で怖がり、それゆえに忌み嫌う人々が……。
「共産党宣言」は、この絵の9年前に刊行され、次第に広く影響を与えつつあった。
詩人・ボードレールのミレー嫌いは徹底していたそうだ。


『聖ヨハネの斬首』(1608年)
マルタ島の聖ヨハネ大聖堂の祭壇画として飾られているそうだ。
いつかマルタ島に行ったら、見てみたい。

【ネット上の紹介】
絵の背景にある歴史の闇や人間の暗部に注目し『名画に描かれた「怖さ」を読み解く』という新たな絵画の楽しみ方を提唱し大ヒットした、「怖い絵」シリーズの待望の新刊が満を持して登場!今回取り上げるのは、シャガール、ミレー、モネ、ゴヤ、カラヴァッジョといった有名どころからゲイシー、ブグローなどマニア向けまで多種多彩。中野節炸裂、絵画ファンから歴史ファンまで大満足の解説書。

[目次]

フリーダ・カーロ『折れた背骨』
ミレー『落穂拾い』
フラゴナール『ぶらんこ』
バルデス=レアル『世の栄光の終わり』
ジロデ『眠るエンデュミオン』
シャガール『ヴァイオリン弾き』
ブグロー『ダンテとウェルギリウス』
ドレ『ジュデッカ/ルシファー(『神曲』地獄篇“第34歌”)』
フリードリヒ『ブナの森の修道院』
ドローネー『ローマのペスト』
ゲイシー『自画像』
ティツィアーノ『パウルス三世と孫たち』
ミレイ『オフィーリア』
ダヴィッド『テルモピュライのレオニダス』
レーピン『思いがけなく』
モネ『死の床のカミーユ』


「なでしこ日和 着物始末暦」(7)中島要

2016年08月19日 21時16分02秒 | 読書(歴史/時代)


「なでしこ日和 着物始末暦」(7)中島要

シリーズ7作目。
エンディングが見えてきたが、まだまだ楽しめる。

P249
「おみつ、食わず嫌いはよくないわよ。馬には乗ってみよ人には添うてみよというでしょう」

P252
 あたしはお嬢さんが一番大事だけど、お嬢さんにとっての一番はあたしじゃない。
 わかっていたはずなのに、他人から言われると胸が痛む。おみつは自分の目の前が本当に暗くなった気がした。

P272
 おみつは改めて支子色(くちなしいろ)の風呂敷に目を落とし、ややして三つの宝珠の意味に気付く。
 糸で刺繍された三つの宝珠――これはお糸とおみつとお玉を表しているに違いない。

今回は、おみつの描写に心が配られているように感じた。
ところで、お糸とお玉は、直接会っていない。
最後まで会うことはないのだろうか?(私の思い違いご指摘下さい)

【おまけ】
今回はエピソードが重ねて語られた。
著者がわざとそう描いたんだろうけど、少し気になった。
「あれっ、先ほどと同じシーンと語りが!」、と。
P110
「六さんはやっぱり、余一さんの生まれのことを」
P159
「六さんはやっぱり、余一さんの生まれのことを」


「あきない世傳金と銀」(2)高田郁

2016年08月17日 20時55分12秒 | 読書(歴史/時代)


「あきない世傳金と銀」(2)高田郁

シリーズ2作目。
14歳から17歳にかけてのヒロインの成長が描かれる。
今後の展開のための、重要な1冊。

P20
「お家さんもようご存知の通り、古うから『婿は大名から貰え、嫁は灰小屋から貰え』いう諺もおます」
 裕福な家付き娘にとって、婿取りは家の格を上げるためのもの。婿は飾り物で良い代わりに、大名並みの家から迎える必要がある。だが、嫁はそうではない。

P166
 近江商人の信条である「三方よし」は、「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」の商法として知られる。

P171
 鬱という文字には「物事が盛ん」という意味があり、それが金と結びついた「鬱金」は、非常に縁起の良い染め色として好まれた。さらに豪奢な紅色が合わさって、元禄の頃、紅鬱金は大変な人気だった、とのこと。

【おまけ】
これでやっと、ヒロインが活躍できる準備が整った。
準備に2冊を費やした、と言える。
それくらい身分と女性の壁が大きいのでしょうね。
著者の苦心により、壁が低くなった。
それでも普通ありえない運の良さ、なのかもしれない。

【ネット上の紹介】
学者の娘として生まれ、今は大坂天満の呉服商「五鈴屋」に女衆として奉公する主人公・幸。十四歳の幸に、店主徳兵衛の後添いに、との話が持ち上がった。店主は放蕩三昧で、五鈴屋は危機に瀕している。番頭の治兵衛は幸に逃げ道を教える一方で、「幸は運命に翻弄される弱い女子とは違う。どないな運命でも切り拓いて勝ち進んでいく女子だす」と伝える。果たして、「鍋の底を磨き続ける女衆」として生きるのか、それとも「五鈴屋のご寮さん」となるのか。あきない戦国時代とも呼べる厳しい時代に、幸はどのような道を選ぶのか。話題沸騰のシリーズ第二弾! 


「天下一の軽口男」木下昌輝

2016年08月16日 20時36分05秒 | 読書(歴史/時代)

天下一の軽口男 
「天下一の軽口男」木下昌輝

木下昌輝さんの新刊。
前作は、「宇喜多の捨て嫁」。
今回はがらっと趣向が変わった。
上方落語の始祖にして、日本初のお笑い芸人を取りあげている。
大阪、江戸、再び大阪と舞台を移動しながら、物語が展開する。 
私は、前作よりこちらの方が面白く感じた。 

P83
振り下ろされる太刀を恐れず、一気に間合いを詰める。
覆面の男が両腕が、途中で制止した。刺客の両肘を、策伝の手が握っていたのだ。
呻き声が策伝の耳朶を撫でる。
相手に掴まれた手を振りほどく“手ほどき”が日ノ本のあらゆる武道の基本ならば、手を振りほどかれぬことは、武道の奥義に相当する。

P248
「奴の芸は、座敷を目指して鍛えられたもんや。つまり、長尻の客相手の咄や。確かに、おもろい。それは悔しいけど認める。けど考えてみい、生玉さんの小屋は、すぐ隣で芸人がおもろいことをしてるねんぞ。座敷でやるような、じっくりした芸をしてたら、隣に客を取られてしまうがな」

【疑問】
綱吉の時代が背景。
でも、お庭番が出てくる。
お庭番は吉宗の時代から始まった。
時代が合わない・・・何か私の知らない理由があるのかもしれない。

【ネット上の紹介】
時は江戸時代中期。大坂の生國魂神社の境内には、芝居小屋や見世物小屋が軒を連ね、多種多様な芸能が行われていた。笑話の道を志した米沢彦八は、役者の身振りや声色を真似る「仕方物真似」、滑稽話の「軽口噺」などが評判となり、天下一の笑話の名人と呼ばれ、笑いを大衆のものとした。彦八は何故、笑いを志し、極めようとしたのか?そこには幼き頃から心に秘めた、ある少女への思いがあった―。


竜王山にクマ

2016年08月16日 20時34分53秒 | 登山&アウトドア(関西)

書き忘れたので追加しておく。
竜王山に登っていて、声をかけられた。
池宝寺の関係者の方、と思われる。
「竜王山の近くで熊の目撃情報があった」、と。
こんなところまでクマがやって来たのか、と驚いた。
ラジオなどをかけて、大勢の人間がいる、と思わせるのが有効らしい。
鈴の音だと、逆にやってくる、とか。


竜王山

2016年08月14日 20時23分21秒 | 登山&アウトドア(関西)

久しぶりに竜王山に登った。
8月に登るのは大変…汗だくです。

忍頂寺にある登山口

登山道

山頂のやぐら


「外道クライマー」宮城公博

2016年08月13日 20時32分43秒 | 読書(山関係)


「外道クライマー」宮城公博

沢をやる人は無謀な方が多い。
そういう印象を持っている。
沢の方が岩よりも、不確定要素が多いからかもしれない。
「無謀」という表現が悪ければ、冒険心に富んだ、と言い換えてもいい。
無謀と冒険は紙一重だから。
何%の確率で生還できたら冒険なのだろう?
その方の体力、技術力、精神力で変わってくる。
同じことをしても、個々人によって差がでる。
運も左右する。

パソコン、衛星電話、GPSの利用。
外部の気象専門家とのやりとり。
これらをどれだけ利用し、あるいは排除するのか?
現代において、冒険は条件をつけないと成立しにくい。
ある程度、こだわりが必要ということだ。
いくつか文章を紹介する。

私が笑った箇所、那智の滝を登って捕まって取り調べを受ける…P21
取り調べが終わると、指紋を採取される。大西はクライミングのしすぎで指がまっすぐに伸びないので、指紋採取で警官に無理やり手を押さえれて指を伸ばされると、
「いてっ、痛い、痛いって」
 と、悶絶していた。
(う~ん…これは痛い、当局による拷問だ!byたきやん)

P80-81
 意外に思うかもしれないが、沢登りでは脱水症状に陥りやすい。水に濡れて身体が冷えるので、水分摂取がおろそかになりがちなのだ。脱水症になると身体は水分を蓄える方向に働き、むくみはじめる。むくむと身体のキレが悪くなるし、その状態が続くと身体の不調に繋がることは明白だ。だから水分を意識的に多く取るのだが、どうしても夜に集中するので、夜中に起きて小便に行きたくなる。夜中に起きると寝不足に繋がってまたむくむという、なかなか断ち切れない悪循環に陥るのだ。私たちはこれを「小便地獄」と名付けた。

著者の感情が素直に表現されている。
自分の負の感情も、かっこ悪いところもさらけ出している。
なかなか出来ない事だ。
臨場感が伝わってくる文章だ。

さて、タイトルで「外道」と称している。
でも、私が本作を読んで感じた限りでは、
著者はクライミングの本質を突いた行動をしている、と思う。
世間がズレてしまっているのかもしれない。

【おまけ】
誤解を避けるために明記しておくが、私は神域を侵したり、法を守らなくてよい、と言ってる訳じゃない、心の持ちようの話である。

【誤植】
校正ミスを見つけた。
P131
(誤)いや、仕事を止める覚悟だと?
 ↓
(正)いや、仕事を辞める覚悟だと?

【目次】
逮捕!日本一の直瀑・那智の滝
タイのジャングル四六日間の沢登り
日本最後の地理的空白部と現代の冒険
台湾最強の渓谷チャーカンシー
二つの日本一への挑戦
沢ヤの祭典ゴルジュ感謝祭

【ネット上の紹介】
「最も野蛮で原始的な登山」と呼ばれる沢登り。那智の滝登攀による逮捕をきっかけに、日本や台湾、タイの未知の渓谷に挑む筆者と沢ヤたち。地球上に残された最後の秘境、ゴルジュに挑む壮絶なる冒険記。  

【著者略歴】
1983年愛知県春日井市生まれ。凸版印刷、福祉施設職員を経て、現在はライター、登山ガイド、NPO富士山測候所職員。ヒマラヤ、カラコルムでのアルパインクライミングから南国のジャングルでの沢登りにいたるまで初挑戦にこだわり続け、国内外で数々の初登攀記録をもっている。2009年、ヒマラヤ・キャジョリ峰北西壁への単独初挑戦。12年、那智の滝での逮捕によって七年間勤めた福祉施設を辞める。13年、立山称名滝冬期初登攀、台湾チャーカンシー初遡行、カラコルムK6西峰北西壁挑戦(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


「鏡の欠片~御広敷用人大奥記録」上田秀人

2016年08月11日 21時03分21秒 | 読書(歴史/時代)


「鏡の欠片~御広敷用人大奥記録」上田秀人

シリーズ4作目。

P163-164
 一定の強さをこえると自己の鍛錬だけでは伸びにくくなる。これはあるていど己なりの型を身につけた証明ではあるが、同時に悪いところを見つけにくくなる。人は誰でも同じだが、どうしても己に甘い。己のやっていることにまちがいはないと思いこんでしまう。だが、思いこまなければ、修行などできなかった。一挙動ごとに、ああでもない、こうでもない、次はこうしてみよう、今度はこうしてみようと、試行錯誤ばかりでは、筋が一定しなくなる。筋が安定しないと剣を振る、腰を動かすなどの身体が安定せず、上達しないのだ。

【ネット上の紹介】
竹姫付きの御広敷用人となった水城聡四郎は、八代将軍吉宗の命で購った鏡を竹姫の元へ届ける。しかし、そこには思わぬ刺客が待っていた。一方、大奥の中では、吉宗の寵愛を受けるまだ幼き竹姫に対して執拗な嫌がらせが始まった。そして、聡四郎に伸びる最強の刺客の魔手。聡四郎、危し!城の内外を舞台に壮大な物語が広がる大人気シリーズ、意外な展開の第四弾登場。 


健康寿命

2016年08月09日 21時12分51秒 | 身辺雑記

厚労省のサイトを見ると、平均寿命が載っている。
男性は80歳、女性は87歳。
平均でも、これだけ生きるのか、と。
元気な方は、もっと生きることになる。
さらに、健康寿命を見ると、男性72歳、女性78歳。

クライマーは、単に健康なだけではいけない。
若者クラスのパワー、体力、柔軟性が必要。
いったい、何歳まで「維持」出来るのだろう?

 
【参考リンク】
 1. 後期高齢者医療制度について


「小袖の陰~御広敷用人大奥記録」上田秀人

2016年08月06日 21時29分27秒 | 読書(歴史/時代)


「小袖の陰~御広敷用人大奥記録」上田秀人

シリーズ3作目。

P150-151
「御広敷用人水城聡四郎、お目通りを願っておりまする」
 吉宗の応答を受けて、加納近江守が告げた。
「聡四郎がか、許す」
「これに控えておりまする」
 一間離れただけで、吉宗の目にも当然聡四郎は映っている。だが、このくだりは前提としておこなわなければならなかった。
「近くにこい」
 手招きを吉宗がした。
「ごめんを」
 一度平伏してから、聡四郎は膝でするようにして腰を二度ほど振った。
「近う」
 もう一度吉宗が呼んだ。
「はっ」
聡四郎が動かず、同じ形をした。
「参れ」
 三度言われて、ようやく聡四郎は上段の間と下段の間の境に進んだ。この無駄なやりとりには、ご威光に圧され、近づけませんという臣下の恐縮が含まれており、貴人の前ではかならずこうしないとならなかた。

【ネット上の紹介】
将軍・吉宗による登用で御広敷用人となった水城聡四郎。しかし、具体的な担当はなく無任所のままだった。そこへ吉宗から直々の命が下り、竹姫付きとなる。竹姫には京都から新たなお付きの女中がくるが、その女中が大奥の火種となる―。一方、伊賀者を敵に回した聡四郎を新たな刺客がつけ狙う。聡四郎に最大の危機が。


「化粧の裏~御広敷用人大奥記録」上田秀人

2016年08月05日 21時16分00秒 | 読書(歴史/時代)


「化粧の裏~御広敷用人大奥記録」上田秀人

シリーズ2作目。
天英院と月光院の対立、さらに、吉宗と大奥との対立が描かれる。

P41
 夫家宣を失った天英院、吾が子家継を亡くした月光院、二人とも、権力の後ろ盾をなくしたのだ。いわば、同格となった天英院と月光院の争いは熾烈を極めた。その争いの種となったのが、八代将軍の選定で会った。

【ネット上の紹介】
八代将軍となった徳川吉宗の登用で御広敷用人となった水城聡四郎。将軍の命を受け、幼くして大奥にいる竹姫の事情を調べるため京へ来ていた。しかし、その背後には伊賀者の影が。はたして聡四郎は無事に江戸へ戻れるのか。そして、二度も許婚を輿入れ前に亡くした竹姫に隠された驚愕の真相とは―。一放流の達人、聡四郎が大奥の闇を斬り裂く痛快シリーズ第二弾。