「名画で読み解くプロイセン王家12の物語」中野京子
P44
(フリードリッヒ)大王は父フリードリッヒ・ヴィルヘルム一世よりもっとオープンで、入植を希望するならどんな異教徒でもかまわない、モスクを建ててもいい、宗教より実直な人間性のほうが重要だ、と言い切り、移民・難民受け入れをさらに拡大してプロイセンを大躍進させることになる(現代ドイツが移民に寛容な背景にはこうした歴史がある)
P55
18世紀ヨーロッパは、絶対君主が啓蒙思想を身にまとおうとした時代だ。
P98
とかく隣国同士は仲が悪い。冗談まじりとはいえ、フランスは「ヒトラーのせいでひどい目にあわされた」とドイツを非難し、ドイツはフランスに「ナポレオンはもっとひどかった」と言い返す。(隣国同士は仲が悪い、ってのは、アジアでも同様)
P162・・・岩倉具視使節団について
一君主にすぎなかったプロイセンが短期間に、それもほぼビスマルク一人の剛腕によって統一帝国にのし上がったという事実は、使節たちを興奮させずにおかなかった。ビスマルクも遠いアジアからの若い訪問者たちにアドバイスして曰く、列強の植民地にならぬためには、富国強兵に励み、独立を守らねばならない。
【参考リンク】
「名画で読み解くブルボン王朝12の物語」中野京子
「名画で読み解くイギリス王家12の物語」中野京子
「名画で読み解くロマノフ家12の物語 」中野京子 -
【ネット上の紹介】
長い群雄割拠時代を経て、十九世紀、プロイセンのホーエンツォレルン家はついにドイツを一つにまとめ、帝国を形成してヨーロッパ最強国の一角に食い込んだ。フリードリヒ大王とビスマルク―二人の傑物がいなければ、この偉業は成しえなかったろう。激動の二百十七年の光と闇、運、不運、そして熱い人間ドラマを、色彩豊かな名画とともに読み解いてゆく。オールカラー版、中野京子の人気シリーズ、第五弾!
フリードリヒ・ヴィルヘルム・ヴァイデマン『フリードリヒ一世』
ザムエル・ゲーリケ『少年時代のフリードリヒ・ヴィルヘルム一世』
アントン・グラフ『フリードリヒ大王』
アドルフ・フォン・メンツェル『サンスーシ宮殿の食卓』
アントン・グラフ『フリードリヒ・ヴィルヘルム二世』
F・G・ヴァイチュ『シャルロッテンブルク宮殿庭園のフリードリヒ・ヴィルヘルム三世と王妃ルイーゼ』
エドゥアルト・ゲルトナー『ブライテン通りのバリケード』
カール・シュテフェク『散歩中のルイーゼ妃と二人の息子』
フランツ・フォン・レンバッハ『ビスマルク』
アントン・フォン・ヴェルナー『ドイツ皇帝即位式』
マックス・コーナー『ヴィルヘルム二世』
ジョン・シンガー・サージェント『ガス』
(全70話、1話47分)
以下、前回アップした内容を元に、追加して書く。
ヒロインを演じたウー・ジンイェンは、ニコリともせずクールに演じる。
*以下、ネタバレもあるので、未視聴の方ご注意。
【気になるセリフとシーン】
#8 高貴妃:「あんな不遜な奴稗は初めてよ」
#15「執念深いばかりか なんと命知らずな」
#23「恨みは結ばず解くもの」
#27この回で、裕太妃を追い詰める・・・雷神を操り天罰を下すが、この回だけ神がかっていて少し不自然。
#34「(富察)皇后は主よ 恩師であり姉なの」
#41書かれている訳ではないが、ここから第2部の始まり
舞台は円明園からだが、明玉のため、紫禁城に戻ろうとする
「軽挙は慎み 一撃でしとめねば」
#46「連環計を使うのですか」
以下、Wikipediaより*「連環計」=中国の兵法書に挙げられる兵法の一つで、複数の計で大きな効果を狙ったり、複数の勢力を連立させる等して敵内部に弱点や争点をつくりだし足の引っ張り合いをさせる兵法である。
#49「離縁事由”七法”のうち姦淫 多言 嫉妬を犯したのだ」
以下、Wikipediaより、七法とは・・・
- 舅に従わない(義父母に従わない、家訓に背く)
- 無子(子供ができない。ただし、妾に子供がある場合はその限りでない。また子がなくても良妻であり義父母に気に入られ、良く仕えているならその限りではないともされている)
- 淫乱(浮気、姦通など)
- 嫉妬(家族を恨み、怒る場合)
- 悪疾(家族に伝染するような疾患に罹患した場合。病気がちなのは理由とはならない)
- 多言(男のようによく喋り、家の方針についてあれこれ口を挟む)
- 窃盗(家の財産の使い込み、勝手な金銭の使用や持ち出し)
また、親友・明玉を傷つけられ、ソッコー舒嬪に仕返し、強烈ビンタを見舞うシーンがあるが、こういうところが女性に受けたのではないでしょうか。
第三部ともいうべき、嫻皇后との争いも始まる
#68「人は足るを知らざるを苦しむ 既に隴を平らげて復た蜀を望む」(欲望にはきりがない、と)
【感想】
ヒロインの積極的な性格と行動力、富察皇后との師弟愛、明玉との友情・・・これが、支持された大きな要因と思う。
また、後宮を舞台にした作品は多数あるが、本作品は、美女率が極めて高い。
特に、富察皇后様は性格も外見も素晴らしい。抜群の美しさだ。
物語の進行につれ、登場人物たちの性格や振る舞いが変わっていくが、富察皇后様は、最初から最後まで善良だ。
【備考】1
中国ドラマ「如懿伝〜紫禁城に散る宿命の王妃〜」と表裏一体。
なぜなら、同じ2018年放映作品で、乾隆帝の時代を扱っているから。
共通する登場人物多数でありながら、描かれ方が正反対。
ほぼ同時期に配信されたそうだけど、視聴者も困ったかも。
いったいどちらの味方をして観たらいいの?、と。
でも、断然面白いのは「「瓔珞<エイラク>」だ。
【備考】2
音声を聞いていると、「魏瓔珞」が、、ウェ・インロー・クーニャンと呼びかけられている。「明玉」は、ミン・ユゥ・クーニャン、と聞こえる。(間違っていたらご容赦)
【備考】3
本作と「宮廷の諍い女」を元に階級を記す。
*瓔珞は次のように駆け上っていく。
奴稗→いきなり貴人→嬪→妃→貴妃→皇貴妃
「瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」ドラマ公式サイト
「私とクライミング 野口啓代自伝」野口啓代
小学校5年の時、家族旅行でグアムに行き、クライミングを体験。
その翌年3月、全日本ユースで優勝。
2005年第1回ボルダリングジャパンカップで優勝、リードでも優勝。
P56
本番に強い私のパワーは、単に普段は本気で登ることがなく、大会になると本気を出せるから登れるというだけのことだった。(中略)
当時の私は本番パワーに頼ることで、ほとんど練習をしなくなっていた。
それでも勝てる、ってどーいうこと?
2005年に転機が訪れる。
日本山岳協会から、ミュンヘンで開催される世界選手権(リード)に出るよう連絡を受ける。
P62
このとき、今まで感じたことのないプレッシャーが私に一気に襲いかかってきた。
(中略)
しっかり登らなければならない。私は初めて自分が代表選手だというプレッシャーを感じていたのだ。さらに受験明けということもあって、全然登っていないという焦りもあった。世界選手権出場の連絡を受けてから、私は初めて自主的にちゃんとトレーニングをするようになった。
P63
練習内容は、ウォームアップで1周100手あるところを往復200手登り、それから80手ほどの課題をいくつかこなすというようなものだった。
P74
当時、日本女子選手でワールドカップに出場していたのは小林由佳ちゃんだけだった。
この頃も私は彼女との大きな実力差を感じていた。その彼女ですら国際大会の表彰台に立ったことがなかった。
P76
とにかく、予選を通過して日本代表としてと恥ずかしくない登りをすることだけに集中していた。
P78・・・そして決勝にすすむ
「初参戦の私だけ残っちゃった。どうしよう。私なんかがここにいていいのかな」
P80・・・結果3位となる
日本チームの人もみんな驚いている様子だった。でも人見知りの私はそんな彼らと喜ぶとか、そういう感じにならなかった。それに、みんなよりも一番驚いているのは自分自身なのだ。
世界選手権での銅メダルは日本人のみならず、アジア人としても初めてだった。さらに日本人で史上最年少のメダル獲得でもあった。実感はほとんどなかったけれど、自分がとんでもないことをやってのけたことだけはわかった。(追記:当時の記事を読み返してみた。平山ユージ氏が声もかれるほど応援して後押ししていたのがわかる。また、インタビューも掲載されている・・・気になる方は、ロクスノ#29を見てみて)
その後、ボルダリングにも参戦する。
P89
この2007年にボルダリングに参戦するようになったのはたまたまだった。松島さんたちに連れて行ってもらえるからという理由で、出たことのないワールドカップに出てみただけ。決してボルダリングに自信があるから出ようとか、そういったものではない。それだけにソフィア大会の2位は、自分の中でも大きなインパクトがあった。
P89
私は自然とリードからボルダリング中心になり、ボルダリングで世界一を目指そうと思うようになっていった。
【感想】
想定以上の面白さだった。
21年間の闘いの記録がここにある。
心の揺れ、葛藤が率直に書かれている。
【参考リンク】
野口啓代、自伝を出しました!! - YouTube
【追記】
念のため書いておくと、本書はクライマー向け。
クライマーでない方が読んでも、面白さを感じない、と思う。
ルールや用語解説が省略されているので、文章を読んで「絵」を描けないから。
臨場感を感じることができないから。
【ネット上の紹介】
壁に挑み続けた21年、集大成の五輪へ。クライミング界の女王、初の自伝
プロローグ そして五輪へ―2019年8月、最後の世界選手権
第1章 1989~2005 クライミング人生のはじまり
第2章 2005~2007 「世界一になる」。そう誓った16歳の銅メダル
第3章 2007~2008 アンナとの出会い、プロとして生きる決意
第4章 2009 念願のワールドカップ年間総合優勝
第5章 2010 最高のライバルと競い、励まし、高め合った2連覇
第6章 2011~2014 勝ち続けることの難しさと、“Take it Easy”
第7章 2015 岩場の洗礼、初の大怪我…自分の弱さと向き合う
第8章 2016~2017 五輪種目決定と、日本クライミング新時代
第9章 2018~2019 涙の八王子、生萌との最も充実した年間争い
第10章 2020~2021 五輪延期、葛藤の1年。私は、やるしかない
「逃げるは恥だが役に立つ」(全11巻)海野つなみ
第1部=1巻~9巻
第2部=10巻~11巻
ドラマで有名らしいが、私は観ていない。
今回、その原作を読んでみた。
第2部から妊娠・出産を扱っていて、私の知らないことばかり。
とても勉強になった・・・新しい知識を得るのは嬉しいことだ。
0歳児の4月に復職しないと保育園に入れないんです
妊娠検診を受けるために会社を休む場合は通院休暇を申請できますからね
パパ休暇=出生後 8週間以内に育休を終了すると 2回目の育休が取れる父親の特例
陣痛タクシー呼んで下さい~~~~!(マタニティータクシーとも呼ばれ、講習を受けたドライバーが運転する・・・破水シートの用意があったり)
(介護タクシーはよく利用するが、陣痛タクシーは乗ったことがない・・・おそらく一生利用することはない、と思う 当たり前か?)
子育てはゴールを設定しちゃダメよ
「本日も晴天なり」梶よう子
お江戸家族小説、とあるので読んでみた。
大久保鉄砲百人組、礫一家の話。
泰平の世が続いて、鉄砲同心たちは鉄砲を実践で使うことがなくなった。
代わりに、つつじ栽培の内職をして生活している。
P10
「我らだけではない。根来組は提灯、青山百人町の甲賀衆は傘張りだ。御徒組も朝顔栽培で糊口をしのいでいる」
P270
「(前略)今なら御家人株の相場は二百両だ」
P273
信介が向かおうとしている先は寺が建ち並ぶところだ。こうした寺町の門前の通りには、少々いかがわしい店が並んでいる。(聖と俗は、昔からセットのようで、神社仏閣の近くには、その手の店がある)
【ネット上の紹介】
長く泰平の世が続き、代々大久保の地を守る鉄砲同心たちは火薬の材料を転用したつつじ栽培の内職に励み、時季には美しい花々を求めて多くの人が集まる江戸名所となっていた。礫家はつつじ作りの才を持つ丈一郎、頑固者の父・徳右衛門、温和な母・広江、勝気な妻・みどり、生真面目な息子・市松、物忘れが多くなってきた祖母・登代乃の六人暮らし。銃の代わりに大ばさみを握り、火薬の材料を肥料に花を咲かせる。大久保鉄砲百人組、礫一家が繰り広げる笑いと涙の春夏秋冬。温かなお江戸家族小説!
「神様の果物 江戸菓子舗照月堂」篠綾子
シリーズ最終巻、これで完結!
P212
最初の菓子が何かはご存じどすか――と、宝山から目を据えられ、なつめは「橘の実と聞いております」と答えた。
「そうどす。田道間守命さんが海の向こうから天子さまのために持ち帰った不老不死とされる非時香菓(ときじくのかくのこのみ)。これが橘の実で、日の本初の菓子とも言われています。(田道間守命が祀られているのが吉田神社・・・お菓子の神社と言われている)
P237
少彦名命(すくなひこのみこと)は大国主命の国造りを手伝うが、その途中で常世の国へ去ってしまう。その常世の国に生えているのが非時香菓(後略)」
『あとがき』より
なつめ以外の菓子職人を目指す人々も、照月堂の子供たちも含めてまだまだおりますし、いずれその後を書くことができたらと願ってやみません。(「後日談」がある、ってことですね?・・・楽しみに待ちましょう)
【ネット上の紹介】
母代わりの了然尼が建立中の寺の庫裏になつめが越して初めて迎えた秋のある日、駿河で医者をしている兄・慶一郎が突然訪ねてきた。なつめが七歳のときに京の生家で起きた火事の夜以来、十余年ぶりの再会である。兄からは、両親が亡くなった火事の真相が明かされる。一方、京の菓子司・果林堂の御曹司で、江戸遊学中の長門からもたらされた寒天なる材料に興味津々のなつめ。世話になった照月堂を辞め、今後どのような菓子を作っていこうかと模索した後に辿り着いた道とは……。菓子職人を志した娘・なつめの物語、ついに完結。
「ニッポン博物誌」矢口高雄
当時サルはマタギたちにとって またとない狩猟対象獣であった
なにしろ その毛皮は1枚で熊の毛皮3枚分に相当する値段でとりひきされていたし・・・・・・
胆のうもまた熊の胆のうと同じ要領で精製したものが子供のひきつけの妙薬とされ・・・・・・
骨もまた たき火で乾燥しサメ皮ですって粉末にしたものが病気によくきくといわれていた
秋田県増田町に伝わる「義人久蔵伝」をもとに創作されている
【参考リンク】
「羆風,飴色角と三本指」戸川幸夫/矢口高雄
「マタギ」矢口高雄
【ネット上の紹介】
矢口高雄画業50周年。名著復活第一弾!大自然の掟を厳粛に描きだす感動のドラマ集。矢口高雄の隠れた名作『ニッポン博物誌』の初の文庫化! 730ページ以上の大ボリューム。限りなく美しい日本の自然!だが、その美しさの陰には、食うものと食われるもの、栄えるものと滅びゆくものの、あまりにも厳しい大自然の掟があった!!しかし、悲しみにいろどられた争いのなかには、われわれ人間を深い感動の世界へいざなうドラマがある。大自然のなかで懸命に戦い生き抜く動植物と、その生命の厳粛さを見つめた矢口美学の結晶。全20編一挙収録。待望の文庫化。
「猫の傀儡」西條奈加
大江戸「猫」捕物帖。
時代小説+猫が主人公。
人間を傀儡として操り、猫が犯罪捜査をする・・・画期的な時代小説だ。
P8
オレはミスジ。二歳のオス猫だ。
人を遣い、人を操り、猫のために働かせる。それが傀儡師だ。
P11
「(前略)江戸の猫の尾は、総じて長いんだとよ。西へ行くほど短くなるそうだぜ。面白いと思わねえか?」
P155
「吹き矢は含み針と同じたぐいで、流派によっては武芸十八般にも入るそうです。十八般は、もとは唐から渡ったもので、今昔や流派によっては中身はさまざまなんでさ。十八を超えることも多いとききやした」
【ネット上の紹介】
猫町に暮らす野良猫のミスジは、憧れていた順松の後を継いで傀儡師となった。さっそく、履物屋の飼い猫・キジから、花盗人の疑いを晴らしてほしいと訴えられる。銅物屋の隠居が丹精していた朝顔の鉢がいくつも割られるという事件が起こり、たまたま通りがかったためにその犯人扱いをされているという。人が絡んでいるとなれば、人を絡めないと始末のしようがない。ミスジは傀儡である狂言作者の阿次郎を連れ出すことにした―。当代屈指の実力派が猫愛もたっぷりに描く、傑作時代“猫”ミステリー!!
「離婚してもいいですか?」①野原広子
心の揺れがみごとに再現されている。
エンディングは、賛否両論でしょう。
でも、感情をストレートに表現するシーンを読めて、私はOKだ。
それだけで、読んでよかった、と思える。
好きだったものが嫌いになったとき
それはもう好きにならないような気がする
もうたくさん!
あなたとは生きていけない
もうダメ 別れよう
揺れるな私
負けるな私
私のやろうとしてること まちがってないよね
【おりに】より
P154
結婚すれば幸せになれると思っていた。
今は、離婚すれば幸せになれると思ってる。
でも、結婚して幸せになれなかったように
離婚して幸せになれるとは限らない。
(でも、苦しみから逃れられる・・・経済的に困窮するし、子どもの転校手続きも必要だけど)
【参考リンク】
「わかれ縁」西條奈加 -
植木の剪定、除草、殺虫剤の散布をしてもらった。
5人、朝7時から11時半まで。
この歳になると、自分では出来ない。
雑草を抜くだけで、疲れるし、虫に噛まれる。
庭がすっきりした。ありがたいことだ。
41,000円+飲み物代1,000円。
「代理母、はじめました」垣谷美雨
近未来の日本が舞台。
代理母問題を扱っている。
P75
「慈善事業じゃないんだ。ここだけの話だが中絶は儲かる」
P96
「結婚制度なんて、国が庶民を統治しやすくする目的で作られた契約に過ぎません。夫はいらないけど子供だけ欲しいんです。(後略)」
P212
卵子採取するための排卵誘発剤は刺激が強く、副作用がある。卵巣が腫れたり、腹痛、吐き気、頭痛、めまいなどがあることもあり、悪化すると血液が凝縮して腹水が溜まって血栓ができややすくなる。その結果、脳梗塞で最悪の場合死んでしまったり、後遺症が残ることもあるのだ。
【ネット上の紹介】
独身のまま子供が欲しい、もう不妊治療をやめたい、五十を過ぎたら、家族は持てない?…貧困と虐待から脱するため、少女ユキが始めたのは“代理母ビジネス”。葛藤と不合理だらけの“命”の現場で、医師の芽衣子やゲイのミチオとタッグを組み、女たちの自由を求めて立ち上がる―!不妊、高齢、独身、ゲイ―もう“タブー”だなんて言ってられない。「子を抱きたい」人々と女たちが手をつなぐ出産革命小説。
「私の少女マンガ講義」萩尾望都
P74
日常生活を安全に平穏に過ごすための術も必要で、ルールや決められた思考が安全域にあるんですけれど、不思議なことにそれだけでは人間は窮屈になってくる。SFは自分の自由感覚を取り戻すのに一番よい扉なんじゃないでしょうか。
P78
確かに少女マンガに登場する男性には、マッチョ系はあまりいません。一見すると女性が男装したような、スマートでヒゲも生えず汗もかかないような、性のない存在です。なぜなら、少女マンガの世界は一種のファンタジーで、恋愛するにしても、それはファンタジーの中のことだからなのです。
P133
マンガのオーソドックスな「基本」を描いているのが、横山光輝先生と手塚治虫先生、そしてちばてつや先生です。だいたいこの三人の技法を押さえておけば、マンガの基本は描けるでしょう。
【感想】
聞き手が矢内裕子さんで、けっこうツボを押さえた質問と合いの手を入れている。
【ネット上の紹介】
『リボンの騎士』から『大奥』まで、少女マンガの歴史をひもといたイタリアでの講義を完全収録。創作作法や新作『春の夢』など自作についてもたっぷり語り下ろす。
1章 イタリアでの少女マンガ講義録―『リボンの騎士』から『大奥』へ 少女の、少女による、少女のためのメディア(少女マンガの歴史
自作についての解説
質疑応答―イタリア人聴講者からの質問
イタリア人ジャーナリストによるインタビュー)
2章 少女マンガの魅力を語る―読む・描く・生きる(少女マンガは生きている
私の創作作法)
3章 自作を語る―『なのはな』から『春の夢』へ 3・11以降の作品たち(『なのはな』―鎮魂のありか
『プルート夫人』『雨の夜―ウラノス伯爵―』『サロメ20××』―放射性物質三部作
『福島ドライヴ』―音楽から生まれる物語
『なのはな―幻想『銀河鉄道の夜』』―日常への回帰
『王妃マルゴ』―愛とエロスの王朝ライフ
『AWAY』―子供が作る未来を信じる
『春の夢』―ドアを開けたら、ずっと彼らはそこで生きていた)
第1シーズン=8話
第2シーズン=10話
第3シーズン=8話
何不自由ない主婦ミセス・メイゼルがヒロイン。子どもは2人。
ところが、夫が秘書と浮気したと告白したことから、人生が激変する。
ドラマというと、若い男女がくっつく話が大半。
でも真におもしろいのは、離婚劇。(第三者なら)
なぜなら、時間・労力・お金を格段に必要とするから。
(言い換えると、出会うより縁を切る方が難しい、と。山も登るより下りる方が難度が高く、怪我・事故の確率が上がる)体力とパワーも半端なく要求される。
だから、ドラマとして盛り上がる。
しかし、致命的な欠点がある。それは、話が暗くなること。
本作は、離婚問題を取りあげながら暗くならない。
コメディとして昇華している。
サクセスストーリー、人生案内、業界お仕事ドラマとしても面白い。
1950年代のユダヤ人社会、ショービジネス業界、ジェンダー問題、当時のファッション・風俗が描かれるのも興味深い。テンポのよい会話で進行し、ほんと、何度観てもあきない。
①#8
「君は多くを持っている」
「多くって?」
「出会う女の子が魅力的な容姿か 聡明な頭脳か ユーモアがあるか 親ウケがいいか その1つか2つでも幸運だ だが君はそのすべてを持っている」
①#8 妻をやじる客と喧嘩する夫「彼女のどこがつまらないんだ 彼女はおもしろい」・・・このシーンは泣かせる。夫の複雑な感情を表現したシーン
②#1 舞台がパリに移動
②#3 ニューヨークに戻る
②#4 家族でキャッツキルへ・・・ダーティダンシングの世界だ!
②#5 リジー・ボーデンの劇が上演されている(当時の有名な事件で、実父と継母が斧によって殺害された。迷宮入り・・・リジー・ボーデン - Wikipedia)
②#9 チャリティTVに出演・・・いやがらせを受けて、深夜最終枠にされてしまうが、みごとに盛り上げる・・・好きなシーン、アドリブ即興、当意即妙
②#10 「人生あとで気づくことばかりだな」(ほんと、そのとおり・・・後悔ばかり)